㊹浮舟 漆 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㊹

 

 

浮舟 漆

 

 

橋姫神社

橋姫

『橋の守り神』

祭神は瀬織津比咩せおりつひめ

境内には

水の神『住吉神社』が並んで祀られている。

 

京都府宇治市宇治蓮華

 

 🔲

 

が一杯機嫌で「古歌」を口ずさむ。

 

○さむしろに 衣片敷き 今宵もや

 

  我を待つらむ 宇治の橋姫  『古今集』巻十四

 

狭い敷物の上に衣の片袖を敷いて

寂しく一人寝をしながら、

今夜も私を待っているのだろう

宇治の橋姫のような恋人は

 

はほろ酔い気分で口遊んだのだが

人柄なのだろう

妙にしみじみとした興趣をそそる。

 

 

「古歌」の含意にピンときた匂宮

あわてて座を外し

吹雪の山道を宇治へ急いだ。

 

《別荘》に辿り着く

宇治川の対岸に用意している

分の《隠れ家》浮舟連れ出した。

 

浮舟

都に迎える準備を進めているが

そのことを知ってか知らずか、

 匂宮

《隠れ家》へ着くと

近いうちに浮舟を引き取るという。

 

 

浮舟

どう対応すれば良いのか

想像もつかない事態になった。

 

《別荘》上京の準備を

手伝っている中将の君

情を説明することなどできない。

 

 

数日後

《別荘》で匂宮

双方の使者が偶然鉢合わせした。