山下麻衣+小林直人 他者に対して、また他者と共に | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

久しぶりに、水戸芸術館へ行ってきました。

 

 

 

現在、こちらで開催されているのは、

“山下麻衣+小林直人 他者に対して、また他者と共にという展覧会。

国内外で活躍するアート・ユニット「山下麻衣+小林直人」の最新展にして、

最初期から最近作まで35シリーズ約120点を紹介する過去最大規模となる展覧会です。

 

 

 

「山下麻衣+小林直人」といえば、

昨年、千葉県立美術館で展覧会が開催されていました。

 

 

 

作品を改めてまとめて観た上で、

お二人に対して抱いた率直な僕の印象は・・・・・

 

“誰に頼まれたわけでもないのに、

しかも、芸人でもユーチューバーでも無いのに、

身体を張ってチャレンジ企画(?)に挑むアート・ユニット”

 

でしたが。

その印象は、本展を通じてさらに強まりました(笑)。

星星

 

 

例えば。

本展の冒頭を飾る《telepathy》という映像作品。

 

 

 

映像に映し出されているのは、

お2人がテレパシーを試みた模様です。

そんなテレパシーを1000回(!)も行ってみたところ、10回成功したのだとか。

壁に展示されていたのは、その一致したドローイング。

 

 

 

床に直置きされていたのは、失敗したドローイングの山です。

 

 

 

100回に1回一致するとは、

意外と高い成功率である気がします。

 

さてさて、《telepathy》の裏手に周ると、

何やら謎の赤い玉が展示されていました。

 

 

 

実はこちらは、《Candy》という作品の一部とのこと。

ボーリングの球くらいある大きなキャンディーを、

2人でひたすら舐め続けて、普通の大きさにしたのだそうです。

 

 

 

ちなみに。

舐め続けた期間は、6か月だったとか。

『いきなり!黄金伝説。』くらいに過酷なチャレンジです。。。

 

この他にも、アフリカから日本へと連れてこられて、

寒い思いをしているだろうキリンのために編んだセーターや、

 

 

 

浅草で買ったドイツ産のミネラルウォーターを、

実際にドイツまで行って、その源流に放流した一連を収めた映像作品、

 

 

 

世界一の流域面積を誇るアマゾン川と世界一長いナイル川をそれぞれ、

何の変哲もないゴムボートで下ってみた、という映像作品が紹介されていました。

 

 

 

若手芸人やユーチューバーであれば、

この過酷なチャレンジを頑張った暁には、売れたりバズったりするわけで。

それなりのモチベーションはあるでしょうが。

山下さんと小林さんには、一体どんなモチベーションがあるのでしょう??

 

なお、お二人の作品は毎回、

身体を張る過酷系チャレンジというわけではありません。

中には、思わず「くだらねーwww」と脱力してしまう作品も。

その最たるものが、《Dogsled》という作品です。

 

 

 

こちらは、犬ぞり・・・ならぬ、犬ラジコンぞり。

この犬ラジコンにそりを引っ張ってもらい、

雪が降るベルリンの公園を疾走したそうです。

 

 

 

また、《Major League Birdwatching》も、

「くだらねーwww」と声が漏れてしまった作品。

 

 

 

この作品に対しては特に説明はなかったので、

おそらくの予想ですが、メジャーリーグを観戦しに行きながらも、

野球を一切観ることなく、バードウォッチングだけしてきたのでしょう。

いや、野球観ろし(笑)!

 

 

 

さてさて、紹介されていた作品の中には、

お二人以外が参加しているものもありました。

 

 

 

これらのキャンバスをボロボロにしたのは・・・・・

 

 

 

動物園のライオンたち。

いうなれば、ライオンによるアクション・ペインティングです。

 

こちらのコンクリート板もまたある意味、

アクション・ペインティングといってもいいかもしれません。

 

 

 

作品名は、《前方転回する染谷さん》

まだ乾いていない状態のコンクリートの上で、

ギャラリストの染谷さんが前方転回をするというものです。

 

 

 

綺麗に着地を決めてくれるのかと思いきや・・・・・

 

 

 

最後に、思いっきり手を付けてしまっていました(笑)。

それを踏まえた上で再びコンクリート板を観ると、非常に味わい深いものがあります。

 

 

 

ちなみに。

本展のために制作された新作、

《人が花に対して、また花と共に行う営み》も参加型作品。

その作品は館内ではなく、館外の広場にあります。

実はこの記事の一番最初に掲載した写真に、

その作品が映っていたのですが、お気づきになりましたでしょうか?

 

 

 

有志で結成された「花壇クラブ」によって、

会期中に何度かこの特性の花壇に花が植えられる予定だとか。

また、それ以外の日でも、花の苗を持参すれば植えることが可能だそうです。

 

 

 

ところで、この新作はどこから鑑賞すればいいのでしょうか?

正解は、水戸芸術館のシンボルタワー。

 

 

 

タワーの展望台から下を覗いてみましょう。

 

 

 

すると、「大丈夫」の文字が見えます。

何がどう大丈夫なのかは、よくわからないですけれども(笑)。

 

 

 

 

1位を目指して、ランキングに挑戦中。
下のボタンをポチッと押して頂けると嬉しいです!

Blogランキングへ にほんブログ村 美術ブログへ