無事発売日となりました | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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おかげさまでいよいよ本日発売です。
こちらになります。



今回もどうぞよろしくお願い致します。

まあ正直、ここを覗きに
みえていらっしゃる方は、

『四日間~』なり『名残』なり、
『雪の夜話』といった作品群を、
好きでいてくださっている方だと思うので、

今回は明らかにああいった手触りの
内容ではまったくないものですから、

さてどうお勧めするのがいいのかなと
多少悩まないのでもないのですけれど、

たぶん小説というものの
進化の過程の一つに
位置づけてかまわないのだと思います。

確かにこの言い方は
ちょっと大袈裟であることは
自分でも認めないでもないですが、

でも初っぱなから小説を読んでいる気が
まったくしなかったのは本当ですし。

いやむしろ、
こんなことやっていいんだと、

ある種目を啓かれるような
感触を覚えたくらいです。


もちろん突然変異みたいなものなので、
はたしてアメリカでこの先
こういった手法を踏襲した作品が
出てくるのかどうかは分かりません。

行き止まりの進化というものも
たぶんかつては現実にあった訳ですし。

そういう意味で、だからなんというか
何かの目撃者になるようなつもりで

手に取っていただくのが
一番相応しい本なのかなとも思います。


小説という形式に関心のある方は
業界の内外を問わず是非。

一つの試金石とも成り得るような
そういう一冊だと思います。

ま、基本宣伝文句な訳ですが。



さて、あるいはならまずは
僕の訳によるまっとうな小説が

読んでみたいなという方には
とりあえずはこちらがあります。


グレン・クローズ様が表紙にいる本なんて
たぶん二度と出せないよなあとか
改めてつくづく思わないでもありません。

NYタイムズベストセラーの
常連でもあるだけあって、

この方は本当にお上手です。
一人称のお手本みたいです。

いかにもアメリカの小説だなあという感じ。

もう十五年以上前の作品なんで、
今度の『ネット』と読み比べると、
手触りがだいぶ違っております。

僕は主人公二人の若い頃の
NYのパーティーの場面とかで

それこそ『ティファニーで朝食を』を
思い出したりもしたものですが、

その『ティファニー~』すら
まあ『くたばれインターネット』では
ひどい扱われようです。



それから僕の最初の訳書は
こちらになります。


アルツハイマーの父親のことを
その息子が綴った物語ですから、

当然このサイモンはそれまで
文章など書いたこともなかった訳ですが、

取材に構成にと、たぶん担当編集者による
非常に丁寧な仕事が感じられた一冊でした。

ついでに書いちゃうけど、
本当ハーパーコリンズ本社の
この手のノンフィクションの担当者は、

たぶんものすごい人なんだと思います。

実は今、ついこの前同社から出た
ある大物シンガーの自伝を
読んだりもしているのですが、

なんていうか、本としてのメリハリが
非常に巧妙なんですよねえ。

ひょっとして同じ編集者なのかなと
思ったりしないでもないのですけれど、

いずれにせよ本作は僕自身にも
改めてノンフィクションの力というものを
考えさせてくれた一冊であります。



そしてその
ノンフィクションならではという内容を
大いに楽しませていただけたのが
いわずもがなのこちらです。


絶対トレイシーにしか書けない本で、
しかも彼女でもこの一冊しか書けない。

これこそ本の“強さ”だよなあと
ちょっと思わないでもなかったり。


こうして改めて並べてみて自分でも、
おかげさまで良い本を
出させていただけているなと思いました。

末筆ながら、P-VINE様並びに
ハーパーコリンズジャパン様に
改めて謝意を表します。

原稿に造本にと、非常に丁寧なお仕事を
本当にどうもありがとうございます。



併せ、最後になりましたが、
昨日ラジオで拙著『君の名残を』を
取り上げてくださった大矢博子様に

こんな場所からで大変恐縮ですけれど、
慎んで御礼を申し上げます。

どうもありがとうございました。

ちょっとね、こういう場では
さすが書けないようなことばかり
いろいろあるんで

どうしてもちょっとどころでなく
歯切れが悪くなってしまうのですが、

僕もまた同作が好きな人の手元に
届けられる形ができるよう、

ま、こんな感じで、
自分なりに頑張っているつもりです。


私信めいてすいませんが、
いずれどこかで
お目にかかる機会があればと
常々思っておりますこと、もし伝われば。

では今日のところはこの辺で。


あ、『ネット』の話はまた改めて
続けるつもりでおります。

やはり気分次第ではあるのですが。

それから折角言及したのでついでにこちらも表紙だけ。





たぶん僕の生涯の代表作であります。