(1)2022年募集馬でダイワメジャー産駒を検証する

 

2022年募集馬で今年3歳を迎えた社台・サンデーのクラブ馬たちの募集時馬体評価を検証している。

 

前回はチェルヴィニアを取り上げた。

 

 

 

 

今回は去年(2023年)の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)を優勝したアスコリピチェーノ(メス、父ダイワメジャー)を取り上げてみたい。

 

2023-24年のクラシックシーズンでは、ダイワメジャー産駒の活躍が目立ったが、この理由については、以下の記事で考察しているので、参照してください。

 

 

 

2022年募集馬にはアスコリピチェーノを初め、社台・サンデーで9頭のダイワメジャー産駒が募集されている。

 

比較のため、この9頭の募集時の「新・測尺評価法」に基づく評価を一覧表にしてみた。

 

「新・測尺評価法」については、以下を参照ください。

 

 

 

 

(2)募集時馬体重は重すぎてもリスク大

 

9頭中、体高でプラスが5頭(アスコリピチェーノ、ベストディシジョン、ティンク、シアーエレガンス、アルサプーア)。

 

このうち勝ち上がった馬が2頭(アスコリピチェーノ、ティンク)。

 

一方、体重がプラスの馬が9頭中6頭(アスコリピチェーノ、ベストディシジョン、ポーラーウインド、ティンク、シアーエレガンス、アルサプーア)。

 

このうち勝ち上がった馬が2頭(アスコリピチェーノ、ティンク)。

 

体高、体重ともにプラスの馬は5頭(アスコリピチェーノ、ベストディシジョン、ティンク、シアーエレガンス、アルサプーア)。

 

このうち勝ち上がった馬が2頭(アスコリピチェーノ、ティンク)。

 

要は、体高、体重ともにプラスの馬から選べば借りあがり率は上がる。

 

そして、体高・体重ともにマイナスの馬は勝ち上がっていない。

 

この事実は、出資候補を絞るうえで重要な情報になる。

 

特に体重が決めてで、上位から挙げると、1位ポーラーウインド(+57.7)、2位、ティンク(+39.0)、3位アスコリピチェーノ(+38.6)という順番になる。

 

 

重い馬が有利だけれど、ただ闇雲に体重が多い方がいいというわけではない。

 

この上位3頭のデビュー時馬体重を調べると以下のようになる。

 

・ポーラーウインド(520kg):2023/12/28 2歳新馬

 

・ティンク(490kg):2023/07/02 2歳新馬

 

・アスコリピチェーノ(464kg):2023/06/24 2歳新馬

 

ポーラーウインドはレース後にスクミの症状が出て、その後腸骨部分に骨折が判明して、全治9ヵ月との診断を受けて引退を余儀なくされた。

 

やはり、ポーラーウインド(+57.7)の数値は「重すぎ」の評価となるのだろう。

 

これだけのプラスは、過重に馬体に影響を与え、レース時にはダメージとなって故障につながりやすい。

 

測尺評価の目安としては、体重はプラスが30kg台までが許容とし、50kg代では逆にリスクを伴う、ということが教訓としてわかった。

 

 

(3)やはり「新・測尺評価法」は凄かった

 

いずれにせよ、「新・測尺評価法」で、体高・体重ともにプラスの馬、体重では30kg台プラスの馬から選べば2頭中2頭勝ち上がることができる。

 

勝ち上がり率がなんと100%。

 

やはり、「新・測尺評価法」の威力は抜群だ。

 

ただし、今回はうまく行ったが、毎年このような基準で単純に選べばいいというわけではない。

 

種牡馬ごとに体高・体重の適性値があると考えている。

 

こうした厳密な評価基準は毎年今回のような検証記事を書くなかで明らかにしてゆきたい。