令和の時代に目に見えないものと闘うことになるなんて、思いもしませんでした。
現在新型コロナウィルスが流行中ですが、今から100年ほど前にも、感染症が流行りました。


☆1919年(大正8年)スペイン風邪流行

 この時の「流行性感冒予防心得」によると
 病人に近づかない、人が集まっているところに行かない、汽車などではマスクをする
または鼻や口をハンカチなどで覆うようにと、汽車の社内などにポスターで啓発されたそうです。

 

 当時の啓蒙ポスター

 

 そして、現代はというと、
 ☆2020年(令和2年) 「新型コロナウィルス」 (COVID-2019)
 対処方法は、 緊急事態宣言が出され、学校は休校、店舗は一部お休み。

 イベントなどは中止、外出自粛要請。

 「密閉」「密集」「密接」を避ける。

 手洗い、消毒をする。

 

 対応は100年たってもあまり変わっていません。

 ポスターでは手洗いよりうがいの方が推奨されていたのでしょうか?

 


 さて、今回は手洗いのお話です。

「新型コロナウィルス」 (COVID-2019)が、世界的に猛威を振るっている今、
予防法の一つとして手洗いを奨励されています。


 手洗いではウィルスをどれくらい除去できるのでしょうか?
ウィルス残存数を表したデータがありました。

 
≪手洗いの方法を手洗いなしの場合と比較した残存ウィルス数(残存率)≫

・手洗いなしの場合  約1,000,000個 (100%)とすると・・・

・流水で15秒手洗い   約10,000個 (約1%) 

・ハンドソープで10秒

または30秒もみ洗い後、

流水 で15秒すすぎ    数百個 (約0.01%)

・ハンドソープで

60秒もみ洗い後、

流水で15秒すすぎ     数十個 (約0.001%)

・ハンドソープで

10秒もみ洗い後、

流水で15秒すすぎを

2回繰り返す       約数個 (約0.0001%)

 

データ出典 森功次他:感染症学雑誌、80:496-500,2006

  http://journal.kansensho.or.jp/Disp?pdf=0800050496.pdf

 
 手洗いを2回繰り返すだけで、100万個のウィルスがわずか数個に減少しています。

 

 石鹸で手洗いすると、ウィルスのまわりの油脂を石鹸で分解し、ウィルスが不活性化します。 
 そして、これは「抗菌作用のある石鹸」である必要はありません。
 こんなに簡単なことでウィルスを除去できるなら、丁寧に手洗いをしたいものです。 

 


 手洗い後は、共通のタオルは使わず、ペーパータオルで拭くのが理想と言われていますが、今、キッチンタオルも希少です。
 外出後の手洗い後は、小さめのタオルや、フキンなどをその都度個別に使用して、洗濯して使うと衛生的です。
 
 手洗い後は、手の保湿も忘れずに。

 

 

 【アロマを使って快適マスクに】

 普段より、マスクをする機会が増えていると思います。

 マスクをする時に、アロマスプレーや精油を使用するのもお勧めです。

 

 ≪アロマスプレー≫

 簡単なアロマスプレーの作り方です。

 マスクに吹き付けたり、ルームスプレーとして使用できます。

 精製水や無水エタノールなしで作る方法のご紹介です。

 

○用意するもの

 ・精油(ユーカリ、ティートリー、ペパーミント、ラベンダーなどお好きな香り)

 ・ミネラルウォーター(精製水があれば利用してください)

 ・計量できるもの(ビーカー、計量スプーンなど)

 ・スプレー容器

 

○作り方

 精油の濃度1%のスプレーを作ります。

 ・スプレー容器にミネラルウォーターを入れる

   ミネラルウォーター 10ml に 精油 2滴(1滴は0.05ml)

  

  スプレー容器の大きさにより、ミネラルウォーターと精油を調整します。 

   ミネラルウォーター30ml なら 精油 6滴

   ミネラルウォーター50ml なら 精油 10滴

  

  精油が混ざるようによく振ってください。(少し白く濁ります)

  

   ユーカリとラベンダーなどブレンドもお勧めの香りです。

 マスクに使用する場合は、柑橘系は避けてください。

 (肌がチクチクする場合があります)

 

 マスクに直接スプレーしたり、お部屋にスプレーして使用します。

 ペットや小さいお子さんのいらっしゃる部屋でルームスプレーとして使用する場合は、注意が必要です。

十分に換気すること、多量に使用しないようにしましょう。 

 

 ≪精油を使用する場合≫

 ティッシュに精油を滴下したものをマスクの内側に入れます。

 

 

 ティッシュは半分に折ってから三つ折りにすると、マスクに入れるのにちょうどよい大きさになります。

 精油を付ける位置は、マスクの下側になるように(鼻ではなく、口側)、また直接肌に触れないようにすることをお勧めします。

 ・口付近など直接肌に触れたり、目の近くは避けましょう。

 ・精油は1滴で十分です。

 ・香りがしなくなっても、追加して長時間使わないようにしましょう。

  嗅覚は慣れると香りを感じなくなります。

 

 

 スッキリしたい時にお勧めは、ユーカリ、ティートリーなど。

 またリラックスしたい時は、ラベンダーやゼラニウムなど。

 精油の作用で選ぶより、自分の好きな香りを使うと心地よく過ごすことができます。

 

 1日も早く収束して、通常の生活を送ることができることを願います。

 精油でリラックス・リフレッシュしてお過ごしください。

 

 新型コロナウィルスが世界的に流行しています。
 疫病との闘いは昔から繰り返されているのです。


 今日は、中世に流行したペストにまつわるお話です。


【盗賊の酢】
1630年ごろ南フランスでペストが流行しました。

 町中が死体であふれる中、4人の盗賊がペストで死んだ人の家を荒らしていました。
ペストを恐れず盗みをはたらいていた彼らも、ついに捕まります。
ペストにかかることがなかったその秘密と引き換えに、盗賊たちは死刑を免れたということです。

その秘密というのは、「ハーブの酢」

ワインビネガーにセージ、タイム、ラベンダー、ローズマリーなどを

漬けたものを口に含んだり、体に塗っていたというものでした。

セージとタイム

 

ラベンダーとローズマリー


 お酢には、細菌の増殖を抑える働きがあります。
日本でも昔からお酢を使った保存食として、酢漬け、しめ鯖、酢飯など身近に使用されています。
そのお酢の中に抗菌、殺菌作用があるハーブを漬けていたのです。
 

セージは古代から治療に使われてきたハーブで、和名はヤクヨウサルビアです。
タイムは、古代エジプトでミイラ作りの防腐剤として使用されていました。

 

 この盗賊の酢は、この後売り出されたそうです。
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 【ペストとハーブ】

 現在、 医療用マスク不足も深刻になっていますが、中世には、ペスト専門の医師がいました。
このようなをマスクをしていたとのことです。
 

香料入りのワックスを塗ったコート、ヤギ革の帽子と手袋、直接の接触をさけるための杖。
そして特徴的な鳥のようなくちばしのマスク。

マスクのくちばしの先には、ハーブが詰められていました。


アンバーグリス(龍涎香-りゅうぜんこう)※1、バームミント、ショウノウ(樟脳)、クローブ(丁子)、アヘンチンキ※2、ミルラ(没薬もつやく)、バラの花びら、エゴノキなど、といわれています。

※1 アンバーグリスはマッコウクジラの腸内に発生する結石
※2 アヘンをエタノールに浸出させたもの。モルヒネが高い濃度で含まれる

参考 National Geographic 
https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/031600175/

参考メディカルアロマ辞典
https://susanblog.com/pest/2/

 

 中世のヨーロッパでは、目に見えない病とのとの闘いにハーブが活用されていたことがわかります。

 

 現代の新型コロナウィルスも、早く特効薬やワクチンができることを願っています。

 それまでは、基本の手洗い、外出自粛のときは、ストレスをためないように

好きな香りのアロマでリラックスして過ごしたいものです。

 

 ローズマリーは春、白やブルーの花が咲きます。

 

 元々ローズマリーの花は白だけだった?!

 ブルーになったのは・・・?


 マリア様のバラとも呼ばれる「ローズマリー」のお話です。



 キリスト誕生まで、歴史をさかのぼります。

 西洋絵画と共にみていくと、少しイメージできると思います。

【東方三博士の礼拝】
 キリストの誕生を知った学者たちが東方からやってきて、ヘロデ王(ユダヤ人の王)を訪ねます。
「占星術でこのあたりで救世主がお生まれになったので拝みに来ました。」
ヘロデ王は、自分を脅かす存在になると不安になり、それなら殺してやろうと企てます。

ヘロデ王は三博士に、見つけたら知らせるように言います。

 キリストを探し当てた東方の三賢人は

「黄金」「乳香(にゅうこう)」「没薬(もつやく)」を捧げます。
 
  「東方三博士の礼拝」 ボッティチェリ作

  (最前で礼拝している人、中央のオレンジのマントの人、その右となりの白い服の人が

  三博士といわれています)

 

  三つの品にはこのような意味があります。

 ・黄金 王権の象徴
 ・乳香(フランキンセンス) 神性の象徴
 ・没薬(ミルラ) 将来の受難である死の象徴

 

 三博士は礼拝が終わると 「ヘロデの元に帰るな」 という夢のお告げの通り、ヘロデ王を避けて東方に帰っていきます。
三博士が自分に知らせず帰ったことに激怒したヘロデ王は、2歳以下の男児を探して殺害するよう命じます。

【エジプトの逃避行】
三博士が帰った後、マリアの夫ヨセフの夢に天使が現れこう告げます。
「ヘロデ王がイエスを殺そうとしているので、イエスとマリアを連れてエジプトに逃げるように」
そしてエジプトへの逃避行が始まります。


「エジプトの逃避行」 カルロ・マラッタ作

(マリア様は青いマントをまとっています)

【マリア様のバラ】
 マリアがキリストを抱いてヨセフと逃げる間に、白い花の咲くローズマリーの茂みに
ブルーのマントをかけて身を隠しました。
その時に、白の花が青くなったと言い伝えられています。

 

 

【精油の紹介】

☆乳香 にゅうこう(フランキンセンス)
カンラン科 水蒸気蒸留法(樹脂)
作用:鎮静、殺菌、収れん、美肌、瘢痕形成など
宗教儀式、瞑想に使われる。


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☆没役 もつやく(ミルラ)
カンラン科 水蒸気蒸留法(幹・枝)
作用:抗菌、消毒、抗炎症など
古代から、抗菌・防腐としてミイラづくりに使われた。


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☆ローズマリー 海のしずく マリア様のバラ
シソ科 水蒸気蒸留法 葉
作用:頭脳明晰、老化防止、抗炎症など
精油は認知症予防にはレモンとブレンドして、朝に使用する。
ハーブは、肉料理などに使用される。

 

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  ローズマリーは、春に花を咲かせます。

公園などにも咲いていることがあるので、観察してみてください。

精油がすぐに手に入らない時は、園芸店に小さい鉢があったり、

大きなスーパーなら、野菜コーナーに置いてある場合もあります。

とても身近なハーブです。