アゲハ ~第14話 九十九 神也6~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



哀幻波「さて…覚悟するんだな」

哀幻波は武器のカードを持ち出した

すると

清掃員「…ありゃ?何をしてるんじゃ?」

哀幻波「!」

お昼時に現れる清掃員が早く来てしまった
その瞬間

ビュンッ!ザクッ!

哀幻波「⁉」

清掃員「…え?」

突然九十九の方からクナイが飛んできて、清掃員の胸に刺さった
現場にあったあのクナイと一緒だ
清掃員は倒れる

哀幻波「おいあんた…!」

ガラッ!
九十九はその隙に露天風呂に繋がる扉から逃げ出す

哀幻波「っ…!待て!」

哀幻波は九十九を追い掛ける

露天風呂の柵を越え、裏の林の方へと進む

哀幻波(くっ…!やっぱ忍者か!すばしっこい!)

それでも哀幻波は追い掛け、木が無い場所にたどり着いた
その場所で九十九と哀幻波は止まった

すぐに九十九は変装を解き、下から黒い忍者の服が現れた
顔も偽物で、顎を引っ張ると別の顔が現れた

ー大塚 匠改めフランケン一族の幹部
 九十九 神也(23)ー

哀幻波「…それがあんたの正体か」

九十九「あぁ、本物の大塚匠は俺が半年前に殺してな。今頃土の中で白骨化してるだろうよ」

哀幻波「てめぇ…!」

九十九「しかしあの家族も本当にバカだな。半年前に俺が殺したのに本当の息子だと思いやがって…」

哀幻波「お前の目的は何なんだ?」

九十九「あ?」

哀幻波「本物の大塚匠さんを殺して、変装までして、空大さん達を殺した…何が目的なんだよ!」

九十九「目的…それならあるぞ?」

哀幻波「何?」

九十九「…あんたらを潰すことだよ」

哀幻波「…!」

哀幻波は九十九の表情にビクリとなった
あんたら…アゲハ族を潰す気だ

九十九「あんたらのおかげでフランケン様は投獄され、俺らは壊滅状態に陥った。だからまずはアゲハ族を虱潰しにし、その後本部を叩く!すべては…フランケン様のためだ!」

…ザッ!

哀幻波「!」

周りから複数の足音を確認した
哀幻波の周りには、数十人の忍がいた

哀幻波「…忍者がこんな…!」

九十九「本来ならあの家族を信用させてから殺してスタートだったんだが、気が変わった。お前から潰してやるよ」

哀幻波「まさか…俺を1人にさせるためにここに⁉」

九十九「さぁ…どうだかね?」

哀幻波「てめぇ…!」

哀幻波は睨むが、内心は焦っていた

自分1人の今、数十人いる忍と目の前の九十九を倒せることが出来るのだろうか?と考えていた
だが考えている暇はない

哀幻波「…勝てるのか?俺に」

ジムや太陽が強いのに、自分だけ弱いはずがない
叔父の大雅や空大に稽古をつけてもらっている
腕には自信がある

哀幻波「来な!相手に…!」

だがその時だった



…ドスッ!




哀幻波「…え?」