刑務所内に中学校がある松本少年刑務所での講演と見学 | 夢は、世界中の再非行を減らし、笑顔を増やすこと

夢は、世界中の再非行を減らし、笑顔を増やすこと

僕は、情けないことですが、再非行を増やし、笑顔を減らしてきた、元非行少年
今の夢は、世界中の再非行を減らし、笑顔を増やすこと
自分と未来は変えられる
でも、一人では変えられない

平成29年7月21日(金)は、長野県松本市にある松本少年刑務所内の体育館で、松本少年刑務所少年母の会の総会があり、再サポの近田副理事長と一緒に講演をさせてもらった。

 

松本少年刑務所少年母の会とは

松本少年刑務所青少年受刑者の更生自立を促進するため青少年受刑者の親代わりとなり、物心両面より激励援助することを目的として、昭和29年に設立されました。以後、青少年受刑者の教育、職業指導、レクリエーション等について、講師、指導者の派遣、映画演芸の提供とその経費の援助等の事業を行っております。

 

ボランティアで罪を犯した人の更生を応援している会としては、保護司会、更生保護女性会、BBS会、篤志面接委員連盟、少年友の会は、再非行防止活動を通して、ご一緒させてもらうこともあるけど、少年母の会という団体については、初めて知った。

松本少年刑務所母の会の会員は受刑者の親ではなくて、地域の方々であることや、会員が約1000名おられることには感嘆した。

 

講演前に、松本少年刑務所内にある旭町中学校桐分校で中学校教育を受けておられる4名の方が歌を披露してくださった。

2名の方は、中学卒業をしていないため桐分校で中学卒業資格を得るために勉学に励んでおられる。

2名の方は、中学卒業資格はもっているが、もう一度、中学校教育を受ける意思をもっておられるようで聴講生として勉学に励んでおられる。

 

桐分校の入学資格は、全国の受刑者が対象であり、義務教育未修了者であること、刑務所内での生活態度が良好で学習意欲があるなど。

 

講演では、高坂からは2度目の少年院を出たあとも、成人になってからも、生き直しができなかったことや、24歳の時に生き直しの決意はしたものの、多難の連続で、それでも今があるのは、家族や、今までに自分と真心込めて関わってくださった方々の存在があったからだということをお話させてもらった。

松本少年刑務所は、B級(累犯)の少年刑務所なので、少年院に数回入ったことがあったり、刑務所入所が2回目以上の26歳未満の人たちが収容されるため、成人になってからも犯罪を重ねていた自分にとっては、特に他人ごとではない気持ちでお話させてもらった。

近田副理事長は、再サポの法人説明や、非行少年の自立までに必要な支援についてお話した。

 

講演後は、松本少年刑務所内の見学。

再サポからは、近田、高坂だけでなく、他3名の役員も参加させてもらった。

見学後は、刑務官の方々と意見交換。

 

見学と意見交換の際に、学ばせていただいたことを以下に列挙。

 

職業訓練は6つ。

    自動車整備科。

    電気通信設備科。

    情報処理技術科。

    内装施工科。

    ビジネススキル科。

    生産技術取得訓練科。

 

1日、6時間~8時間程度、作業に取り組んでいる。

工場内や、工場で作っている製品を見せてもらったが、コンビニで売っている水引など、見たことのある製品が複数あり、これは刑務所で作っていたのかと驚嘆した。

他企業から仕事を請け負っているため、納期に間に合わないといけないので、残業をすることもある。

受刑者の給料は、作業報奨金と言い、1等工から10等工によって金額が分けられている。

週5日作業に取り組んだとして、月1000円ぐらいの人もいれば、月2万円ぐらいの人もいる。

工場の中には、自動車やバイクの工場があり、誰でも車やバイクの修理を松本少年刑務所に依頼することはできる。

実際にお客から預かっている車やバイクが置いてあった。

車の洗車も受けているようで、料金は1台500円。

 

松本少年刑務所には、所内に中学校があるだけでなく、長野県松本筑摩高校の協力により通信制高校の授業も受けられる。

現在、19名の受刑者が通信制高校の授業を受けている。

 

10代の少年受刑者も、受刑している。

少年受刑者には、別のカリキュラムも用意している。

個別担任がついていたり、日記指導もある。

 

帰住先は、親が55%、更生保護施設等18%、調整中10%、親戚6%、妻・内妻4%、その他は知人や雇用主

満期出所の場合は、刑務所側は帰住先を把握していなくても出所となる。

 

平成28年の満期出所は、約20%。

約80%の仮釈放の人は、残刑の平均が3か月と28日。

 

約200名が受刑しており、愛知県から約半数が来ている。

 

暴力団組員は松本少年刑務所には送られず、他の刑務所に送られるため、暴力団組員はいない。

刺青は半数以上の人が入れている。

 

刑務官は受刑者を名前で呼び、受刑者は刑務官を「おやじ」「おやじさん」「先生」などと呼ぶ。

 

受刑者は、部屋の中では他の受刑者との会話は自由にできる。

21時以降は消灯となるため、会話はしてはいけない。

 

出所前の2週間は、出所前教育をおこなっている。

保険、年金、住所変更などなど、社会で生きていくために必要な手続きや、知識などの教育をおこなっている。

 

 

 

僕の感想としては、「少年院」も「少年刑務所」も「少年」というフレーズはついているが、異次元の世界のような印象を受けた。

少年院は厳しくて自由の少ない全寮制の学校で、少年刑務所は厳しくて自由の少ない住み込み就労のように感じた。

少年法適用年齢引き下げが議論となっている今、少年院教育と、少年刑務所での刑罰の違いを検証したり、本人や家族などの当事者の心の声に耳を傾ける必要性が強まっていると思う。

最も大切なことは、少年も、26歳未満の人も、罪を犯した人が、再非行・再犯をしないようにするためには何が大切なのかということを熟議して、決定していくことだと思う。

そして再非行・再犯を減らして、新たな被害者を生み出さないようにし、罪を犯した人たちが税金で支援を受ける立場から、税金を納める立場に変われるための処遇や環境整備に取り組んでいくことが求められるいると思う。(共に生きるスタイルはさまざまなので、さまざまな事情で税金で支援を受けながら生きていく方も、大切な社会の一員だと思っています)

 

講演、見学後は、松本少年刑務所に受刑中の青年の面会をおこない、愛知に戻った。

面会をさせてもらった青年とのご縁を大切にさせていただきながら、こちらでできることはベストを尽くさせてもらい、青年の未来の幸せを心から願うばかり。

 
 
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