アーティゾン美術館「創造の現場―映画と写真による芸術家の記録」展で見た
鏑木清方のミニドキュメンタリー映画から。
↓こちらはアトリエの清方。
山口蓬春のアトリエの雰囲気と似ています。どちらも整然としていました。
河合玉堂もしかり。
日本画家のアトリエって洋画家のそれより静謐な印象です。
鉛筆の下絵を、筆でなぞって制作していました。
中程度の筆なのに、線は極細。
下図制作。
わりと柄の上の方を持つ点が意外でした。筆先がぶれてしまいそうなのに。
さて、肝心の鏑木清方のドキュメントですが、清方のことを美人画家としてでなく
風俗画家としてとらえています。
冒頭、そうした風俗画の歴史から掘り起こしているのは、そんな清方の本質を
熟知したうえでのこと。
それもそのはず、清方の映画の監修を行ったのは、大の清方ファンを自称する木村荘八だったので。
清方のフィルムは17分。
ほかのアーティストに比べて長めです。
やはり力が入っています。
木村のアトリエの様子も映画になっています。↓
こんなふうに猫に囲まれて、朝倉文夫みたい。
木村の作品展示もあります。
こちらは過去ログから再掲。
左上、鏑木清方旧居跡@新宿。
目黒雅叙園。
近美所蔵の一枚。
清方の弟子・伊藤深水による「清方先生寿像」。
清方は泉鏡花の本の挿絵も手掛けているので、
さりげなく、手元には鏡花全集が。
絵描きなのに机の上には原稿用紙。
新聞記者だった父の影響もあり、清方は随筆なども書いていたそうです。
アーティゾン美術館’23/秋① 創造の現場―映画と写真による芸術家の記録
アーティゾン美術館’23/秋④ 高村光太郎最後の作品「乙女の像」制作風景