真アゲハ ~第72話 烈怒羅夢6~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



謎の銃声が響く数秒前…
キーンコーンカーンコーン、と学校のチャイムが鳴った
授業が終わり、休み時間となった

円(さて…ここから、特別授業だ…!)

既に内部には半グレ組織“烈怒羅夢”のメンバーがいる
だが生徒や教師達は全く気付いていない

円「…今だ」

宗方「…あぁ」

宗方達が生徒達がいる階へと上がる
到着した瞬間、宗方は銃を天井に向けて、引き金を引いた

ズガァンッ!

「!な、なんだ!?」
「キャアァァッ!」
「え!?だ、誰!?」

宗方「動くな、殺すぞ」

丸原「全員捕まえろぉ!」

“烈怒羅夢”が動き出し、生徒達全員に銃を向ける
突然の事に、校舎内はパニックだ

「わあぁ!」
「た、助けてくれぇ!」
「何するんだよぉ!」

飛鳥「な、なに…!?今の銃声!?」

千種「外もおかしくない!?」

ゆに「電波繋がらないし…」

体育の授業を終わらせたゆに達は、更衣室にいるが、スマホが圏外になっている
それも全員だ

「ちょっと出てみるね!」

真緒「待ってください!」

他の女子生徒が外に出たその時だった
ガバッ!と女子生徒は背後から何者かによって捕まってしまった

「キャアァッ!」

円「動いたら、死ぬよ?」

ゆに「!」

それは円だった
円が1人の女子生徒の頭に銃を突きつけた

鹿島「男子更衣室は押さえたぞ」

円「よし」

千種「ちょっとあんたっ…!」

円「動いたら死ぬっつってるよね?」

「ひ、ヒィッ…!」

ゆに「赤い物…まさか…!」

輝人から“烈怒羅夢”の事は聞いていた
“烈怒羅夢”は必ず赤いアイテムを身につけている半グレで、ゆにはすぐに分かった

真緒「や、止めてください…!彼女を離してください…!」

真緒が円を説得し、人質の女子生徒を解放させようとする

円「やだよ、何言ってんの?」

真緒「代わりに私が人質になります、ですので放してください…!」

千種「真緒…!」

円「…ふーん、かっこいいね。でもダメだね」

真緒「そんなっ…!」

円「そんなことしなくても、ここにいる全員人質になるんだからな」

ゆに「え…?」

「おいてめぇら出ろよ!ほら早く!」
「いつまでそこにいるんだよ!」

そこに他の“烈怒羅夢”のメンバーが現れた
全員銃を持っている

円「2階は?」

「終わりました!全員制圧完了です!」
「これから体育館に向かいます!」

円「分かった、おい出ろ。出ないと…!」

「うぅっ…!」

ゆに「わ、分かったから…!」

真緒「皆さん…出ましょう…!」

真緒の一言で女子更衣室から生徒全員出た
円達の指示で、体育館へと連行される

ゆに「…!」

体育館へと続く渡り廊下を通る直前、渡り廊下の異変に気付く
なんと外へと続く両端がマイクロバスと車によって塞がれてしまっていた
これでは外に出れない

ゆに(逃げられない…マジか)

体育館内に入ると、他の生徒達や教師達を体育館の中央にに、“烈怒羅夢”の他のメンバーが囲んでいた
ゆに達も中央に誘導され、円に捕まっていた女子生徒も解放される

円「これだけか?」

多部「アァ」

宗方「他の階も見て回ったが、2年しかいない」

鹿島「職員室の予定表によると、1、3年は校外学習らしいな」

厚木「お、お前達…何が望みなんだ…!?」

円「答えは1つだけだ。黒羽って教師はどこだ?」

ゆに「え…?」

円の目的は黒羽正臣だ
だが黒羽は、花巻女子学園の教師だ
千鳥工業高等学校にいるわけがない

「黒羽…?」
「誰だ、それは…?」
「そんな先生いた?」

円「あ?」

生徒達がザワザワとし出す
その様子に円は気付く

厚木(黒羽先生?確か花巻の…でもなんでうちに?)

丸原「し、静かにしろ!殺すぞ!」

多部「ドコダァ!デテコォーイ!」

ゆに「…?」