『The Midnight Library』② | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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さすがに400ページオーバーの本が

二冊同時進行していると

けっこうなハードさでございまして

 

気がつけばいつのまにかもう、

新しい年になって三週間以上。

 

今さらですが、今年もどうぞご贔屓に。

 

また翔子様、lionheartvega様には

コメントどうもありがとうございます。

いつも大変嬉しく拝読しております。

 

新装版『君の名残を』も

今かなり素敵な表紙を

作っていただいているところです。

 

御期待下さい。

 

さらには、落ち着いてくれるのかな、と

思っていたコロナの方も

 

なんだかまた大変なことに

なってきておりますが、

 

皆様引き続き御自衛くださいますよう。

 

 

さて今回は記事タイの通り、

こちらの本のご紹介。

 

 

以下はまず、例によって

版元様からの紹介文です。

 

 

・全英1位! 世界43カ国刊行

・英米Amazonで驚異の20万レビュー超え

・RMやV、JINをはじめとする

BTSメンバーが読んで話題

 

その図書館には

 “選ばなかった人生"が待っていた。

 

各国でロングセラーの話題の1冊が

ついに日本解禁!

――あなたには、やりなおしたい

過去はありますか?

 

ノーラはその日人生のどん底にいた。

飼っていた猫を亡くし、仕事をクビになり、

 

いくら悲しくても

話を聞いてくれる家族も友人もいない。

頭をめぐるのは後悔ばかり。

 

「私がもっといい飼い主だったら」

「両親にも亡くなる前に

もっと親孝行ができていたら」

「恋人と別れなければよかった」

「故郷に戻らなければよかった」

 

生きている意味などもうないと、

ノーラは衝動的に自らの命を絶とうとする。

 

だが目覚めたとき、目の前には

不思議な図書館が佇んでいた――。

 

『In the SOOP』でRMやV、JINをはじめとする

メンバーがこぞって読んだことでも話題の、

今こそ読みたい、

優しさに満ちた世界的ベストセラー小説。

 

 

とまあ、こんな感じです。

 

 

僕が担当者様と本書の話をし始めたのは、

一昨年の11月くらいのことでした。

 

その頃は上で触れられている

英米アマゾンのレビュー数も

 

まだせいぜい5000件くらいでした。

 

それがなんか、あれよあれよと、

五桁に乗って、その先も

急激に増えていくものですから、

 

できるといいよね、みたいな

話をしていた記憶があります。

 

韓国語版が出たのは

確か四月くらいのことでして、

 

それと前後してようやく話が

本決まりになったんだったかなあ。

 

だからまあ、僕がせっせと

訳稿作っている時には、よもや

 

“BTSメンバーが読んで話題”

 

なんて強力なコピーがつこうとは

考えてもいなかった訳で

 

いや実際、人生って

思ってもいないようなことが

 

本当に起こるものなのだなあ、と、

改めてつくづく。

 

 

原書を初読の時に僕が

一番思い出したのは

実はエンデの著作でした。

 

『モモ』とか、あの辺り。

 

なんかこう、手応えが

似てる気がしたんですよね。

 

短い章が、小気味好く積み上がって

物語が進んでいく感じとでもいうのか。

 

実際本書、章分けが

かなりどころでなく細かいんです。

 

章題なしの章とかもあるんで

数え方によっては

多少前後するかもしれませんが、

 

とにかく70は超えている。

 

しかも、一行や二行だけの章とかまである。

 

この辺りがどうも

僕が児童書っぽく

感じた理由のようです。

 

ですからいわばこれ

“大人向けの児童書”

なんだろうと思っています。

 

などと考えていたらさもありなん、

作者のマット・ヘイグという方

 

児童書もノンフィクションも

手掛けていらっしゃっるようで

 

しかも本国イギリスでは

その児童書の方で、

大きな賞を獲られている模様。

 

 

さて本編ですが、

「雨をめぐる会話」という章題の

プロローグから始まって

 

書名そのままの

「真夜中の図書館」の章とか、

 

「扉」「反物質」「弦理論」といった

素っ気ないくらいの章題があれば

 

「ここには犬がいるのに

どうしてほかの宇宙なんて要る?」

 

なんて、中身の予想がつかないような

章題がいきなり出てきたりもします。

 

まあ、順番に読めばまったく

不自然ではないのですが。

 

たぶんこの手法が、本書のいわゆる

リーダビリティーを上げるのに大きく

貢献しているのだろうと思います。

 

その読みやすさを損なわないような

訳文ができていればいいのですが。

 

 

『デイジー・ジョーンズ~』では、

“偽のオーラルヒストリー”という言い方で

全体の技法を表現したのですが、

 

これもまた、読みやすさに

大きくどころでなく貢献している。

 

そういういろいろな工夫が

まだまだあるものなんだな、と

続いたこの二冊の仕事で

改めて気づかされている次第です。

 

 

その『デイジー・ジョーンズ・

アンド・ザ・シックスが

マジで最高だった頃』には

 

梅田蔦谷書店の河出真美様から

早速レビューを寄せていただいております。

 

こちらの左右社様のノートのページで読めます。

 

『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』がマジで最高だったところ(梅田 蔦屋書店 河出真美さんによるレビュー)|左右社|note

 

そういうわけで

 

1/27 『デイジー・ジョーンズ~』

2/4 新装版『君の名残を』上下

2/9 『ミッドナイト・ライブラリー』

 

といった感じで、

各書店様に並んでまいりますので

 

お目に止まる機会がありましたら

どうぞよろしくお願いいたします。

 

いや、去年の夏までは、

よもやこんなに矢継ぎ早になろうとは

まるで想像もしていなかったので、

 

本当、思ってもいなかったようなことが

起こるのが、人生のような気もします。

 

この辺も微妙に

『ミッドナイト・ライブラリー』の

中身とエコーしていたりするんですけれど。

 

 

さて、今日は『鎌倉殿の13人』の第三回。

僕も楽しみに観させていただく予定でおります。

 

正座待機まではしないけど。

 

そのうちに同作にかこつけて

『名残』の話もまたここでしようとは

常々思ってはいるのですが、

 

とりあえず今日のところはこの辺で。