東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)の2階の窓から中庭を眺めると、

大きな水槽のようなものが見えます。

ただ、そこへアクセスする道はなく、上から眺められるだけ。

 

先日来ポツリポツリ記してきた案内付きの見学の際に初めて中に入ることができました。

 

 

 

これはプールとして使用され、完成は1933年=昭和8年。

ただ、昭和16年以降は空襲の危険性があったので防火用貯水槽の役割を果たしたとのことです。

(研究が進む前は、こちらはプールではなく、もともと後から貯水槽用に作られたもの、

という説もあったようです。)
結局、昭和22年(1947)の皇籍離脱とともに手放すことになります。

 

 

 

ぐるりと建物に囲まれたこの中庭。

なかなか風情があって非公開なのはもったいない気もします。


実は副館長さん的には、ここにカフェを作りたいという意向があるとのこと。

ただし、文化財なので勝手にカフェにするには障害があるようです。

実現は難しいのかもしれません。

 

 


 

中庭へはこんな木戸から入りました。

 

 

 

この広々した邸宅で、朝香宮家の生活空間は二階の部分でした。

(通称御殿まわり)。

1階部分は事務官の執務室や厨房、公の部屋など。

夫婦には4人の子供がいましたが、長女は鍋島家に嫁いでいたので、

その方の部屋はありません。

男の子ふたりも陸軍寄宿舎生活だったので里帰りの時の休息用の部屋が用意されました。

常時使われたのは、下の娘さんの部屋のみです。

 

ご家族の数より使用人たちの数の方が多く、

働いていた方の数は侍女を含め、30人ほどだったそうです。