追悼 金子國義さん | 浅倉卓弥オフィシャルブログ「それさえもおそらくは平穏な日々」Powered by Ameba

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金子國義さんが
お亡くなりになられてしまった。

直接お会いしたことがある訳では
もちろんない。


ただ、浅いとは決していえない御縁を
頂戴する栄誉に浴させて戴いていた。



以前にも触れた通り、
拙著『ルーシー・イン・ザ・スカイ~』は、
表紙とそれから挿絵に、
金子さんの絵を拝借させて戴いている。

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繰り返しになるけれど、
アリスを素材とした文章で、
金子さんの作品を
挿画として使用できるなど、


本当にこれ以上はないことなのである。
僥倖だったといってもいい。



いわば一方的な形であったとはいえ、
多少の御縁ができていたのだから、
一度御挨拶させて戴いておくべきであった。

正直、歯噛みすることしきりである。

どうやらこういう後悔をなるべく
しないようにしないとならない年齢に、
僕自身も差し掛かってきた模様でもある。



おそらくお名前すらきちんと
存じ上げていないうちから
金子さんの絵には少なからず触れていました。

こういう絵がある、ということは、
こういう世界があるんだ、というような、
ある種の刷り込みにも似た作用、影響を、


まだ十にもならないうちに、
どこかで受けていた気がします。



以来、繊細で丁寧な描線が作り上げる
独特のタッチの作品の数々に、

いつも様々なイメージを
喚起されていたようにも思います。


分野こそ違え、個性的であること、
あり続けることの難しさを


とりわけそれを貫くことのすごさを
痛感している今日この頃でありますれば、

一層敬意を新たにしていたところです。

慎んで御冥福をお祈り申し上げます。