黒夢「1997 10.31 LIVE AT 新宿LOFT」は世界一カッコいいライブ盤~本編~ | tak METAL ON METAL

tak METAL ON METAL

メタルを中心にてろてろ書いていけたらいいな。。。的な。
基本は成り行きまかせDEATH。

ってことで本編です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いよいよこの世紀の名実況盤に踏み込みます

 

 

まず、前段としてこのアルバムが素晴らしい背景は大きく3つ

 

 

①新宿ロフトって場所を録音場所(及び撮影場所)に選んだ

 

当時の私は本当に痺れました

 

そもそもほんの少し前に武道館を速攻ソールドさせた彼らがですよ?


追加公演としてライブハウス、しかも老舗の新宿ロフトでやる、と言い出したことに大学生の私は心底痺れたワケです

 

 

 

 

当時は兎に角デカいキャパでやるバンドが偉い

ライブハウスはホールへの道程に過ぎない

これらが明確な不文律としてありました

 

当時はV系バンドの台頭期でもあり、LUNA SEA、GLAY、L'Arc~en~Cielあたりは活動をドンドンでかくしてた時期

 

『LUNA SEA 10TH ANNIVERSARY GIG [NEVER SOLD OUT] CAPACITY ∞』


『GLAY EXPO '99 SURVIVAL』


L'Arc~en~Ciel『1999 GRAND CROSS TOUR』

 

これら10万人規模のイベントが全部1999年に起こってました


 

ところが清さんは(節目節目にそれなりにデカい会場はあったにせよ)、あえて全国100か所以上、小さ目ホールを細かく回る方向に舵を切りました。当時前述したバンド並の知名度があったにも関わらず、私の地元山口県下松というニッチなホールにまで来てくれた

 

戦略性もあったと思うにせよ、清さんの「俺はファンを大事にする」ってスタンスはこの頃から一貫して今に至ってると思います(今でも熱狂的なファンが多数存在している大きな理由です)

 

その極めつけが「俺はライブハウスを忘れない」と言わんばかりのこのロフト追加公演だったワケです

 

これがもうすごいエピックだったんです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②そこに加えて「ライブ盤」って選択肢


当時は映像技術が一気に発展してきたDVD前夜

ライブ盤はその役割を終えたかの如く、ほぼ発売されなくなってました

 

つまり黒夢がこの時期にライブ盤出したのは(映像との併売ではあったにせよ)完全に当時の世評へのカウンターであり意識的だったと思います


反骨精神/逆張りの発想 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

③徹頭徹尾ライブ重視選曲


シングルは少年(これすら映像には収録されず)とLIKE A ANGELのみ


あとは全編ハード/スピードチューンのオンパレード

 

秀逸だなぁ、と思うのは微妙に当時の演奏曲目をオミットしている点


それによりこのアルバムは他では得る事の出来ないスピード感を更にブーストさせてます

 

「gossip」「autism」は盤/映像共に外され、盤からは「MIND BREAKER」「ROCK 'N' ROLL」が抜かれてる


これらの曲は比較的緩やかなテンポなので(とはいえハードチューンではあるけど)、全曲収録されていたらここまでの切迫感は出なかったはず

 

ただ、時を経た今、全てを網羅したディレクターズカット版を聞いてみたいのは私だけではないと思うので。。。清さん何卒頼みます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなな背景/経緯を背負いながら生まれた今作、以下にざっと解説します

 

 



①FAKE STARが始まった瞬間から「うぉ!」となること請け合いです


なんせ原曲より1.5倍マシくらいで速いから

 

今はデジタル制御されてる曲が多いので曲テンポはどうしたって安定します


黒夢もそもそもアルバム「FAKE STAR」ではデジタル取り入れまくっていたのに、今作では一切なし

 

頭からケツまでギター/ベース/ドラムの3人のみでサウンド作り、鋭利なナイフのような早回し演奏で我々を切り刻んでくれます。とにかく速いんです

 

「Break out, too Burst 染まる前に Get out, Get up 脱走する」

 

反体制に満ちた清さんの歌詞も相俟ってめちゃめちゃパンキッシュで荒ぶる演奏も最高

 

②DRIVEでは人時さんのシンプルだけど力強いベースラインがバンドを引っ張ります。私がベースで弾けるレベルでアホみたいに簡単な曲なのですが、彼らが演奏すると果てしなくカッコいいのはどうしたことか

 

 

パウダーの隙間から浮かぶ香り吸い込んだ後は③NEEDLESS


曲調がやや地味なのですが、ファンの間ではLIKE A ANGELと並び評価されてる清さんからのメッセージ色の強いエモソング

 

「NEEDLESS 何時になれば 自由と呼べるだろう 僕に合わない物 Ah 消えて欲しい」

 

ファンでなくても清さんの口から発せられるこれらの言葉にグッとくること確実


普通に聞き取れるぞ、ちなみに

イョオニードレース!

 

 

④S・A・D この選曲がまた熱い 元々は「ICE MY LIFE」のカップリングで「親愛なるDEATHMASK」の流れを汲む発狂チューンだったのですが、見事なまでにOiパンクに変貌しており、そうる透さんのドラムのパワフルさも相俟り別物のような迫力で迫ってきます


こういうアレンジ変化が楽しめるのもライブ盤の良いトコロ

 

 

⑤CAN'T SEE YARDでは人時さんの野太いコーラスがインパクト大。というか人時さんがこんなガラついた声だったことを本作で初めて知った人も多いはずで(それ以前のライブは同期コーラスが多かった)、あのルックスからこの声が。。。って意外性が皆にあったはず


布袋寅泰と同じで最初は「ぬぅ。。。」というか感覚があったのですが、聴くたびに「コーラスは人時さんの声しかありえねぇぜ。。。」となるから不思議 

 

⑥DISTRACTIONも直球パンクソング。おかしいくらいベースが前に出た原盤と違い、ギターが良く聞こえてまた聴感が違う。展開部でキメ→ハーフテンポになるところがカッコいい。おーおーおおー

 

⑦BARTERはデジタル成分0の演奏となった事で原曲と全く違って質感で迫ってくる黒夢流ダンスチューン


この後またデジタル要素が加わって演奏されるようになるので、この頃の演奏は貴重。これまた人時さんのコーラスが激耳の残る。オールライツトーキョー!カモォォン!

 



⑧C.Y.HEAD

⑨BAD SPEED PLAYが続く

 


怒真ん中陽性メロコアの⑧はなんせ当時衝撃だった

ここまで陽性に振れた曲は無かったからだ 


初期MADがやりそうなリフ。めちゃめちゃOiパンクですぐ終わる

 

「クスリは効いてるかー!クスリは効いてるかー!」と「それ自分に言ってるでしょ?」とツッコミを入れざるを得ない⑨でバウワウワウワウと爆走した後は⑩カマキリ⑪Sickのお馴染み旧曲BURST魔改造暴走ハードコアチューン連打で〆にかかる

 

カマキリ~Sickでは熱気で会場の証明が落ちる驚くべき事態へ


この頃の黒夢は偶然すら味方につけていたと感じる神懸った展開


2バスが唸りを上げるSickのビルドアップは筆舌にし難いし、カマキリのベースリフは全ベーシストに真似して欲しいカッコ良さ。ヤーヤーヤヤヤヤー!

 

アンコで下劣パンク⑫SUCK ME!でエルドレーイ!した後は⑬少年⑭LIKE A ANGELと漸く最後にシングル曲を畳みかけ聞く者を安心させてくれます。

 

⑬⑭でいきなりメロディが大増幅されて毛色が変わるのですが、この2曲が無いとハードパンクバンドのアルバムとなり、聴後感が全然違ってきます。長く聞ける1枚とするにはこの選曲はとても大きい


ライクが無いとライブも締まらないし

 

散々ハードチューンでいたぶっておいてから、最後に優しさを少しだけ差し出す手法は売れっ子ホストの調教方法と同じ飴と鞭作戦であり、その意味で我々ファンも清さんの思うつぼに調教されていると言えます

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな1枚です


この後、黒夢は2枚のライブ盤を出してますが、このロフト盤でしか得られないカタルシスって間違いなくありまして


カズさんゴーさん従えてツイン/トリプルギターで重厚になったサウンドも良いのですが、やはり今作には得難い位の熱量が籠もっててスペシャルに感じます


まぁこんなところに私がグダグダ書くよりも本作を一発聞いてもらった方がすぐ腹落ちすると思うし、清さんもお金入って喜ぶと思うので、ココから聞いてみてください。時代に抗った1枚、今も色あせない反骨精神がグッときます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は新宿とお別れです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tak