1つ前のエントリーに書いたホキ美術館(場所:千葉市土気)、
専門家が絶賛するその建築を見てみたい!
というわけで、先週末行ってまいりました。
圧巻は、まっすぐ伸びる美術館展示室部分。
30mほど空中に浮いています。
両壁に絵が掛かっていて、我々はその先端に近い部分まで絵を見ながら歩くのですが、
横断歩道協のように歩いていて揺れることもなく、中にいる限り浮遊感はありません。
もちろん建築光学上、精緻なシミュレーションを施した上での設計ですが、
それでも、出来上がった場合安全性が確保できなかったといった場合も想定し、
浮遊部分に支えるための柱を1つ追加できるように、
柱の土台を念のため先手で作っておいたそう。
でも結局不要となり、完璧な空中廊下が実現しました。
不思議なことにエントランス部分はこのよう↓になっていて、
これだけ見ると、あっと驚く仕掛けがあるとは気づきません。
カーブを描く柱に沿って歩いていくと、
突如ぐわーん、と伸びた鉄の四角柱が現れるのです。
もう少しカメラを引いてみるとわかるのですが、
美術館の敷地は、比較的開放的な低めの壁で簡単に仕切られているだけ。
周囲の環境から完全に隔離せず、
木々が生い茂るすぐお隣の昭和の森と共生するように、
という工夫です。
そして、お分かりになるでしょうか?
突出部分の広いガラス窓には、園昭和の森の林が写りこんでいます。
まさに一体化。
さらに、2階部分の立ち入り禁止のための仕切りも、壁などは使わず、
細い棒の羅列にとどめています。
しっかり進入禁止の役目を果たしつつも、
見た目は芸術作品的。
このつんつんした棒の形もお隣の昭和の森の木々をイメージしているんです。
隣に広がる森、それが写りこんだ建物側の窓、
木の幹とそれをかたどった棒型の柵。
周囲に溶け込みつつダイナミックで大胆なフォルムを実現した
ホキ美術館。
担当した日建設計の方々の豊富な知見と探求心が
凝縮している見事な建造物でした。
さて、それでは美術館内部へとご案内しましょう。
あ、ちょっと文章が長くなったので、本日はここで一旦切ることに。
続きはまた後日!
●東京建築巡り:
東京建築巡り9:隈研吾の木々のジャングル、サニーヒルズ(表参道)
東京建築巡り8:伊東豊雄氏設計の「東京ラブストーリー」とミキモトビル(中目黒と銀座)
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