映画「薔薇の名前」の撮影が行われたことで知られているエーベルバッハ修道院。現在はワイナリーになっているいますが、かつてはシトー会の修道院でした。

ヒルデガルトの書簡集に、このエーベルバッハ修道院の修道士たちがヒルデガルトに助言を求めたという記録が残っているというのを最近知りました。当時、創立から20年ほどで修道士の数が増えて大きな修道院に急成長したため、修道院内の規律の乱れなどエーベルバッハ修道院は内部に問題を抱えていたそうです。修道士たちから請われて、ヒルデガルトはエーベルバッハ修道院を訪問したとも伝わっているそうです。ただこれは彼女が訪問したと明確に記されている記録が存在していないので、はっきりとはわかっていないとのこと。

エーベルバッハ修道院の修道士たちから指導や助言を請われたヒルデガルトは、「神の秩序」に立ち返るよう厳しくも霊的な助言を与えたそうです。その後も、エーベルバッハ修道院の修道士たちは、ヒルデガルトに複数回助言を求める書簡を送っており、それに対するヒルデガルトの返信も記録として残っているそうです。

シトー会の修道院の男性である修道士たちが、ベネディクト会の女子修道院長である女性のヒルデガルトに助言を求め教えを請うことは、当時の社会状況を考えると非常に特別なことで、これはヒルデガルトが霊的権威として認められていたことを示す証となっています。ヒルデガルトの偉大さを改めて感じます。


聖ヒルデガルト修道院が醸造しているワイン「Mons Sanctus(モンス・サンクトゥス、聖なる山)」です。

聖ヒルデガルト修道院では、毎年収穫したワインの中から最良のリースリングワインを選び、修道院の精神性を象徴するワインとしてラテン語名をつけて、3種類のワインを販売するそうです。

その1つが「Mons Sanctus(モンス・サンクトゥス、聖なる山)」で、他の2つは「Domus Domini(ドミニ、主に捧げる)」と「Hildegardis Scivias(ヒルデガルトのスキヴィアス)」

ヒルデガルトはワインを、「神が人間に与えた、節度ある薬」と位置付けているそうです。彼女が書き残したレメディが、ほとんどと言っていいほどワインが使われているのも、あの時代の衛生面から水よりもワインやビールの方を飲む方が安全であったということの他に、彼女のこのワイン観も大きく影響しているのかもしれないですね。


今日はイースターですね。ドイツでは、イースターにラム肉を食べるようです。以前「聖ヒルデガルトの治療学」の著者である、シュトレーロフ博士がイースターにお勧めのヒルデガルト料理としてラム肉料理を紹介されていました。

これはそのラム肉料理ではないですが、10年以上前のヒルデガルトのお食事会でお出ししたラム肉とレンズ豆のシチューです。

「フィジカ」でヒルデガルトは、ラム肉を春から夏にかけて食べるのがよく、健康な人だけでなく病気の人が食べてもよいお肉と述べています。また、全身が衰えて血管がもろくなっている人は、ラム肉の煮出し汁を頻繁に食べるよう勧めています。