小説家のジョン・モーラーが頭を滅多打ちにされる事件が発生し病院に収容された。
イギリスに来ているフランス人の警部ブルネルはこの事件を捜査することになった。
モーラーは子供の頃から妄想に悩まされており、精神科医の治療を受けていた。
製作年1978,監督:Jack Gold,脚本:John Briley,原作:The Medusa Touch(Van Greenaway)
■ はじめに
◆ 登場人物
ムッシュ・ブルネル(リノ・ヴァンチュラ) フランス人警部
ジョン・モーラー(リチャード・バートン) 小説家
ゾンフェルド精神科医(リー・レミック)
◆ 補足
本作は多数の回想場面がある。多くの映画は回想場面に移行する時、セリフで誘導するとか、画面がゆらっと揺れるとかするのだが、本作はなんの前触れもなく回想場面に移行するので、その点では分かりにくい。
メドゥーサはギリシャ神話の魔女。
リチャード・バートンは有名だが、あまり見ていない。オリヴィア・デ・ハヴィランドと共演の「(1952)謎の佳人レイチェル/My Cousin Rachel」とジーン・シモンズと共演の「(1953)聖衣/THE ROBE」くらい。エリザベス・テイラーと二度結婚。
■ あらすじ
◆ ジョン・モーラー傷害事件
フランス人のブルネル警部は交換留学でロンドンに来ている。
小説家ジョン・モーラーの障害事件を調べることになり、彼が収容されている病院に来た。
アパートで頭部をレンチのようなもので何度も執拗に殴られていた。
だが重傷を負っているにも関わらず、なんとか生きていた。
頭部は目を除いて包帯がまかれていて、脳波計がつながれていた。脳波計は時々に不規則な波形を描いている。
◆ モーラーの妄想
ブルネルはモーラーの日記を読んだ。彼は精神科医のゾンフェルド医師の診断を受けていた。
ゾンフェルドによるとモーラーは子供のころから妄想に悩まされていた。
それは一言で要約すると、モーラーが精神的に追い詰められたり怒ったりすると、周りの人に不幸な事件が発生するということだった。
車に乗った両親が海岸の崖から転落して両親が死亡した。学校で教師に叱られた時に学校に火災が発生した。
大人になってからは、女性とトラブルになった時、女性が窓から飛び降りた。
飛行機を見ていると墜落したこともあるという。
モーラーはこれらのことを実際に起こったことだと主張した。
ゾンフェルドはこれらの話を聞きながら、心理学の理論に基づいて治療を進めていった。
◆ 妄想は実際に起こったこと
だがゾンフェルドは、次第にこれらのことは実際に起こったことではないかと考えた。
治療の間にも、モーラーの周りには、いろいろな事件が発生した。
ゾンフェルドは、子供のころからモーラーに起こったことは事実であり、しかもモーラーの無意識が起こしたものとの結論に達した。
モーラーに今までの料金を返した。
◆ 傷害事件の犯人
モーラーは頭部を殴られた状態でアパートに放置されていた。犯人は不明である。
ブルネルはゾンフェルドから話を聞いて頭を巡らせた。
そしてゾンフェルドを追及した。
ゾンフェルドは自分がモーラーをやったと白状した。モーラーを生かしてけば、この後に何が起こるか分からないという危機感からである。
ブルネルは話を聞いただけでゾンフェルドを逮捕しなかった。その後ゾンフェルドは自殺した。
◆ 聖堂が崩壊した
モーラーの状態には変化がなかった。モーラーに鉛筆と紙を渡すと、聖堂の名前が書かれた。
そこでは多数の人々が集まっていた。徐々に聖堂の壁が欠け落ちてきて人々を傷つけた。驚いた人々は逃げ出した。
次に聖堂が大きく揺れだし、さらに崩壊した。多くの犠牲者が出た。
ブルネルはモーラーの生命を維持している装置を外した。だがすべての装置を外したにも拘わらず、モーラーは生きていた。
モーラーは原子力発電所の名前を書いた。