パースペクティヴ・エキスパンション!
どうですかこの見出し。かっこいいだろう? かっこよすぎるだろう? それが俺たちの、やりかた! by〈ピューと吹く! ジャガー〉のハマーさん。
婚活に行き詰っていた4月の上旬、会社の薄汚いトイレで用を足して手を洗っていると、通関部の部長が入ってきました。御年50歳と少し、筋トレが趣味で体格は北斗の拳ばりの逆三角形、背は170センチ弱、髪は黒、筋肉モリモリマッチョマンの変態だ。byコマンドーの警察官。
彼とは一時期埋めがたい確執がありました。部長が筋トレのやりすぎで頸椎ヘルニアを患った際、神経の伝達がうまくいかないせいで怒りを抑えられなくなる、という事態に発展したのですね(ホンマかどうかは神のみぞ知る)。ちょうどそのころ、非常に厄介な輸入案件を抱えていたわたしはことあるごとにトラブルを起こし、部長から鬼のようにキレられていたものです。
そのほとんどが(少なくともわたしからすれば)理不尽なキレられ方であり、一時期会社を辞めようか真剣に検討したほどです。わたしは営業努力として新規顧客を積極的にこなすのですが、輸入貨物がどんなものかわからないとかでムチャクチャに怒られ、すっかりやる気をなくす、というような一幕もあった。
わたし以外にも営業サイドに被害者が増え続け、やっと営業側の部長が重い腰を上げて抗議することになりました。通関部長は深く反省し、頸椎ヘルニアの手術を受けたのであります。その結果、まるで憑き物が落ちたかのようにガラリと人が変わり、菩薩のような性格になった――とまではいかないものの、どんな案件にも喜んで耳を貸してくれる模範的社会人になったのであります。いま考えても嘘のような事例ですが、ホンマの話。
そうした因縁があったものの、いまではすっかり和解しております。部長から直々に「あのときはすまなかった」と謝罪もあったので、留飲は下がっている。ですからトイレで会ったときなんかは気安く話す間柄にまでなりました。
そこでわたしが婚活の愚痴をこぼしたところ、部長からはもっと視野を広げてみてはどうか? というありがたいアドバイスをいただいたのですね。年下にばかりこだわらず、同年配や年上も考慮すべきではないのかと。さすが年長者の言葉は重みが違います。ちなみに視野を広げるというここでのアドバイス、これが冒頭のかっこいい太字タイトルの回収となります。そんだけ。
とはいえ年下厨のわたしですから積極的に同年配にアプローチすることはなかったんですけど、いいね! は運営側から無料で打てる数を支給されます。どういうことかというと、下記のとおりとなります。
・ユーザーが1か月で打てるいいね! 30
・ログインボーナス(1か月あたり) 50
この2点は完全フリーの用途です。ユーザーが望みの女性に割り振ってOK。18歳でも65歳でも大丈夫。80人にいいね! を送れるのなら簡単に出会えそうやなと思ったそこのあなた。わたしのような並み以下の男性は80いいね! 程度ではまったく足りません。マッチング率はよくて8~10%程度です。それはともかく上記のフリー枠に加えて、
・運営指定の無料いいね!(あなたのことが好みかも) 3
・運営指定の無料いいね!(新規登録者) 1
・運営指定の無料いいね!(ある程度選択可) 3
というのがあり、これは送る相手が運営から指定されているのであまり食指が動きません。だいたいわたしの年齢の前後3歳くらい(35~40歳くらいのレンジ)を提示されるので、わたしはいつも脳死でもっとも年齢の低い女性へ適当に送っていました。
年齢の高い女性ほどヒット率は高くなるので、この界隈に送ればあっという間にマッチングが量産されるわけです。たいていはほとんど返事をすることなく放置するんですけど(この文脈に人間性の欠如を覚えた読者は、マッチングアプリという魔境をまったくご存じないのだと釘を刺しておきます、ハイ)、ここで前述の通関部長のお言葉が脳裏をよぎりました。
マッチングした女性は36歳、登山が好きということで、向こうから仲良くしてくださいと早速返事がありました。普段のわたしならレンジ圏外として相手にしなかったのですが、登山仲間だし会ってみるか、と改心しました(何様やねん! と思ったでしょ? 大なり小なりマッチングアプリというのは「自分だけは他の連中と違ってモテるはずだ」という誤った信念を持った男女が集う、地獄の釜のような場所なのであります……)。
なぜこんなことを長々と書いたのかと言いますと、この日は当該女性と会う約束が夜にあったので、登山計画がケツカッチンだったという話をしたかったのです。したがって行程は短め。ご了承ください。
8:20 孫太尾根駐車場~9:10 丸山~9:45 草木~10:10 多志田山~10:40 迷い尾根~10:55 治田峠~11:35 銚子分岐~12:00 セキオノコバ~12:25 遠足尾根分岐(ランチ)~13:00 出発~13:15 竜ヶ岳~14:00 遠足尾根・大鉢山分岐~14:25 大鉢山~14:50 青川峡登山口~15:10 孫太尾根駐車場(車回収)
日時 2024年4月20日(土曜日)
天候 快晴
メンバー 強化人間331(単独)
装備 軽量化装備(調理器具、雨具、食料、非常食、水3リットル)
距離 約16キロメートル
推定累積標高差 約1,200メートル
所要時間 6時間50分(うち昼休憩35分、その他小休止含む)
備考 数年ぶりの孫太尾根
1 ケツカッチンの山行
はどうも尻の据わりが悪いですね(ケツだけにね)。お利口さんな山屋は日没がタイムリミットになるようですが、本来登山なんてつらいばっかりのスポーツなんですから、せめて時間を気にせずのびのびと歩きたいもの。今回は会合が19時からだったので早起きをし、出発は8:20という異例の早さでした。逆算せずにチンタラ出発して遅刻したらカッコ悪いもんね。
まずは孫太尾根登山口のあるお墓まで車で乗り付けました。すると満車で停めるところがない! それどころか自治体が建てたとおぼしき警告文があって、別の場所に駐車場があるからそっちに停めろとのこと。登山口周辺は墓参りの地元民のために空けておいてほしい由。素直に従います。郷に入っては郷に従えと言いますからね。
案内板の通りに進んでいくと、十分なスペースの駐車場に辿り着きました。そこもかなり埋まってまして、いつの間にやら孫太尾根はバリエーション扱いから一般道レベルにまで昇格していたようです。
駐車場からは孫太尾根方面に抜けられる間道が通されており、それを辿って孫太尾根に合流できました。そして驚くべきことに、
こんな立派な指導票が! もはや破線のバリエーションだったころの面影はなく、至るところに指導標やペナントが点在してました。道もところどころ歩きやすいようにつけ替わっていて、数年来ないうちに極楽トレイルと化してました。三重県の財力恐るべし。
一抹の寂しさを覚えながらも、木陰に包まれた気持ちのよい登山道を詰めていきます。中高年のおばちゃんたちがやたらと歩いており、一種のサロンのような趣に。
指導票はしつこいくらいに随時、出てきます。もうバリエーションなんて言わせない! という強い意志を感じます。メモには「整備されすぎ」とあり、複雑な思いを抱きながら登っていたようです。
非常に見づらいですが、写真中央にエテ公が写ってますね。メモには「エテ公素早い」とあり、撮影に難儀したさまが伺えます。それにしてもなんで猿って「エテ」なんでしょうか? ワン公、ニャン公は鳴き声からの連想でしょうが、エテってなによ?
お笑いタレント〈ダウンタウン〉の名曲、〈エキセントリック少年ボウイ〉の歌詞にも出てきますよね。爛れた仲間の一人、エテモンキーです。他の動物の名前もそうですけど(犬ドッグ、鳥バード)、同義語反復になっててシュールなネーミングであります。
さてこのエテ公、安全圏まで逃げるとピタリとその場に停止、首を傾げてガンを飛ばしてきやがるのですよ。人間さまに盾突くたあいい度胸です。なんとなくわたしは猿が好きではないのですが、なまじ知能が高いところが気に食わないのでしょうか。
ニホンザルは狭鼻猿類だったかな。この種族は霊長類のなかでも脳容量が大きく、侮れない連中であります。生きものの知能を見積もる際、脳のサイズは当然重要ですが、これは身体サイズとの比で見なければ意味はありません。
象やクジラの脳はそら大きいでしょうけど、あれだけの巨体を制御するためには中枢神経系も巨大化せざるをえない、というだけの話。この比が飛びぬけて大きいのが人類でして、知能が高いとされるイルカやらチンパンジーやらなんざ勝負にもなりません。
脳容量が大きけりゃ偉いのか? この塩梅が難しい。人間だけは特別だと驕り高ぶればキリスト教みたいな考え方になっちゃう。かといって人間も卑小な動物の一種だと卑下すると、アニマルライツを唱道するようになっちゃう。ちなみにアニマルライツとは、ゴリラやチンパンジーなど知能の高い動物にもヒトと同様の人権を付与せよ、と主張する人びとの思想です。そ、それはさすがにねえ……?
進化生物学者のリチャード・ドーキンスという傑物がいまして、わたしは彼の著作に大きな影響を受けた口であります。特に〈利己的な遺伝子〉は名著中の名著、これを読まずしてなにを読むというのか?
作品名 利己的な遺伝子
著者 リチャード・ドーキンス 訳 日髙敏隆
ジャンル 自然科学
おススメ度 ★★★★★★★★(5点満点中8点!)
一言コメント 全人類必読の一冊。
「はじめに」で冴えた中学生にも読めるというような文言があり、わたしはずいぶん安心して読み進めたものです(冴えた中学生が理解できるかどうかは疑問の余地がありそうですが)。とはいえ一般教養のある大人なら詰まることなく理解できるはずです。いまよりも数倍頭の悪かった当時のわたしが読めたのですから折り紙付きでしょう。
さてご紹介した著作をきっかけにして、わたしはドーキンスに心酔するようになりました。彼の著作から無神論、科学合理主義、進化論の要諦を学び、アホから人並みくらいにはなれたと自負しております。
ただひとつ! ひとつだけドーキンスと相容れない点がありまして、それがアニマルライツなのであります。彼は動物に傾倒するあまり、ヒトと動物の区別がつかなくなってしまったようで、臆面もなく動物の権利とやらを唱えているのですね。ゴリラに人権があるとかなんとか、さすがに擁護できません。
つくづく思うんですけど、熱帯雨林を守ったりゴリラを保護したり絶滅危惧種のために法律を作ったりする前に、まずは恵まれな人びとのためにお金を使うべきではないでしょうか。ゴリラの人権(ゴリ権?)を守る前に、北朝鮮で食うや食わずの生活を強いられている人びとの人権を守るべきではないでしょうか。
環境保護、動物愛護という諸概念とは、所詮先進国で何不自由なく暮らす有閑階級の思想なのですね。自分たちは満ち足りてるので悲惨な生活なんか想像もできない。むしろ近所で野垂れ死にしている犬猫のことが気になってしまうようです。
わたしは幼少期のころ、近所の家からパンの耳を揚げた代物をもらっておやつにしていたような暮らしをしていたため、貧しい生活がありありと想像できます(これでも後進国の子どもたちよりはるかに恵まれているのでしょうが)。こうした貧乏体験をしていれば、動物の権利なんかよりもまず俺を助けてくれと言いたくもなりますね。
わたしの旧恋人もドーキンスと同じ類の人間でした。彼女はやたらと環境保護が大切だからペットボトルは使っちゃいかん、紙パックしか買わん、原発反対と声高に叫んでいたのですが、それは彼女が恵まれた家に生まれたからなのでしょう。何不自由なく習い事をさせてもらい、よい大学に入り、順風満帆な人生を歩んでいるからこそ環境保護にまで気が回った。いうなれば贅沢な思想であります。
環境保護をはじめとする左翼思想は、労働者や弱者におもねる政治思想です。ところが当の主張者はだいたいみんな恵まれた立場の人間であることが多い(弁護士、教師、マスコミ、医師など)。わたしのように地面を這いずり回って生きてきた人間からすれば、率直に言って連中の主張は鼻につくのですよ! 大きなお世話ですし、貧乏生活がどんなものか知らないやつらからのお節介ほど腹立たしいものはない。
左翼陣営とは結局のところ、「強者をくじき弱者を助けるあたしたちカッコいい」程度の認識なのです。お金に余裕のある上層階級の気まぐれなのです。庶民の感覚は、人生とは己の力のみで切り開いていくもの――すなわち自助努力がベースのはず。自助努力=保守主義ですから、保守政党が政権をとるのは当たり前ですね。
あのー、ま~だ時間かかりそうですかね~?
ハイハイ、では〆ましょう。以上のお話はエテ公から日本の政治マジョリティを考える、というものでした。ちゃんちゃん(いや、オチてねーし……)。
9:45、草木(834メートル)着。時節がよかったのかかなりの人出で、至るところに中高年パーティ、単独のおっさんなどが蠢いてました。孫太尾根はもはや静かだった面影はなく、完全に大衆化されたようです。山ガールはいませんでしたが。
草木からも気持ちのよいトレイルが続きます。癒されますなあ。
癒されたのも束の間、多志田山(945メートル)への登りはすさまじい急登です。ちょっと体型のふくよかな青年3人組がいて、彼らも血反吐を吐いておりました。10:10でした。
多志田山から派生する尾根に乗って治田峠方面へ。多志田山は典型的な三角錐のピークで、①孫太尾根、②治田峠方面への尾根、③藤原岳への尾根の3つのルートが合流しています。道を間違えないよう慎重に。
治田峠へ向かってテクテク歩いていると、シマリスが姿を見せてくれました。写真中央付近にいます。外来種で駆除対象とのことですが、やっぱりかわいいですね。
道は整備されすぎの感すらあります。脳死でひたすら南下すればOK。
10:40、迷い尾根。前々から指導標は割れていましたが、かろうじてくっついていました。ここ数年のあいだについに右半身を失ったようです。南無成仏。
画像検索したんですけど、イマイチそれっぽい名前がヒットせず。どなたか教えてください。
10:55、治田峠着。ここに来るのも久しぶりです。青川峡キャンピングパークへ降りていく沢ルートは開通したのでしょうか? かつてそのルートが通行止めだった際に「関係ねー」などと意気込んで降りていってしまったことがあります。
当然のごとく遭難寸前にまで追い込まれました。当時のわたしが地図もろくすっぽ読めないザコだったのは差し引いても、相当の修羅場でした。気になる方はこちらの記事をご参照ください。
滋賀県側の伊勢谷へ下っていく登山道をのぞき込んでみます。この道はだいぶ荒れているうえに夏季はヤマヒルがわんさか出ることで悪名高い。滋賀県在住登山ブロガーの「やましじみ」さんは本ルートを題して「ヤマヒル銀座」と名付けていました。ネーミングだけで現場がどれほど悲惨かわかろうというもの。
治田峠を過ぎてからは激登り、激下りの2座(銚子岳、静ヶ岳)が待ち構えています。それらを超えた先に竜がいるのですね。この2座は竜を守る前衛峰といえるでしょう。
11:35、銚子岳分岐(銚子岳は華麗にスルー)、12:00、セキオノコバ(静ヶ岳は華麗にスルー)。メモには「このへんとても美しい」とありました。セキオノコバ周辺は人も少なく、雰囲気はよく、最高のレストポイントであります。
なにやら薄汚い沼のようなものが。新緑の時期に来ると非常に美しいのですが、まだ冬枯れしておりなんともいえない不気味な様子。
何度もしつっこいけれども、セキオノコバ周辺はおとぎの国に迷い込んだかのような塩梅です。竜ヶ岳周辺は主稜線にライト層が群がっているので、静かな山がお好きな方はこちらに逃げ込んでみてはいかがでしょう。
もうひとつ沼がありました。こういう外界から隔絶された水系にも生態系が構築されてるのって不思議ですよねえ。考えれば考えるほど生きもののいる理由がわからなくなります。
この沼にメダカがいるとしましょう。彼らはいったいどこからやってきたのでしょうか? 魚類は水中の酸素を鰓から濾しとることで呼吸してるでしょ、そうなると水系はつながっていなければなりません。魚類がピチピチ跳ね飛びながら移動できる距離はどう頑張ってもせいぜい数メートル程度でしょうから、下界の川から標高1,000メートル付近まで一足飛びにワープしたのでなければ、彼らの存在を説明できません。
イモリなどの両生類ならわかりますが、独立した沼になぜ魚がいるのでしょうか? 下界の池ならまだわかります。かつては湖ほどのサイズだったのが干上がってしまい、池レベルにまで格下げされた。過去には川を経由して汽水域から当該湖へ魚が泳いできたけれど、干上がるにつれて外界からの流入はなくなり、現在は閉じ込められた魚たちが虜囚生活を送っている――。おおかたこんなストーリーでしょう。
ではセキオノコバ周辺の池は? 周辺にここよりも高い場所がなく、もちろん水系もない。よそから魚たちがやってくる川はないわけです。そうなるとこの沼限定の進化が起こったのか? 収斂進化? この伝でいくとあちこちの山の池にいる魚たちすべてがバクテリアから始まって、現在の形に独立に進化したことになります。さすがにそんな途方もない偶然はあるまい。
お魚たちは……どこから来て どこへ行く? そんなものは……このわたしが 破壊する! byFF6のケフカ。というわけで池の生態系の謎は解けずじまいでした。年取ったらこういう山の素朴な謎を研究するライフスタイルもよいですね。最近とある事情で遠方のハードな山行が続いているので、さすがにちょっとしんどくて……。そのうちそれらも掲載されるでしょう。
池をあとにして、相変わらずすばらしい稜線を歩き通し、
12:25、遠足尾根に合流。一気に人出が爆増し、さながらテーマパークのようでした。時間もよい感じなのでここでランチとします。稜線から若干下がった山腹で荷物を展開し、風を凌ぎます。いつものカップラーメンと総菜パンをかっ込み、13:00出発。
13:15、竜ヶ岳(1,099メートル)着。つい先週も立ち寄ったので新鮮さはなし。ただもう人の多さに驚くばかりです。なんでこの山ってこうも人気なんでしょうか。景色は確かによいけれども、宇賀渓にはヒルがゲリラよろしく大量に潜んでいます。みなさん吸血鬼が隠れていることを知らずに登ってるんでしょうか? それは勇気ではなく無謀なような……。
この人出です。竜ヶ岳は鈴鹿のテーマパークといっても過言ではありません。
御池岳がうっすらと霞んでいます。航空母艦のような佇まいには毎度圧倒されますね。大艦巨砲主義がすっかり廃れた昨今、いまでは原子力潜水艦が最強の海上兵力であります。原潜とはいわば、移動式核ミサイル発射プラットフォームであり、これを保有していれば他国への核恫喝なんてやりたい放題です。
不見識で恐縮ですが、最近AMEBA TVの動画で中核派なる超タカ派の共産主義者がいることを知りました(杉並区議会議員の女性議員)。こいつらのヤバさは特筆に値します。原潜による核恫喝を台湾へかまし続け、年率10パーセントを超える資金を軍拡へ注ぎ込む覇権国家たる中国が、日本とアメリカによる軍事侵略の危機にさらされていると主張しているのです!
いいですか、「中国が西側諸国へ侵略戦争をしかけようとしている」ではなく、「西側諸国が中国へ侵略戦争をしかけようとしている」と主張していたのです! これにはわたくし度肝を抜かれてしまいました。長いこと生きてるとそうそう驚くような場面に出くわさなくなるけれども、この動画はまさに驚天動地、青天の霹靂でありました。
中核派の女性議員は意地でも中国を擁護する立場を崩さず、故安倍首相の国葬問題を中国侵略戦争に持っていくというアクロバティック理論を展開、スタジオ全員を唖然とさせておりました。
ぜひ一度ご覧ください。みんな大好きひろゆきさんも出てきます。「洞口朋子 AMEBA TV」とでも検索すれば見られるでしょう。わたしは折に触れて共産主義を批判してきましたが、この動画1本見ればなぜそれほどまでにわたしが目くじらを立てるかがわかるはずです。彼らは戦争批判をしているつもりでしょうが、中国を擁護している時点で戦争推進派なのです。
さてあとは青川峡へ向かって下山するだけです。遠足尾根はいったい何年ぶりでしょうか。すっかり宇賀渓から入山しなくなって久しいです。メモには「ウグイスの鳴き声 終始よい雰囲気」と書いてありました。
薄曇りですが、それでも竜ヶ岳の山容は映えますね。まだお昼ですからどんどん人が登ってきます。
しばらくこないうちに木道が整備され、ただでさえ歩きやすかったトレイルがさらなる進化を遂げてました。さすが入山料を徴収してるだけはあります。換言すれば、正面から登ると支払いが発生するため最近はとんとご無沙汰だとも言えますが。
藤原岳方面。写真中央やや上に、右側へ向かって伸びている尾根がおそらく孫太尾根でしょう。この構図、山が立体的に見えてけっこうカッコいいですね。
何度も振り返ってしまう。気候も穏やかで最高の山日和です。
ずいぶん下ってきました。道は顕著な踏み跡となっており、迷いようがありません。
14:00、遠足尾根が90度ポッキリと折れる地点が分岐になります。かつてはトラロープが張られただけの分岐ともわからぬポイントだったのですが、いつの間にやら指導標まで整備されてしまったようです。大鉢山方面には「未整備のため道ありません」と恐ろしげな文句が。
ちなみに噓八百でして、ちゃあんとバッチリ道はつけられています。わたしのようなバリエーションをやる人間にとって、この程度はベルトコンベヤのようなもの。ペナントもばっちり巻いてあり、迷うようなポイントはほぼありません。
途中船窪地形になるポイントだけは要注意。道が別の尾根につけ替わるのですが、落ち葉が堆積していてシフトポイントがわかりづらいうえ、なぜかペナントも少ないです。よくあたりを見回して、ザザザッと尾根を横断してください。留意すべき点はそこくらいです。
14:25、大鉢山着。ピークがちょっと外れているせいで気づかないまま通り過ぎてました。
このように大鉢山より下も随時、ペンキマークで誘導がなされています。
さて本ルート、下部で尾根から沢へ道がつけ替わるのですが、かつてここを日没後、雨のそぼ降るなか下山していた際にトラバースを見つけられず、道なき尾根を這う這うの体で転がり落ちたという経験がございます。今回はそのときの黒星を挽回しようと思っていたのですが、はてさて。
ちなみに周辺の地形図はこんな感じ。前回は闇夜かつ雨ということで視界は最悪、ひたすら尾根を辿れば下山できるはずだという極限状態でした。それが祟って青線の尾根に入ってしまい、例によって等高線は詰まってますのでこけつまろびつ、それはそれはひどい目に遭いました。知らず知らず同じルートに迷い込んだらどうしようと思ってたのですが、
ものすごく顕著なトラバース道がつけてありました。おまけにトラバースポイントには目立つペナントが巻いてあり、脳死で歩いていてもまず直進するような気遣いはありません。
トラバースが終わると道は沢にシフトします。ここも顕著な踏み跡があり、右往左往するような場面はゼロ。分岐点にあった指導標には「道ありません」と書いてあったけれども、まさに噓八百。極楽トレイルであります。
14:50、登山口に到着。立派な道標もありました。ここから林道をテクると青川峡キャンピングパークに着きます。幸せそうなファミリーたちがこぞって肉を焼いており、おいしそうな匂いが道路にまで漂ってきます。なんというか……惨めな気分になってきますね。
さて駐車場に戻るには、地図を見る限り道路を大回りしていかねばなりません。しかしショートカット厨のわたしのこと、そんなお利口さんなルートを使うはずがありません。実は地元民が使っているとおぼしき間道がちゃんと通されてるのですよ。
一挙大公開。青川峡キャンピングパークからセオリールートを通るとなると、ご覧の赤線のように非常な遠回りになりますね。こんなんだるくて歩いてらんないわけです。そこで青線が活きるわけ。山のなかを突っ切っていけば駐車場まで大幅ショートカットになります。地元民も使っているのか明瞭な踏み跡もあり、藪もありません。復帰にお勧めです。
ちなみに緑ルート+青ルートなら最強じゃないかとお思いでしょうが、緑線部分は青川峡キャンピングパークの敷地なので部外者は侵入不可。しょっぴかれたくなかったらおとなしく青線を辿るのがよかろうかと思います。
車回収は15:10でした。おまけとして駐車場の隣に原っぱがあるのですが、なんと、
ヤギが飼われてました。物珍しくて思わず童心に帰り、じっと眺めてしまった。ヤギって野生で存在するんでしょうか? いや、なかなか新鮮でした。
2 コース所感など
孫太尾根を使ったループコースとしては、本ルートは鉄板的な趣があります。どこをとっても難しいポイントはなく、初心者でなければ問題なく周回できるかと思われます。
見どころは稜線に上がってから。治田峠は普段まず通らないルートですし、セキオノコバ周辺も美しい。鉄板の竜もピストンでハントできるし、気持ちのよい遠足尾根までついてきます。終盤がちょっとバリエーションチックですが、経験者なら問題ないでしょう。ぜひ歩いてみてください。
3 反省
反省点なし。文句なしの山行でしょう。36歳、登山好き女性との会合も余裕を持って間に合いました。遅刻するとカッコ悪いからね。
4 温泉
いつもなら一宮市のスーパー銭湯「美彩都 湯友楽」で岩盤浴に3時間こもるのですが、時間的にそれは不可能です。久しぶりにご当地温泉を楽しみました。
今回は会合場所との中間点にある「阿下喜温泉」としました。10年近く前に一度いったきりでしたが、大幅リニューアルされ、近代的な複合施設に変貌を遂げてました。いや、驚いた。これはすごい。温泉自体も内湯、外湯、サウナを完備、言うことなしのお湯でした。さあ会合です!
5 おまけ
アプリ女性との会合結果について。年齢がレンジ圏外だったので、当初はあまり乗り気ではありませんでした。それにどうせ登山好きといったって、「御在所岳が好き!(中道IN、ロープウェイOUT)」とか、「木曽駒ヶ岳が好き!(ロープウェイIN、ロープウェイOUT)」とかでしょ、という先入観があった。
ところがどっこい、彼女は予想に反して完全なガチ勢であり、その程度はおそらくわたしをも凌駕するほどでした。厳冬期もバリバリ八ヶ岳やら唐松岳やらへはせ参じ、ハードシェルに身を包んで寒さに耐えている由。こ、こんな化け物みたいな女性がいたとは……。話がピンポン玉みたいに弾んでしまい、あっという間の2時間でした。
さて次回予告。GWにどこへ行くか焦りに焦った結果、結局鈴鹿山脈縦断テント泊の旅と相成りました。鉄板の藤原岳INではない、ちょっとマニアックなルートになりましたので、気長にお待ちください。さらば!
おわり