再び、アーティゾン美術館「創造の現場―映画と写真による芸術家の記録」展で

見た芸術家のアトリエ風景ドキュメントの話題です。

 

アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)が芸術家たちの創造現場を

映像に収め始めたのは、以前書いたとおり1953年のこと。

 

ちょうどこのころ、彫刻の世界で大きなプロジェクトが進行していました。

長崎県平和公園の平和祈念像の制作です。

制作者は彫刻家・北村西望。

あんな巨大な人間像を作るのは気力・体力ともに充実していないと至難の業、と思えます。

当時北村氏は当時70歳ぐらいだったはず。

映像からは、並々ならぬ気迫がうかがわれます。

 

 

 

 

1951年製作開始で55年に完成なので、カメラが入ったときにはすでに

かなりの部分ができていたようです。

といっても実物は青銅製なので、これは石膏で型を作っているところでしょうかね。

 

 

何しろ大きい。

なのでー

 

 

 

鑿をふるう風景も、ダイナミック。

リフトを使用しています。

全体が見渡せないのに全体像を計算しながら作るなんて、感頼りの作業だったのかなぁ?

なにしろモニターもパソコンもない時代。

 

 

 

ご本人は比較的小柄とお見受けします。

巨大な塊とまさに格闘するかのごとく鑿をふるいます。

 

 

 

長崎の平和祈念像は修学旅行で見に行きました。

遠目で見ても威容を誇るこの像。

こうして映像で見るとその並外れたサイズ感を実感できます。

 

 

 

北村西望氏は、シンプルな記念碑制作依頼に対し、もっとシンボリックなものを、

とカウンタープロポーザルを出したと聞きます。

氏は強い信念の人のようで、この像だけでなく、ほかの作品に対しても

大反対を押し切った逸話を有します。

今度その話も書きたいと思っています。

 

 

最後にこちらは、アーティゾン美術館に行く道すがら撮った三越。

数年前?に壁面がシャンデリアになりましたが、これ、ライトアップするはず。

 

でもまだ見たことがありません。

ミッキー時計とともに、シャンデリアのライトアップも見てみたいなぁ。

特にコロナ後、夜遅く銀座で飲食、という生活が途絶え、なかなか機会がありません。

 

 

 

 

 

アーティゾン美術館’23/秋① 創造の現場―映画と写真による芸術家の記録

アーティゾン美術館’23/秋② アトリエの鏑木清方

アーティゾン美術館’23/秋③ 長崎の平和祈念像 制作風景

アーティゾン美術館’23/秋④ 高村光太郎最後の作品「乙女の像」制作風景