竜也「…何となくだけど、音楽が好きだったって気持ち、沸いてきたかも」
自分の胸を触って、竜也は言う
その様子に景都達は安堵する
景都「まだ…完全に回復はしてないと思うけどさ、ちょっとこれ見て欲しいんだ」
景都はそう言って、楽譜を渡した
竜也「!これって…」
あおい「俺らで昨日から考えた楽譜だ。お前のために作ったよ」
竜也「俺の……ため?」
景都「まだ未完成なんだけど…聴いてくれるかな?」
竜也「……あぁ、弾くのはあれだけど……」
穂乃花「ってか後は竜也くんとリナちゃんのだけなんだけどね」
景都「あれ?そう言えばリナちゃん、遅くない?」
景都は時計を見る
既に予定時間の10時から10分も過ぎている
あおい「こんなに遅刻することって、無いよな?」
竜也「そうだ。リナにも、謝らないと」
その時、竜也のスマホに電話が入る
リナのスマホからだった
竜也「あ、噂をすれば…ちょっと出てくる」
竜也はそう言って、一旦席を外す
部屋の外に出て、電話をする
竜也「もしもし、リナ?」
しかし、電話に出たのはリナでは無かった
ビショップ『…月城リナは預かりました』
竜也「!……アリエス!?」
電話の相手は、ビショップだった
ビショップ『助けたかったら、10時半までに市民文化センターまで1人で来てください。もし約束を破った場合、彼女の事を殺します』
竜也「なっ…!」
ビショップ『それが嫌なら来てください。貴方の心と引き替えです。今度こそ、貴方の心を粉々に砕いて差し上げます』
リナ『ダメッ!竜也来ないで!』
竜也「!リナ!?」
リナの声が聞こえた
リナ『竜也の心を殺してリルカを目覚めさせるつもりなの!私は大丈夫だから!ここに来たら竜也も…キャアァッ!』
竜也「リナ!?おい!止めろ!」
景都「…?」
あおい「なんだ?」
外で電話してる竜也の様子がおかしいと思い、景都達は外に出る
竜也「…分かった、すぐにそっちに向かう…!」
そう返事をして、竜也は電話を切った
景都「ね、ねぇ…どうしたの?」
あおい「何かあったのか?」
竜也「リナが……拐われた……っ」
穂乃花「え!?」
あおい「まさか、あの眼鏡野郎か!?」
景都「そんな…!」
竜也「10時半までに市民文化センターまで1人で来いって…」
穂乃花「け、警察に…!」
竜也「ダメだ、警察に連絡したら…!」
ギュッとスマホを握り締める
余計な事は出来ないし、何より時間がない
だが放っておけばリナが危ない
あおい「……竜也、乗ってくか?」
竜也「え?」
あおいは自分の荷物を持ち、バイクの鍵を取り出す
あおい「市民文化センターまで送っていく。中までは入らない。これならいいか?」
竜也「あおい……悪い!ありがとう!」
あおい「景都と穂乃花はここにいてくれ」
穂乃花「う、うん…!」
竜也「行こう!」
あおいと共にバイクに乗り、市民文化センターの方まで走る
その後ろ姿を見て、景都と穂乃花は不安の表情だ
穂乃花「リナちゃん…どうしよう…!」
景都「……穂乃花ちゃん、俺らに出来ることをやろう。穂乃花ちゃんは綾辻先生に連絡してくれる?」
穂乃花「え?」
景都「何かあった時のために、ね!」
穂乃花「う、うん!」
景都と穂乃花はそれぞれスマホを取り出し、タテハ達に連絡を入れる
タテハ『景都?どした?』
景都「大変だよタテハくん!竜也くんが…!」
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ドンッ!
リナ「っ…!」
ビショップ「……余計な事をしてくれましたね」
市民文化センターのとある倉庫
リナはビショップに捕まってしまい、ここに連れてこられた
鎖で拘束され、逃げられない状態だ
先程の声がうるさかったからか、口にガムテープを貼られてしまった
ビショップ「まぁ良いでしょう、これで奏江竜也が来ない理由が無くなりました。後は待つだけ…それまで大人しくしててくださいね?」
リナ「ん…っ!」
拘束されたリナを置いて、ビショップは倉庫の外に出る
扉に鍵をかけ、1歩目の足を出すと、ある人物が前に現れた
ソア「随分可哀想なことをするのね」
ビショップ「!…アクエリアス」
それは水瓶座のソアだった
ビショップ「良いんですか?休んでいなくて」
ソア「もう回復したわ、それに寝ていられないし」
ビショップ「そうでしたか、回復して何よりです。それより、どうしてここに?」
ソア「……ちょっと、話をしない?」