看守「…面会時間は10分です」
瑠美「ありがとうございます」
名古屋市内の刑務所
そこにネクロ研究センターの元所長である加治木瑠美はいた
彼女はカフェインを摂取すると、“Ms.ハイド”と言う犯罪者になり変わる
以前名古屋港水族館で“闇の商人”クロノスと手を組み、事件を起こし、その結果刑務所行きとなった
今日は、面会の日である
瑠美「…!」
矢田「お疲れ様です、所長」
白銀「…よぉ」
面会室で出会ったのは、珍しいコンビだった
ネクロ研究センターの現所長である矢田仙里と、『名古屋モータース』の白銀哲太だ
瑠美「…珍しい2人だね」
矢田「たまたま入り口近くでお会いしまして」
白銀「随分…短くしたな」
白銀と加治木も、輝人を通じて知り合いだったため、面識はあった
だが以前と違い、加治木は髪を短く切ったため、被り物をしていない
瑠美「うん、すっごく楽だよ。酷い寝癖に悩まされていたけど、今は全然」
白銀「そっか。…初めて会った時の“ぴよりん”の被り物、可愛かったからな」
瑠美「え?」
白銀「見れないのが、残念だ」
矢田「ですね…僕はシャチホコ気に入ってましたよ」
瑠美が酷い寝癖を隠すために被り物をしていたが、それが無くなってしまうと、少し寂しいところもあった
悲しい気持ちになる前に、話題を変える
矢田「実は…ここに来たのは、ある報告をしたいと思いまして」
瑠美「ん?なに?」
矢田「斑目輝人さんが、愛知県から出て行きました」
瑠美「…!」
輝人の名前が出てきて、加治木は眼を大きく開く
続けて白銀も口にする
白銀「あいつ朝イチにうちに来やがって、使ってないナンバープレート無いか?って聞いてきたんだよ。朝の5時だぞ?5時(-_-#」
矢田「うちも、開く前に斑目さんが来ましたね…。しばらくの間、検査は受けないって報告してきたんです」
瑠美「そう…なんだ」
矢田「…なんだか、辛くても厳しい顔つきでしたよ」
輝人が出ていく前に、ネクロ研究センターと『名古屋モータース』に寄って、これからの生活に必要な物を手に入れたり、報告をした
2人は輝人の顔に「もうここには戻ってこれない」と、書いてあった様に感じた
瑠美「斑目くんの力は…本当にすごいよね」
矢田「えぇ。1つの“火”と言えど、あそこまで大きくなったのは初めてです。彼はプラスの力、マイナスの力、その両方を経験してますからね。良いデータは取れたのですが、まだ調査します?」
瑠美「ううん、やらなくていいよ。斑目くん、検査には積極的に参加してくれたけど、お仕事の合間に毎回来るの、大変だったろうし」
白銀「あいつ、俺の知らないところでバイクをぶっ壊したら許さねぇからな(-_-#」
瑠美「フフフ。…とりあえずは、斑目くんの出発をお祝いしよう。私は檻の中だけどね」
面会室からでは見れない青空を想像しながら、加治木はフフフと笑った
「…ねぇ、徳川さんいた?」
「ううん、どこ行ったのかしら?」
名古屋市内の警察病院では、看護師達が慌てていた
なんと、病室の徳川笑太郎の姿が無かったのだ
斑目アサギにやられて、包帯だらけだったはず、しばらくは動けないはずだったのに、病室のベッドにその姿は無かった
「逃げられた!?まさか!」
「大変です!徳川笑太郎さんが…!」
すぐに病院内に非常線を張るが、時既に遅し
愛知県内の高速道路を、オープンカーが走っていた
笑太郎「ギャハハハハハ!俺様がずーっと寝たきりのままでいるかっつーの!w」
そのオープンカーの後ろの座席に、徳川の姿があった
両腕をいっぱいに広げ、口を大きく開いて笑っている
隣には、藤咲らんるの姿があった
らんる「徳川様がこんなに早くに治ってくれるなんて~!私は感激だわ~!」
乃亜「全く…卒業式サボっておいて、よく言うわ」
運転席に座って運転している秘書の藤咲乃亜が言う
らんるは先月、花巻女子学園に退学届を出してきた
本日の卒業式も、サボったのだ
らんる「サボりだなんて心外だわ!だって退学届出してきたんだもん、もう辞めたのよ!キャンセル出来ないもん!これからは、徳川様とずーっと一緒よ♡」
笑太郎「ハッハー!流石俺様の女だ!そうで無くてはな!」
乃亜「徳川様も、出てきてよろしかったんですか?」
徳川は病院から勝手に出てきた
警察病院のため、完治した後はどうなるか分かっている
笑太郎「俺様だって、まだまだやりたいことがあるんだ!輝人に遅れを取りたくねぇな!」
らんる「じゃあこれからどこ行きます?私、海外に行きたいなぁ~」
笑太郎「そうだなぁ…。まぁまずは、ド派手にパーッとやりますか!」
そう言って、徳川が乗ったオープンカーが、愛知県の外へと飛び出したのであった