図録・オブ・ザ・イヤー2021 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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美術を、もっともっと身近なものに。もっともっと楽しいものに。もっともっと笑えるものに。

さぁ、盛り上がってまいりました。


展覧会の内容は関係なく、図録の素晴らしさを、
アートテラー・とに~が独断と偏見で評価する“年に1度の図録の祭典”。
それが・・・・・


キラキラ図録・オブ・ザ・イヤーキラキラ

です。
アート業界や出版業界の一部の方が注目している年末恒例企画。
果たして、2021年の栄冠に輝いたのは、どの図録なのでしょうか?!

 

 

第10位 刀剣 もののふの心 

 

 

 

刀剣をイメージした装丁で、

表も裏も銀ピカ仕様となっています。

シルバー好きにはたまらない一冊。

ちなみに、図録と全く関係ないですが、

“もののふの心”って、“もふもふの心”って空目しがちですよね。

 

 

第9位 テート美術館所蔵 コンスタブル展

 

 

 

19世紀イギリスで活躍した風景画家コンスタブル。

客観的に見れば、地味な作品が多い画家の展覧会でしたが。

 

 

 

地味さを感じさせないレイアウトのセンスに感銘を受けました。

まるで海外の図録を読んでいるかのよう。

 

 

 

第8位 サーリネンとフィンランドの美しい建築展

 

 

 

美しい建築をテーマに掲げていただけに、

租の図録の仕上がりもひときわ美しかったです。

フィンランドの自然を写した写真も美しければ、

論文のフォントや文字色すら美しく感じられました。

 

 

 

このおかげで、初めてちゃんと論文のページに目を止めた気がします (笑)。

いつもはパラパラ読み飛ばすのに、

 

 

 

第7位 あやしい絵展

 

 

 

あやしい絵展のあやしい図録。

蜘蛛の巣かあやとりか塩田千春的なのが、

本の全面にびっしりと張り巡らされています。

もちろん、本の内部もたっぷりあやしげ。

 

 

 

 

第6位 北斎づくし

 

 

 

アートディレクションを担当したのは、

日本を代表するブックデザイナー祖父江慎さん。

縦約54㎝×横約40cmの新聞サイズの図録です。

 

 

 

たいへん読みごたえはありましたが、

果たして、これを“図録”と呼んでよいものやら。

図録か図録じゃない論争を巻き起こしたとか巻き起こしていないとか。

 

 

 

第5位 コレクター福富太郎の眼

 

 

 

「昭和のキャバレー王」の異名を持つ福富太郎。

そのコレクションの全貌をはじめて公にする展覧会の図録ということで、

もっとキャバレー感(?)を前面に押し出した装丁にするのかと思いきや。

どこかカルピスを連想させる爽やかな仕上がりに。

 

 

 

福富太郎自身の言葉や写真を挟むなど、

細部の細部までこだわり抜かれて作られているのがわかる一冊でした。

 

 

 

第4位 特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」

 

 

 

《鳥獣戯画》のウサギをポップかつ大胆にデザインした表紙に、まず度肝を抜かれました。

さらに、度肝を抜かれたのが、

全4巻の「ほぼ原寸サイズ」での掲載。

 

 

 

 

第3位 生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて

 

 

 

図録自体が、モンドリアンのオブジェクトのような美しい一冊。

黄色い部分は帯になっており、

自由に動かせられるという楽しさも。

 

 

 

部屋を彩るアクセントとして、

読まずに飾っておきたい一冊です。

・・・・・図録としてそれでいいのかは悩ましいですが。

 

 

 

第2位 つくる・つながる・ポール・コックス展

 


 

展覧会の図録として販売されていたのは、「Paul Cox Box」なるもの。

箱の中身は何でしょね?と開けてみると、

そこには、ポスターやテキスト、切って遊べるゲームなどが入っていました。

 

 

 

さらには、ポール本人が手描きしたプレゼントも同封されているとのこと。

箱によってプレゼントは1枚1枚違うのだとか。

ちなみに、僕の箱に入っていたのは、こちらでした。

 

 

 

 

第1位 木彫り熊の申し子 藤戸竹喜

 

 

 

今年のトップに輝いたのは、藤戸竹喜展の図録。

展覧会自体も素晴らしかったのですが、図録も大変素晴らしかったです。

中身もさることながら、熊をイメージしたのであろうもふもふな毛並みの装丁は衝撃的。

 

 

 

発想が斜め上すぎました。

触り心地があまりに良すぎて、

たまに本棚から引っ張り出しては撫でています。

 

 

昨年に引き続き、まだコロナが収まっていないこともあり、

展覧会を訪れなくても、ネットで図録が買える機会が増えてきました。

そういう背景もあるのでしょうか、

全体的には、図録のクオリティが高まっている気がします。

果たして、来年2022年は、どんな図録が登場するのでしょうか?
それでは皆様、また来年の図録・オブ・ザ・イヤーでお会いいたしましょう!




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