55玉鬘 拾 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面55

 

 

玉鬘 拾

 

 

平安京南端の九条大路

通りに沿って

東寺東福寺羅城門跡西寺跡がある。

 

🔲

 

都の外れの貧しい界隈で、

卑しい市女や商人などが住んでいる。

 

玉鬘一行は

一旦《九条》に腰を据えたが、

何をすることもなく秋風が吹き始めた。

 

唯一のであり

乳母が頼りにしている豊後介

まるで陸に上がった河童のようだ。

 

 表情に生気がなく、

日がな一日ボンヤリしている。

 

筑前国から肥前国

田舎暮らしが長過ぎて

都の喧噪に馴染めないのだろうか。

 

 

今さら戻るわけにもいかず、

豊後介後先考えずに

上京したことを後悔していた。

 

家来たちはそれぞれ

縁故を頼って姿をくらましたり

筑前国に帰ったりした。

 

今やほんの数人しか残っていない。