生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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現在、SOMPO美術館で開催されているのは、

“生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて” という展覧会。

日本では実に23年ぶりとなるモンドリアン展です。

 

(注:展示室内の写真撮影は、特別に許可を得ております。)

 

 

モンドリアンといえば、水平と垂直の線で構成された画面に、

赤・青・黄の3原色だけを用いたストイックな抽象画が代名詞ですが。

 

ピート・モンドリアン 《大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション》 1921年 油彩、カンヴァス
デン・ハーグ美術館 Kunstmuseum Den Haag

 

ピート・モンドリアン 《赤、青、黒、黄、灰色のコンポジション》 1921年 油彩、カンヴァス
デン・ハーグ美術館 Kunstmuseum Den Haag

 

 

実は、この作風を確立するまでには、長い紆余曲折があった―

 

というのが、今回の展覧会の最大のポイント。

オランダのデン・ハーグ美術館所蔵のモンドリアン作品50点を中心に、

モンドリアンがモンドリアンになるまで、その軌跡を辿る展覧会となっています。

星星

 

 

初期は同じオランダ出身のゴッホと同様に、

オランダ版バルビゾン派ともいうべき、ハーグ派様式の風景画を描いていたモンドリアン。

 

 

 

次第に、象徴主義や神智学に傾倒し、

スピリチュアルな作風へとシフトチェンジしていきます。

 

 

 

なお、その頃に描かれた作品の中には、

今にも枯れそうなヒマワリをモチーフにしたものも。

 

 

 

SOMPO美術館の常設展示スペースにある、

ゴッホの 《ひまわり》 と見比べてみるのも一興です。

「ゴッホの  《ひまわり》 に生気を奪われたんか?」 というくらいに萎れています。

太陽を向く元気がこれっぽっちもなし。

引きこもりのヒマワリという印象でした。

 

 

さて、そんなモンドリアンは、

40歳手前で、芸術の本場パリへと活動の拠点を移します。

そこで大きな衝撃を受けたのが、ピカソやブラックが始めたキュビスム。

自身ものめり込むようにキュビスム風の作品を制作するようになりました。

 

 

 

・・・・・・と、ここまでさらっと紹介してきましたが。

展覧会全体としては、この時点で約3分の2ほどを消化。

まだ、「This is モンドリアン」 な作品は登場していません!

 

そして、いよいよ登場かと思いきや。

 

 

 

ドゥースブルフやヴァントンゲルローといった、

モンドリアンと同時代の抽象画家たちの作品が登場!

焦らしプレイにもほどがあります。

 

 

 

・・・・・・からのモンドリアン。

 

 

 

目に飛び込んできた瞬間に、大向こうのように、

「よっ、待ってました!」 「モンドリ屋ン!」 と声を掛けそうになりました。

 

 

さて、これまで画集やネット上では何度も目にしていたものの、

モンドリアンの最終形態の作品の数々を実際に目の当たりにして、

改めて感じたのは、当たり前なのですが、手描きなのだなァということ。

 

 

 

白い画面に見えていましたが、意外と灰色。

線もよく見ると、手描き感満載でした。

また、ただのキャンバスに描かれていないというのも新鮮な発見。

不思議な造形をしており、平面というよりは立体作品のよう。

会場には、モンドリアンとともに芸術運動デ・ステイルに参加した、

建築家でデザイナーのヘリット・リートフェルトの椅子の数々も展示されていましたが。

 

 

 

それらと通じるものがあったような気がします。

シンプルな作品なので、本やwebで観ても一緒でしょ。

そう思っている方にこそ、是非モンドリアンの実物を観て頂きたいものです。

 

 

 

ちなみに。

モンドリアンスタイルが確立する前の作品の中で、

個人的に最も印象に残っているのが、《色面のコンポジション no.3》 という作品です。

 

ピート・モンドリアン 《色面のコンポジション no.3》 1917年 油彩、カンヴァス
デン・ハーグ美術館 Kunstmuseum Den Haag

 

 

ミッフィーの作者ディック・ブルーナが、

モンドリアンの影響を受けていたというのは有名な話ですが。

この絵を じーっと見ていたら、日本を代表するあの絵本作家が頭をよぎりました。

色味が完全に五味太郎さんです。

 

 

さてさて、展覧会場には、

そこまでモンドリアン柄は溢れていませんでしたが。

その代わりと言ってはなんですが、

ミュージアムショップは、モンドリアン柄がいっぱいでした。

 

 

 

ミュージアムショップまでがモンドリアン展です。

 

 

 ┃会期:2021年3月23日(火)~6月6日(日)
 ┃会場:SOMPO美術館
 ┃https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/mondrian/

 ┃※チケットは事前予約制

 

 

~読者の皆様へのプレゼント~
“モンドリアン展” の無料鑑賞券を、3組6名様にプレゼントいたします。
住所・氏名・電話番号を添えて、以下のメールフォームより応募くださいませ。
https://ws.formzu.net/fgen/S98375463/
なお、〆切は、3月31日です。当選は発送をもって代えさせていただきます。

 

 

 


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