気づけばお彼岸 | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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本当にティッシュや
トイレットペイパーが

スーパーやドラッグストアの店頭から
すっかり姿を消してしまったことには
大層びっくりいたしました。

いや昔、オイルショックというのが
ありましてですね、

大体まあ僕らの世代の人間は
こんなことってまた起こるんだね
みたいな台詞が

挨拶代わりともなっていた訳ですけれど。



そんな中まあ例に寄って
書くのは自分のことばかりで
多少恐縮ではあるのですが

でもここはやはり
僕のブログなので
そこはどうぞ
御寛容たまわりたく。


さて、一月にもちらりとだけ
ここでも触れていたのですが、

おかげさまでこのたび本当に
『黄蝶舞う』という文庫が
重版出来の運びとなりました。

こちらになります。




前の記事の内容と重なりますが、
再来年の大河ドラマの主役が

北条義時に決まったことを
受けての次第でございます。

二つ動いてるんですけれどと、
前回書いていたうちの一つが
実は本件でありました。

ようやく公にできるように
なりましたので、今回御報告。


もう一つについての御案内は
まだ少しだけ先になる予定。

こちらも僕には大ニュースなので
御期待下さい。

創作の新刊でないところが
心苦しいといえばそうなのですが、

でも決まった時はガッツポーズでした。

本当こっちはね、中学時代の自分に
教えてやりたいなとまで思いましたね。

お前三十年後こんなことやるんだぞって。

いや、まだ内緒なんだけどさ。

どうにもついつい書き過ぎてしまう。



とにかくまあそれにしても
この『黄蝶舞う』の文庫、

刊行から八年目にして
ようやくの二刷りという
たぶんそうそうはないだろう
幸運な事態となりまして、

ですからこの七年くらいは
市場にはもちろんのこと

ネット書店にも新刊の在庫が
すっかりないような
状態だったものですから

こちらも相当嬉しく思っております。


特にこの文庫、
表紙の出来がすごくいいのと、

あと書評家の末國善巳さんが
寄せてくださっている解説が
非常にどころではなく素晴らしいので、

もしこの機会に多くの方に
改めてお手に取っていただければ
大変幸甚でございます。

ちなみにオビの惹句はこんな感じになる予定。

 2022年、大河ドラマは、
 「鎌倉」が舞台

 源家三代と北条家の宿命と因縁。
 妖しくも美しき短編集


なお、お店によっては
いわゆるフルカバーオビで
展開してくださる
ところもあるようで、

そちらはもう少し文字量多目です。

主に神奈川になりますけれど。

だいたいどこも、この週末くらいから
買えるようになるのではないかと思います。


さて改めてでは、本書が
どんな本かといいますと

収録全五編が、それぞれに
大姫(頼朝と政子の長女)
初代将軍頼朝、二代頼家、
三代実朝と、その暗殺者公暁の

各主役の死の場面が
クライマックスとなるよう
作り込んであります。

各編が独立しても成立できるよう
個々に完結させてはいるのですが、

全編を貫く仕掛けのようなものも
決してなくはないです。

どういうのが一番いいのかなと
つらつら考えたのですけれど、

結局のところこれたぶん全部が全部
“悲しい鬼”の話なのだと思います。

昔は鬼という語には
むしろ死者の意味の方が
色濃かったはずですので。


本書についてはまたちょっと
改めて書きたいこともなくはないので、

気が向いたらもう少しここでも
詳述するかも知れません。

ただ次にはEBTGの
トレイシー・ソーンの
新刊がまず出てくるし、

『くたばれインターネット』の
コベックもまた取り上げたいしなので、

ポストパンク期の洋楽に
ネット社会を巡る罵詈雑言に
鎌倉武家社会では

ここが一層わけわからんことに
なりそうだなというのが
今の率直な所感だったりします。

次の更新でどれが出てくるかは
自分でもよくわかりません。

めげずにお付き合いいただければ。



あとまあ、これもついでなので
文字にしてしまいますが、

もし万が一、ああ、あるんなら
買ってみようかなとか
今回思って下さった皆様には、

是非書店さんの店頭で、
スタッフの方に

“浅倉卓弥の「黄蝶舞う」って
入ってたりしますか”とか

よろしければ訊いてみて下さい。

作家とかタイトルの類が、
耳から入ってくる機会というのは
ありそうでなかなかないものなので、

重なると結構印象に
残ったりもされるそうなので。

よろしくお願い致します。

あ、言ってみただけなんで
そんなにマジにとらなくていいです。



ちなみにこの『黄蝶舞う』のことを
書いたりなんだりする時には僕は、

今でも必ずついついこれを
引っ張り出して聴いてしまいます。



いや、やはりいいアルバムだ。