クーバーコーチング。 | 徒然に。

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思ったことを気ままに。

 クーバーコーチングは、私が子どもの頃からあった気がします。

 ですがポピュラーの割には、私には縁がありませんでした。

 さらに人気少年サッカーブログの『サッカー大好き母\(^o^)/』さんが、クーバーを推していますが、調べようと思ったことはなぜかありませんでした。

 きっと子どもの頃からの、不思議な思い込みである「単純な足技を反復するだけ」があったのです。

 ですが、なぜかクーバーについて見てみようと思いました。

 実際に↓動画を見て、私は驚きました。非常に細かく足技の練習をしています。

 足技と言いますと語弊があるかもしれません。

 これは私は神経系を鍛える練習だと思います。

 

 

 そして、私が何度も挙げさせていただいている練習と、クーバーコーチングは、ボールコーディネーションに関しては大して変わらない気がするのです。

 たとえば興国高校の練習です。

 

 

さらにブラジル・クルゼイロの練習です。

 

 

 クーバーも興国高校もブラジル・クルゼイロも、「多彩な動作」を練習しているのだと思いました。

 

 そしてクーバーコーチングは実績も凄いのだなと思いました。

 ↓はクーバーコーチングジャパンが話しているものです。

 

 

 2023年時点で、J1~3まで合わせて少年時にクーバーコーチング在籍は94人、海外クラブにいる選手で、少年時代にクーバー在籍は22名。

 

 私は過去から現在までの指導に、ちょっと自信を持ちました(笑)。

 というのは、私はクーバー的な足技をかなり重視しているのです。

 ですが、元興国高校の内野さんが言うように、その足技で相手を抜けるというものではないと思います。

 ただ、実感としては、真面目に練習してクーバー的なボールタッチをきれいにできるようになった選手は、小6くらいになったときに、一気に伸びる気がしています。

 愛読しているブログの方が「6年生になって、仲間と連携できるようになった」的なことを書かれていました。

 私はまったく同感です。

 小6くらいになると、仲間と連携できるようになってくるし、自分の頭で考えてプレーできるようにもなってきます。

 逆を言えば、小6くらいまでは、ほとんど自分の頭で考えてプレーするというのはできないと私は思っています。

 ではそれまで、何をやればいいのでしょうか。

 私は「判断を入れないような、機械的にできる技術の種類をとにかく増やす」ことだと思っています。

 

 この部分で、私のブログに肯定的に読んでくださっている方もひっかかる気がしています。

 ですがそれはしょうがない気がしています。

 なぜなら、私は育成年代の日本代表が、ヨーロッパの強豪国と戦う試合を観る(けっこうフルマッチで観ています)と、今やヨーロッパの強豪より明らかに日本の方が強いと思っているからです。

 試しにどの試合でもいいので、育成年代の試合を観ていただければわかると思います。いくらでもyoutubeで見つかります。

 日本が圧倒された試合など、1試合もないのです。

 フランス相手ですら、育成年代では私には日本の方が強いように思います。

 そしてその日本の育成年代、未だに「悪しきコーンドリブル」が横行しています。

 

 話を戻します。

 小5以下(小5は境目といったところでしょうか)は、そのような機械的な技術に対して喜ぶ傾向にあると私は思っています。

 特に低学年のうちは、一つ技術ができるようになると「コーチ!見て!」と、煩わしいほどに(笑)喜び勇んで言ってくるのです。

 だから、試合に役立つ役立たないとかは置いといて、とにかく楽しく足技とかを練習したらいいと私は思っているのです。

 リフティング100回以上できる子ならば、ロナウジーニョやマラドーナのリフティング動画を見せて「これ、やってみろよ!」みたいな方が、私は小学5年以下にはいいと思っているのです。

 ということで、私はクーバーコーチングは、小学生には理想的な練習で成果を出していると思います。

 

 ただ、クーバーのほんの一部だけを見て語ること自体、おこがましいところがあるのですが、疑問というより志向の違いなのかもしれませんが、そんなことを3点書きたいと思います。

 

 1つ目に、これはクーバーに限らず、足技系の練習をやると、どうしても上半身が忘れがちになるのです。私ももちろんそうです。その辺は意識しなくてはいけないと私は思っています。

 ボールコーディネーションをやるとき、足先は器用に動きますが、上半身が棒のようになっているパターンがけっこうあります。

 それに対して、たとえば↓の土屋さんは、上半身主導で下半身が動きます。

 

 

 ちなみに土屋さんは、今日本の一部で信奉者がいる「ジンガステップ」の元祖の方だと私は思います。

 そして土屋さんには一時期、本来のジンガとは違うといった批判がされました。

 私も「本来のジンガ」は土屋さんのステップではないと思っていますが、土屋さんの上半身から使ったボールタッチは、それ自体が本当に素晴らしいと思います。土屋さんの動きは、ジンガに匹敵するものだと思います。

 私は「土屋ステップ」と名付ければいいのにと勝手に当時思った記憶があります。

 

 上半身主導で足技を練習するときに「シザース」ほどいい動作はないと思います。

 足から動くのではなくて、上半身から動くように指導します。

 ↓1分14秒ロビーニョみたいな感じで、上半身から動くことをイメージできれば、動作自体が変わってきます。

 

 

 2つ目に、ボールタッチだけではなくて、キックやトラップでも、さまざまな種類を練習するのはどうかということです。

 もしかしたら、クーバーくらい凄いスクールならば、やっているのだと思います。

 たまたま私が探した範囲では見つけられなかったということでしょう。

 私の観点では、クーバーでは試合でほとんど使わないボールタッチを練習することによって動きの幅を質的に広げますが(ある意味違うスポーツをやるのと同じだと思います)それならば、キックやトラップでもやればいいと思うのです。

 キックについては↓ブラジル・クルゼイロで、多彩なキックをやっています。

 

 

 さらに高学年になったとき、私はトラップの種類については徹底的に多く練習するようにしています。

 たとえばインサイドトラップだけでも↓くらいには、細かく練習しています。

 

 

 3つ目は、これこそ完全に趣味の世界かもしれません。

 ですが自分がクーバー的なタッチをそうとも知らずに長年練習でやってきて、微妙に食い違いちがうタッチが多いのです。

 もちろん完全に一致するタッチもあります。

 言語化をうまくできているかはわかりませんが「リズムを変える」ということに関して、私はクーバーよりも重視しているように思います。ただ、クーバーの凄い実績を考えると、私の方が間違っている可能性が高いので、その辺は一意見として読んでいただければと思います。

 左右均等に身体を動かせるのは大事でしょう。

 ですが、仕掛けのタイミングでは、その均等のリズムを崩すのです。

 そしてそれは本質的には、ドリル的な練習からはできるようにならないと思います。

 むしろ武道的な、その技を研ぎ澄ます的な感覚から、そういう技が生まれると思います。

 そしてその技を極めれば、メッシやマラドーナのように世界最高まで行けると思います。

 

 ということは、ドリルと質を高める練習、両方やる必要があります。

 そして、具体的に練習内容的に、どのボールコーディネーションを選ぶか、どのフェイントを選ぶか(もちろん多彩な技術についてコーチが理解していることが前提です)そういったことが少年サッカー指導者の腕の見せ所だと私は思っています。