インナーチャイルドの癒しは、5段階受容と少し似ている
インナーチャイルドの癒しをしていると、
「どうしてこんなに気持ちが揺れるんだろう」
「前に進んだと思ったのに、また苦しくなった」
そんなふうに感じることがありますよね。
でも私は、その揺れは悪いものではないと思っています。
むしろ、心の深いところが本当に動き始めた時ほど、
人は揺れるのだと思うのです。
私は時々、インナーチャイルドの癒しは
キューブラー=ロス博士の5段階受容に少し似ているなと感じます。
今まで信じてきた物語が終わっていくことです。
「うちは普通の家庭だった」
「親にも事情があった」
「私さえ我慢すればよかった」
そんなふうに信じてきた世界が、少しずつほどけていく。
そしてそのあとに、
ようやく本当の自分の気持ちに出会っていく。
私は、インナーチャイルドの癒しって、そんな流れなんじゃないかなと思うんです。
① 否認
「そんなに大したことじゃなかった」と思いたい
最初によく起きるのは、
つらかったことを小さく見ようとすることです。
「うちは普通だった」
「親も大変だったんだから仕方ない」
「あのくらい、よくあること」
「私が気にしすぎなんだ」
こう思いたくなる人は、本当に多いです。
でもこれは、弱いからではありません。
子どもにとって、親や家族は世界そのものです。
その世界がつらかったと認めるのは、とても苦しいことなんですよね。
だから心は、
「大丈夫だったことにしよう」
として自分を守ります。
これは間違いではなく、
その時の自分を守るために必要だった反応なんです。
トラウマ回復の考え方でも、心を守るための反応は自然な適応として扱われます。
② 怒り
「それは、おかしかったよね」と思える
否認が少しゆるんでくると、
今度は怒りが出てくることがあります。
「なんであんなことをされたんだろう」
「本当は守ってほしかった」
「私はずっと我慢していた」
「おかしいものは、おかしい」
この怒りに、戸惑う人も多いです。
でも私は、
この怒りは悪いものではないと思うんです。
それは、
やっと自分の気持ちを大切にし始めたサインだから。
ずっと相手の気持ちばかり見てきた人が、
初めて
「私もつらかった」
と言えるようになる。
それは、回復の中でとても大切な一歩です。
回復はまず安全を取り戻しながら、自分の経験を少しずつ見つめ直していく流れとして理解されています。
③ 取り引き
「癒せば変われるかもしれない」と思う
ここで人は、
癒しに向かって動き始めます。
本を読んだり、
講座を受けたり、
セラピーやワークをしたり、
インナーチャイルドに声をかけたり。
これはとても尊いことです。
ただその奥には、
こんな気持ちが隠れていることもあります。
「ちゃんと癒せば、全部よくなるかも」
「頑張れば昔の傷を取り戻せるかも」
「今からでも埋め直せるかも」
この願いも、とても自然です。
だって、つらかった分だけ、
なんとか楽になりたいですものね。
でも回復って、
魔法みたいに一気に全部消えることではないんですよね。
少しずつ自分に安心を教えて、
少しずつ自分との信頼関係を作っていくこと。
心理学で も、回復は継続的で、揺れやつまずきを含む行きつ戻りつのプロセスだと説明しています。
④ 抑うつ
「取り戻せないもの」があると知る
ここは、とても切ないところです。
癒しを進めていく中で、
ある時ふと気づくことがあります。
あの子ども時代は戻らない。
あの時ほしかったぬくもりは、
そのままの形では戻ってこない。
それに気づいた時、
深い悲しみが出てくることがあります。
「悲しい」
「寂しい」
「どうしようもない」
「もっと早く気づきたかった」
そんなふうに感じることもあるでしょう。
でもね、
これは失敗ではありません。
これは、
本当に悲しかったことを、ようやく悲しめている時間なんです。
⑤ 受容
「この私で生きていこう」と思える
受容というと、
「全部よかった」と思うことのように聞こえるかもしれません。
でも、そうではないんです。
親を正当化することでもないし、
何もなかったことにすることでもない。
そうではなくて、
「私は傷ついていた」
「失ったものはある」
「それでも私は生きていける」
「この私のままで、これからを育てていける」
そう思えることなんだと思います。
過去は消えません。
でも、過去だけが人生のすべてではない。
傷ついた自分を否定するのではなく、
その自分を連れて、これからを生きていく。
私は、それが本当の受容なんじゃないかなと思います。
揺れるのは、ダメなことじゃない
ここ、いちばん伝えたいことです。🌷
インナーチャイルドの癒しをしている人は、
とてもよく落ち込みます。
「また苦しくなった」
「まだ怒りが出る」
「前に進んだと思ったのに、戻った気がする」
「全然癒えていない気がする」
でも、揺れるのはダメなことじゃありません。
悲しみも回復も、
きれいな階段みたいには進まないからです。
今日は受容できたと思っても、
明日はまた怒りが出るかもしれない。
少し楽になったと思ったのに、
急に深い悲しみが出てくるかもしれない。
でもそれは、後戻りではないんです。
心が少しずつ、もっと深いところを癒している途中
なのだと思います。
これは心理学でも回復には自然な揺れ、行きつ戻りつがありうるとしています。
だから、
また親をかばってしまう日があってもいい。
怒りが出る日があってもいい。
悲しくて何もしたくない日があってもいい。
「全然ダメだ」と思う日があってもいい。
その揺れの中で、
人は少しずつ自分を知っていきます。
その揺れの中で、
少しずつ自分にやさしくなっていきます。
つまり、
揺れることそのものが、育っている途中の姿なんですよね。
だからどうか、
揺れる自分を責めないであげてください。
回復って、
完璧になることではなくて、
揺れながらも自分を見捨てないこと。
そのくり返しの中で、
人は少しずつ
「このままの私で大丈夫」
という感覚を育てていくのだと思います。
おわりに
もし今、あなたが揺れているなら、
それはダメだからではありません。
ちゃんと心が動いているからです。
ちゃんと自分を癒そうとしているからです。
今まで感じないようにしてきた悲しみや怒りや寂しさが、
ようやく「ここにいるよ」と教えてくれているのかもしれません。
だから、揺れても大丈夫。
泣いても大丈夫。
戻った気がしても大丈夫。
そのたびに、
また自分の手を取り直せばいい。
インナーチャイルドの癒しは、
一気に終わるものではありません。
でも、揺れながらも自分を見捨てずにいることで、
少しずつ、本当に少しずつ、
心はあたたかい場所へ戻っていくのだと思います。🌸
だから、ドラマチックに人生を変えようとするのではなく
ゆるーく、揺れながら進んでいきましょう。
一歩進むたびに私たちの人生は深みを増していくのです
そして、新しい人生が待っています。
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