59玉鬘 壱肆 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面59

 

 

玉鬘 壱肆

 

 

長谷寺本尊

十一面観世音菩薩立像

 

右手に錫杖 左手に水瓶

方形の大磐石という台座に立つ。

開山徳道上人が

造立して以来、度重なる

火災により再造を繰り返してきた。

 

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しかし、誰か、どうしても思い出せない。

 

ずいぶん若いときに会っているはずだが

遠い記憶と違って

目の前のは浅黒く太っている。

 

身なりも、粗末だ。

 

 

そのが、の名前を呼んだ。

 

三条母上がお呼びです」

 

三条と呼ばれた女を見ると、

やはり見覚えがある。

 

亡くなった夕顔に長く仕えていて

六条の《隠れ家》

にもお供した下働きの女である。

 

そう分かると

右近は懐かしさと嬉しさが込み上げてきた。

 

夢のような心地であった。

 

「探しあぐねている玉鬘さまは、

屏風の向こうにいらっしゃるのかしら」

 

 

右近

屏風のすき間から玉鬘を探した。

 

しかし

中に二重に置いてある小ぶりの

屏風の向こうにいるのか

玉鬘の姿を見ることができない。

 

三条に尋ねてみよう。

男の方は兵藤太/ 後の豊後介に違いない」

 

少しずつ解きほぐれてくると

右近

今すぐに玉鬘の居場所を知りたいと気が急いた。

 

 

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一月の声に歓びを刻め

《性暴力と心の傷》

映画完成披露上映会舞台挨拶

 

テアトル新宿

 

映画

演劇、ドラマなどで

「ある役」を演じる俳優を決めてから

脚本を書くことを《当て書き》という。

本作の場合は

ただの《当て書き》ではない

三島有紀子監督

自身の凄惨な記憶の数々

演者としての前田敦子に託した

という意味での《当て書き》である。

ここ2、3年

監督や共演者たちから前田敦子

シャ-マン聞かれるようになった。