……どうして?
「…な、何か気味悪いな…!」
「近づかないようにしようぜ!」
……どうして……?
「な、何でもないよ……」
「悪魔だよ!悪魔!」
……なんで…?
……なんでいつも、僕の周りから人がいなくなるの?
「…引っ越してきました。ビショップ・ロー・アザニエルです」
……僕、何も間違ったことしてないのに……
「ここでは、たくさんの友達を作りたいです」
……なんで、そんな眼で僕を見るの……!?
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ソア「…ぷ!ビショップ!」
ビショップ「…!」
ソアに誘われ、ビショップは屋外のテラスに到着した
一瞬だけ、過去の記憶を見た様だ
ビショップ「……気のせいか……」
ソア「どうかしたの?」
ビショップ「いえ、すいません。ところで、どうしてここに?休んでいた方が…」
ソア「パダにもそう言われたわ。でも貴方の事が心配になって来たのよ」
ビショップ「心配…?心配するも何も、私は絶対にアゲハ族に勝ちますよ。心配されるほどの事でも…」
ソア「私ね、今少し戸惑っているの」
ビショップ「…?戸惑う?何を?」
ソア「…自分の気持ちに、よ」
そう言うと、ソアは大胆な行動に出た
ビショップ「…!」
ソアがビショップに、抱き付いたのだ
ソア「…私、貴方の事が好きなの」
ビショップ「え…」
ソア「…本来なら、ゾディアックはエクリプス様を中心に“家族”と言う状態よ。それは分かってるわ、でも…私は貴方を“恋人”として好き」
ビショップ「…!」
ソア「だから…戸惑うし、貴方の事が心配で来たのよ…!今言わないと、後で後悔すると思ったから…!」
ソアの顔は真っ赤だ
余程ビショップの事が好きみたいだ
そんなソアを見て、ビショップはソアを離す
ソア「え…?」
ビショップ「そ、そんなこと…言わないでもらえますか?言われたら…」
ソア「い、嫌だった…?」
ビショップ「嫌ですよ、だって……私だって戸惑うじゃ無いですか…っ」
ビショップは顔を右手で隠すが、見えている
ビショップの顔も赤くなった
ビショップ「……私だって、貴方と恋人になれるなんて……微塵にも思っていませんでしたよ。ですから、私にもこんな感情があるなんて、思いませんでしたよ!……“ソア”」
ソア「…!」
今まで幹部の名前で呼ばれていた
今回初めて本名で呼ばれ、ソアの気持ちが一気に溢れた
ビショップ「……ですが、いいのですか?私で?」
ソア「え?」
ビショップの顔が赤色から元の色に戻る
何かを話し出した
ビショップ「…私は昔、よく人に嫌われて生きてきました。間違ったことなんてしてないのに、周りは私から離れて行ってばかりで…。人間関係によく悩まされました…」
ソア「そ、そうだったのね」
ビショップ「本当に私でよろしいんですか?貴方が思っているより、全くの別人かもしれませんよ?」
ソア「……それでも構わないわ」
もう一度ソアはビショップに近付く
ソア「過去の貴方がどんな人だったのか知らないし、今はどうでも良いわ。私は今の貴方が好きなのよ、“ビショップ”」
ビショップ「…!」
ビショップも本名で呼ばれたのは初めてだった
お互い本名で呼ばれ、お互い同じ気持ちと言うことは、両想いだ
お互いの気持ちを確認した時、2人は目を瞑って、唇をゆっくりと近付ける
ソア「っ…」
ビショップ「……」
その時だった
ブゥゥンッ…!
ビショップ「…!」
バイクの音が聞こえ、ビショップは唇を離す
ソアも目を開ける
ソア「今の…」
ビショップ「…奏江竜也が来たみたいですね」
気持ちを切り替え、ビショップはいつもの表情に戻る
ソア「ビショップ…私も行くわ」
ビショップ「いえ、私にお任せを。これは…私の戦いでもあるので」
丸眼鏡をクイッと上げ、テラスの出口へと向かう
ソア「……」
ビショップ「…戻ってきたら、貴方の全てを見せてもらえますか?心だけではなく、身体の隅まで全てを…」
ソア「!……えぇ」