「ヒルデガルトは、「フィジカ」には自分が実際に観察し、修道院で使っていた植物だけを取り上げている。」

これは、「フィジカ」に登場する植物の特徴から導き出された、ヒルデガルトの研究者の間で共有されている理解だそうです。

「フィジカ」に登場する植物は、ヒルデガルトの修道院周辺に自生する植物が圧倒的に多いそうです。

そして「フィジカ」には、ジャーマンカモミールとローズマリーは登場せず、これらの植物はヒルデガルトの観察圏外の植物だったそうです。

ローズマリーは、地中海原産の植物。ドイツには自生しておらず、修道院で限定的に栽培されていたそうです。当時の寒いドイツでは越冬は難しかったようです。

ジャーマンカモミールは、中世ドイツでは現在ほど一般的ではなく、セージ、ミントやフェンネルなどの修道院医学の主要ハーブに比べると存在感が薄かったそうです。

それが最近英語版の「フィジカ」を見ていたらジャーマンカモミールの記述があって!?。ドイツ語の「フィジカ」では、Mutterkraut(フィーバーフュー)となっていました。

↓ドイツのヒルデガルト療法を学んだ先生から勧められた「フィジカ」の本。ドイツ語なので、読むの大変ですが。💦


出かけた先で見かけて、思わず買ってしまいました。ヤギのミルクとヒルデガルト料理でもおなじみのタイム、フェンネル、クミンなどのハーブを使って作られたクッキーです。

ヤギのミルクを使っているからか、ハーブやスパイスの風味がきいていて、なかなか美味しかったでした。


ヒルデガルトの食事療法では、ヤギのミルクではないですが、ヤギの肉は春と夏に食べると、健康な人にも病気の人にもよいそうです。

ヒルデガルトは「フィジカ」で、ヤギの肉をしばしば食べると、活動が妨げられてうまく機能せずに弱ってしまった腸を回復させ、そして胃を回復させて強くすると述べています。



この本を少しずつ読み進めているのですが、こんな気になること(私的に)が書かれていました。

「ケルンは、ヒルデガルトの時代にフリードリヒ1世バルバロッサの命令でミラノから東方の三賢人の聖遺物が運ばれ、聖ウルスラ大聖堂の黄金の間に聖ウルスラの聖遺物安置所が設けられたことで、崇拝の地となりました。」

ケルン大聖堂には、東方の三賢人の聖遺物箱が安置されています。これはミラノの教会に安置されていたそうです。1164年にバルバロッサがミラノを征服して三賢人の遺骸を奪い、ケルン大司教に授与したそうです。バルバロッサってこんなことをしていたなんて知りませんでした。ちなみに、ヒルデガルトは2回目の説教旅行でケルンを訪れ、ケルン大聖堂(現在の建物ではなくその前にあった2代目の大聖堂)の前で説教を行いました。その時には、まだ三賢人の遺骸はケルンにはありませんでした。

バルバロッサは、対立教皇を立てる(3人も)なども行いました。ヒルデガルトは、これが彼の行いの中で最大の罪と考え、バルバロッサに、偽りの教皇を立ててはならないと厳しく批判したそうです。そしてバルバロッサの行いは神の秩序を乱し、神罰を招き、神聖ローマ帝国を危機に導くと書簡を送って警告していたそうです。この書簡は、現在でも残っているそうです。どのような厳しい言葉か書かれているのか、見てみたいです。