真アゲハ ~第64話 花鳥風月祭1~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



パァンッ!パァンッ!

朝から花火が上がった
この日は、4大高校による『花鳥風月祭』の初日である体育祭が開催される

改めて説明しよう、4大高校とは

花巻女子学園
千鳥工業高等学校
風城大学附属高等学校
月見山高等学校
の4つの高校で、この4つの高校が揃い、1度に行われる一大イベントが『花鳥風月祭』だ

1日目の体育祭では、名古屋市内の運動場を借りて、4つの高校が競技で火花を散らす
いよいよ、開幕だ

日奈子「ううう…緊張するなぁ~」

千咲「やっぱ一大イベントってだけあって、人多いね!」

紬麦「お父様、見に来てくれたかしら?」


梓希「絶対に勝つッスよ!」

花巻女子学園のチームである日奈子達は、桜の花が描かれた桃色のTシャツを着て、ハチマキを頭に巻いている
今回はチーム戦と言うことで、それぞれのチームのTシャツが違う
ちなみに、ゆにが通っている千鳥工業高等学校は大きな翼を広げた鳥が描かれた黄色のTシャツ、彩耶華が元々いた風城大学附属高等学校は風をイメージした模様が施された緑色のTシャツ、明智遥達がいる月見山高等学校は、三日月が描かれた青色のTシャツだ

『それでは、選手の入場です!皆さん、拍手でお出迎えください!』

場内にアナウンスが鳴り、各校が入場する
ワァァアッ!と観客席から歓声が響く
体育祭を見に来た保護者達だ

茜「皆さん入場しましたよ」

栗栖「頑張れよ~」

輝人「ふぁ~あ、なんで俺まで来なきゃならねぇんだよ」

観客席には輝人達の姿があった
日奈子やゆにの応援に来たのだ

航平「同じくうどん屋でアルバイトをしている子も、花巻に通ってるんです。店長も応援してあげなきゃって事で今日は急遽お休みになったので、応援です!」

カンナ「元々風城大学附属にいたので、先輩として」

始「ゆに~!頑張れよ~!」

輝人「はぁ…よく参加するよ。特にババアもな」

ツバサ「あら、こう言うイベントにゲストとして参加することになったのよ」

輝人の横にツバサ達がいた
ツバサは来賓ゲストとして招待され、東郷と薫子、炎は応援だ

薫子「日奈子ちゃんもゆにちゃんも、頑張って~」

東郷「実はこー見えて千鳥工業出身だ。OBとして応援する」

炎「なんで俺まで…」

その中の炎も、輝人と同じ顔をしていた

そうこうしている内に、各校が入場し、整列する
いよいよ開会式だ
各校の先頭に立ち、それぞれの学校をイメージする旗を持っているのは、生徒会長達だ

輝人「…懐かしいな」

栗栖「お?さすが月校生」

輝人「うっせ、俺らの時もこーだったなぁと思っただけだ」

東郷「お~、今年の千鳥工業の生徒会長は男か!俺の時は女の生徒会長だったが」

ツバサ「あの子は天雨議員の1人息子よ。今年で『花鳥風月祭』は最後だから、気を引き締めているわね」

茜「日奈子様は…」

双眼鏡で日奈子を探す
日奈子は彩耶華と少し話していた
元々風城大学附属高等学校の彩耶華だが、今回は留学生と言うことで花巻女子学園のTシャツだ

彩耶華「…皆さんと久し振りに挨拶したいですわね」

日奈子「だね、ピンクも似合ってるよ彩耶華」

彩耶華「ありがとうございます」

『それでは、選手宣誓。各校の代表生徒、前に出てください』

アナウンスの指示を聞いた生徒会長達が前に出る
花巻女子学園生徒会長・富小路優里亜
千鳥工業高等学校生徒会長・天雨克幸
風城大学附属高等学校生徒会長・鏑木千晴
月見山高等学校・城戸小真知
4人が前に出ると、右手を挙げて、声を揃える

4人『…宣誓!我々選手一同は、花鳥風月祭の体育祭開幕に乗っ取り、清く正しく、そして逞しく、正々堂々戦い抜くことを誓います!』

4人の選手宣誓が会場内に響き渡る
ここからは、それぞれの挨拶だ

優里亜『清く美しく、そして笑顔満開に咲き誇る事花のごとく!最後まで美しく咲き続けて見せますわ!花巻女子学園代表・富小路優里亜!』

「優里亜様ぁ~~!」
「なんて凛々しいのぉ!」
「素敵ですぅ!」

輝人「富小路財閥のご令嬢か、すげぇ歓声だな」

克幸『鳥のように凛々しく、翼を広げ、大いに羽ばたきます!“花鳥風月祭”と書いて…“がっせん(合戦)”と読む!千鳥工業高等学校代表・天雨克幸!』

と、克幸はどこからか取り出したか分からないが、巻物を持ってきては、千鳥工業高等学校の生徒達に巻物を見せびらかす
達筆で『花鳥風月祭』と書いているが、その横に『がっせん』と書かれている
何故かこれにワァァアッ!と言う歓声と拍手が響く

栗栖「…天雨議員の息子とは思えない豪快さだな…」

千晴『アッハハ…吹き行く風の様に、素早く駆け上がり、優勝目指します!風城大学附属高等学校代表・鏑木千晴!』

航平「うーん…あの人って男なのかな?顔が女の子っぽいけど、てか声も女の子っぽいな」

カンナ「正真正銘男の子ですよ。名前もよく間違えられるみたいですが」

輝人「中性的か」

小真知『スポットライトの如く、最後に月の光に当たるのは我が月見山!月見山高等学校代表・城戸小真知!打倒千鳥工業高等学校!』

遥「あ~ぁ…言っちゃったよ…(・・;」

小真知の宣言に同じ月見山高等学校に通う明智遥は、片手で頭を抱える
しかもその宣言に克幸は反応してしまう

克幸『なんだと小真知!去年負けたからって宣戦布告か!?上等だ!月校にだけは負けるもんかぁ!(#`皿´』

小真知『はぁ!?言ってくれたわね!勝負よ克幸!今年は鳥校負かしてやるから覚悟しなさい!(#`皿´』

ゆに「わ~…また始まった…(・・;」

遥「会長~、止めてくださいよぉ~(・・;」

優里亜『貴方達いちいち揉めないでいただけません!?(-_-#』

千晴『選手宣誓終わったならもう戻ろうよ~(・・;』

日奈子(自由だなぁ…(・・;)