南アルプス 仙塩尾根 黎明編 | 強化人間331のブログ

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サイボーグである強化人間331の、つれづれ山行記録。
さしておもしろくもないのは、ご愛嬌。

四十にして立つ

 

中国の諸子百家の誰かがこんなようなことを言っていました(40歳でなんらかの偉業を成し遂げる)。わたしの場合一向にそんな気配はなく、むしろ40歳を目前にして若いころより勃たなくなるという始末(なんの話なんや、なんの)。

 

このままではあかん。全然あかん。ここはいっちょ、40歳にして立ってやろうじゃないの。――という信念のもと、記念碑的な記録を打ち立てるべく、南アルプスの大縦走を計画しました。

 

かつてアビームさんという登山系ブロガーが塩見岳のレポートを掲載しており、わたしはそれを拝読したことがありました。

 

三伏峠でテント泊をして、空身で塩見岳ピストンという内容。彼は塩見岳から伸びる長大な尾根を睥睨し、「仙塩尾根を歩きてえなあ」と感慨にふけった由、記述がありました(あ、仙丈ヶ岳のレポートだったかも)。それからずっとわたしのなかで当該ルートを歩くことが悲願であった――というわけでもないんですけど(ないんかい!)、夏シーズンになると折に触れて、「そういや仙塩尾根とかあったなあ……」と思い出してました。

 

そして気づけば今年で満38歳。もうとうていのんびりテント泊で本ルートを辿る体力も時間もなくなってしまいました。あーあ、またひとつ生涯歩くことのないルートが増えてしまった、と諦めていたところ、シルバーウィークは才媛がヘトヘトに疲れていて、会えないという朗報が(会えんのが朗報なんかいッ! ほやけど男性諸氏にはなんとなくわかっていただけるものと信ずる)。

 

しかも3日間すべて晴れです。2泊すればテント担いでもいけるか、と画策していたのですが、ギリギリまで彼女は土曜日に会えるか会えんか迷っていて、なんと返事がきたのが前日金曜日の23時すぎ。「疲れてるからやっぱり会えないかも、ごめん」だとよ。

 

あのさあ……。

 

こっちゃ2泊の山行計画立てとんのやぞ、飯とか買わなあかんのに、おどりゃはこんな時間に返事するとは何事じゃ! わしゃ頭きたぞ、この女、しごうしゃげたるッ! ……というような紆余曲折があり、2泊3日計画は頓挫。

 

9/16土曜日は仙塩尾根のことしか考えられず、これをどうにか1泊でクリアできないものかとさんざん頭を悩ませておりました。あまりにも同尾根のことに囚われていたため、エロ動画漁りに精が出てしまったほどです(文字通り精が出たわけですね、って、やかましいわッ!)。

 

じっくり〈山と高原地図〉を眺めていて、ついにわたくし、気づいてしまったのであります。やろうと思えば仙塩尾根は、1泊2日で攻略できる! ※ただし装備の軽量化が必須。

 

出した結論は次の通りです。

 

装備を極限まで削り、小屋泊で仙塩尾根を縦断する!

 

いっちょやったろうやないかい。アラフォー強化人間331、執念の山行記録の始まりでござい。

 

1、綿密な計画を

なにが怖いといって自身の体力を過信したあげく、小屋にたどり着けずに志半ばでギブアップするかもしれんという点。9月16日時点で捻挫らしき足の痛みも消えておらず、そもそもやるべきかどうかを問うところから考えなければならない。

 

もし仮に途中で力尽きた場合、わたしのポリシー※からして救助要請は絶対にしないので、ビバークとなります。9月下旬のアルプスで着の身着のままでビバークした場合、凍死もありえる。かといっていつものテント装備では本末転倒であります。

 

※著者の登山に対するポリシー

登山は危険を承知で入山しているのだから、他人の助力をあてにすべきでない。したがってどんな苦境に立たされようとも自力で解決すべし。それができないのなら、座して死を待て。これがわたしのポリシーです。かつて鋸岳のバリエーションの沢を(意図せず)下っている際に右足を負傷して歩行困難に陥りましたが、同ポリシーを貫徹しています。興味がありましたら、悲願の鋸岳 黎明編悲願の鋸岳 地獄変をご覧ください。

 

そういうわけで、もうこれは自身を信じるしかない。スタンスとしては、①軽量装備で小屋にたどり着くか、②力尽きて死ぬかの2択という感じ。少々大袈裟だけれども、これくらい気合いを入れていたのですね。第1日めのルートは次の通りです。

鳥倉林道第三駐車場~塩見岳登山口~豊口のコル~豊口分岐~三伏峠~本谷山~塩見小屋~西峰~東峰~北俣岳分岐~北荒川岳~新蛇~見晴らし台~熊野平小屋(小屋泊)

 

日時 2023年9月17日(日曜日) 

天候 快晴 9月下旬とは思えぬ陽気

メンバー 強化人間331(単独)

装備 小屋泊装備一式(調理器具、着替え、雨具、食料、非常食、水3リットル)

距離 約23キロメートル

推定累積標高差 2,300メートル

所要時間 10時間40分(うち昼休憩50分、その他小休止含む)

備考 塩見岳以北は初ルート

 

2 スタート!

まずは恒例の駐車場争奪戦であります。これに勝利せねばスタートラインにすら立てません。今年の山はコロナ明けですさまじい混雑と聞いていたので、勢い前のめりにもなる。わたしにしては珍しく午前0時すぎには出発、一路長野県大鹿村を目指します。

 

ナビの音声案内を使わず、地図機能しか参照しないという悪癖が邪魔をし、けっこう現地にたどり着くまで苦労しました。なんか音声案内使うてる男ってダサくないですか? まともに地図も読めん文盲みたいな気がして。

鳥倉林道の終点には登山者用の駐車場が第一~第三まであるのですが、当たり前のように第二まで満杯、第三も石がゴロゴロしている劣悪なスペースしか空いていませんでした。コロナ明けの山、恐るべし。

 

その劣悪なスペースに停め、準備をしておりますと次々とまだ車がやってくる。彼らは右往左往しては困惑のていでありました。いや、ホンマにラッキーでした。停められなかった人びとって、結局どうしてるんでしょうか? とんぼ返り?

 

それはそうと実はずっと左足の内側くるぶし付近に痛みがあり、この日も結局治らないまま出撃してしまいました。この選択が吉と出るか凶と出るか? ケガを抱えての登山なんて吉と出るはずがないんですけどね……。3:40、出発です。

 

林道をチンタラ歩き通し、3:55、まずは第一駐車場の車止めゲート。ここがいわば本当のスタート地点であります。ここから登山口までけっこう車道を歩きます。

 

この日は夜から快晴、かつ新月でした。意図せず輝く星々を眺めながらのウォーミングアップとなり、出だしから気分は上々。足の痛みも平地ならいまのところ大丈夫そう。

4:30、ようやく登山口着です。三連休なのもあったのか、この時間でもけっこう歩いている人がいて、みなさんヘッドランプを点灯して登り始めていました。わたしも続きます。

道は明瞭で、闇夜の中でもライトさえあれば迷うようなルートではありません。斜度があるとやはり足に痛みが走るものの、耐えられないほどではないので続行です。いまさらここまで来て、おめおめと敗退するなんて考えられません。

5時台になり、ずいぶん明るくなってきました。こんな早朝から歩くのなんて本当に久しぶりです。1日めのコースタイムは〈山と高原地図〉によれば、およそ17時間。小屋泊装備とはいえ十分な余裕をとるに越したことはありません。

5:15、豊口のコル(だと思う、ちょい自信薄)。序盤はけっこうな急登だったのですが、喉元過ぎればある程度斜度は緩みます。なだらかな尾根をザクザク詰めていきます。深夜の時点でほとんど寒くなかったため、これ絶対デイタイムは暑くなるぞ……。

道は稜線を巻くようにつけられています。しばらくはひたすらシラビソ林の光景が続く。南アルプスは森林限界が2,800~2,900メートルとかなり高く、相当登らないと絶景にありつけません。もうずっと森のなか。

6:10、豊口分岐。塩見岳へのマイナールートがあるようですが、近年はほぼ鳥倉林道登山口一択のようです。ここで朝食としました。コンビニで買ったおにぎり2個とサンドイッチであります。これがまあ、

 

死ぬほどおいしい!

 

のであります。メモにもわざわざ「朝食おいしい」と書いてあったので、よほど感動したものと思われます。こんなにコンビニ飯がおいしいとはついぞ知りませんでした。コンビニで買い物している人はわたくし、例外なくブルジョワジーだと認識しているので。なんであんな高いところで買うんでしょうか?

 

超高級コンビニ飯をかっこみ、6:30、発。休憩中に三伏峠から降りてくる人がけっこういて、もうちょい山を楽しんでから下山してもいいのでは、と思ったものでした。まだ6:30ですよ6:30。暖かい小屋でゴロゴロしてりゃあいいやん。

もう少しで三伏峠のようです。しかしこの日本一高い峠という主張、これはさすがにおかしいですよね。わたしの知っている限りですら、標高3,000メートル以上の峠が2つある(北アルプスの白出のコル、飛騨乗越など。三伏峠は2,600メートルくらい)。

 

それともこれは、**峠という正式な名前のついているもの限定という意味なのでしょうか。このへんが山屋と一般人の意識の違いなのでしょうなあ。われわれ山屋はピークとピークをつなぐ最低点、すなわちコルを自動的に峠であると正しく認識しております。**峠などという名前がついていようがなかろうが、コルは峠なのであります。

 

いや、だからなんやねん!

 

おっしゃる通り。先に進みましょう。撮影を忘れておりますが、豊口分岐から少し歩いたところに水場がありました。そこで少し補給しておきます。どうも仙塩尾根は水場が少ないようなので……。

200歩だったかどうかは不明ですが、6:50、三伏峠着。さすが南アルプスの要衝だけあって、立派な建物です。こんな朝早くなのにたくさんの人びとで賑わってました。

 

さてわたくし、ここで痛恨のミスを犯します。それはずばり、
 
水の補給の失念
 
であります。これ、ホンマミスった。この時点ですでに残り2リットルくらいだったのですが、地図上には水のマークが塩見小屋と塩見岳直下の2か所にあったし、どちらかで取水すればよかろうという楽観視があったのですね。この書き方からしてオチがどうなったかは容易に察せられるでしょう。
テント場は樹林帯のなか、平地などなどバラエティに富んでいました。のんびりここで張って、2日めに塩見岳でご来光、なんてプランもよいですね。
 
三伏峠からは斜度がいくぶん緩まり、かすかに起伏する稜線をザクザク歩いていきます。標高2,600メートルオーバーなのにまだ樹林の中ですから、やはり南アルプスは懐が深い。
途中に三伏山(2,615メートル)なる代物が。植生もハイマツが目立ち始めます。
正面に三伏峠の小屋が一望できました。こうして見ると、塩見岳ルートを開拓した先人はハイマツの海をたゆまずに刈り取り続けたのですよね、いや、その克己心には感服いたす所存なり。
三伏山からの眺望は非常に優れています。正面に中央アルプスが。いつもは南アルプスを眺めるばかりでしたので、非常に新鮮です。
緑一色。目に痛いほどです。
道は依然として樹林帯のなかに通されています。夏場は陽射しを遮ってくれる防護壁になるでしょうが、展望がなあ……。

7:45、本谷山分岐。ここからの眺望も非常にすばらしく、

南アルプス南部の赤石岳方面や、

どこかようわからんけれども立派な山並みや、

一生懸命撮影に勤しむ兄ちゃんなどの大展望でありました。ここらへんでようやく半分前後あたりでしょうか。快晴はありがたいけれど、ジリジリと太陽高度が上がってきて、加熱した気温は危険な領域に……

 

さて本谷山を過ぎても相変わらずダラダラと道は続きます。樹林帯に入り、巻き道をすぎたあたりから本格的な斜度となり、非常にハードな感じに。

塩見新道分岐(塩見新道は現在廃道扱い)のあたり、それはもうすさまじい斜度で、軽装なのに息切れが激しい。10年前に本ルートをテント泊装備でワンデイピストンしているのですが、当時のわたしは正真正銘の強化人間でありました。もう絶対無理です。

9:05、やっと塩見小屋です。歩き始めてすでに6時間近く経っているのにまだ登頂できない。遠すぎるやろ。

塩見小屋は小ぢんまりとしているけれど、なかなか居心地がよさそうです。残念ながらここからも斜度は緩むことなく容赦なしに天を衝いています。

植生はハイマツ、地面は砂礫と高峰感が出てまいりました。見ての通り太陽も絶好調で、汗がとめどなく滴り落ちていきます。

塩見小屋より上は南アルプスにはあるまじき岩場となります。足場も悪く、斜度はきつく、人も多いのですれ違いも大変。三重苦の登山道でありました。

一段落したところから塩見岳を激写。うわー、これはすごい。たおやかな山容の多い南アルプスらしからぬ男性的なフォルム。

アップで。これどこを登っていくかわかりますか。写真下、真ん中あたりをよく見ると、ジグザグに道が切ってあるのがわかるでしょう。尾根部分は急峻すぎるので、山腹を巻きつつ道がつけられているのですね。ホンマ道開いた人、センスあるなあ。

振り返っても超弩級の展望。絶景に包囲されているようなかっこうです。このあたりでわたくし、快速で飛ばしていたのがさすがに出力が落ちてきました。お腹も空いてるし、莫大な標高差と距離をこなしてますのでね。

おりよく(?)垂直に近い岩場が頻出したので渋滞が起きており、その都度休むことができました。疲れていたのでいいんですけど、次から次へと休みなく降りてくるのには閉口しました。もうこないかな、と思って動き出そうとすると、大慌てで別のやつが滑り込んでくる。グループとかではなく、流れに便乗して降りてくるのですね。どことなく電車のキセル乗車に似ている。

 

登山において登りが優先なのは常識に属する事柄のはずです。これはなぜなのかといえば、下りは視野が広がるため登山道全体を見渡せるから。瞬時に譲れそうなスペースを確保できるので、安全面からそう推奨されているのですね。

 

中高年をベースに登山人口が増えているのは喜ばしいことですが、どうしても参入人数が増えればマナーのなってないやつ、技術や体力に問題のあるやつ(このカテゴリにはわたしも含まれます)、地図も読めんやつが混ざるのは避けられない(このカテゴリには以下略)。

 

連日中高年登山者の遭難事故が報道されており、われわれ山屋の立場は特異点レベルにまで縮まった感がある。三俣蓮華やら穂高やらでみなさん行動不能に陥っていらっしゃる。この問題をどう解決すればよいのでしょうか? 救助コストや二次災害の危険性をどうヘッジするのか?

 

実はわたし、単純明快な解決法を腹案として温めています。それはずばり、

 

救助しなければよい

 

なぜ誰もこれに気づかないのか、わたしは不思議でならない。自己責任で山へ入ったのなら、最後までそれを貫き通すべきです。換言すれば、死の覚悟がないのなら山へ入る資格はないのです。これは社会保険料の重税感に苦しむ現役世代の意見になるのですが、率直に言って高齢者がなんぼ死んだところで、われわれには負担減になるから恩恵である、という感じ方なのですね。

 

非常に不愉快な話ですけれども、現役世代の意見の代表的な主張がこれなのです。こないだ友人と話していたおり、コロナウィルスの話題になった際に友人はこう述べました。「俺、正直高齢者がどんどん死ねばいいと思ったね」。

 

この潮流はわれわれアラフォー世代が儒教的な目上の者への孝行心を忘れ、自分さえよければよいという誤った個人主義に走っていることの証左なのでしょうか? 断じて否、であります。世代間の対立を生んでしまうような年金システムそのもに瑕疵があるのです。年金の理念である〈支え合い〉とは双方に利益があるからこそ成り立つのであって、どちらかが搾取している関係は長続きしません。

 

読者の友人にいませんか? 絶対に車を出さないやつ、こちらが奢っても決してお返しをしないやつ、遊びの計画立案をすべて丸投げするやつ。こういう人間は遠からず人望を失い、誰からも相手にされなくなる。わたしのコミュニティにも一人いましたが、いまでは年始のあいさつすら誰も送らなくなりました。

 

これと同じことが年金会計でも起きているのであります。一方的な搾取をしでかす連中を敬えという主張に無理がある(たとえ彼らが行為主体でないにしてもね)。加えて生活保護世帯の大半は高齢者世帯である点も見逃せません。彼らは「年金があるから大丈夫やろ……」という他力本願思考で蓄財をせずに奔放に消費しまくった連中です。どうしてそんな輩を助けなければならないのですか? まったく理解に苦しみます。

 

生活保護費は日本の歳出項目からすれば、ほんのわずかなパーセンテージだから過剰に気にするな、という論調は誤りです。問題はお金ではないのです。いわゆる〈ごねたモン勝ち〉が主流になれば、誰もがマジメに働く気を喪失してしまう。国力が衰え、納税額は下がり、いずれ国を運営することすらできなくなる。そんなとき、膨れ上がった生活保護者たちはどうなりますか? 餓死一直線です。

 

おや? この状況には既視感がありますね。そうです、共産主義国家の北朝鮮であります。共産主義とは他力本願思考の人間の寄り集まりなのです。〈共同責任は無責任〉の格言が示す通り、誰もが他人に寄りかかって生きようとする、寄生虫の集合体となってしまう。

 

福祉政策は社会主義と呼ばれ、共産主義と区別されているけれど、実態はもちろん大同小異であります。それは共産主義への〈滑りやすい坂道〉なのだッ! そして共産主義にひとたび転落すれば、ロシアのような対外膨張政策をとる侵略国家へと変貌せざるをえない(国内で発生する膨大な福祉費用を他国を侵略してでも獲得する必要があるため。どうでもいいですが、このテーマでSF掌編を書きました。興味のある向きは「国民主権は絶対零度」をご一読ください)。

 

われわれはロシアのような侵略国家にならないためにも、第二の大東亜戦争を引き起こさないためにも(大東亜戦争は日本の共産化が原因)、登山者は登りを優先すべきである――。そんなお話でした。(なんつうオチや……)

岩場地帯を抜ければ斜度は一気に緩み、山頂はもう間近。みなさん最後の岩場でごっそり精神力を削られたらしく、牛歩で登っておられました。荷の軽いわたしは彼らを颯爽と抜かしていきます。

息も絶え絶えで登っている人びと。

10:00ジャスト、ついに塩見岳西峰(3,047メートル)登頂です! 3:40発なので、山頂まで実に6時間20分かかってます。ブレックファストの時間を抜いても6時間ジャスト。軽装なのに片道でこれだけかかるとは、かなりのロングランでありました。

山頂はたくさんの人でにぎわってました。得られる眺望は文句なく、北には甲斐駒ヶ岳が抜きんでてました。

塩見岳は双耳峰でして、西峰、東峰があります。東峰は1~2分の場所にあり、東峰からは富士山が拝めるとあって大盛況でした。なんやかや、今年初の3,000メートル峰登頂ですね(そして今年最後の3,000メートル峰登頂となりました)。

とことこ歩いて10:10、東峰(3,052メートル)。こちらのほうがわずかに高いので、見栄っ張りの山屋は東峰で撮影大会をやらかしましょう。

このショット、ヤバくないですか!? 雲海に沈む霊峰富士。わたしが若者言葉やスラングを使うのは、語彙を失うほどの光景に出会ったときだけです。西よりの岐阜県ずまいの人間にとって、富士山はこうした抜群の展望台に来なければなかなか見られない。まさに超弩級のスケールであります。

周辺の稜線もたいへん美しい。南アルプスはご無沙汰でしたが、懐の深い雄大な山域であります。

これから降りていく北の方角です。正面やや左よりに見えている堂々たる山がおそらく仙丈ヶ岳。ちょ、ちょっと遠いかなあ……。

全景はこんな感じ。例によって映えないパノラマ撮影でございます。しかしまあ、見事に見渡す限り山、山、また山ですなあ。

山頂では撮影大会が随所で催されており、わたしも珍しくおっちゃんに撮ってもらいました。富士山を背後に背負った会心の1枚。たぶん最近患った足の慢性的な不調からして二度と登れないので、大切に保管しておきます。

 

さて空腹が限界に達していたのでランチとしました。ただ山頂は人でごった返していたので、ちょっと下った塩見岳東峰の肩でのんびりランチ。ここからの景色も最高でした。

 

長くなってきたのでいったんここで続編へバトンタッチとします。さもなくば永遠に掲載できそうもないので……。言い訳ですが10月の残業時間は106時間でした。さすがに疲れ切っていて、休日は彼女と遊んだり山へ登りに行くくらいしかできませんでした。

 

っておーい! 平常運転やんけ!

 

はい、そうです。アカウント更新が遅れているのはひとえにわたしが怠惰なゆえでございます。ここに謹んでお詫び申し上げます。続きは早めにお届けできればと思いますが、更新日は例によって未定です、ご寛恕を。

 

つづく