『日本を変えた千の技術博』@国立科学博物館 | 小平・国分寺 おうちで出来る自然療法 手作りコスメ・クレイセラピー・ナード アロマテラピー Aromano

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昨日、上野の国立科学博物館で開催されてる特別展;

 

『明治150年記念 日本を変えた千の技術博』

 

に行ってきました。右『明治150年記念 日本を変えた千の技術』

 

 

特別展の会場で夕方に開催されるギャラリートーク、「化学遺産ズラリ~わかる!日本の化学研究と化学産業のあゆみ」が聞きたくて特別展の混雑状況を調べたら、平日でもなかなかの混み具合と出ていたのでお昼ごろに到着。そうしたら思ったほど混んでおらず、しかも特別展は再入場不可と掲示されていて、18:30開始予定のギャラリートークまで時間がありすぎ汗

 

が、後程わかるのですが、スタッフの方に「ギャラリートーク参加希望」と伝えて当日チケットにスタンプを貰えば、外に出れますビックリマークこれから行かれる方、早めに行ってゆっくり展示物を堪能して、ギャラリートークまで時間があればスタンプ貰って地球館のレストランや日本館のカフェラウンジで休憩出来ますよ音譜

 

『日本を変えた千の技術博』は、150年前にスタートした明治時代からの日本の近代化への努力とその成果の軌跡が辿れます。

 

第一章は『明治維新 科学と技術で世が変わる』

 

江戸時代の「寺子屋」から、近代教育を施す「学校教育」へ。そこから一部の学者だけが持っていた科学の知識を、一般に多くの人たちが学べるようになりました。

 

それまで誰でも「自称」で医者を名乗れていたものが、学校で学んで西洋医学の知識を有したものだけが「医師」と認められる免許制に移行していったのも、明治以降です。

 

この時代、西洋に留学した日本人の科学者たちが日本にその技術を持ち帰り、科学の企業化に貢献していきました。世界的に認められるアドレナリンの結晶化や酵素の一種タカジアスターゼなど、日本として誇れる発見があり、そういった流れもあって薬も伝統薬の「本草」から「西洋薬」へ、化粧品もの化学的知見から作られたにきび用の薬用化粧水「美顔水」というものが作られました。

 

 
有効成分はサリチル酸とホモスルファミン、その他にはゲラニオール変性アルコール、PG、香料です。復刻版がショップで販売されていたので、購入してきました。今ならAromanoでお試しいただけます合格
 
 
第二章は『科学で変える』
 
クウォーツや磁石、フェライトと呼ばれる磁気材料を使った、時計や工業用品など様々なものが展示されています。
 
第三章は『くらしを変える技術』
 
江戸時代のロウソクを使った提灯からガス灯へ、更に電気技術の向上による電球を使った電灯。そして炊飯器や冷蔵庫などなど生活を向上させるための様々な国産家電が作られだしました。
 
「生活改善」の一環として売り出されたのが、日本初の美顔器や収斂化粧水の“明白アストリンゼン”、油分の入った化粧品を落とすクレンジングなどでした。そういったものが紹介された女性向けの雑誌も発行されていました。
 
 
第四章は『産業を変える技術』
 
自動車や電車、飛行機などの発達が人やモノの高速移動を可能にし、生活を改善させるための産業がどんどん発展していきました。今や日本の基幹産業となった自動車も、この頃から盛んに研究・開発され、世界を驚かせたロータリーエンジンなどが登場しました。
 
第五章は『モノを変える技術』
 
天然のものを上手く活用する技術に長けていた日本人は、それを積極的に変えて活用するようになっていきました。石炭や鉄などの資源を上手く使って日本の近代化に貢献し、石油から合成樹脂や合成繊維など様々な機能を持つ新素材を生み出しています。
 
石油系プラスチックが問題になっている昨今、この頃盛んに作られていた植物由来で生分解性のセルロースを基にした「セルロイド」という素材が、地球環境保護と保全という観点から見直されつつあります。
 
第六章は『生命にかかわる技術』
 
アロマセラピストとして一番ワクワク度が上がったのがこのセクションでした音譜
 
西洋からかなり遅れていた日本の化学研究は、アジア特有の天然物を対象とする研究に力を入れることによって、世界に認められる発見をするまでに発展していきました。
 
第一章で少し紹介されていた「タカジアスターゼ」は、日本酒造りに使われる麹菌を研究することで新たなデンプン消化酵素として発見されましたし、化粧品材料として利用されているスクワランのもと、スクワレン(スクアレン)は日本にある植物や魚、海産動物などからとれる様々な油脂を研究することによって発見されました。
 
紫根の色素「シコニン」や紅花の色素「カーサミン」についての研究や、防腐剤の役目を果たす「ヒノキチオール」なども盛んに研究されていたようです。
 
 
現存する当時の研究サンプルなど、いろいろ展示されていました。
 
 
第七章は『街づくりを変える技術』
 
今でこそ高層ビルだらけの東京ですが、耐震技術の問題から戦前は高さ制限があったそうです。当時は敷地面積ギリギリまで建物を建てるため、都心の緑がどんどん失われていきました。その後耐震性のある建築方法が確立されてから、緑の木々を植える敷地を確保することが出来るようになり、その代わりに建物は上へ上へとのびていきました。
 
戦争中に向上したレーダー技術は、地震や火山噴火などの自然災害に見舞われる日本において、今ではそれに備える技術として活用されています。各家庭に無くてはならない家電の一つである電子レンジも、このレーダー技術を基にして米国で開発されたものだそうです。
 
第八章は『コミュニケーションを変える技術』
 
無線や電話、携帯音楽プレーヤー、ファックス、テレビといった“電気”を使った通信技術も向上を続け、今ではいろいろなニュースが即座に世界中を駆け巡るまでになりました。PCの出現で膨大な量の情報も瞬時に処理されるようになり、人々のコミュニケーションも変わりつつあります。様々な問題点も垣間見れますが、SFの世界の夢物語だったものが実現していっているのも、人々の努力の積み重ねの結果なのですね。
 
夕方のギャラリートーク目当てで実はそこまで期待していなかった「特別展」でしたが、いい意味で期待を裏切られ、幕末大好きの歴女な私を大満足させてくれる内容でした。
 
そのギャラリートークまでまだ時間があったので、一度外に出て博物館の常設展を見学してきました。
 
国立科学博物館には『地球館』と『日本館』という二つの常設展示があります。興味の対象によって見どころは異なってくると思いますが、私は地球館のB3Fにある日本の科学者と物質を探るという展示が面白かったです。常設展示と被るところがありますが、ノーベル賞を取られた方々の研究内容などが展示されています。
 
 
地球館は一通りサッとみたのですが、お昼抜きで特別展に入ってしまった為既にヘロヘロ。日本館は諦めてレストランで遅いランチだか早いディナーだか分からない食事をし、少し休んでからまた特別展会場へ戻りました。
 
18:30~の「化学遺産ズラリ~わかる!日本の化学研究と化学産業のあゆみ」は30名程の沢山の方が参加されてました。第一章のタカジアスターゼ発見者である科学起業家の先駆け、高峰譲吉の案内の後、第六章のセクションに移動して日本で有機科学研究の基盤を築いた眞島利行や、その弟子でヒノキチオールの研究で有名になった野副鐵男、眞島のもとで「シコニン」や「カーサミン」の研究をして日本女性2番目の理学博士となった黒田チカなど、科学研究分野で功績のあった人物の説明をしていただきました。
 
日本の化学遺産は長い間おざなりにされてきていて、第六章で展示されている当時のサンプルなどは、「残っているのは奇跡的」だそうです。貴重な資料や研究遺産など残念ながら失われてきたものが多々あるそうですが、それをきちんと残そうということで、今『化学遺産』として認定がすすんでいます。貴重な遺産、大事に残していきたいですね。
 
今回は時間と体力がなくてじっくり見れなかったですが、常設の『地球館』も『日本館』も面白いので、次は時間をとってゆっくり見てみたいと思います。
 
『日本を変えた千の技術博』は3月3日まで開催されていますので、興味がある方は是非行ってみて下さい音譜
 
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