新年早々ですが、今回は少々重いお話です。
異論反論等あると思いますので、気分を害されたくない方は、スルーしていただくほうがいいかもしれません。
今回のお話は、定期的に話題にあがる、ラジコン業界のお話。
僕が目にしたのは、Twitterとブログ。
まずはTwitterの話題から。
こちらは、ラジコン業界の話ではないのですが、ラジコン業界に引用した話として目にしました。

左が発展する業界の図で、右が衰退する業界の図とのこと。
衰退した業界としては、ガンプラ業界とニコニコ動画を例に上げていました。
そして、もう一つ目にしたブログは、千葉県柏にあるZENサーキットのブログです。
http://chiba-zencircuit.blog.jp/archives/81859467.html
いつもなら記事をコピペさせていただいていますが、今回は見たいと思う人だけ、リンク先でご確認お願いします。
僕のような一般の人が書くのと違い、サーキットの店長という看板を背負った人が書くのは、非常に覚悟がいることだと思います。
波風立てず、無難なブログを書いていたほうが気持ち的にも楽だと思いますが、勇気ある行動に敬意をひょうします。
この2つの話を見ると、
【ガチ勢(常連)が業界を衰退させている】
そんな結論が見えてきます。
言いたいことはわかるのですが、ラジコン業界の衰退って、ホントにガチ勢の責任なのでしょうか?
ZENサーキットのブログのコメントでも、さまざまな理由で行かなくなったと言った書き込みがされています。
1.常連がビュンビュン走っているのが怖くメインコースへ入れず、二階の初心者コースを細々と走るしかなかった。
2.常連の方と接触したら、『ふざけるな~~~!』と暴言を吐かれた。
こっちは初心者なんだから、いい大人が『ふざけるな~~~!』は無いと思った。
3.サーキットの時間割のスロースピードの時間に走ろうとしても、常連さんが時間割を無視して、カテゴリー違いの速いマシンで当然のように走っていた。
【1について】
2階の初心者コースというのが、メインコースに比べてどの程度のコースかわかりませんが、初心者コースがある事自体、うらやましいです。
スーパーラジコン秋葉原店には、初心者用のサブコースなんてありませんので。
先日訪問した、印西トップホースでも、初心者&ドリフト用のサブコースがありました。
メインコースに比べると小さくて物足りないとは思いますが、セッティング調整や練習にはとても最適なコースでした。
実際、ガチ勢の部類に入ると思われる僕も、いきなりメインコースに入るのは怖かったため、サブコースで動作確認をしてからメインコースへ入りました。
メインコースがどのくらいの時間、常連さんがビュンビュン走っているかわかりませんが、一緒に走るのが怖いのであれば、サブコースで様子を見ながら、コースが空いたすきにさっと利用すればいいのではないかなと思いました。
僕自身、秋ヶ瀬サーキットで京商カップのバギークラスの練習に行ったさい、周りのエンジンカーとは速度差がありすぎて怖いので、エンジンカーが走っているときはコースから出ます。
そして、コースが空いた、もしくは台数が減った状態のときに再度コースインしています。
【2について】
常連のマシンと接触して、
『ふざけんな~~~~!』
と暴言を吐かれたとのことですが、これに関しては、常連とか初心者とか関係なく、人としてありえないと思います。
実際、そういう人も見てきましたので、僕自身迷惑行為だと同意します。
ただ、暴言は論外として、接触の原因に関してちょっと考えてみましょう。
サーキットには、
【初心者の方が、わからない事がわかってない】
という事柄がたくさんあります。
たとえば接触の原因が、
・走行中のマシンの前にいきなりコースインしてきた。
・ライン上で転倒またはスタックしていたのに、『止まってまーす』などの声掛けがまったくなかった。
・逆走、蛇行など、まだまともにコントロールできる状態じゃなかった。
・安全地帯に止めたマシンに、制御できないスピードで突っ込んできた。
だった場合、『ふざけんな~~~!』とは言わないまでも、心のなかで、『マジかよ、、、、』
と、思ってしまいます。
なぜなら、【マシンが壊れてしまう】からです。
※ミニッツの場合であれば、多少の接触で壊れることはないですが、デカラジの場合ワンクラッシュで修理代○千円とか、高額の修理代が発生する場合があります。それもあって、デカラジのサーキットは僕でも敷居が高く感じています。
初心者のマシンが遅いのはわかります。
走るのに慣れていない初心者のマシンを避けるのは、常連の努めだとも思います。
でも、サーキットを利用するためのマナー(注意書き)すら確認せず、【初心者なんだからしらなくて当然】となんでもかんでも常連のせいにするのは無責任なのではないでしょうか?
遅いのはしょうがないですが、【わからないことがわからないため】に、知らずに迷惑行為をしている可能性もあります。
接触はどちらかに過失があったとしても、お互いに『すみませーん』と声掛けし合うのが大事だと思います。
【3について】
こんなことがまかり通っているのであれば、それは確かにガチ勢が業界を衰退させているのかもしれません。
でも、この件に関してこんな返信がありました。
『ご不快な思いをされて申し訳ございません
ですが、当店では外コースの時間分けはしておりません
時間分け表は混雑時の2階コース用で
その旨も表に記載してあります』
つまりは、勘違い。
常連の方からすれば、なんのルール違反もしていないのに、一方的に叩かれているわけです。
このへんも、【わからない事がわからなかった】というお話ですね。
なんだか難しい話になってしまい、申し訳ありません。
ここまでの話ですと、『業界が衰退しているのは常連のせいではない!』と、言い訳しているようですが、そういう事を言いたいわけではありません。
昔は、常連がサーキットの雰囲気を悪くしていたなんて事が多かったかもしれませんが、最近はラジコン業界が危ういことをガチ勢が特に意識しています。
僕が通うスーパーラジコン秋葉原店でも、つねに初心者さんの新規参入を期待しています。
ネットでは、
『スーパーラジコン秋葉原店は、常連がギュンギュン走ってて、初心者が走る余地がない』
なんて噂も聞くことがありますが、実際の現場を見ると、新人さんのリピート率は比較的高いように思います。
それでは、なぜラジコン業界が衰退しているかといえば、不況と若い世代のラジコンの認知の低さではないでしょうか?
僕が参加しているレースは、ミニッツカップと京商カップ。
利用するサーキットは、関東のミニッツサーキットです。
レース参加者やコースの利用客を見ると、30代~50代がほとんど。
20代以下の若い世代はほとんど見かけません。
僕は15歳からいわゆるガチ勢(レース活動)をやっていますが、周りにいるのは僕と一緒に年齢を重ねた世代ですね。
20代の頃は、周りも10代~30代。
30代の頃は、周りも20代~40代。
40代の現在、周りも30代~50代。
世代はそのまま。
しかし若いときにラジコンをしていた人も、結婚や子育てなど様々な理由で引退し、人数は減る一方。
さらには不況で給料が上がらないにもかかわらず、ラジコンの価格はじわじわ上がる現状。
たとえば、ミニッツのオートスケールコレクション(完成品ボディ)は、18年くらい前は定価1800円~2200円でしたが、現在では5000円程度。
京商の企業努力で、初代ミニッツレーサーと同じ14,800円のミニッツ、MINI-ZRWDを発売してくれましたが、主力商品のMINI-ZEVOは少し割高になります。
MINI-Zは比較的安価に楽しめるラジコンとはいえ、不況で給料が増えない日本のお父さんはお小遣いが減る一方。
子育てが一段落したとしても、なかなか経済的にラジコンへ復帰できないなんて人も多いと思います。
実際僕自身、ミニッツカップは続けていますが、タミグラは撤退しました。
理由はガチ勢のせい?
もちろん違います。
経済的な理由です。
タミグラのほうが、公式レースはたくさん開催されていますが、全国大会レベルのワーチャンなどに参加しようと思うと、かなりの予算が必要になります。
ミニッツという選択肢がなければ、タミグラを選んでいたかもしれませんが、僕の場合幸いにもミニッツという恵まれた環境があったために、ミニッツを選びタミグラを撤退しました。
ちなみに僕の場合は、お酒を飲まない、タバコを吸わない、ギャンブルをしない、などラジコン以外にお金を使わないようにして、細々とラジコンを続けています。
景気が良くなって、給料が増えてお小遣いが増えたら、タミグラも復帰したいとは思っています。
30代~50代はラジコンブームを経験しているので、ラジコンに憧れのある一定のユーザーがいますが、20代以下の若い層には、ラジコンにたいする憧れなどがないのではないかと思います。
少子化で若い世代の人口が減る上に、若い世代へのラジコンの認知度も極めて低い。
つまり、【ガチ勢が雰囲気を悪くして、初心者の参入の邪魔をしている】という以前に、ラジコンの認知度が極めて低く、初心者自体がそもそも少なすぎるのが問題なのではないでしょうか?
先日、MARで京商の石川さんとお話をしたときに、
石川『ミニッツカップに参加しているのは、全体の3%程度。それに波及するユーザーが20%くらいだと思います』
と言っていました。
たしかに、MINI-Zを購入して、サーキットで走らせようなんて考える人は少ないと思いますし、公式レース(ミニッツカップ)に参加する人は、もっと少ないと思います。
そもそも、MINI-Zというラジコンを知らない人が大半ですし、、そのラジコンで全国大会が開催されていることを知っている人自体、ごくわずかだと思うので。
でも、人数という意味では確かにそうもしれませんが、MINI-Zの事象の大半を生み出しているのはその20%なのではないでしょうか?
ご存じの方も多いと思いますが、そのような事象を【パレートの法則】というらしいです。

石川さんの言うところの、ミニッツカップに参加している3%とそれに付随するユーザーが20%という話を、サーキット走行を楽しんでいるユーザーが20%ということだと仮定します。
その場合、のこりの80%は、ガチ勢のせいで衰退とは関係ないような気がするのですがどうでしょうか?
MINI-Zは高性能ではありますが、走る場所を選びます。
正直、サーキット以外で楽しんでいる80%のかたがたが、どんな楽しみ方をしているのか、不思議でしょうがありません。
逆に言うと、ここにチャンスがあるのかなと思います。
石川さんも、そう考えているようで、サーキット以外の楽しみ方を提案したいと言っていました。
なかなか話がまとまりませんが、、、、、、
MINI-Zでサーキット走行をしているガチ勢と呼ばれるユーザーは、ラジコン業界の衰退を認識していて、新規のお客さんを大事にしたいと考えています。
緑モーターやRWDなど、速度の遅いマシンを走らせて、威圧感を減らそうという意識もあります。
新人さんに声掛けをして、リピーターになってくれたらいいななんて、そんな期待も持っています。
もちろん僕自身、常連だから特別だという変な意識を持って気が緩んでいるかもしれません。無自覚に。
なかなか自分では気づきにくい点なので、そこは客観的に指摘してもらい、初心者の方々の見本になれるよう、自覚を持ちたいと思います。
しかしながら、新人さんの数が圧倒的に少ないのが現状です。
今、残っている常連さんも減らさず、少しづつでも新人さんを増やすように、みんなが協力して頑張っていけたらいいのかなと思います。