日奈子「茜さん!退院おめでとうございます!」
茜「皆さん、ありがとうございます」
卒業式後、日奈子達は名古屋市総合病院へと集まる
その理由は、茜の退院だ
ゆに「茜さんおめおめ〜!」
ツバサ「もう体調は大丈夫かい?」
茜「はい、おかげさまで。皆さんにはご迷惑をおかけしました」
始「何言ってるんですか、怪我したんだから治すのは当たり前ですよ」
茜は“辻斬り”骨喰影近によって重傷を負い、意識不明の重体に陥っていたが、眼を覚ました
しばらく入院生活を送っていたものの、ようやく今日退院だ
町田「茜さん、荷物持ちますよ」
茜「いいですよ町田さん。これくらいは持ちますので」
町田「いいえ、女性に重い物を持たせる訳には…」
茜「大丈夫ですよ」
町田と茜、どちらが荷物を持つかで少し揉め出す
だがそれを見た周りは、何故か微笑ましく思っていた
茜「…?皆さん?」
ツバサ「あんた達、いつの間にそんな関係に?」
薫子「あ〜、なんか町田くん、よくお見舞いに来てはお世話してたよね」
東郷「え?そうなのか?」
町田「いや…その…!」
茜「はい、すごく助かりましたよ」
町田「ま、まゆさん…っ」
茜に「助かった」と感謝され、町田は顔が赤くなる
その様子を見てすぐに分かった
良い関係を持ったな、と…
彩耶華「…日奈子さん、茜さんって恋人とかは?」
日奈子「いないと思う。結婚もしてないって前に聞いたことがあるよ」
コバルト「へぇ〜、町田良かったじゃん」
町田「え⁉︎」
日奈子と彩耶華の話を聞いたコバルトが揶揄う
茜はその隙に炎の前に出る
茜「炎様、私が入院中の間、日奈子様の事を見ていただき、ありがとうございました」
炎「別に、俺が決めた事だ」
茜「日奈子様も、ご迷惑おかけしました」
日奈子「大丈夫だよ、炎さんもいたし」
茜「まぁ、それは良かったです」
ツバサ「まゆ、退院したばかりで悪いけどしばらくは気が抜けないからね。気をつけるんだよ」
茜「はい。これは遅れた分を取り戻さないとですね。それと…アサギ様の事は…」
入院中も、輝人やアサギの事は聞いた
ツバサになんて声を掛ければ良いか一瞬悩んだが、ツバサが口にする
ツバサ「その事だけどね、今アゲハ族の方で調査を行っているところだよ」
茜「調査?」
ツバサ「輝人から聞いたけどね、鞍馬の事を“売られた”って知って、その事をアゲハ族にも共有した。アサギの事も加えて、これまでのアゲハ族の問題も明るみになると思う」
日奈子「そうなんですか?」
ツバサ「ちゃんと公平に審査しないと、今の世の中どうなるかわからないからね。あんた達も気をつけな」
栗栖「はい。航平やカンナ達にも伝えておきます」
ツバサ「それと、“財団エンド”の事だけど…アゲハ族も問題視するって言っていた。どれほどの力を持っているか分からないけど…輝人も追われる事がない様に、進めるつもりだよ」
栗栖「…そうですか」
栗栖は呟き、空を見上げる
眩しいくらいの青空だが、切なくもなる
栗栖(…輝人、今どこにいるんだ…?)
…キキッ
輝人「…ふぅ」
同じ頃、輝人は東北地方に来ていた
ガソリンスタンドに寄り、ガソリンを相棒のハーレーダビットソンに注入する
愛知県を出て東北地方まで進んできたが、目的地はない
ただ単に、“財団エンド”の眼をこちらに向けるために、逃亡生活を行っているのだ
旅立つ前に、色々準備をしてきた
ハーフアップにしていた髪を短く切り、黒い革製の眼帯に変えた
師匠のルチアの形見が付いている眼帯は、チャームにして持ち歩いている
ルチアのサーベルもまた、持ってきた
輝人「…しばらく、身を隠せるところを探すか。金も、いつまでもある訳じゃないから、短期バイトでも…。いや、やっぱ俺は探偵業しかねぇかな?」
ガソリンが満タンになると、再び輝人は走り出す
まず進むは北へ
輝人は進んでいく……
ー斑目探偵事務所ー
完
真アゲハ
完結!