新アゲハ ~第9話 内海 仁8~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



ファントム「くっ…!内海仁め…!」

自分の分身の影を消され、さらには黒木大雅のエスポワールを回収出来なかったファントム
悔しがるが、まだキャプテンダイヤモンドが残っている

ファントム「そうか…!貴様がそう言うのなら、貴様の心が闇に堕ちるまで、私も追い込み続けてやる!キャプテンダイヤモンド!」

ダイヤモンド「…は!」

口の影が消えたキャプテンダイヤモンドの頭に、ファントムの声が聞こえた

ファントム『エスポワールはもういい!そこにいる2人を殺せ!』

ダイヤモンド「了解です!ファントム!」

キャプテンダイヤモンドは甲板に剣を刺した
金属で出来た海賊が生まれた

タテハ「うわっ、鮫の次は海賊の船員かよ!」

仁「タテハ、あの剣にハートレスがいる。奴は能力を使うごとに剣を一々刺さないと使えないみたいだ」

タテハ「じゃあ…あの剣が地面から離れたその時に剣を折ればいいんだな!」

仁「着いてこいよ?」

タテハ「おう!」

2人はそれぞれのエスポワールを起動させた
すると

…ガンッ!

タテハ「うおっ⁉((((;゜Д゜)))」

仁「?どうした?」

タテハ「い、いや…俺のエスポワールが急に重くなって…!」

タテハは自分のエスポワールを見る
そこにあったのは、自分のエスポワールだが、自分のエスポワールでは無かった

タテハ「…⁉」

折り畳み式のナイフが、大きな剣になっていた

タテハ「これは…⁉」

仁「お前それ…!進化したのか⁉」

タテハ「え⁉いや分かんない…!けど今までナイフで重さを感じていたから…」

仁「重さを?それ進化する直前の状態だぞ?」

タテハ「え⁉ええええぇっ⁉じゃ、じゃあマジで…進化したのか⁉」

自分のエスポワールが急に進化をしたため、驚くタテハ
だがそれどころではない
金属の海賊達が2人を襲い出した

仁「うらぁっ!」

タテハ「よっと!」

エスポワールが進化したおかげでタテハはナイフの時よりも戦いやすくなった
少し離れた場所の敵も倒すことが出来る

タテハ「すげぇ…!ナイフの時と大違いだ!」

仁「エスポワールが進化をする時は、使用者がある条件をクリアすれば自然に進化するんだ!お前の場合は“仲間を救いたい”と言う気持ちが、ナイフに影響を与えたからかもしれない!」

タテハ「そうなのか…⁉」

仁「だからその剣に答えてみせろ!“俺は絶対仲間を救う”って!」

タテハ「!…あぁ!」

ダイヤモンド「おらぁっ!」

タテハ「!」

ガキィンッ!とキャプテンダイヤモンドの剣がタテハの剣とぶつかり合う
お互いに火花を散らせた

ダイヤモンド「仲間を救えたからっていい気になるなよ!お前のその剣じゃ、俺には勝てねぇよ!」

タテハ「どうかな?俺は負けない!」

タテハはキャプテンダイヤモンドに攻撃する
剣が地面から離れているため、能力は使えない
この隙に一気に決めたい
しかし

…キィンッ!キィンッ!

タテハ「っ…固い…!」

ダイヤモンド「ハッハッハ!俺はキャプテンダイヤモンドだぜ?金属だけだと思ったら、大間違いなんだよ!」

キャプテンダイヤモンドは自分の姿や剣を見せる
その姿や剣にはダイヤモンドが装飾されている
ダイヤモンドは地球上で最も固い鉱物だ
簡単に砕けることはない

タテハ「くっ…!金属操作の能力に合わせて最強の防御って訳か…!」

タテハはどうすればいいのか考えた
このまま攻撃を続けても全く意味がない
だがその隙にまた金属操作の能力を使うつもりだ
その時、仁がタテハを呼ぶ

仁「タテハ!お前も能力を使え!」

タテハ「え?」

仁の言葉を聞き、自分のエスポワールを見る
進化したエスポワールには、能力を使うことが出来る
タテハのエスポワールの能力とは…

仁「そのエスポワールは“創造”だ!戦う時に必要なアイテムを産み出す事が出来る!」

タテハ「けど…どう使えば…⁉」

仁「刃を上に上げて、円を描け!」

タテハ「え?こ、こう⁉」

タテハはエスポワールの刃を上にあげ、円を書く
するとその円から、アイテムが生まれた
出てきたのは、鎖だった

タテハ「へ⁉鎖⁉記念すべき1発目がこれぇ⁉((((;゜Д゜)))」

仁「マジかよ…(・・;」

ダイヤモンド「なぁんだ。でっかい大砲でも出てくるのかと思っていたが残念だぜ!w」

タテハ「くそ…ん?」

エスポワールから出てきたアイテムを手にした瞬間、自分の目に何か映った

これもエスポワールの能力かもしれないが、何やら赤い点滅が見えた
それもキャプテンダイヤモンドの腕、鎖、仁のエスポワールと、順番に点滅した
それを見てタテハは思い付いた
この戦いの突破口を…!

タテハ「…なるほど、ポンコツアイテムじゃないみたいだ!」

ダイヤモンド「何をごちゃごちゃと…!これでトドメだ!」

キャプテンダイヤモンドは剣を床に刺そうとした
その時だった

ズガンッ!

ダイヤモンド「うおっ⁉」

キャプテンダイヤモンドの目の前に仁のエスポワールが放った弾が横切った

仁「手下は全部倒した。けど惜しかったなぁ、あと数センチだったら弾当たってたのに」

ダイヤモンド「てめぇ!」

タテハ「仁ナイス!」

タテハはキャプテンダイヤモンドの腕に鎖を投げて、巻き付ける
巻き付くと、引っ張った

ダイヤモンド「うあっ!」

引っ張られた瞬間、キャプテンダイヤモンドの手から剣が手を離れた
剣が宙に浮く

タテハ「仁!今だ!」

仁「了解!破壊の銃声‐カタクリズム‐!」

狙いを定め、弾を剣に向けて撃った

ズガァンッ!

剣に弾が当たると、すぐ剣は錆だし、最強の防御を持つダイヤモンドも黒い灰になった

ダイヤモンド「そ、そんなぁっ⁉」

目の前で粉々になった剣を見て、キャプテンダイヤモンドは膝をつく
それと同時に、剣からハートレスが姿を現した

ハートレス『イヤアァァ…!』

タテハ「逃がさないぜ!ハートレス!」

出てきたハートレスをすぐにタテハは大きく、十字に切った

ハートレス『ギャアァァァアッ!』

ドォンッ!と大きな爆発でハートレスは消滅した
タテハと仁の勝ちだ

ファントム『バカなァァァァッ!』

すべてを見ていたファントムは発狂した
強いと思われたキャプテンダイヤモンドが敗れたのだ

ファントム『くそっ!覚えていろよ瑠璃川タテハ!内海仁!今度こそ、黒木大雅のエスポワールを奪ってみせるからな!』