今朝NHKのニュースなどでホキ美術館の惨状について述べていましたね。
3月のエントリーに書いたとおり、昨年の豪雨による浸水被害で千葉県のホキ美術館は休館に追い込まれました。
そこで、他美術館に作品を貸し出すことでダメージの穴埋めを図るべく、今年Bunkamuraミュージアムでホキ美術館展「超写実絵画の襲来」展が3月18日から5月11日の予定で開かれました。
ところがここでも不運に見舞われます。
新型コロナの流行で緊急事態宣言以降こちらも休館。
再開することなく展覧会は閉幕。
2度に渡ってお披露目のチャンスを奪われるというのはなんとも気の毒です。
かろうじて私はBunkamuraで開催された画家・島村信之氏の講演会は拝聴したのですが
(閉館後の特別展に参加 Bunkamuraミュージアムにて)
すでに感染がじわじわきていた時期でもあり、展覧会は暫くこれが最後かなという予感がしていました。
私がホキ美術館を訪れたのは2年前のこと。
意表を突く建築が圧巻、という評判を聞いていたのと、写実絵画の巨匠森本草介氏の絵や、平成の天皇皇后両陛下の肖像画を描いたことで知られる野田弘志氏の作品のいくつかも所蔵しているということで、興味を持っていました。
ちなみに森本草介氏の絵画展は、三越デパートで見ていました。
写真と見分けがつかないほどの繊細さで、抽象画があふれる昨今、
古典的とも思われる写実が逆に新鮮でした。
森本氏の絵を見たのはその時が初めて。
そしてそれらすべてがホキ美術館からの貸し出しでした。
足の弁もあまりいいとはいえず、念願かなっての訪問でしたが、参加した建築ツアーは設計者である日建設計の関係者が先導役ということで深いお話を聞くことができました。
NHKのニュースでは、昨年の惨状紹介と、
そしてBunkamuraの展覧会の中止の話、、、、
ここまでは新しい情報ではなかったのですがー
来場者がその結果大幅に見込み以下だったというだけでなく、グッズが9割以上売れ残っていたと知りました。
来場者の下方修正による減収もさることながら、カタログなどは新たに作ったグッズですので、その分の赤字も相当なダメージだったろうと推察されます。
展示室がこのように宙に浮いた斬新な設計で、とても魅惑的。
むろん写実に特化した展示や工夫に満ちた内部展示空間も観ごたえ十分。
もっともっと広く人々に知って欲しいと思っていました。
それが災害と疫病のダブルパンチとは・・。
本美術館の創設は、株式会社ホギメディカルという会社の社長でありその前身となる会社を設立した方ですので、いわゆる企業系美術館。
公立ではないので、こうした2度に渡る被害は大打撃だったことでしょう。
下は入口の写真。
宙に浮いているのはこの裏側にあたります。
ネット販売も開始しているそうなので、グッズの売り上げなどがなんとか今後少しでも伸びることを祈っています。