真アゲハ ~第64話 花鳥風月祭2~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



開会式が終わり、準備体操も終えた各校の生徒達は待機場所へ戻る
競技が始まるまで、出場選手は待機で、それぞれ挨拶へ行ったりしている

日奈子「ゆにちゃーん!」

ゆに「ひなっち~、おつおつ~!」

日奈子とゆに、そして彩耶華は現場で集まっていた

ゆに「今回は敵同士だね~、ま、お互いガンバってことで」

日奈子「そうだね、負けないよ~」

彩耶華「出場競技もそれぞれバラバラですし…指定以外は皆自由参加ですわね。ゆにさんは、何に入れたんですか?」

ゆに「うーん、借り物」

日奈子「あ、私もだよ。頑張ろうね」

遥「あ、四十住さん、風間さんも」

そこに月見山高等学校の遥が現れる
気付いた日奈子とゆには手を振る

ゆに「あれ?ひなっちって知り合いだったっけ?」

日奈子「うん、この前偶然にね。ゆにちゃんも知り合いだったんだ」

遥「久し振りだね。そう言えばこの前の…友達とは仲良くなれた?」

以前日奈子は、彩耶華の事で悩んでいた時に、遥がアドバイスをしてくれた
その事もあって、上手く行ったのだ

日奈子「はい!おかげさまで!あ、風城大学附属高校の彩耶華です!」

彩耶華「財前彩耶華です。よろしくお願いいたします」

彩耶華とは初対面のため、挨拶をする遥
同時に日奈子が言っていた友達が、彩耶華だと言うことを知る

遥「今回は敵同士だけど、よろしくね」

ゆに「あ~…その事だけどさ、さっきはメンゴね。うちの会長が…」

遥「いやいやいいよ、うちの会長が始めちゃったことだし…」

ゆにと遥はお互いの生徒会長の事を謝る
開会式の選手宣誓で揉めてしまい、何とか収まったが、お互い謝罪した

彩耶華「噂には聞いておりましたが、相当仲が悪いのですね。天雨さんと城戸さん」

遥「まぁ…家柄のせいって事もあるんだよな」

日奈子「家柄?天雨さんが、議員の息子だからとかですか?」

遥「ちょっと違う。天雨家は武家出身、城戸家は公家出身で、昔から仲が悪いって事で有名なんだ。それが現代にも引き継いちゃって、2人は喧嘩ばかりしてるんだよ」

日奈子「ひえぇ…それは大変ですね…」

ゆに「悪い人達じゃないんだけどねぇ…。目が合うと、もう止まらなくてさ」

彩耶華「それは他の会長も呆れるのも無理がありませんわね」

妙に納得してしまう日奈子達
その一方で、花巻女子学園の生徒会長の優里亜は、千鳥工業高等学校の生徒会長の克幸を少し話をしていた

優里亜「天雨さん、このプログラムの事ですが…」

克幸「はい、えっとこれは…」

体育祭のプログラムについて確認をしている
その最中に、克幸は優里亜の事を見つめる

克幸(富小路さん…)

優里亜は話をしていて全く気付いていない
この時の克幸の心は…

克幸(…近い…!可愛い…!今日も素敵だぁ~!(*>∀<*))

直後、優里亜の周りにフィルターがかかる
克幸は、優里亜に惚れているのだ

克幸(崩れない巻き髪、優雅に浮かぶ姿、ダイヤモンドより輝いている笑顔…!可愛い過ぎる…!生徒会メンバーになってから、富小路さんに初めてお会いした時からずっと、心臓がバクバク鳴っているんだぁ~!あぁ…!出来ればこのまま富小路さん…いや優里亜さんに想いを伝えたい!だがしかし、そんな事をすれば千鳥工業高等学校生徒会長天雨克幸のイメージがガラリと変わってしまう…!いつも平常心を装っているが…!優里亜さんを目の前にしてそろそろ限界が…!)

優里亜「…あの…聞いておりますの?」

克幸「へ!?…あ、あぁ、それで良いと思いますよ」

いつもの平常心を装い、冷静に答える

優里亜「ではごきげんよう。…あ、先ほどみたいに城戸さんと喧嘩はしないでいただきたいですわ。せっかくの晴れ舞台なのに、みっともないですから」

克幸「うっ、す、すみません…(・・;」

話が終わると、優里亜は離れた

克幸「はぁ…手が届きそうで届かない場所にいると言うのも、また儚い…。どこかの野蛮な女とは全く違うもんなぁ~…」

小真知「どうせ私は野蛮な女だよ(-_-#」

克幸「うおっ!小真知!Σ((((;゜Д゜)))」

いつの間にか小真知が後ろにいた
優里亜に見せていた顔とは違い、小真知を見ると「ゲェッ!」と言う顔になる

小真知「へぇ~、あんた優里亜の事好きなの?」

克幸「はぁ!?な、なんでお前がそれを…!?」

小真知「いや見りゃ分かるし。て言うかあんたにしては趣味悪いわね~、典型的お嬢様みたいなのがタイプなんだw」

克幸「おい!富小路さんを悪く言うな!」

小真知「別に、優里亜の事を悪く言ってないけど?あんたのタイプを悪く言ってんのwww」

克幸「…おいおい、そんな事言って良いのかぁ?趣味が悪いのはどっちかなぁ?」

小真知に笑われた克幸だが、急に雰囲気が変わった

小真知「何よ」

克幸「俺が知らないと思ってるのか?小真知お前…鏑木千晴の事、好きなんだろ?」

小真知「!な、なんであんたがそれを…!?Σ((((;゜Д゜)))」

千晴の名前が出てきて、小真知は急に顔が真っ赤になる
実は小真知は、風城大学附属高等学校の生徒会長の千晴の事が好きなのだ

克幸「いやぁ、だってこの生徒会になってから会議の度に鏑木の事ず~っと見ていたもんなぁw」

小真知「ま、まさか…あ、あんたに見抜かれるなんて…!((゚□゚;))」

克幸「別に鏑木の事悪く言うつもりはねぇが、あんな女みたいな顔立ちとナヨナヨしてる感じのどこが良いんだか。趣味が悪いのはお前の方だろうw」

小真知「そこが良いんじゃない!ナヨナヨじゃなくて中性的って言ってくんない!?どっかの誰かと違って可愛いし、優しそうだし、何より老け顔っぽくないし!」

克幸「あぁ!?俺のどこが老け顔だコノヤロー!」

小真知「どっかの誰かって言っただけであんたの事言ってないけどぉ?てか老け顔自覚してんだw」

克幸「なんだとこのブス!もう許さん!(#`皿´」

小真知「はぁ?やる気?(#`皿´」

先ほど喧嘩したばかりだと言うのにまた喧嘩に入る克幸と小真知
目立っている事は確かだが、他の生徒達はそれを無視することにした

千晴「あの2人は喧嘩してるけど、競技に入ろうか。時間押してるし」