今回は、ブリヂストン美術館に行ってまいりました。
ここ最近、このblogでブリヂストン美術館を取り上げるたびに…
“企画展の会場が狭いっ!”
的なことを、言っていたような気がします。
その僕の訴えが届いたのでしょうか (いや、違うでしょうw)
今回は、ブリヂストン美術館の展示室のほぼ全スペースを使っての展示。
もう “企画展の会場が狭いっ!” という訴えは不要です。
その節は失礼いたしました<m(__)m>
そんな全フロアで行われる展示が、
4月11日まで開催される “美の饗宴・東西の巨匠たち” 。
内容はと言いますと…
“西洋と日本の影響関係を軸に、
明治期から戦後美術までのさまざまな画家たちの様式の展開や成熟の過程を紹介する”
というもの。
文字にすると、何だかスゴく意義のある展示っぽい気はしますが、
『西洋と日本の影響うんぬん』 というのは、王道も王道なテーマ。
正直なところ、アートテラーとして、多くの美術展を観てきたので、
このテーマに関しては、 “何をいまさら…” という感もしないではありません (←偉くなったものですw)
内容としては、美術検定3級という感じ。
それだけに、美術ファン向けというよりも、
「これから美術を学びたい!」
「美術に触れてみたい!」
という美術館ビギナーの方向けな美術展と言えましょう。
今、美術館デビューしてみたいという人には、ベストofベストな美術展です!
というわけで、僕的には、展示がどうこうというわけではありませんでしたが。
改めて、今回の展示を観てみまして。
この美術展のもう一つのテーマ (?) である、
“ブリヂストン美術館と石橋美術館のコレクションの豊かさと幅広さ” は、十分に堪能できました。
コローの 《ヴィル=ダヴレー》 や、
ルノワールの 《座るジョルジェット・シャルパンティエ嬢》 、
ポロックの 《Number2,1951》
西洋の名画だけでなく、日本の名画ももちろん。
藤島武二の 《黒扇》
…などなどなど。
古今東西、こんなにも幅広いジャンルのコレクション、
しかも、名品揃いを取りそろえた美術館。
その上、アクセスしやすい都内にある美術館。
おまけに、ぐるっとパスで観られる美術館は (笑)
やはり、ブリヂストン美術館だけでしょう。
「最近、何だか失礼なことばかり言っていて、すいませんでした(>_<)」
と、謝り倒したくなりました。
最近1ツ星が続いていたので、今回はきちんと2ツ星。
さてさて、今回の展示作品。
僕にとっては、そのほとんどが見慣れたコレクションばかりでしたが。
日本美術に影響を受けた西洋作品を紹介する 『第2章 日本美術との出会い』 だけは、
初見の作品が多く、とても楽しめました。
ブリヂストン美術館のコレクションの中には、
エミール・ガレのガラス工芸品や、アール・ヌーヴォー期の版画作品もあったのですね。
特に印象に残ったのが、
アンリ・ラシューの 《装飾パネル》 というリトグラフ作品。
19世紀後半。
西洋美術界が、日本の浮世絵に影響を受けたとは、よくよく聞いていましたが。
ここまで、影響を受けまくりな作品は初めて観ました (笑)
フランス人の作品とは、思えないほど完全に “和” な作品。
画像は、観づらくて、すいません。
気になった方は、是非本物を観に行って下さいませ。
そして、もう一点。
同じコーナーで目にした今回一の衝撃作。
《硫酸魔》
恋人に振られた腹いせに、硫酸を手にし復讐に向かう女性の図。
作者の名前は、ウジェーヌ・グラッセとありましたが、
僕は、どうもモンキー・パンチ先生の作品としか思えません (笑)
描かれている女性も、どうも梅宮クラウディアとしか思えません (笑)