㊾玉鬘 漆 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㊾

 

 

玉鬘 漆

 

 

 

 観世音寺本堂   梵鐘日本最古 国宝

【太宰府政庁正殿跡】近くに

菅原道真ゆかりの【観世音寺】がある。

 

道真

大宰府に流されて以来

屋敷の門を閉じて蟄居していたが、

部屋からは

【都府楼】の楼閣の瓦が見え、

【観世音寺】の鐘の音が聴こえる。

 

○都府楼纔看瓦色 観音寺只聴鐘聲  『大鏡』

 

都府楼はわずかに瓦の色を看る 観音寺はただ鐘の声を聴く

 

🔲

 

ほどなく

病に臥せていた太宰少弐が亡くなった。 

 

妻子は不安や悲しみを払拭するため

一刻も早く帰京したかった

当地の豪族との確執があり

出立できないうちにを越してしまった。 

 

 

二十歳を迎えた玉鬘

夕顔にもまして

輝くばかりに美しく成長していた。 

 

右大臣頭中将の血筋を引いて

いるからか気品に溢れている。

 

 気立てもいい。

 

 

玉鬘の噂を聞きつけ

有力者たちからの求婚

殺到するが乳母は断り続けた。

 

 「孫娘には身体に不具合がございまして---」

 

 

そうこうするうちに

乳母一家都と反対方向

*肥前国へ移り住むことになった。

 

*肥前国 佐賀・長崎県

 

ほどなく玉鬘の噂に

魅かれた大夫監たいふのげんいう

肥後国に勢力を張る求婚者が現れた。

 

*肥後国 熊本県

 

肥前国に乗り込む際

財力にものを言わせて乳母

三人の息子たちを篭絡しようとする。