皆さま、こんにちは!

 

今日は、駅ファンはもちろん、

線路ファンも大好きな元スイッチバック駅!

日田彦山線・呼野(よぶの)駅の訪問記です。

「スイッチバック」ってなあに?とお思いの方に簡単にご説明しますが、

蒸気機関車が主流だった時代、

列車が急な勾配を安心安全に上りきるために

線路をジグザグに配して勾配を緩和させた構造でした。

スイッチバック駅はそのジグザグな線路の中心に設けられた駅で、

停車した列車を加速させるための横取線

(本線とは別方向に伸びる側線)が駅の前後に設けられているのが特徴。

ちなみに呼野駅の場合はこんな感じで、

横取線の一方が駅のホームに繋がってたのですよ。

 

下は、上と同じく昭和36年に撮影された航空写真ですが、

当時の呼野駅には横取線の先にある1番線ホームと、

横取線を通らずに直進できる

勾配上に設けられた2番線ホームがあったみたいですね。

戦前に全国各地に設けられたスイッチバックですが、

蒸気機関車がディーゼル機関車に置き換えられると

勾配上でも列車が加速出来るように変わったために次々と消滅。

大正4年の開業した呼野駅も

昭和58年にスイッチバック構造が廃止されてしまいました。

元スイッチバック駅では横取線の遺構が残っていることが多いのですけど、

呼野駅の場合はどうだったか?

今から4年前のことですけどワクワクしながら見てきました。

 

まずは呼野駅の出入口からですけど…

こんな細い道が駅の出入口なのです!?

 

国道から繋がるアプローチがあまりにも簡素でビビりましたが、

先に上がると車が出入りできる道がありました。

そりゃそうだわな。

中途半端な場所に電話ボックスがありますけど、

昔、奥に駅舎があった時代の名残りですよね。

 

今来た小道を振り返ります。

下に見えるのが呼野駅のすぐそばを通る国道322号線でした。

福岡市内から下道を通って大分市に向かうと

レンタカーのカーナビがしょっちゅう案内してくれる国道でしたよ。

 

駅舎跡に設けられた駐車場の中を抜けて

呼野駅のホームに入りますが…

 

ん?ホームの手前側に線路らしきモノが見える!?

 

今いる場所ってひょっとすると…

 

スイッチバック時代に使われていたホームの上!?

廃止されたホームがそのまま残ってるじゃないの!

左が現役である、勾配上に設けられたかつての2番線ホーム。

右側がスイッチバックの横取線の先にあった1番線ホーム跡です。

中央に埋もれた線路が見えますけど…

スイッチバック時代に使われていた側線で間違いないでしょう。

なんか興奮してきた!

旧ホームは後ほど眺めることにしまして…

 

現役のホームはこちらの階段を伝って入ることが出来ます。

 

現在の呼野駅は単式ホームが1本あるだけの棒線構造の駅。

背後に旧ホームが見えますが、

スイッチバックによる高さの違いがわかりますでしょうかね?

 

現役のホームから旧ホームを見るとこれだけの高低差があります。

この光景、駅ファンなら鼻血モノの景色ではないでしょうか?

 

廃止されたホームに近づいてみました。

先にも書きました通り、このホームが廃止されたのは昭和58年のこと。

金辺(きべ)峠対策でスイッチバック構造になった呼野駅ですが、

蒸機列車が廃止されてディーゼルカーが主体になった後も

列車の行き違い用に使用されてたみたいですね。

 

ホームには駅名標が立ってましたけど…

これって国鉄時代から立ってるヤツです!?

国鉄表記のままだわ。

駅名標の奥に見えるのは三菱マテリアル東谷鉱山の社宅でした。

裏側には現役の砕石所があるし、

日田彦山線が鉱山列車で賑わっていた頃の雰囲気が

プンプン漂ってましたよ。

 

さてさて呼野駅のホームから、かつて北側に伸びていた

スイッチバックの横取線を確認しようと覗きましたが、

分岐箇所があまりにも遠くて存在を確認することが出来ず。

せっかくなので、横取線の存在を確認すべく

北側の様子を眺めてみることにしました。

駅から横取線の分岐箇所までの距離は約500メートル。

そんな遠くじゃありませんからね。

 

北側に進むにつれ、日田彦山線の線路の高度が下がっているのを

目で確認することが出来ました。

 

横取線の様子が一番わかりやすいスポットに到着~!

手前が国道322号線側、正面に見えるのが日田彦山線です。

 

線路の下を潜る小道が見えますけど、そこを抜けると…

また鉄橋が見えてきた!

これがスイッチバックの横取線の遺構。

昭和58年までは、この上で列車が退避して

呼野駅で列車の行き違いをさせてたのですよ。

 

反対側から見るとこんな感じでした。

横取線の奥に日田彦山線の線路が見えるように写しましたが…

見えるでしょうかね?

 

横取線跡には今でも線路が撤去されずに残っているらしい。

自分も丘陵の上に登って線路を見たかったですけど

この雑草の中を突き進む勇気はありませんでした。

セイラさんに「それでも男ですか、軟弱者!」とビンタされそうですが、

朝に温泉に浸かり、この後は福岡空港からキレイな身で帰りたかったので

今回は遠慮しときましたわ。

機内の隣人に気を遣うのもマナーってことで。

 

趣味的に見ると絶対にハズレがない元スイッチバック駅ですが、

呼野駅は数多くの遺構が残っているので

面白さという点では極めてレベルが高い駅ではないでしょうか。

訪れるなら雑草が枯れた初冬がおススメですぞ。

 

 

訪問駅リスト(JR線)

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