真アゲハ ~第64話 花鳥風月祭3~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



光「お、間に合った間に合った!」

昴「随分賑わっているねぇ、羨ましいねぇ」

炎「!お前ら…」

観客席に“龍の一族”の光(グァン)と昴(マオ)が現れた
光の手には、何か四角いものを包んだ風呂敷がある

輝人「お、お前らも来たのか」

昴「雪(シュエ)が出るからねぇ、応援だ」

光「兄として当然だろ?(美味しいお弁当をたくさん作ってきたんだよね~)」

炎「そうか、じゃあお前ら頑張って応援してくれ。俺はかえ」

薫子「食べる?手羽先唐揚げ味のポテチ」

炎「食う」

栗栖(逃げないように対策してあるんだ…(・・;)

?『え~、それではいよいよ“花鳥風月祭”体育祭のプログラムに入りたいと思います!皆さんよろしくお願いいたします!』

会場内にアナウンスが入る、いよいよ開幕だ
来賓席の隣のテントに、男女2人組のペアがいた

ー風城大学附属高等学校 放送部部長
 三宅 数馬(17)ー

三宅『実況を務めさせていただきますのは、風城大学附属高等学校放送部部長の三宅数馬です!そして解説には、同じく風城大学附属高等学校の後輩、加賀美ありすさんです!加賀美さん、本日はよろしくお願いいたします!』

ー風城大学附属高等学校 放送部部員
 加賀美 ありす(16)ー

ありす『…ん。』

三宅『はい!丁寧な挨拶、ありがとうございまーす!』

日奈子(いや待って!?今挨拶した!!!!!?)

放送部のありすは一文字しか言っていない
なのに三宅がそれを“挨拶”と決めつけている
もちろん聞こえなかったのは日奈子だけじゃなく、ゆにや遥も分からない

ゆに(え?今何も聞こえなかったけど?)

遥(マイク…消えていた?)

三宅『それではまず最初に行いますのは、学園対抗100m走です!選手の皆さんは、入場をお願いします!』

三宅のアナウンスと共に選抜選手達はスタートラインに並ぶ
その中には、彩耶華と龍 雪の姿があった

炎「雪、出るのか」

応援席で見ていた炎は気付く
しかしさらに驚く事があった
いつの間にか喧嘩を止めた克幸と小真知は、話をしていた

小真知「フフフ、早速だけどここで差をつけさせて貰うわよ?克幸」

克幸「なんだと?」

小真知「つい先日ね、うちに転入生が入ったのよ。それも、中国から来た2人組がね」

克幸「?」

日奈子「…んん?あ、あの人って…!」

レースに並ぶ月見山の選手を見て日奈子は驚く
なんとそこには…

剣「よぉ、雪。久し振り~!」

雪「!…剣(ジェン)兄」

炎や雪と同じ“龍の一族”の1人、龍 剣(ジェン)がいた
出場者として出るのだ
さらにそれだけじゃない

盾「頑張れよ~!剣~!」

応援席には剣と双子の盾(ドゥン)の姿があった

輝人「あれ!?あいつら月校に転入生してたのか!?」

昴「これは驚いたねぇ」

飛「お~い!頑張れよぉ~!」

黄「ウキャキャ!雪姉もファイト~!」

しかも保護者席には兄の飛(フェイ)と妹の黄(ホアン)がいる

彩耶華「もしかして…ご兄弟の方ですの?」

雪「兄2人」

三宅『こちらの100m走は学園対抗と言うことで、1位と2位の学園には得点が入ります!より多くの上位に入賞して、得点を稼いでくださいね!ありすさん、この100m走ではどの学園が勝つと思いますか?』

ありす『ん…ん!』

三宅『なるほど!これは期待大ですね!』

遥「いやだから何て言った!?」

彩耶華「これは手強そうですわね…負けていられませんわ!」

雪「聞こえた?」

ありすの解説(?)に彩耶華は反応する
その様子からして、何て言ってるか分かったみたいだ

剣「雪程ではねぇが、俺だって足の速さには自身があるからな!先に得点は頂く!」

「位置について、よーい…」

パァンッ!とピストルが鳴り、最初に並んでいた選手達はスタートした
瞬時に歓声が湧く
全力疾走する生徒達、ゴールテープを順番に切る
ゴールに着くと瞬く間に歓声が上がる

剣「よしっ!俺の出番だ!」

剣もスタートラインに並び、ピストルが鳴ったと同時に走り出す
結果は1位だ

「7秒51!」

雄大「おおおっ!あの中国人速いな!」

誠人「すごーい!」

盾「いいぞぉ!」

剣の素早さに月見山から歓声が上がる
しかしそれを書き消すかの様に、次走り出したのは、雪だった
パァンッ!とピストルが鳴ったと同時にスタートし、1位にテープを切った
しかも、この体育祭始まっての新記録を叩き出した

「ご、5秒68…!?」

小真知「え、はや!(・・;」

剣「なにぃ!5秒台!?」

優里亜「オホホホ、ごめんあそばせ?花巻にも中国人の留学生がいらしたの。それも脚には自信がある方ですのよ」

小真知「嘘でしょ…」

克幸「ハッ、ザマァねぇなw」

千晴「彩耶華も頑張れよ~」

彩耶華「さすがにあの2人と比べるのは…(・・;」