ヴィルツから考える風間八宏理論。 | 徒然に。

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思ったことを気ままに。

 ヴィルツは、ドイツ代表期待の若手です。

 私は初めてヴィルツを見たとき、化け物だと思いました。

 メッシとクリスチアーノロナウドが欧州から去った今、次の世界一は、フランス代表エムバペか、ノルウェー代表ハーランドか、イングランド代表ベリンガムかと言われているようです。

 確かにみんなすごいですが、私は次世代の世界一候補としてヴィルツも普通に入ってくると思います。

 ヴィルツのパスセンスは卓越していると思います。

 現役の選手でヴィルツみたいな異次元感覚でボールを出せるのは、私の勝手な考えではベルギー代表デブライネとアルゼンチン代表エンソフェルナンデスくらいではないでしょうか。

 中でもヴィルツは、特に風間八宏理論を体現しているように思います。

 私が思ったそのことを、具体的に書いてみたいと思います。

 

 風間理論に「外す」があります。

 相手のマークを外してボールを受ける動きです。

 そして大きく分ければ、私の理解では2つ、ボールの受けどころがあります。

 1つ目は、相手を外して、相手と自分の間にボールを通してもらうことです。

 ↓動画5分8秒のような受け方です。

 

 

 もう一つの受け方が、相手の背中でボールを受けるプレーです。

 ↑7分22秒のようなプレーです。

 風間さんが卓越していると思うのが、ボールの出し手と受け手は、相手の動きを合図にして「待ち合わせ場所」を決めているということです。

 相手の矢印を見て、どちらの場所にボールを出すかを決めるのです。

 

 私はそういった意味でも、低学年のうちはドリブルをやらせている面があります。

 ドリブルは相手の逆を取らないと抜けないから、自然と相手を見るようになります。その感覚がわかってくれば、意外にすんなり、パスに移行できるのです。

 パスに移行しても、基本的にはコンビネーションの練習はやりません。

 やるのは「3対1」や「ポゼッションゲーム」で、「相手を引き付ける」「狭い地域にわざと引き寄せて展開」「ショート(パス)ショート(パス)ロング(パス)」「相手と向かい合う」「一度止まる」などと指導します。

 どの配置にいろという指導は、あまりしません。

 「3対1」については、バルサでやっている「3対1」を自分なりに修正して、ずっとやってきています。

 参考になったらうれしいです。

 

 

 話を戻します。

 ヴィルツは、風間さんの言う「2つの待ち合わせ場所」どちらにも完璧にパスを通せるのです。

 ↓動画を見ていただきたいと思います。

 

 

 相手と自分の間にパスを通しているのは、3秒や35秒や47秒や1分34秒です。

 相手の裏にパスを通しているのは、8秒や54秒や1分2秒や1分8秒や1分17秒や1分39秒や1分48秒です。

 これだけ明確にパスを出し分けているのを見ると、私の推測では、ヴィルツは風間さんと同じようなことを考えているのではないでしょうか。

 ただややこしい話なのですが、この技術をできるまでに、膨大な前提があるのです。

 そもそも対面パスでボールが止まらなければ、風間さん的なことはできません。

 なので、風間さんは川崎フロンターレ時代に、小学生でも最初にやるような対人パスを延々とやらせたのでしょう。

 川崎フロンターレU12でもやっています。

 

 

 横に線を引いて、その線上にボールが止まるように、徹底してやっています。

 これができて初めて、相手の矢印を見れます。

 自分が動いていると、周りが見えづらいのです。一瞬でも静止することが必要に思います。

 私はポゼッション練習をするときには「1回完全にボールを止めろ」と指導しています。そうすると動きの質が変わってきます。自分が静止しているので、周りが圧倒的に見えるようになるのです。

 

 次の段階で「ドリブルはトラップの延長線上で、キックはドリブルの延長線上」という考えで、私はやっています。

 長友選手が何かの動画で「ネイマールはドリブルからいきなりパスが出てくるから、パスのタイミングが読めない」と言っていたと思います。

 毎回利き足でボールタッチをして、同じ動作でボールを蹴ると、ディフェンダーは読めないのです。

 そして風間さんが言うような「待ち合わせ場所」にも、いつでもパスを出せる状態になっています。

 なので、私は一般的に言われているような「ファーストコントロールは蹴れる位置で」とは指導していません(もちろん真理はわかりません)。

 「ファーストコントロールはドリブルの第一歩」と指導しています。

 さらに「キックはドリブルの延長線上」と指導しています。

 そうすると、結局「ファーストコントロール=ドリブル=キック」ということになり、すべてが混然一体とした感じになってきます。ヨーロッパというよりは南米選手の感じになってきます。

 

 最後に、再びサッカー論争が再燃しているようです。

 ただ、めちゃくちゃ無責任なことを書かせていただきますと、おかげさまで、少年サッカーブログの読者は全体的に増えたのではないでしょうか。

 バトルしているお二方は、少年サッカーブログランキングの1位と2位の座を争っています。

 よく私のブログを紹介いただいているサッカー大好き母\(^o^)/さん(いつもありがとうございます)は、そんなつもりはなさそうですけど、結果的にそうなっています。

 私は、これはFCバルセロナ対レアルマドリードのようなライバル関係に思えてきたのでした(笑)。

 本当に批判的に書いているのではありません。お互い譲らないから、お互いの陣営がヒートアップし、まるで少年サッカーブログクラシコの様相を呈しています。

 私はもちろんサッカー大好き母\(^o^)/さん陣営のサポーターですが、だからこそ最近は相手のブログに対しても「敵ながらあっぱれ」と思うようになりました(笑)。

 私の願いは一つ、サッカー愛好者が増えて、サッカー文化が豊穣になることです。

 この繰り広げられるお互い譲らない戦いも、私にはサッカー文化の豊饒さの一つの側面に思えてきました。

 完全にお金のためではないですし、ですがお金よりも大事なことかもしれません。

 そういうことが文化だと思います。

 そして、こういった平和な世界での真剣な論争は、けっこう人を引き付けるものだと最近思いました。

 サッカーを全く知らない人が、たまたま少年サッカーブログを読んでみて、その場で「利き足か両足か」という熱い論争をしていたら「なんかよくわからんけどおもしろい」と、絶対に思うはずです。

 そうしたら子どもに「なんかおもしろそうだからサッカーやらせてみようか」となる可能性はけっこうあると思います。

 そうやってサッカー愛好者が増える可能性があるのではないかと、何かよくわからないけど思った次第でした。