㊺浮舟 伍 | 吉備路残照△古代ロマン

吉備路残照△古代ロマン

吉備路自転車道を回って以来すっかり古代吉備国の残り香に取り憑かれました。
歴史と神話が絡み合っているから多くの遺蹟の故事来歴が謎に包まれています。
鬼ノ城・温羅伝説・鳴釜神事等の謎に新しい解釈を加えていけるので楽しみです。

源氏物語名場面㊺

 

 

浮舟 伍

 

 

宇治の橋姫

般若

ような形相で

鱗文うろこもん着物を着

打杖うちづえを手にした鬼女女神

 

国際日本文化研究センター所蔵

 

🔲

 

数日後

匂宮双方の使者が

の《別荘》で偶然鉢合わせした。

 

匂宮との仲がに知られ

翌日

心変わりをなじる

内容の手紙がから届いた。

 

浮舟

何とも名状しがたいショックを受ける。

 

 

匂宮《別荘》に侵入できないように

屈強の男たちを雇っ周辺を警戒させた。

 

「わたしのせいで、お二人が―」

 

追い詰められた浮舟決意、

宇治川に身を投じる。

 

しかし

死にきれず

山道で行き倒れている

ころを*横川の僧都に救われ

のちに僧都の手により出家する。

 

*横川の僧都

『往生要集』の源信僧都がモデル

 

 

死を目前にした日

浮舟

匂宮、母中将の君

異母姉中の君らとの思い出に

浸っのち匂宮に手紙を認めた。

 

匂宮へ、

 

○からをだに 憂き世の中に とどめずは

 

   いずこをはかと 君も恨みむ

 

せめて亡骸をこの辛い世の中に残さなければ

どこを目処に貴方は私をお恨みになりましょう

 

へ、

 

後にまた あい見んことを 思わなん

 

   この世の夢に 心まどはで

 

来世で再びお会いすることを思って下さい。

この世の夢に迷わないで

 

 

 次回から、玉鬘