アゲハ ~第14話 九十九 神也7~ | 創作小説「アゲハ」シリーズ公開中!

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「アゲハ族」
それは現在の闇社会に存在する大きな殺し屋組織。しかし彼らが殺すのは「闇に支配された心」。いじめやパワハラ、大切な人を奪われた悲しみ、怒り、人生に絶望して命を絶ってしまう…そんな人々を助けるため、「闇に支配された心」を浄化する。



ガラガラガラ…!

「大丈夫ですかー⁉」

「聞こえますかー⁉」

その頃、旅館には救急車が到着していた
温泉の脱衣室で倒れていた清掃員を救急車に乗せているのだ

響「昨日に続き、またか…!凶器のクナイも同じ…!」

「響さん!これを!」

後輩刑事が血がついた大塚匠の制服を見つけた

響「これは…!」

「犯人のものかと…!」

響「すぐに鑑識に回せ!」

恵美子「あ…あぁ…っ!」

その制服をたまたま見てしまったのか、恵美子は家族の所へ走る
そして伝えた

功「…なに⁉匠の制服が⁉」

敏江「本当なのかい⁉」

恵美子「間違いないわ…っ!あれはフロント用の制服だもの!」

和人「そういや…なんで兄貴がいないんだ⁉」

その家族の場には匠本人がいない

敏江「まさか…まさか匠が⁉」

功「と、ともかく!匠を探すんだ!」

家族全員は慌てて探し出す

ジム「…」

その様子を見ていたジムは

ジム「なぁ、哀幻波知らねぇか?」

と、大陽に聞いた

太陽「…」

ジム「事件の聞きこみやって、さっき出ていったきり、どこにもいないんだよ!」

太陽「…」

ジム「九十九神也のこと知ってたし…まさかあいつ勝手に動いているのかもしれねぇし…!」

太陽「…」

ジム「おい聞いてんのか太陽!」

太陽「ジム」

ジム「あ⁉」

太陽「伏せろ!」

ジム「え⁉」

太陽がジムの頭を持ち、床に押さえた
その時

ドスドスドスドスドスドスドスドスッ!

ジム「⁉」

太陽「っ…!」

窓から障子を破ってクナイが数本飛んできた

ジム「な、なんだぁ⁉」

太陽「木陰に人の気配がして黙ってみてたら…!」

ジム「あ、悪い。俺邪魔したな(・・;」

太陽「哀幻波のことだろ?あいつ多分九十九のとこだよ」

ジム「はぁ⁉」

太陽「あいつ俺に気ぃ遣ってんだよ。親父とお袋を殺した犯人を俺に黙って1人で犯人とっちめようとしてんだ」

ジム「お前…」

太陽「ったく…あいつ俺らより弱いくせに、面倒なことに首を突っ込むタイプなんだよなぁ…!ガキの頃からそうだったし…!」

ジム「どうするんだ?…行くのか?」

太陽「……もちのろん!」

太陽とジムは破れた障子を蹴り飛ばし、外に出た
するとすぐに九十九が率いた忍集団が姿を現した
それも50人を越えるほど

ジム「あらららら、団体様のお通りだぁい」

太陽「よしジム、どっちが多く倒せるか勝負しねぇ?武器なんでもありの時間無制限にするから(笑)」

ジム「報酬は?」

太陽「お前の大好きなお金(笑)」

ジム「乗った(笑)」

2人は契約をし、忍集団に向かって行った


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哀幻波「ハァ…ハァ…!」

その頃、哀幻波は林の中で息を切らしていた
九十九と対戦をして10分
哀幻波の体は傷だらけだ

哀幻波「どこに…⁉」

九十九「どっち向いてんだぁ!」

哀幻波「!」

ビュンビュンビュンビュンッ!

ドスドスドスッ!ピッ!

哀幻波「あっ…!」

哀幻波の腕にまた傷がつく

哀幻波「くっ…!」

九十九「どうしたんだ?黒木哀幻波」

九十九が姿を現した

九十九「俺を殺るんじゃなかったのか?弱すぎだろ!」

哀幻波「くっ…!」

九十九「まぁ…“昨日”の様子を見たらそう思っていたし…別に期待はずれじゃねぇけど」

哀幻波「昨日…⁉お前まさか…!」

哀幻波は察した
九十九は昨日、あの忍集団が現れたその後で見ていたのだ

九十九「あぁ、隠れてお前らの様子を見ていたぞ?あのジェームスと太陽はすごいなぁ…まだ若いのにあんなに力があって…!お前とは全くの大違いだな」

哀幻波「黙れ!」

哀幻波はカードを九十九に向けるが

サッ!グイッ!

哀幻波「あうっ…!」

カードの手をねじらせ、カードを落とした

九十九「やれやれ…つまらん」

哀幻波「ぐっ…!」

九十九「丁度いい、次はお前にするか」

哀幻波「なに…⁉」

九十九「お前を潰せばアゲハ族に大きなダメージを与えられるな。来な、殺してやるから」

哀幻波「っ…!」

哀幻波は肩の痛みに絶えながら歩く
九十九に引っ張られ、場所を移動をしようと考えていたその時だった


…ビュン!

九十九「!」

ガキィンッ!

九十九の元に何かが飛んできた

それは、自分達が使っていたクナイとは別のクナイだった

九十九「これは…⁉」

九十九がクナイに手を伸ばそうとしたその時、ある人物が現れた














蒼汰「…その人、大切な人なんでね。返してもらえないか?」