皆さま、こんにちは！
もし40年前の駅の様子が今も残されていたら、
ここは見るものすべてが楽しすぎて
駅ファンの「憧れの地」になってたはずです。
理由はたくさんあるのですが、
まずは駅周辺の様子から。
駅の西側に日本セメント（現・太平洋セメント）の香春工場があり、
スイッチバックして駅前を横切る
貨物専用線が存在してたのですよ。
上は国土地理院のサイトから転載した
昭和50年撮影の航空写真でしたが、
構内にズラリと並ぶセメントホッパ車が見えますかね？
構内には転車台もあったようです。
嗚呼…堪らんばい。
そして極めつけは駅がある場所でした。
ここは日田彦山線の駅でしたが、
昭和60年に廃止された添田線の分岐駅であるほか、
平成元年に第三セクター化され
現在は平成筑豊鉄道田川線に変わった田川線、
その田川線の貨物支線（昭和48年廃止）が
密集していた地域にあるのですよ。
付近は路線の分岐や立体交差だらけ。
こんな光景が当たり前に見れたなんて
信じられません。
そんな萌えポイントが周囲に点在してた
日田彦山線・香春（かわら）駅でした。
あと40年早くここを訪れたかった…
香春駅は日田彦山線の前身である小倉鉄道の手により
大正７年に開業。
昭和18年に国有化されました。
開業当時の駅名は「上香春駅」。
国有化時に現在の駅名に改称されたんですって。
現在ある駅舎は平成７年に焼失した駅舎に変わり
竣工したモノだそうです。
駅舎が特異な形状なのは旧駅舎を模したからとか。
更に遡って、小倉鉄道が竣工した初代駅舎には
特等車の乗客専用の待合室があったらしいですよ。
駅舎の歴史を聞き、
香春駅の好き好き度がマシマシになりました。
日本セメント香春工場に繋がる専用線は
昭和61年に廃止後されましたが、
当の工場は元気に操業中です。
駅前からもその姿を見ることが出来ましたっけ。
それと、香春駅で忘れちゃいけないのが
石灰の肌が丸見えになった香春岳のこの景色です。
工場好きには堪りませんわね。
貨物専用線が廃止されて35年が経過しましたけど、
廃線跡は一部が道路に転用されてるほか、
道床とわかる箇所も数多く残っているそうです。
実は香春駅の構内には
国鉄時代の遺構が数多く残ってまして…
その様子をお伝えする前に、
まずは駅舎内の様子からです。
現在は無人駅の香春駅ですが、
駅舎が新調された平成８年時点は簡易委託駅で
当時使われていた出札窓口が
塞がれた状態で残ってました。
待合室はこんな感じ。
採光が最高です。
香春駅は相対式＆島式ホームによる複合２面３線構造…
改め、島式ホームの片面を廃した
２面の相対式ホームを持つ駅でした。
２本のホームの間が広く空いているのは、
貨物列車を留置させるための中線があった名残り。
中線に貨物列車の姿が写る
ブログにUPした上から２番目の画像も
ご注目くださいませ。
元々は島式だったこのホーム、
幅がかなり広い仕様ですが
それには理由がありまして…
かつて当駅から日田彦山線・添田駅までを結ぶ
国鉄・添田（そえだ）線が伸びており、
列車はこのホームから発着してたそうです。
添田線は全長約12キロの短めな路線で
昭和60年に惜しくも廃止されてしまいました。
同線の大任駅からは
未成で終わった油須原線も伸びる計画があったらしく。
もし実現してたら、
この辺り一帯は線路が「密」な
カオスな状況になってたでしょうね。
そのホームに立ってた駅名標です。
一本松駅に書き換えの形跡が見られたので
凝視してみました。
わかりづらいので、
フォトショでコントラストをア～ップ！
平成９年に開業した一本松駅の下に、
それまで隣駅だった田川伊田駅の駅名が潜んでました。
撤去された転車台は
奥に見えるカーブ付近にあったはずです。
最後はお祭りムードだった
駅舎寄りのホームの画像で〆ます。
冒頭に「あと40年早くここを訪れたかった」
なんて書きましたが、
40年前に戻れるのなら
香春駅じゃなくて地元の駅でも構いません。
40年前に見てた「当たり前」の風景…
今は絶対に見れないあの景色にまた触れたいです。
↑（城野駅方面）
香春駅（平成27年７月30日）
一本松駅
田川伊田駅
田川後藤寺駅
池尻駅
豊前川崎駅
西添田駅
添田駅
歓遊舎ひこさん駅
豊前桝田駅
彦山駅
大行司駅
宝珠山駅
↓（夜明駅方面）
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