少々間があいたけれど、東京都庭園美術館/旧朝香宮邸トリビア第3弾。
東京都庭園美術館へは長年足を運んでいるものの、今年になって初めて知ったことがあります。
それは、この館の庭には3つの防空壕があったということ。
昭和初期に建てられ、戦後の皇籍離脱まで住まわれた場所なので、
防空壕はあって当然。とはいえ、考えたこともありませんでした。
1つめは、旧館前の車寄せ周り部分。
こちらは職員用だったそうです。
2つ目の方はもう入り口は閉じられてしまっていますが、新館前のダイオウマツのそば。
築山っぽくなっている部分にあったようですが、いまはその跡らしきものは見えません。
こちらの防空壕は朝香宮一家用。
急いで作ったため浅く、焼夷弾が貫通する恐れがありました。
そこで、茶室そばに作り直したとのこと。
記録によると、ご一家の下の娘さんの雛壇も防空壕作成時の材料として使われてしまいました。
戦後のあるとき、皇族の方たちのお雛様の展示会かなにかがあった折りに、
こういう事情で出せない旨、関係者から説明があったそうです。
もっとも、この邸宅は空襲対象からはもともと外されていました。
戦時中焼夷弾の流れ弾ぐらいはあったものの、本格的な空襲はなく。
美術館の方のお話では、おそらくGHQが接収用にあらかじめ目につけたのだろうと。
上述のダイオウマツ。
よく見ると立派。でも子の立ち位置だと、つい新館カフェの方に目を向けてしまうので
わりとスルーされる死角ではあります。
そして新たに作られた強固な3つ目の防空壕は茶室のそばにありました。
よーく見ると、なにやら洞窟っぽいものが。
むろん封印されていますが。
こちらはなかなか強固なコンクリート製です。
先月の話ですが、茶室公開期間中でした。
以前も公開日に行ったことがあります。
ただそのときは海外の来賓用に、椅子とテーブルの茶室(手前部分)のみの公開。
奥の和室は立ち入り禁止でした。
今回はその奥まで入ることが可能でした。
旧朝香宮邸は室内の見どころも多く、なかなか庭園部分にまでは気が回りません。
ちょっといつもより目を凝らしてみると、発見があったりして、なかなか
楽しめます。