一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『翘楚(翹楚)Ashes to Crown』

2026年 6月〜 中国 全24話予定

 

出演

楚朝→陈都灵(陳都靈)

谢燕来(謝燕來)→周翊然

萧珣(蕭珣)→王瑞昌

谢燕芳(謝燕芳)→唐晓天(唐曉天)

邓弈(鄧弈)→高茂桐

萧羽(蕭羽)→吴佳峻

 

 

この作品もNetflix日本で同時配信されている。

Netflixは優酷作品の配信率が高いけど、ポイント稼ぎのために優酷で視聴します。

 

ネタバレ 第1話~第4話。

始まってみたら、これも重生ものだったわ。

辺境を守る将軍を父に持つ楚朝は、反対を押し切って皇族の蕭珣との婚姻を果たすが、蕭珣の目的は皇位であり、ほどなく起こした謀反で跡継ぎを片っ端から殺戮してその座を得ることに成功する。長い間この計画を練っていた蕭珣にとっての楚朝の役目は、戦功も人望も名高い楚岑を潰すための駒だったわけだが、純粋だった当時の楚朝はそのことに気付いていなかった。

こうして皇帝の座に就いた途端、いみふな罪名を背負わせて父親の首を落とし、自分も命を獲られた楚朝は、傅九(謝燕来)だけが救ってくれる存在だと記憶しながら婚姻直前の時間軸へと重生する。

久々に見た王瑞昌は、敵とはいえ相変わらずイケている。

 

再び生きる機会を得た楚朝は、一周目とは違う道を辿り、生き残るための道へと修正していくことになるが、二度目も蕭珣の謀反が始まり、皇子たちは既に命を奪われていた。そこで、未だ命を繋いでいた皇帝の孫、蕭羽だけは守る道を選び、そのために皇帝を説得して長公主の地位を獲得する。ここで楚朝を支えるのは、楚岑から娘を守るよう命を受けていた謝燕来である。楚岑の支配下にある秘密部隊の龍威軍も強すぎる。

 

ほどなく皇帝が崩御し、一周目は命を奪われた幼い蕭羽も、今回は皇帝の座を得る道へと回避出来た。長公主という立場で蕭羽を守ることになった楚朝に一歩出遅れた蕭珣は、計画通りに進まず出鼻を挫かれるが、その後もあの手この手で蕭羽や楚朝の命を狙ってくる。冴えわたる勘の良さで周到な策を練ってくる面倒くささがあるよ。

その間、楚朝が一番信頼して側に置くのは、一周目で唯一自分を救ってくれた謝燕来で、蕭珣と同じく皇族ではあるがその反派の謝家九番目の息子である。謝燕芳には弟だと言われ続けていても、彼が庶子なのか血縁ですらないのかがちょっと分からなかったんだが、見逃したかな。謝燕来自身は謝家にも属さぬ態度で、忠心を誓うのはおそらく楚岑のみであり、今のところは楚朝へもぶっきらぼうな態度を取っている。(けど命は守る。)

 

ここまでは蕭珣の目的は明白でも、謝燕芳や太傅の鄧弈にも何か狙いがあって、純粋に幼い皇帝を支えているように見えないところが不気味だが、とにかくオジが不足しており、美しい若者ばかりの朝廷では若干の軽さは否めない。特に主演の周翊然はまるで少年のような初々しさがあるね。子役の吴佳峻も今や引っ張りだこ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第5話~第10話。

オープニングのクレジットで、領銜主演が出演者の最後に表示されるのは初めて見た気がする笑

 

蕭珣の目的を阻止し、辺境の父親を死なせぬよう次々と策を講じる楚朝だが、太傅の鄧弈はイマジナリーフレンドと囲碁を打ちながら今後の自身の展望について語り、二枚舌で政局を窺っている。楚朝を裏切り蕭珣の方へ付いたように見えるが(一周目も蕭珣側だった)、特に蕭珣へ忠心があるわけではない。

逆に謝燕芳の方は、姉の仇である蕭珣を敵と認定しているが、かといって楚朝側というわけでもない。鄧弈も謝燕芳も、結局は自身の未来のみが重要であり、いくらでも都合の良い方へ転ぶ信用ならぬ人間である。

 

楚朝が言い続けているように、視聴者から見ても信用出来るのは阿九(謝燕来)のみで、必ず自分が守ってみせるという彼の信念も道理には適っている。鞭で打たれる自分を一瞬でも救ってくれた人が楚朝だと、初めから分かっていたんだね。

序盤は隠していたその真意も段々と表面化し始め、ぶっきらぼうな態度も変化していくが、個人的には、透明感の残る少年っぽさが役柄の言葉や態度にそぐわぬように感じていた。

それがなんでか、8話あたりからの芝居で見せる憂いのある表情で、急速に胸を掴んできたんだがなんの魔法ですか、、、チラ見が止まらぬ阿九が愛らしすぎて笑える。

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問題の蕭珣は、朔漠と手を組み、辺境での小競り合いを焚き付けているが、この地は楚岑がガッチリと守っているため、簡単には侵入させてもらえない。

その楚岑も、朔漠を追い払ったと同時に一周目のこの時期にはなかった病を発症してしまう。その知らせを受けた楚朝は、父親の元へ戻ることになるが、皇帝を補佐する長公主という立場では朝廷を離れることは許されない。そこで仮病を使って療養していると見せかけ、皇帝は阿九へ託して皇宮を離れることにする。

 

一人辺境へ行かせることが不安で仕方のない阿九は、託された皇帝を今度は謝燕芳へ託して後を追うわけだが、その間に謝燕芳の良いようにされないかの不安はあった。さすがに甥である皇帝へ害を与えることはないはずだが、更なる権力を得るために都合良く皇帝をそそのかすくらいはやるだろう。ただし朝廷には同じような思想の鄧弈が残っているため、反発し合って互いに都合の良いようにはならないようだね。上手く出来ている笑

楚岑が生きている今の段階で、辺境にいる20万の兵権を取り合っているのがなんとも浅ましい。

 

楚朝の動きを察した蕭珣は、早速、追っ手を向かわせるが、楚朝はそれを見越して経路を変えながら蕭珣を躱していく。

その過程で蒼木寨の葛大嬸と出会うことになる。

蒼木寨とは、浮世とは関係ないところで活動している組織で、巷ではそれを山賊と呼んでいる。しかし蒼木寨がやっていることは、間者の調査であり、その活動は楚朝から見ても楚岑側としか思えないところがあった。

一度は剣を向けられた楚朝も、相変わらずの俊足で追い付いてきた阿九が、この場は救うことになるが、葛大嬸も本気で命を奪おうなどとは思っていなかった、はず。

その後も自分を追っ手から匿うなど、害を与えるどころか手助けさえ惜しまぬ葛大嬸を、楚朝は疑いながらも奇妙に感じていた。

その理由を確かめに行った楚朝が、逆に母親のことを訊ねられ、思い描く人物像を口にしたと同時に、豆だらけの自身の手のひらをじっと見る葛大嬸の仕草で、この人が楚朝の母親だということを視聴者は知ることになる。このシーンで葛大嬸の背景を妄想していたらなんだか泣けちゃったわ。

かつて蒼木寨の寨主を死へ追いやり、残党は生かした楚岑の事情が語られるのはこれから。他に、阿九のトラウマとなる魏家村の惨事と、阿想の行方などもこれからかな。

 

ほどなく蒼木寨を後にし、望城へ向かった二人は、蕭珣の手引きで侵攻してきた朔漠と戦を交えることになるが、一周目で命を落とした鐘叔との再会は胸にくるものがあった。個人的に何も思い入れはないんだが、楚朝の思いが画面から伝わる効果は絶大だった。

兵力で劣る望城は、奇策を練って対抗した楚朝の戦略で、再び朔漠を追い返すことに成功する。駆け付けた葛大嬸と楚岑の事情を知る鐘叔は、じっとりとした目で何か言いたげだったが、あの娘を守れ、と釘を刺した葛大嬸はそのまま去って行った笑

 

この戦を終えたあと、一瞬、阿九の消息が消えたことに不安の過ぎった楚朝は、早々に涙を流していたんだが、光を背負って戻って来た阿九にちょっと笑っちゃったよすまん。ただし楚朝の目に阿九はこう映っているのだということは理解した。

恩人という互いの信頼から、その想いが既に愛へと変わった二人だが、そもそもの目的である父親へは未だ辿り着いていない笑

その楚岑は、いよいよ命が危うくなってきた。

吐血を繰り返し視力も失い始めたこの病の原因は何に寄るものなのか。楚朝が軍営へ辿り着くまでに生きていられるのか謎だが、ここで父親を失くすとなると二周目の意味がなくなってしまわないかな、、、

つづく
 

追記ネタバレ 第11話。

朔漠を利用しているだけの蕭珣は、戦に負けた残党も根こそぎ殺戮して証拠を消そうとしてたが、そのことを察して乗り込んできた朔漠人へ、戦局は予定通りにはいかない、とかいう戯言で一蹴し、逆に阿九のトラウマである魏家村の惨事を脅しに使う。

事情は全くの謎だが、あれは朔漠人の仕業だったのか。別場面の鄧弈と謝燕芳の会話では、その件に謝燕芳も関わっている節があった。他に、その後の軍報で、三皇子暗殺の件で謝家が流刑した梁薔という名も登場するが、何よ梁家って誰なのよ笑 ろくに大義も持たず揃いも揃って暗躍する奴らばかり。

 

一方の楚朝と阿九、そして鐘叔は、ついに雲中郡の楚岑の元へ戻るが、門前で迎える父親との感動の再会の最中に、CMをぶっ込んでくる優酷、、、笑 別作品でもよくあるんだよねぇ。

ともかくこのシーンは、楚朝も楚岑も、その楚岑の娘への愛を知る阿九も涙を流しての再会となる。阿九は他人だが、この二人を少なくとも5年は側にいて見守るうちに、既にその一部となって抱く情も深い。(鐘叔も多分泣いてたはず笑)
オジ(蒋愷)が登場すると画面が締まるよ。
辺境を守ることに力を尽くす楚岑は、実直で不器用がゆえに娘への愛の伝え方も下手くそで、それが楚朝へは自分を顧みぬ親だと思わせていた。
蕭珣の狙いを読んでいた楚岑は、むやみに雲中郡を離れず用心を重ねていたが、それでも楚朝の手紙一つで駆け付け、蕭珣の策に嵌って首を刎ねられたのが一周目である。
重生後は、その真意を知らずにいた自分を戒め、二度と父親を手放さぬよう尽くす楚朝だが、楚岑の病状は思わしくない。一周目に毒を仕込まれたと知らずに父親へ送った菓子は、今回は送られていないため、何が原因なのかはまだ分からない。
阿九の言う、このまま皆に見送られて穏やかに逝くのも一つの道、という思いも分かるが、やっと父娘が心を寄せ合う時が訪れ、穏やかな関係を築き始めたというのに、結局、逃れられない死なら二周目の意味がないじゃない。ただし、あらゆる手を尽くしたのに、という楚朝の言葉は、いや言うほどまだやってなくない?となった笑
 
その楚朝を支える阿九の、涙を見ては同じ痛みを感じ、笑顔を見ては同じ喜びを感じる様子は、なんだかもう自分の全てになっている、、、火の中水の中躊躇いなく飛び込むようなその勢いで、楚朝の命は守られそうだが、阿九の命に若干の不安はある。
ほどなく楚岑の病状を知った葛大嬸も楚家を訪れることになるが、今は事情の分からぬ二人の関係も、薬湯を飲ませる葛大嬸と、その存在に気付かぬ楚岑の間に纏う情愛が絶妙に刺さる。葛大嬸(韓静)がいちいち泣かせてくるんだよねなんだか。
葛大嬸が母親で、崖落ちしたはずの寨主だということは、この後すぐに判明しそう。
『明珠韞櫝、蒙塵久錮、豈不爾思、礪此風骨、旌旆九野、光生萬丈、赫赫明明、照彼四方。』
(埋もれていた才能は価値を失うことなく、苦難を乗り越え磨き続ければ、やがて輝く光となってこの世を照らす。)
楚岑の胸中を鐘叔が代筆した詩は、完全にこのドラマのタイトルであり、楚朝を表したものだったね。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第12話。

ちょい、なんだか楚朝のキャラブレてない、、、?

 

母親が朔漠人だという事実に動揺するのは分かるが、葛大嬸(以下、木棉紅で表記します。)が、平和を望んでその身分を捨て、父と愛し合って一緒になったのだから、楚朝のような賢明な娘なら、その人物の出自ではなくその人自身で判断するはずだと思っていたが、、、皇帝の疑心を取り除くため、身を隠さねばならなかった経緯も分かっていてのあの振る舞いはどうもキャラブレが否めない。

ほんの少し前に、木棉紅に救われただけでなく共に戦ったよね。それでも自分の母親が楚都の貴女だと言い張って、頑なに母親を否定してたのは、なに、同じ志で共に戦ったその人自身の心には目を閉ざして、変えられぬ出自のみが判断基準ということ?

ちょっと解せないね、、、

 

当時、二度と会わないことを約束し、夫と子の安寧を守った木棉紅は、これまでも背面でひたすらこの二人の未来を守ろうとしていた。間者を調査していたのもそのためなんだろう。

こうして19年会わずにいた娘には罵られ、愛した男は死の淵に立っている。死にゆく直前に打ち明けた楚岑の想いは実に切なく、互いに苦しみながら孤独に耐えてきた二人の日々を思うと不憫でしかなかった。なんだか毎回、韓静に泣かされる、、、

後に、「毒發不治」と言われていたことを考えると、ここで楚岑の命は尽きたんだろう。ひどい、、、19年ぶりの再会が永遠の別れになるとはね。

 

この後すぐに、何が楚岑の身体を蝕んでいたのかの事情も明かされる。

以前、戦で負った毒矢に侵され瀕死となった楚岑へ、阿九が飲ませた薬は、謝燕芳から渡されていた万が一のために命を守る秘薬という名の毒薬だった。おそらく阿九は、慕っていた楚岑を救うため躊躇わずそれを使ったんだろう。今回も二粒目を服用すればもう三年は命は繋がるはずだったが、二周目は謀反の時期が早まり、一周目と同じようには二粒目を服用出来ず、毒が身体に回ったという話だった。

ということは、今回の阿九は、歴史が変わったためにその二粒目の事情を知る機会がなかったということ?知っていれば当然、遅らせることなく薬を届けに行ったはずである。

一周目に予め謝燕芳がその事情を伝えていなかったのなら、どういう経緯で二粒目の件を知ったんだろう。今回の阿九は何も知らない様子だったため、どちらにしろ渡された当時は謝燕芳からこの説明は受けていないよね。となると一周目は自力で探し当てて二粒目を楚岑へ飲ませたことになるが、道筋を変えたことで、この秘薬で重要な二粒目の事情を知る機会がなかったんだろうか。

 

ともかくこれで楚朝の阿九への信頼は恨みへと変わる。

毒とは知らず、ただ救いたい一心で起こした行動の代償がその命だったことは、どう言い訳しても覆るものではない。ゆえに弁解もせず、ただ事実だけを伝えて命を奪われても当然だという顔をしていた。

父のように慕っていた楚岑をこの手で死なせたという事実は、これからの阿九へ更なる苦しみを背負わせるのか、、、阿想とかいう魏家村での傷も背負ったままなのにね。

因みに、あの火事で阿九の命を救ったのは木棉紅だったようだ。

 

父親の死、愛する男との決別、これが前話で言われていた翹楚へ達するまでの「苦難」の部分なのだと思われる。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話。

阿九との決別後すぐに、再び朔漠が攻めてくる。

かろうじて命を保つ楚岑の病状は、蕭珣にとっては手を汚さずとも邪魔者を葬れる絶好の機会で、この先、軍を引き継ぐであろう阿九の排除も計画済みである。わりぃ顔がいいなー。

 

今にも命の尽きそうな父親に代わり、自身が戦場を引っ張ることに躊躇いもなく突き進む楚朝は、段々と頭角を現していく。

傷心ながら、戦場で死すことに悔いのない阿九もまた、楚朝の言うがまま先鋒を担い敵を薙ぎ倒していくが、ほどなく駆け付けた木棉紅がその更に上を行く勢いで突っ込んで散っていった、、、自分の命を守って未来を託した後ろ姿に、娘ー!と叫んでいたあたり、騙された怒りも最後は無となっていたようだ。

時を同じくして、楚岑もまた最後の力を振り絞り、戦場へ檄を飛ばして命は尽きる。再会の時は短く、最後は同じように散っていった二人を思うと実に切ないが、出会った頃と変わらぬ志のまま、尊い人生を同時に終えたことに悔いはなかったと思いたい。

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こうして朔漠は再び追い返せたが、父も母も同時に失くした楚朝の怒りは、結局のところ阿九へと向けられる。罵った言葉を最後に別れとなった両親への自責の念などはないらしい笑 これも行き場のない悲しみの裏返しなんだろうが、その描写を少しでも入れてくれればいいのにね。

 

当時、阿九が渡した秘薬という名の毒薬を、服用する楚岑にも命を落とすかもしれぬ覚悟はあったようだ。

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この事情を伝えて阿九の代わりに弁解する鐘叔の存在で、いくらか怒りは取り除けたはずだが、これを乗り越えて成熟していくことを期待している。

個人的には、二粒目のことが気になっていたんだが、どちらにしろ三年経てば死に至るため、そこには触れずに進むのかも。

 

しかしあの魏家村の惨事は、なぜか阿九の罪にされているのだね、、、阿九自身もそう思い込んでいるのかは不明だが、実際は朔漠に依頼された蕭珣の仕業なんだよなぁ。これから蕭珣の罠が控えているし、謝燕芳がどういうつもりであの薬を阿九に渡したのかも謎のまま、鄧弈も阿九を使って謝家の破滅を望んでいる。

気になっているのは阿想がどこにいて、阿九が恨みの対象なのかどうかだが、恨みだとすれば既出の誰かなんだろうか、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第14話~第17話。

大義を抱え、それに向かってひたむきに情熱を注いだ楚岑や木棉紅が退場し、澄ました顔で二枚舌を操る若者ばかりが残って再びこじんまりと回り始めた笑

阿九と蕭珣以外、各々の本心が分かりづらく、個人的に抱くモヤモヤも解決されないまま進んでいく構成が、今一つ集中出来ずにいる。

ただし、蕭珣が予定通りに阿九を貶め、百姓の敵となって町中を歩かされる過程での過去回想は、図らずも恩人を死なせた阿九の無念を思うとすごい泣けちゃったわ。

感情が暴走していた楚朝もひとまずは落ち着き、阿九への怒りも無くなったんだが、かつてのように阿九の前に立ちはだるタイミングは、百姓の野次が冷めやらぬ時でないと違和感があるよね笑

このシーンは、登場のタイミングにズレが否めず、気持ちの削がれる演出がなんだかもったいなかった。

 

いよいよ皇宮めがけて蕭珣が動き出すが、策を巡らせる楚朝に応えるかのように謝燕芳も動きを合わせていく。互いの思考を理解する似た者の二人は、距離はあれど抜群の連携を図り、戦わずして霄南王の計画を挫くことに成功する。

霄南王へ名誉を与えて戦意を失わせ、朔漠をどう封じたのかは不明でも、ひとまずはひとときの安寧を取り戻すが、兄と楚朝の息の合った連携は、阿九の焦燥へと繋がる。

ほどなく帰還した楚朝と、謝燕芳、鄧弈による盤上での駆け引きは、イマイチ国を背負うような重さがなく、じっと動きもないお気持ち表明のみの平坦さが若干面倒くさくなってきたよ笑

 

この辺りで、謝燕芳について調べ始めた阿九が、やっと阿想への糸口を掴んだんだが、なに、実は謝燕芳が倒すべき人物なの?

というより、序盤の楚朝の目的はなんだっけ、と思い返すと、父親を救って蕭珣を抹殺することを決意したのが始まりだった。その父親は結局亡くなり、蕭珣の排除もそう難しくない今では、一周目には分からなかった一番の黒幕が実は謝燕芳で、その排除を達成してこのドラマは終着するんだろうか、、、

長公主の座を得るための誓いで、誰にも嫁がぬことを公言していた楚朝は、この先、阿九をどうするつもりなんだろう。嫁がぬだけで共に過ごす筋書きはどうとでもなるが、物語の上では、国を安寧へ導いた後に長公主の座を降りるか、阿九が命を落として一生長公主のまま想いを捧げるか、という二択くらいしか思いつかない。

 

因みにこのドラマの挿入曲は軒並み良い。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第18話~第20話。

着衣を乱すことなく、延々とお気持ち表明だけが続く朝廷での面子の張り合いは、すでに退屈な域に達しているが、唯一、動きのある阿九のシーンだけは一瞬面白くなる、、、笑

なんだかんだと理由を付けて邪魔者排除に忙しい鄧弈を躱し、朔漠の王の首を獲りに向かった阿九は、一人辺境へと出発してしまった。

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阿想の行方を捜し続ける阿九や朔漠の血気盛んな爺、辺境の鐘叔といった、戦場の泥臭い面々の出番は面白く観ているが、朝廷に佇む無機質な若者のターンになると途端に退屈になる、、、やっぱりこの若者4人のどこにも人の情が見えないところが、退屈で何の興味も持てない要因なんだと思う、楚朝ですらも。

物語においては、情が見えてこそ揺さぶられる原動になるんだが、それが無い駆け引きの場が話の大部分になっていることが退屈さを生んでいる。若干、重生した意味もなくなってるしね。

逆に、人の情が見えた楚朝の両親や、阿九の忠心や無念さにはかなり揺さぶられるものがあったし、これから阿九が向かう朔漠との泥仕合(かどうか謎だけど)などは楽しみにしている。

 

阿九を始め、未だ行方の分からぬ阿想や、かつて流刑した梁薔は全て謝燕芳の駒だというが、名家で権力も既に所持する彼が、一体これ以上何を欲しているのかは全くの謎である。ただしこれだけ引っ張った阿想がどうなっているのかだけは興味深い。

個人的に、最初っから一番気持ち悪いのが鄧弈には違いないんだけど笑

このドラマもNetflixと優酷では配信予定が違うので、収官礼は買わずに21話以降はNetflixで視聴します。
 
つづく

『莫离(莫離)The First Jasmine』

2026年 6月〜 中国 全40話予定

 

監督 林玉芬

脚本 赵娜(趙娜)

 

出演

叶璃(葉璃)→白鹿

墨修尧(墨修堯)→丞磊

 

初っ端からまた裸、、、

 

ネタバレ 第1話~第4話。

八年前に葉府二房の葉璃は母親と共に離山へ送られる。具体的な理由は謎で、母親も今はどんな状態なのか分からない。

離山書院の祖父の元で幼少を過ごした葉璃は、年頃になると葉家へ戻され、婚約していた黎王ではなく、戦による傷で車椅子生活となった定王(墨修堯)へ嫁がされることになる。婚約破棄は黎王本人の意向だというから、妻が葉璃では都合の悪い何かがあるんだろうが、その理由はまだ分からない。

 

定王府は、先帝時代に詔書なしで軍を動かし、その隙に敵国に侵入され多くの犠牲を出した罪臣であり、長子の墨修文は既に死罪となっている。次子である墨修堯はギリギリで罪を免れ、今に至るまで屍のような日々を送っていた。

序盤はどちらも初対面のように振舞っていたが、離山と定王府は縁が深く、葉璃も過去に墨修堯に救われていた。葉璃が言っていた母親の借りを返すというその事情はこれから。

というわけで、定王府へ嫌々嫁いだわけでなく、むしろ昔から気に掛けていた墨修堯へ嫁ぐことは本望だったんじゃないか。

葉璃は出しゃばったりせず慎ましい娘だが、背面で蠢く悪巧み連中の事情に敏く、涼しい顔をしながら相当な策略家である。ひょっとしたら、嫁ぎ先が変更となったのも、葉璃の力が働いているのかもしれない。

この賢い頭脳を使い、いみふな権限を持つ呂澄によって、今もなお罰を受け続ける墨修堯の苦しみを少しずつ取り除いていく。ろくでもない実父とその側室による遺産横取りの件もしかり、波立てることなく静かに解決に導く方法は、騒がしさのないヒロインで好感が持てるよ。墨修堯の使った仮病技を習得した葉璃が可愛すぎて笑った。

 

一方の墨修堯は、嫁いできた葉璃には目もくれず、一年もしたら離縁するつもりでその旨をはっきりと伝えていた。おそらく定王府が背負った罪は冤罪であり、そのせいで兄を亡くした哀しみに囚われ、立つことも出来なくなった自分に絶望しながらの日々を送っている。

と思いきやだ、実際は、権力で国を蹂躙する穆陽侯の悪事を幼帝と共に暴こうとしていたようだ。未だ幼い皇帝は、太后の言うがままとなっているが、ただの傀儡ではなく自己の考えはしっかり持っている。太后が穆陽侯をどうしたいのかはイマイチ謎で、今はどちら側なのか不明である。

というわけで、嫁いできた葉璃へ突き放した態度を取る墨修堯も、救った娘を忘れているわけでなく、定王府を貶めた穆陽侯の罪を暴くための日々に葉璃を巻き込むわけにはいかないんだろう。かつて牢へ送られる自分へ菓子を握らせた葉璃の存在は、それで盧昌輔の薄汚い仕打ちにも耐えられたことを考えると、忘れることは出来ないよね。嫁いできた葉璃をひそかに観察してとっくに好意は生まれている。

この盧昌輔は、離山書院に禍をもたらした人物であり、葉璃にとっても仇だったため、コイツの排除も淮西の禍となる前に華麗にやり遂げる。

このように今は個々で同じ敵へと向かっていても、いずれその道を共に歩むことになるのだと思われる。

 

母親や院主(侯長栄)が生きているかどうかも不明だが、師兄の魏庄だけは4話までに見つかった。この魏庄と三叔の葉文申はこの先頼りになりそう。

分からないのは青霜の存在だが、あれって今流行りのイマジナリーフレンド?

 

面白い、続きが楽しみ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第5話~第8話。

墨修堯と葉璃の目的は汚名返上や仇討ちと明確だが、離山書院については謎が多い。

まず、八年前から離山は封印され、婚姻で山を下りた葉璃以外は出入りが禁止されているらしい。次に、消息不明だった母親は、太后との会話で亡くなったことが分かる。

他に、何師兄に頼まれていた生家の木を切ったことで、その父親が現れ、対話する葉璃の微妙な表情から何師兄は既に亡くなっているように感じたが、盧昌輔の暴挙で亡くなった七人の墓石に何明輝の名はなかった。となると生きているんだろうか、、、だけど預かった手紙は、他の手紙の山と一緒にされていたしなぁ、、、そもそも離山に生存者はいるのかな。

序盤に離山で猿に襲われていた描写があったが、これが本当に猿なのか何かの隠喩なのかも謎であり、殊更、猿を恐れる葉璃の怯えっぷりは、定王府全体に残るトラウマより遥かに深い。心に不安を抱えると必ず側に現れる青霜は、過去の自分の幻想か?

という感じで、普段は賢く道徳的に行動する葉璃も相当闇が深い。
 
話は盧昌輔の暗殺時に戻るが、葉璃と同じように墨修堯も、盧昌輔が淮西へ就く前に排除しようと動いていた。それが葉璃によって先に排除されてしまったため、同じ敵に向かって誰が何の目的で動いているかが墨修堯には分かっていない。
葉璃もまた、師兄の李飛白(張舒淪)と共に離山書院の殺戮に関連する穆陽侯の配下を追っており、先を越して目的を排除した人物が墨修堯だということを知らず、互いに一番近くにいる相手が図らずも手を貸している人物だとは今は気付いていない。
そこがなんだか面白いね笑
 
定王府では墨修文が死罪となって以来、深い闇に覆われている。大嫂(墨修文の妻)などは息子の無憂を気に掛けることなく、日々哀しみに沈んでいた。奇妙な術士を信じて金をむしり取られる母親を無憂もじっと見守っているが、傷付くあまりの行動をどうすることもできない。大嫂の哀しみようが痛々しい、、、
その無憂は、書院で虐められていたところを葉璃に救われる。
ここから家族として寄り添いながら大嫂の哀しみを癒し、無憂の心も救った葉璃の存在は、まるで定王府に覆う闇を吹き飛ばす光のようだよ。
何かにつけて追い出そうとしていた墨修堯も段々とほぐされ、近頃は笑顔すら見せるようなっている。ゆえに追い出すことも止めてしまったようだ。
口内炎に薬を塗られ、うるうるの瞳で見上げるのやめて笑

 

朝廷では、やりたい放題だった穆陽侯の配下が排除されたために、官職の人材が不足しており、推薦された墨修堯が京兆府府尹の地位を得ることになるが、慕容慎はともかく、後押しした華国公とかいう爺の目的はまだ分からない。
ひとまず京兆府府尹の地位を得たことで、目的のために出来ることは増えた。
 
葉璃が嫁いでから、闇に覆われた定王府は段々と人が集まり始めて活気を取り戻してきた。葉文申や鳳之遥、魏庄のような陽気な人間の力も大きいが、府内の問題を解決した葉璃の働きは絶大である。墨修堯の脚に関しても葉璃の習得した医術で希望が見えてきた。
一番時間が掛かりそうなのは葉璃自身のトラウマ克服だが、これは逆に墨修堯が救うことになるんだろう。
ちょっと面倒くさそうなのが黎王で、既に闇堕ちが確定している、、、そこに嫁いだ葉瑩はそこまで煩わしい存在にはならなそう。既におバカなところが可愛いとすら思えるし、今回登場した韓明晰(林沐然)との絡みは完全にコメディ枠。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第9話~第10話。

葉璃が持ち込んだ陽だまりのような温もりが定王府全体を覆い始めて、見ているだけでもじーんとする、、、その空気の延長で今一度、脚の治療を打診してみるが、墨修堯はなぜか了承しない。後に、墨修堯を助けるためだけに医術を学んだことが分かるが、母親を亡くしてから、定王府へ恩を返すだけが何とか生き続けた理由なのかと妄想していたらなんだか切なくなった。思えば、一度目に拒絶された時も、イマジナリー青霜に慰められていたよね。

墨修堯が治療を拒む理由は、期待することへの疲労感や諦めなどもあるんだろうが、救われてばかりの中でさらに葉璃の負担になるようなことは避けたいのかもしれないね。この件に関しては、与えることと求めることが一致しつつも一向に進まないのがもどかしい。

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とはいえ、葉璃が心のままに伝える言葉は墨修堯にとっても心地良く、急速に心は寄せられている。床を共にしたり痴話げんかをしたりとなんだかんだ夫婦らしくなってきた姿にニヤついていたんだが、母親の墓参りの帰りに突如として賊が襲ってくる。

少し前に、葉璃と思われる人物が賊に人攫いを依頼していたが、それが関係しているのかどうか今は謎である。依頼していた人物が葉璃ならば、自分を攫わせたということになるが、この理由も全く分からないわ。

ともかく、葉瑩が韓明晰へ依頼した葉璃の確保と、闇堕ち黎王の執着も同時に発生したこの状況は何がなんだか分からない。

ここで、脚の不自由で無力な自分に心底絶望する墨修堯のジレンマは分かり味深く、歯痒い気持ちが思いっきり伝わったんだが、このジレンマを経て治療を試みる気になればいいんだけど。

 

一方、追われて崖落ちした葉璃は、何をする気なのか分からぬ黎王に拾われ、簡単には定王府へ戻して貰えそうもない。

この黎王は、太后の疑心を躱すためひたすら馬鹿を演じるよう強いられているが、これも定王府の罪に巻き込まれぬためなんだろうか。この男にさほど興味もないが、いつまでも付き纏って足を引っ張ってくるかと思うと気が重い。

 

韓明晰もまた、かつて葉璃に救われたことがある上、穆陽侯に追放された一族の生き残りだった。天弌閣とかいう組織は、おそらく生き残った韓家の兄弟二人が属している、又は創立した組織なのだと思われる。コメディ枠だと思わされた韓明晰は、今や痛めつけられてそれどころではない。

こうなると、葉璃、墨修堯、黎王、韓明晰、そして皇帝全員の敵が穆陽侯ということになり、簡単にはなったが、この中の三人は確実に葉璃を巡って取り合い状態となる展開は見えている。それが若干面倒くさいな笑

 

京兆府では、何度も死罪を躱してきた谷正(李彧)を迎え、また一人頼もしい仲間が増えた。まずは、京兆府内に蔓延した汚職連中を片っ端から処分していく墨修堯に胸のすく思いをしている。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第12話。

この2話で、皇宮の勢力図がだいぶ見えてきた。

 

黎王は先帝の孫で先太子の子だったが、郭妗は自身の子を皇位に就けるため、太子を始め、邪魔になりそうな親族は全て殺めたのだと思われる。離山書院で一人療養中だった黎王の命は辛うじて残したものの、その波紋は離山書院にまで及び、ありもしない嘘で罪を被せられた兄弟子たちは、穆陽侯率いる軍に全て命を奪われてしまった。このあらぬ罪を黎王が事実だと証言したため、離山書院は封印したまま汚名を被されたんだろう。

当時は子供だった黎王が、穆陽侯の脅しに屈して嘘の証言をした結果だが、抗えなかったと分かっていても葉璃は黎王を許すことは出来ない。

黎王がひたすら馬鹿を演じているのは、この過去について叛逆心が無いことを太后へ見せるためだったようだ。ただし、本人を含む旧東宮の家臣は思いっきり叛逆心がある笑

皇位を奪い返すため悟られぬよう暗躍し、太后の腹心で穆陽侯の汚職調査をしていた袁放を殺めたのも黎王だった。となると、目的のために穆陽侯と何か密約でも交わしているんだろうか。以前、袁放の死の件で墨修堯は皇帝と揉めていたよね。

序盤から太后と穆陽侯に含みがあったのは、東宮を燃やして邪魔者を排除した件で協力関係だったからだ。やりたい放題で煩わしくとも、この事実がある限り穆陽侯を強く処罰することは出来ないんだろう。

分からないのは、太后が離山書院を巻き込んだことだが、この人が葉璃の母親へ抱く思いは相当深かったよね。離山書院へ被せた罪によって友へ及ぶ害までには考えが至らなかったのか、又は穆陽侯が勝手に行動した結果だったのか。

 

一方、葉璃を連れ帰った墨修堯は、崖落ちした後を散々捜し回って、やっと見付けたと思えばふらふらと出歩く姿にぷんすこしていたが、噂とは違うその過去の事情を知り、途端に妻を不憫に思い始める。

このタイミングで、再び葉璃が脚の治療を打診したことで、( ゚д゚)ハッ!となる。ひょっとして葉璃が賊を使って自分を攫うよう依頼していたのは、妻すらも守れぬ自分を歯痒く思い、自ら治療を求めるよう促すためだったのか。

その甲斐あってすぐに脚の治療は始まり、再び馬に跨って剣を振り回す華麗な未来が見えてきたが、今後、賊に襲わせたのが葉璃の仕業だと知れば、争いの元となるね、、、

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おぼろげだった過去と今の状況は、この2話でかなり鮮明になったが、一つ分からないのが朱夫子の存在である。

おそらく葉璃は、本気で朱夫子が救ってくれたと思っているが、仮に朱夫子が生きていれば、遠距離でも意識を飛ばせる謎の技で、亡くなっているなら、葉璃の身体に神識の欠片が存在しているとかの話になって、一気にファンタジー化するね笑

青霜とは違った形で現れているが、それも葉璃のトラウマ、又は心の病から来るものなのかもしれない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第14話。

阿璃、阿堯呼びで睦まじく過ごしながら脚の治療も順調に進んでいたのに、この早い段階で、葉璃が依頼した人攫いの件が墨修堯へ知られてしまう。

ここで言い争いが起きることは予測出来たが、人を信じたがゆえに起きた定王府の惨事は、酸味が付き纏い続け、足を掬われぬよう努める墨修堯には、もはや葉璃を手放しで信じることは出来なくなってしまった。原因の一端である過去の自身の行動に後悔する日々は、たまらなくつらいだろうと思うよ。

 

それでも思いのほか激おこの墨修堯を、黙って悲し気に見下ろすだけの葉璃を見る方がつらかった。

だって、離山書院にはおそらくもう誰もいないんだよ、、、母親の遺憾を引き継ぎ、墨修文の遺言を達成するためだけにたった一人、離山で懸命に命を繋いできたんだよ。

当時、詔命なしで入京し、任地を開けたために敵に侵入された罪で死罪となった墨修文だが、母親の手元にあったその詔書は、葉璃の父親を含む葉家の爺どもに奪われ、墨修文の潔白を証明することは出来なかった。

人の命を奪ったその爺どもが涼しい顔で生き続けていることが驚きだが、これが母親が言い残した定王府への借りであり、残された葉璃は、兄弟子の仇討ちの他に、葉家の奪った詔書を捜し出すことも背負った使命なんだろう。そう思うと、爺どもの犯した愚行のとばっちりで寂れた離山に一人残され、生き延びねばならなかった葉璃が不憫でしかなかった。そりゃイマジナリー青霜も誕生するよ。

葉璃を殊更避けていた父親は、その罪悪から逃れるために側には置いておけなかったんだろうが、現在は犯した愚行による報いを受けている最中である。

飛白は葉家へ派遣されていたため、この離山の状況を知らないのだと思われる。

墨修堯の受けた衝撃も分からんではないが、葉璃の孤独な闘いに早く気付いてくれないか、、、この様子だと、この先、盧昌輔の丸焼きが判明すれば更なる不信感が生まれそうではある。

 

この衝撃と怒りの間でも、京兆府では袁放を暗殺した人物を追っていた。

ここで追い詰められた赤狐と呼ばれる男を救いに来たのは墨景黎なのか?墨修堯とめちゃくちゃ見つめ合っていたけど、こんな序盤で墨景黎の思惑を知るにはちょい早過ぎるよね。

葉璃に付き纏う墨景黎がもの凄く気持ち悪いんだ、、、

 

今回、穆陽侯の配下で、遠方に派遣されていた秦蒼(楊澤)が新たに登場するが、甘やかされる世子を見る秦蒼のじっとりとした視線が気になるね、、、思いがけず登場した楊澤がカッコ良すぎて二度見しちゃったわ笑(短劇でよく見掛ける演員の方)

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第16話。

墨修堯率いる京兆府が赤狐を追っている間、葉璃は葉府の寿宴へ出向いていた。ここで池に落ちた葉瑩が人骨を発見したのは、葉璃の策の一つだったのかもしれない。

少し前から、父親の気が狂うほどの脅かし作戦を遂行していたが、目的は当時奪われた詔書の行方を吐かせるためだった。後に、義母や葉瑩へも協力を仰いでいたことが分かるが、よくある意地悪女ではなく、この二人の性根は腐っていないことに安堵した。

驚いたのは、老いたフリをしていた祖母の元気の良さだが、愛らしい顔してコイツが一番の悪だった。それもほどなく天罰は下るのだが、イマイチ冴えない葉府の人間が官吏まで登れたのは、離山書院出の母親の力だったにも関わらず、冷遇して命まで奪った浅ましさは、息子たちにもしっかりと受け継がれている。

こうして殺意を露わにする祖母の告白で、逆に殺意の湧いた葉璃は、そのまま息の根を止めるところまでに達するが、寸前で葉府へ辿り着いた墨修堯がその意識を引き戻す。

這いつくばるしかなく駆け寄ることは出来なくても、抱擁力はずば抜けているな、、、頼るものが幻想のみだった葉璃にとって、墨修堯もまたその闇に射した光なのだね。

この騒動で、ひとまず詔書の行方が秦太妃の元だと突き止めて、葉璃の一旦の目的は果たされた。

その事情も聞けずに悶々としていた墨修堯は、明くる日の葉璃が思いのほかハツラツとしていることに混乱するが、ぷんすこしていたことはすっかり忘れている笑

 

目的を達成するまでは、葉璃の明かしていないことは多いが、問われたことに嘘がないところがこの役柄の良いところ。青霜や朱夫子のことも本気で実在すると思ってるんだから嘘ではないしね。ただし命の犠牲を伴った仇にも成り得る詔書の件は、問われてもさすがに今は明かせないと思うわ。

ともかくあの後、青霜と抱き合って泣いていたのは、手掛かりを得て一つ達成したことへの安堵の涙だったのか、そうやってこれまでも一人で耐えてきたのかと思うと胸が痛むよ。いつか幻想ではなく生身で支えてくれる存在に気付いて、穏やかにさよなら出来るといい。

 

こうして喧嘩もなかったかのように脚の治療を続け、遂には立てるようになった墨修堯は、改めて自分のぶつけた怒りが見当違いだったことに気付く。菓子の包紙も捨てられずにいた墨修堯にとって、とっくにそんなことは分かっていたんだろうが。

 

一方、霧が晴れた様子の葉瑩は、葉璃の忠告通り墨景黎を探り始めたのかもしれない。元々、おバカだけど素直な性質は見えていたし、いずれ葉璃の力にもなってくれそうな予感はしている。

逆に墨景黎の方は、私情で目が曇り、敵でもない墨修堯へなんだか敵のような思いを抱いている。どちらも太后と穆陽侯に貶められた、いわば同志なんだが、よそ見せずに目的に向かってくれんか。

 

面白いー。

このドラマを観るまでは、なんとなく顔面の相性が合わないように思えた主CPだけど、なんだかすごい合ってるよね笑

 

つづく

『家业(家業)The Heir』

2026年 5月~ 中国 全42話

 

出演

李祯(李禎)→杨紫(楊紫)

骆文谦(駱文謙)・戚九→韩东君(韓東君)

李金水→田小洁(田小潔)

赵瑾(趙瑾)→徐百慧

李正良→付嘉

 

 

ネタバレ 第1話~第4話。

タイトル通り、徽州で墨作りを家業とする四大名家の一つである李家が舞台となる。

李家八房の李金水は制墨五傑の筆頭で、その腕には名高いものがある。李家が国へ献上する墨を選出する大会でその権利を手にして前途は明るく見えたが、献上する道程で火事を起こし、責務を違えてしまった。このせいで墨を届けに出向いた各房の三人は捕らえられ苦渋を強いられる。七房の李景祺はその過程で亡くなり、残った二人は傷を負いながらも一命は取り留めていた。

この火事の責任が本当に李景福にあるのか定かではないが、責め立てられることに言い訳もせず、八房の一家全員が族譜から除籍されるという惨事へ繋がっていく。李景福の生気のない姿と、息子の罪を殊更重く受け止める李金水の絶望が深く胸に刺さる。どうみても李景東があれだけ李景福を糾弾している方が怪しいのだが、実際の原因はお前で、それを隠すために必死になってんじゃないの。

 

追い出された一家は、影を落としたまま細々と生きることになるが、李景福は心も身体も回復することなく墨の如く(自分で言っていた)燃え尽きてしまった。

それから10年後、一家は変わらず懸命に生きていた。年頃になった李禎は、幼い頃から付き合いのあった田本昌と婚姻も決まり、一応は穏やかな生活を送っているかのようだが、全員が傷を負ってそれを見ないようにして生きる姿が哀しく、なんでもないところでも泣けてくる。

嫁ぐ予定の田家の家業は、かつての李家と同じ墨作りで、過去に献上する墨を競った駱家の使用人だった家系である。

駱家の跡継ぎである駱文松は、ここのところ墨作りに行き詰まり悩んでいたが、同じく悩んでいた田本昌の願いと引き換えに、李家の墨方を手に入れるという条件を提示する。

墨の話題など出さぬよう生きてきた一家の事情を知る田本昌に、その気は毛頭なかったが、調合方法を手に入れねば破談となる妹を不憫に思った李正良が、祖父の墨方をこっそり田家へ渡してしまう。

 

そんなことも知らず挙式の日を迎えた一家の前に、再び李景東が現れ、屈辱を強いられる李金水にはたまらない思いをさせられる。誇りを持って生業にしてきた墨作りを封印し、口にもせぬようにひっそり生きてきたというのに、またも公衆に立たされ責を問われることを甘んじて受け入れねばならない。祖父はそれを当然の罰だと受け入れ、再び先祖への誓いを立てるのだが、観ている方にとっては苦しさしかないよ。

結果、祖父の尊厳を守って破談にした李禎は、元の生活へと戻ることになる。田本昌は正直で気立ても良かったために、どちらも不憫でしかなかった。

 

ほどなく駱文松と出会う李禎は、墨を作るための木材を見分ける才能を買われ、駱家で働くことを打診されるが、まさかここで働くことはないよね。

追い出した時から、八房の周辺をどうやら監視していた李景東は、少しでも墨にまつわることを行えば過去を持ち出して責め立てている。頼んでもないのに墨が纏わりつく八房は、もはや普通に生活する権利も与えられず苦しみだけが重なっていく。

祖父の才能を恐れるがゆえ、どう償っても許しては貰えぬことに、長年の我慢が限界に達した李禎は、李本家の前で開き直って、思うように生きることを宣言する。包丁を振り回す母がカッコ良かったね笑

 

祖父と父の墨作りを見て育った李禎は、祖父と同じように禁忌となった墨への愛を失くしてはいない。ゆえにやっと生業に戻る時が来たようだ。

楊紫は逆境へ立ち向かうこのような役が似合う。なんだか小六とも被るものがあるよ。

 

家業に対する誇りと尊厳が存在する重厚味のあるドラマで、ほんと面白い。各々を粛々と演じる役者も軒並み光っているのだが、李金水(田小潔)が良すぎてドキドキする、、、恋かな。

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つづく

 

追記ネタバレ 第5話~第6話。

墨で失ったものは墨で全部取り戻す、という決意の元、祖父に教えを乞う李禎だが、この時はあっさりと拒否される。そこで、職人気質の祖父はひとまず置いて、独自で行動を始める。

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男装して墨坊の工員となった李禎は、すぐに八房の孫娘だと悟られてしまうが、墨業界での李金水の名声は未だ消えずに残っている。その孫娘となれば、業界の爺たちも制墨の才能をほんのり期待する様子が見えた。

李禎が制墨するに当たり、特にいい働きをするのは駱文松で、純粋に墨道を歩む彼には李禎の思いが自分と重なったのだと思われる。世間での評判は悪い駱文松だが、より良い制墨への道を真っ直ぐ進むあまり、周りのことはどうでもいい態度がそう誤解させている。個人的にも、過去に先進的な思想で弟を諭していた姿が印象深く、全く負のイメージはなかった。

初めて李禎が作った拙い墨とその思いを、頭ごなしに否定することなく別の視点から良点を見出そうとする駱文松がすごく好きだよ。

 

生業を手放し、二度と制墨はしないと誓った祖父は、「でも伝授しないとは誓ってないよね?」という周りからの説得で、ようやく李禎の覚悟を受け入れ、李家の七嫂の許しも得ることになる。七嫂の李金水への信頼はいつまでも変わらず、互いを敬う姿は泣けたわ。

こうして祖父の墨方を学ぶことになった李禎は、無意味だと思える修行にぶーぶー言いながらも、一家には光が差してきた。すぐにでも墨を練る段階へ進みたい李禎に、ひたすら紙を縒らせる修行は無意味ではなく、この先の制墨に生きてくるはず。

 

その間、やっと登場した駱文謙は、序盤での境遇の延長で望まぬ勉学を強いられていた。とはいえ、どうみても強いられている様子はなく、むしろ伸び伸びのわんぱく少年へと成長している。

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老師に叱られて隠れる悪ガキスタイルの駱文謙おもろい笑

 

父や兄から存分に愛を受け、元気一杯に走り回る駱文謙を微笑ましくみていた矢先、駱家には危機が訪れる。一人罪を問われれば、関連した下々の全員の首まで奪われる世界は実に危うく、駱家も例外ではなかった。

自分の首を以って息子を逃がした駱家主は、そのまま亡くなってしまうが、それを赤の他人から聞かされた駱文謙の衝撃は相当なものだっただろう。駱文松にもまた、その知らせは届くが、父の遺言通り財産を全て田家へ譲ることに特に未練も動揺もなく、自分は淡々と制墨へ身を置いている。この様子では、逃亡先の将軍の元へ向かうつもりもないのかもしれない。

財産を譲られた田本昌は表面上の駱文松しか知らず、ひたすら恨みを抱いてるんだが、通報されちゃったら死んじゃうよね、、、嫌だな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第8話。

駱家の没落をこれ幸いとばかりに、田本昌はおそらく嬉々として通報に向かったんだろう。駱文松がいなければ李禎と一緒になれるという思いだけで、必死こいて捕えようとする姿がなんだか浅ましかったよ、、、ただし彼にとっては駱文松を消さねば好いた女を取り戻せないため、そこに人の持つ良心は1ミリもなかったようだ。閉じ込めて焼き討ちするという、極限で見せたこの本質は、李禎へ軽蔑心を抱かせることになり、二度と取り戻すことは出来なくなったね、、、(王梓豪の顔がいい。)

直前で墨方を極めた駱文松が、それを盗まれないよう燃やしたということは、あの火事で逝ってしまう筋書きなのかな。気に入っていただけに退場が早すぎて悲しい。

心配して駆け付けた駱文謙は一歩間に合わず、父と兄が自分へ残した命を無駄にせぬよう、ここは逃げるしかなかったことに悔いは残っただろうね、かわいそ。

 

駱文松の生き様を刻み、己と向き合って墨道を極める道へ邁進する李禎は、三年で煤作りの真髄を突いて一人立ちを果たす。制墨過程の知識は皆無だが、重要なのは一段階目の煤だということは理解した笑

先祖に手を合わせ、何度も繰り返す祖父の、後継有人に泣いた。

やっと公に出て、煤で小銭を稼ぐ段階へと進むが、一般人には三年で超品を作り出せる天賦の才を持つ人間がいることを想像出来ない。そのため散々コケにされた李禎は、街中へ出てそれを証明するための茶番を始めるが、コケにしてきた一般人の孫とかいう輩が父親の平手打ちを食らうシーンは気持ち良かったわ。

ここで、田家に奪われた全てを取り戻しに来た様子の駱文謙と再会するが、あの幼い頃に交差した相手だとは互いに気付いていない。

 

三年経った今、徽州で一番の墨坊となった田家には驚いたが、才能があるのかはさておき、確かに田本昌は墨作りを真面目にやっていた。今後は、これを取り戻しにきた駱文謙と、じわじわと追い付いてくる李禎へ対抗せねばならぬため、割と最後まで出番はあるのかもしれない。それとも田本昌が男主2なのか?

ともかく、李禎の捻出した煤が超品と認められたわけだが、それを墨業名家も黙ってはいない。総出で現れて何を言い出すかと思えば、李金水が作ったのではないかとそもそも疑っていたのである。

これを証明するには、爺どもの前でやって見せるしかないが、墨作りは、雑念を払い心を鎮めて、語りかける焔に耳を傾けるとかいう、まるで悟りを開くような精神で挑まねばならないというから難易度が高いわ笑

結果、一度達したその域に当然今回も達した李禎は、爺どもの前でそれを証明するのである。祖父と父の心を受け継いで李禎が存在するということは、李景福にも天賦の才があったんだろう。そこに李景東は嫉妬していたのかもしれない。八房を追い出し、李景東率いる現在の墨坊は、かつての栄光虚しく落ちぶれてしまった。ぽっと出の田家にも負けているとは、悲しいね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第9話~第10話。

無事業界の爺たちを納得させ、銭を稼いで家族を楽にさせられると喜ぶ李禎をじっとりとした目で見る祖父、かわいい笑

祖父にとっての墨道は、銭を稼ぐためのものではなく生き様そのもののようなより神聖な道で、銭の手段とするような言葉は少し軽薄に思えるのかもしれない。李禎もその心は持ちつつも、飯は食わねばならず、どちらも不可欠なものと考えている。李禎はぷんすこする祖父をなだめて気持ちを引き上げるのが上手い。

 

ほどなく献上する墨選出のため、新任の墨務官が徽州へとやってくるが、商人として墨界隈を盛り立てるという名目で、駱文謙もこの業界への参入を果たす。

開かれた墨業界の宴で、駱文謙に煽られた墨業名家は、今一度、徽墨の名を復活させるという提案に期待を膨らませ、そのための第一歩として、各々の墨坊で、今は幻となった漆烟古墨の完成を目指すこととなる。

ついに道が交差した二人だが、偽名で過ごす駱文謙に誰も気付くことはない。ゆえに駱文謙だけが李禎の存在も、この街の人々の関係も熟知しており、相当なアドバンテージがある。

新任の言じいにすら祖父の名は知られているが、李家代表の景東は全く相手にされていないのが悲しいね、、、ただし祖父が参加することは、立てた誓いに筋が通らないため、代わりに李家からは李禎が参戦することになる。
 
無事墨界へ参入した駱文謙は、ニコニコしながら田家へ乗り込み、かつての生家に思いを馳せている。目的は、田家に渡った全てを取り戻し、駱家の汚名をそそぐことだが、ひとまずの様子見で交わす会話の中でも皮肉が冴えている笑
 
ここまで話が滞ることなく、少しづつ己の墨道へ向かって前進していく筋書きがすごく見やすい。李禎が試行錯誤しながら煤を完成させる過程をひたすら見せられているだけなのに、なんだか見ているだけでも楽しい。どうでもいいことだけど、書道は三段までとりました、、、
 
つづく
 

追記ネタバレ 第11話~第14話。

各墨坊で漆烟古墨復活の試みが行われ、新参者の李禎は、一時、李墨坊を借りることになるが、難癖大将の孫佰一がウザすぎる。なぜあの立派な父親からこんな息子が育つのかが本当に謎であり、環境より本質が上回る残念なパターン、、、

李墨坊の規律に従い、真摯に墨へ向き合う年配の数人(孫佰一の父親含む)以外は、孫佰一にそそのかされ嫌がらせは続いている。それでもその年配者や七祖母、孫婉儀(七房の主母)、駱文謙に支えられ、李禎は漆烟古墨の復元へと邁進する。

この過程で、かつて自分が兄へ贈った墨記を久々に目にした駱文謙には感慨深いものがあったようだが、この時は李禎の口から駱文松の名が出ることはなかった。

 

結果、漆烟古墨を復元した李禎を、支えてきた者達は喜ぶが、李家ならずも田家までを警戒させる羽目になり、その力を恐れるあまり潰すことに躍起になっていく。

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李景東も才能はないが、ないなりに家主として懸命に制墨に取り組んできたんだろう、などと顔面を真っ黒に汚して松葉杖を付く姿に切ない思いが湧いたんだが、、、危ない危ない、騙されちゃいけない笑

 

田本昌も顔は良いが、無事に強欲商人へ変貌を遂げ、こちらも李禎の行く手を阻んでくる。

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ただし、李景東も田本昌も制墨への思いは皆と同じようにおそらく持っているため、苛立ちの一方で、なんだか完全に憎めないのが困るわ。

それより、脇に控える李家の田絳月(李景祺の妻)、田家の親父や弟のような、墨道を歩まぬ恩恵にあずかるだけの奴らの方が鬱陶しいよ。

この田家が駱家の財産を譲渡された件について、あの時の駱文松の様子から、駱家の意向だと思っていたが、駱文謙の口ぶりだと現県令の趙深と田家が共謀してそう仕向けたんだろうか。ともかく正体を隠したままの期間はしばらく続きそう。

 

墨坊に属しながら、極めていみふで頭が悪いのは孫佰一で、田絳月にそそのかされ李禎を貶めるだめだけに、漆烟古墨の墨方を各坊へと漏らしてしまうんだが、何がすごいってコイツが李家の親族だということ。墨方を他者へ漏らすなど墨坊では一番の禁忌で、李家を貶めたと同じなのだが、それすらも判断出来ぬ愚かな人間である。そもそもお前がどんな被害を被ったというのか。

父親の立派な経歴のおかげで規律の上での極刑は免れたが、愚行が過ぎてイラつくわ、、、これが田絳月の指示で、自ら李家を没落させる手段を選択しているなら、総じて頭が悪い。

 

田絳月の気持ちは分からんでもない。個人的に、李景祺の死については不可抗力でも、李景東が誤って火事を起こし李景福を貶めた結果だと疑っているが、誰かを責めることでしか精神が保てない田絳月にとっては、真相が分らぬ限り八房の存在は永遠に恨みの対象である。

そこに天才が現れ、自分を苦しめる存在が大成していく姿など見たくはないだろう。よくよく考えれば事故なのだから、この恨みの深さも見当違いなんだが、遺族である以上、その遺族の主張を強くは否定出来ない部分がある。ただし序盤に、いずれ李家を担うのは自分の夫だと言っていたため、田絳月は恨みだけでなく強欲さも備えている。

 

このようにして恨まれ続ける八房の李禎は、李家で制墨を修練することを断り、独自で墨坊を開く決意をする。

気になったのは、李禎が復元した漆烟古墨で既に商売契約を結んでいることだが、李家へ墨方を提供してそのまま李家が利を得るだけになるんだろうか。七祖母が李禎へ提案していた契約は、締結されぬまま追い出されてしまったしね。

というより、アホな孫佰一が墨方を漏らしたために、他墨坊も作れるようになってるよね、、、李禎が制墨で生計を立てるには、新たな墨の発案が必要となりそう。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第16話。

なるほど、序盤から殊更強調されていた李景福の薬墨を引き継いで、新たな活路にするのか。

李家の七祖母と七房の孫婉儀だけが李禎を気に掛け、手助けを惜しまずにいたが、李景東は開店許可書を降ろさせず、祖母に借りていた廃墨坊も奪いにやってくる。

とはいえ、李家と関係ないところでやる分には口出し出来ぬ道理は弁えているようだ。制墨でも、薬墨へと舵を切った李禎が、幻の九珍宝墨を復元させて、結局、店を構えたことにも手出しはせず、むしろ墨職人としての己の不甲斐なさを痛感している、、、困るわ、落ち込んであんなまともなことを言う李景東がちょっと不憫に思えてほんと困る。

それに比べて己の墨道を持たぬ田絳月は救いようがない。やってもいない制墨を、まるで簡単に成せるかのようにマウント気味で李景東を責めている。この女は夫の死を悲しんでいるわけでなく、夫の死によって主母の権利を失ったことに腹を立てているだけなんだね。

李家へ縋りつくあまり、李禎の才能に危機感を抱き、若い芽のうちに潰そうとしているが、その縋る李家さえも丸ごと破滅へと向かわせているのは一体どういうことなのか。田絳月のやっていることはどうみても本末転倒でしかなく意味が分からないよ、、、

 

一方の李禎は、福瑾墨と名付けた薬墨を足掛かりして小李墨軒の開店へとこぎ着ける。反対していた祖父はぷんすこで遠出していたが、硯が贈られてきたのは容認した証なんだろう。

その間、駱文謙は、田家と県令の悪事にまつわる証拠を集めて回り、その悪事が暴かれる日は近そうだ。田家の親父は、またも娘を犠牲にして利のありそうな家へ嫁がせようとしているし、次男は、孫佰一と同じくすぐにバレるような下衆な悪知恵だけは冴えている。

 

しかしあの薬墨で、言じいの娘の傷を完治させていたが、墨を磨るように顔面を磨るのか、或いは墨を砕いて塗り付けるのかは端折られて不明のままだった。どう塗り付けるのか見たかったんだけど笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第17話~第18話。

駱文謙の証拠集めが功を奏して、早速、田家と県令は罪に問われる。少し前に、榮華の婚姻先を勝手に決めていた田家の親父は、京城の徐家だけが自分たちを救える、と言い残して捕らわれてしまった。

この婚姻先の息子は、幼少時に脳の病に侵され知能は子供のままである。そのため嫁ぐといっても名ばかりで、実際はその息子の世話係となる未来は見えていた。

己の罪の償いを、何も知らぬ娘に拭わせて当然という態度の田家で、唯一気立ての良かった榮華は、家族とも呼べぬ奴らのために徐家へ嫁いで家族を救うことを決意する。

結局、徐家の息子は早世し、榮華は自由になる選択を与えられるのだが、犠牲にされるだけの田家へは戻ることなく、徐家に残って義母に寄り添う人生を選択する。田家では得られなかった義母との繋がりは、血を分けた肉親との繋がりより遥かに深く、これからの榮華にとってはむしろ良かったと思えた。

こうして捕らわれた田家の男衆は、徐家の計らいで無実となり簡単に釈放されるわけだが、人の良さそうな帳簿係へ罪を押し付ける田本昌に、再び浅ましい姿を見たよ。

この結果に駱文謙は落胆しているが、まだ諦めてはいないはず。

 

店を構えた李禎は、駱文謙の援助のおかげで商売も軌道に乗り始めている。徽州の選墨の時期も近付いているが、墨務官の言じいは、漆烟古墨や薬墨を復元させた李禎が担うべきだと考えていた。そのため李家から李禎の作る墨を競わせる思いがあったのだが、家主の李景東は自分が作ってみせるという気持ちが大きく、半ば意地になっている。

李家から八房が追い出され10年以上は経っているが、李家は、失くした栄光を取り戻すどころか衰退の一途である。明らかに李景東に李家を立て直すような力はなく、それを李家も墨坊の皆も分かっていることが悲しいね、、、それを自分でも分かっていることが更に悲しいのだが、それでも達成した何かを掴んで報われる思いを諦められないんだろうと思う。

才能はなくとも、懸命に制墨へ向けた情熱は他に劣らぬ自負があり、それも事実なんだが、墨坊の男衆が総出で現れて、李禎の協力を嘆願するシーンは、これまで李墨坊を引っ張って来た李景東の存在が無だったことが可視化された悲しいシーンだった。

李家は老舗の名家だが、皆の心はバラバラとなり光が見えぬ一方で、互いを思い合う一枚岩の八房は、貧しいながらも光を浴びて生き生きとしている。これが李家と八房の違いであり、墨の出来へも現れているんだと思うわ。才能も勿論あるんだけど。

 

李禎にとっての貢墨は、刺さった棘が抜けぬほどの傷であり、それは李禎だけでなく八房全員が抱えたトラウマである。そのため、制墨は続けてもこの行事には関わりたくない思いがあり、言じいの提案もきっぱりと断っている。その気持ちを七祖母や駱文謙は理解し、決して無理強いはしない。

 

そうしているうちに、李家の松林に病害が発生する。

松の木は李家の命綱であり、これが使えないとなれば本当の破滅と成り得る事態で、こうなった以上貢墨どころではない。それでも李景東は頑として譲らず、貢墨への出品を止めようとしない。

そこに駆け付けた李金水を再び責め始める李景東へ親父の平手打ちが炸裂し、一層バラバラになっていく。

いつまでも祖父の心に傷が上塗りされていくのを見るのがつらいんだけど、、、李禎にも李家への思いは強く刻まれているが、祖父の李家への忠誠はそれを上回る強さがある。

誰も李家が破滅することを望んではいないため、李金和が山に入る間、掌事を任せたいという願いを李禎は受けることになりそうだ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第19話~第22話。

李金和の申し出を一度は断った李禎も、ひたすらに憐憫を誘う姿に抗えず、一時的に掌事を引き受けることにする。

この後に怒涛の如く襲う展開は、大女主へと続く王道の流れなんだが、足を引っ張る下衆どもに苛立ちつつもチート級の回生で道を切り開く物語はやっぱり面白い。

 

掌事を任された李禎は、以前のわだかまりを捨て、墨坊の皆を鼓舞しながら貢墨を目指すことに力を注ぐ。李禎が切り盛りすることに不満はある李景東も、父親の決断には口を挟めず、皮肉を言うばかりで大人しくはしていた。

六房の入婿は、李家の事業から得る銭をちょろまかして、愛人まで囲っていたろくでなしで、もう一人は、仙人を目指す変わり者の李正身だったが、この男が思いのほか出来た人間で、李禎の力となり、ろくでなしの義兄に対しても絶妙な働きをする。問題解決のための李禎の尽力も、キッチリ李景東へ報告してその心を和らげることも忘れない。

 

その間、松の木を手に入れるために山へ向かった李金和は、悪天候が影響して帰らぬ人となってしまう。李家や李景東の思いに応えるため、松の木と引き換えに命を落とした李金和への惨事は、李景東を乱心させて新たな惨事を生むことになる。

てかさ、聞き分けのない子供の如く、貢墨への出品を頑なに止めなかった李景東が、父親の死に乱心しすぎて貴重な材料の管理を怠ったことがいみふすぎたんだけど、、、いや、父親にそこまでさせたんならそれだけは怠るなよ、なに自分を憐れむだけに一杯になってんだよまったく。しかも全ての責任を放棄し、墨坊に火を付けて自死を計るなど愚行の極みである。何のために必死こいて山に登って命を落としたと思ってんの、李家とお前の尊厳を守るためだよばかめ。それを全て無駄にするような李景東の愚かさに腹立たしい思いをする。その視聴者の気持ちは、李禎の台詞で全て言ってくれていた。

これまで甘やかされ、全てを人のせいにしてきた李景東には初めての挫折で、それを乗り越える力も備わっていなかったわけだが、ここにきてやっと目覚める時が訪れる。墨坊を燃やし、それに伴う損失も多大なものだったが、皮肉にもこのおかげでやっと李家が一つになる希望が見えてくる。

結果、自分への憐れみを捨て、視界が晴れたように変貌した李景東は、病に伏せる七祖母が託した権限を持つ李禎と力を合わせて貢墨へ挑むことになる。

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こうなると、八房が追い出された要因となった火事は李景東の罪ではないんだろうか。ここまで関係が好転した後にそんな話が浮上すれば、それこそ出鼻を挫かれるよね。個人的にも、この関係が再び壊れるような妄想は忘れたいと思い始めた笑

それとも田絳月が何か裏工作した結果の火事なのか。身内で追放されてもいいと思える人間はもはやコイツ一人となったし。

 

一丸となって挑んだ今回、貢墨の権利は手に入れられなかったが、李景東の作った松煙墨で勝負を賭けた李禎は英断だったと思う。これで勝負することが、李家や李景東にとっても回生への一歩であり、この先の李家の団結にも繋がってくる。

一度破れたくらいで諦めるような気持ちはなく、その先を見る李禎の決断には希望のみで挫折感は全くなかった。台詞一つ一つに力があってすごく良いんだよね。

 

一方で、投資していた駱文謙は大損を被ることとなり、職務も取り上げられて無職の無一文となってしまった。ただし落ち込んではいても、駱家の汚名を返上することも田家をぎゃふんと言わせることも、何も諦めていないところが力強いよ。

今回の貢墨に選出されたのは田家だったが、どうせ銭にものを言わせて裏で何か画策したんだろう。汚職を他人になすりつけ、涼しい顔で参加するふてぶてしさには驚きだが、いずれ報いを受けるんだろうから調子こいた姿も今は我慢しようと思う、、、榮華がどう動くのかが興味深い。

 

松煙墨を提案された田家が、この先、李家にとって煩わしい存在となりそうだが、しばし我慢、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第24話。

え、まって、今回、七祖母の看病のために駆け付けた李丑婆って、駱家の墨方を生み出し、駱文松が唯一尊敬してると言っていたあの姑姑じゃない?

田本昌が火を放ったあれ以降、駱文松と姑姑の行方について言及はなかったが、生きていたのか、、、ひょっとしたら駱文松も生きているのかも、、、!婆婆の顔面の火傷のあとはおそらくあの時のものか。

 

田家は汚い手を使い、権力で李家の松の木を奪おうとしていたが、渡さねばならないにしても、李金和が命と交換で手に入れた松をタダでは渡さない。

少し前に、伝説の姑姑こと李丑婆が、松の下に眠る松脂油でも松煙墨を作れるというヒントを敢えて李禎に与えていた。李禎はまだ丑婆の正体に気付いてはいないが、ともかくこのヒラメキを活用し、交換条件で田家の持つ広大な松林の使用権を得るために、李景東や駱文謙と共に派手な茶番を始める。松林の松は病害で侵されていてもその下の松脂油があれば墨を作ることは出来るため、この事を田本昌へ知られないよう茶番で惑わすことにしたのである。茶番と分かりながら李景東の狂人っぷりを見ていたらほんと愛しくてたまらなかった。

 

その間も、墨務官さまの命令だゾ!などと勇み足で松を奪いに来た田本昌にすんげぇイラつくんだが、瞬きもせず声を荒げる姿がもはや恐怖だったよ。

演員の王梓豪は、以前「金屋藏夫」で優しい精霊さんを好演していたが、今回のクズ芝居も良いわ。毒づく芝居中、一切瞬きしてなかったもんね笑

こうして疑いながらも駱文謙をこき下ろし、満足気味に調子づいていた田本昌は、この策にまんまと騙され、結果、李禎の思い通りに松林の使用権を約束し、李家から松の木を奪っていった。紙銭が舞う中、退散させた仕返しも秀逸で、ざまぁだよこれは。

 

この李家の危機に一切協力せず、泥を塗るだけに精を出す田絳月は、相変わらずいみふな行動で己の首を絞めている。言っていることとやっていることに整合性がなく、もはや救いようがないのだが、このもどかしさが台詞によって全て表現されているため、視聴者にはさほどストレスはない。

この女の拗ねらせ度は生半可ではないため、追い出したりすれば何をしでかすか分からない。ゆえに禁足という判断をした李禎は相変わらず賢くて感心した。

この先、田絳月はどうなっていくんだろう、このまま李家を潰す方向へ突き進むのか、または改心する機会があるのか。最後は皆の心が一つになって欲しいところだが、惨事の始まりである火事が、万が一この女の罪なら消えてゆく運命なのかも。

 

↑今回、一番可愛かったシーン。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第26話。

ハイエナムーブの田絳月に、新たなハイエナが参入して煩わしさが倍増した今回、田本昌とは親族か何かなの?ともかく前々から悪巧み仲間だった節がある。

李家に縋りながらどこまでも貶めようと画策する田絳月とろくでなしの入婿、、、一度その家に入れば血脈関係なく家族となるものだが、穀潰しでしかないコイツらの心は何年経っても他人のようだな。

足を引っ張られてはその尻拭いに奔走する李禎が背負った本当の意味でのお荷物が重すぎる。それでも屈することなく前進する姿は頼もしいよ。

 

優しすぎる大嫂は、ハイエナにも慈悲を持ち、その戯言にも耳を傾けるところが危うい部分だが、その結果、李家の長老まで呼び出しての大騒ぎとなる。いきなりしゃしゃり出てきて、何をしてるわけでもないのに偉そうにする長老とかなんなの笑

こうして拠り所だった大嫂にすらも裏切られた格好となり、ハイエナ大勢VS李禎という逃げ場もない窮地にハラハラしていた。

 

そこに戻ってきた李景東が、ぐうの音も言わせぬ正論でハイエナを蹴散らしたシーンは煌めきが半端ではなかった。恨むことにも全力だった李景東は、逆もしかり、一度置いた信頼も全力で通すことの出来る男だった。なんだかもうこれだけは言いたい、大好きだ!

序盤が憎たらしかっただけに、今となっては良くも悪くも李景東の真っ直ぐな精神に想定以上の感動をもらえる。

 

窮地の中でも焦躁感は皆無で、常に穏やかな視線を交わすこの二人がすごく良いです。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第30話。

李家を再び危機に晒した田絳月と入婿の悪巧みは暴かれたが、この入婿の往生際の悪さには目を見張るものがある。挙句、正佑を人質にしてなお銭を要求する浅ましさに心の底から気持ち悪さを感じた。再び包丁を持って背面から現れた趙瑾がカッコ良かったわ笑

 

結果、入婿をそそのかしていた田絳月の悪事も露呈するが、皆がコイツの仕業だと分かっていたよね。

夫を亡くしてから13年もの間、憎しみを力に変えてここまできたわけだが、夫の位牌へ向かって、昔の私とは変わってしまった、と言っていたことに、え?となる。果たしてそうかな?愛していたことは事実なんだろうが、失礼ながらお前は遅かれ早かれ今のお前になっていたよ、という思いしかなかった。

そもそも当時から、その貪欲さで焚き付けるあまり、嫁いで半年足らずで夫を疲弊させていた。仮に夫が生きていたとしても、その欲深さは消えることなく、結局、立場を危うくする存在を間違いなく貶めていただろう。或いは疲弊した夫がいずれ病んでいたかもしれない。この性根が消えることはこの先もないんだろうが、七祖母の言葉は少なからず自分を振り返るきっかけにはなったはずだ。李家から追放される最後まで、恨みがましい言葉を吐いていたが、それも自分の非を認めたゆえの最後の強がりのように思えた。これで再び現れたりすれば驚きだが、おそらく田絳月の役目はここで終わったんだと思う。

 

幾度に渡る李家の危機を救い、七祖母も昏睡から目を醒まして田絳月を追い出した今、やっと八房が李家の門をくぐる時が訪れる。李家から追い出されて13年、苦しみながら八房を引っ張って来た趙瑾の一歩には感慨深いものがある。ただし族譜に再び載る時はもう少し先になりそう、例によって祖父には祖父の筋があるから笑 筋を曲げない頑固なところがまた祖父の良いところなのだが。

こうして正式に七祖母から掌事を任された李禎は、引き続き李家を立て直すことに力を尽くす日々となる。李景東が味方になったことで全てが順調に進むようになり、穏やかな時が流れ始めている。
反面、ここまで寄り添って支えて来た駱文謙は戚帥の配下へ戻ることになるが、田家への復讐を果たす目的のある彼にとって、李禎はあまりにも眩しく、自分には側にいる資格はないと思い始める。
いきなり李家と距離を取る旨を伝えられた李禎の困惑は深まるものの、それでも駱文謙の選択を尊重し、そのまま一旦別々の道を歩み始める。
 
ほどなく公主府で行われる生辰墨の選抜へ志願した李家は、南京へ向かうことになるが、この先の李家を担う後裔の教育を念頭に置き、正佑を連れて行く李禎はさすが家主を認められただけの器がある。
一方の駱文謙も、田家の動向を探るため南京へ出向いていた。
田本昌は、後ろ盾だった清鶴仙人の衰退をいち早く察知し、出世のための次の一手を講じて策を練っている。コイツの貪欲さからくる素早い対策は、セコいながらもある意味感心するところ。
分からないのは榮華が何を目的としているかだが、今のところは自分を捨てた田家への利のために動いている。再会した李禎を避け、目も合わせない榮華にはどこか心苦しい思いがあるんだろう。このまま田家のために尽くし続けるのかは謎だが、徐家の義母という後ろ盾が亡くなれば、元々庶民出の榮華はどうなっていくのかな。良い子なだけに今の姿は少し悲しい。
それはともかく、駱文謙が南京へ来たのは、田本昌の計画を邪魔することであり、李禎に詰め寄られても期待するようなことは何も伝えられずにもどかしい時間が続いている。そうだよね、未だ自分が駱文謙だということも隠しているもんね。
 
そんな態度の駱文謙に振り回されながらも、仕事はしっかりとやり切って公主の心を掴み、李家は生辰墨の権利を勝ち取るのである。これで三年の司墨権も得ることになり、この先の再生の大きな一歩を踏み出す。
こうなると、どこまでも邪魔してきそうな田本昌の腹黒さに引き続き煩わされそうだが、駱文謙のロックオンによって李家への悪事は未然に防げるかもしれないね。
 
この生辰墨の選抜で南京へ着いてから、側にいる香蘭が誰だか分かっていなかったが、以前、薬墨で顔面の傷を癒した言じいの娘だったわ。この香蘭は親父が官吏なだけに身分が高く、公主府でも頼もしい存在となった。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第31話~第32話。

官職を目指す田本昌は、戸部尚書かなんかのぐうたら息子へ銭を献上し続けているが、どこまでも欲深い相手へさらに銭を要求され、同レベルで欲深い田本昌もついには禁忌を犯す。

どちらも飛び抜けるクズっぷりで絶妙なコンビだが、こんな奴らに国を回されてはたまらない。今の胸糞展開も二人揃って牢へ放り込まれる日まで我慢、、、

 

その田本昌を引き続きを監視していた駱文謙は、そのことに気付かれ命を狙われるが、この時は傷を負っただけで命までは取られずに済んだ。傷を負っても李禎への献身は怠らぬ健気な男だが、このおかげで傷の件は李禎へも伝わり、ほどなく再会を果たす。

もはや隠しておけない互いの想いは、やっと相手に伝わることになり、じりじり感がそう長く続かなかったのは良かった。

ていうか序盤からずっと思ってたんだが、韓東君からほとばしる桁外れのα波は一体どうなってんの?李昀鋭から溢れ出る癒しと若干似たものを感じる笑
 
この後、南京でも商売を始める手筈を整えた李禎は、家族や駱文謙と共に徽州への帰途へ就く。
13年前に出迎えた李家の絶望とは異なり、今回は全員が無事に笑顔で戻った光景は胸にくるものがある。その上、皇帝へ献上したかつての四合墨も李家へ戻ることとなり、七祖母もどこか達成した思いが湧いたんだろうと思う。
嫁いだ先で夫を亡くし、残された自分が家業も名誉も背負わねばならなかった日々は長くて苦しい道だっただろう。衰退した李家の再生もままならぬうちは、安心してこの座を託すことも出来ずにここまで踏ん張ってきた七祖母だが、その献身に対するご褒美は李禎という後裔だった。
完全にフラグは立っていたが、李家を任せられる者を得た安堵感で、役目を終え安らかに旅立って一つの時代が終わる。慈悲深く、追い出された田絳月が密かに追悼に足を運ぶほど、皆を大きな愛で包んで家主たる貫禄を最後まで持ち続けた人だった。一路走好。
 
こうなってみると、直前で駱文謙が戻ってきてくれる筋書きだったことが本当に良かったと思える。家主となった李禎にも安らぐ場所が必要だからね。
しかしその駱文謙も、田本昌とクサレ貴族の手回しで身分が暴かれそうになっている。姑姑が甥に気付いても、どちらも身分を隠している立場では他人のように振舞うことしか出来ず、もどかしい思いをしているというのに、どこまでも邪魔くさいヤツだよ。
駱家の罪は未だ健在のため、身分が明かされればおそらく捕らわれてしまうよね、、、田本昌は過去に駱文松を追い詰めたように、再び同じことを繰り返そうとしている、己の悪事を隠すために。
かつては墨道を歩んでいた田本昌も、使われる側より使う側を羨み、それに向かって突き進んでいるが、そのために犯した膨大な罪の代償はいずれ自分へ戻ってくるだろう、それまでコイツの暴挙も我慢だ、、、
 
結果、田家を正道へ戻すための榮華の尽力も無駄になりそうだが、今後行き場のなくなった榮華を救うのは確実に李禎である。目を合わせて貰えずとも帳簿係の席を取って置くくらい、榮華の苦しみを理解している。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第33話~第34話。

通番とかいう悪事が大罪なのは、欲深い田家の親父ですらあんなに止めていることで分かるが、謎に言いくるめられてやりたい放題の息子をどうにも出来ていない。やっている事はただの盗っ人なんだが、関わった者を軒並み殺める殺し屋でもある。その上、制墨界隈へ無理な要求を押し付け、さらに命を奪う下衆中の下衆で、そこに人間性は全く見られない。怖いから瞬きくらいはしてくれんかな。

 

傍らで、駱文謙の身分も調べ上げつつあり、田本昌の罪を暴くのが先か、正体が暴かれるのが先かと駱文謙の緊張も高まっていた。たとえ捕らわれようとも、田家への仇討ちだけは終わらせる覚悟で全力を注いだ結果は、一歩届かず、先に身元が暴かれることになる。田本昌の動きが素早すぎて腹立つわ笑

李禎が駱文謙の正体を知ったのは、本人からでなく姑姑が自ら告白したためである。再会からこれまでを振り返ると、確かに思い当たる節はあったと思いを馳せる李禎には、刻まれた記憶によってこれまで以上に絆を感じているように見えた。

 

ここで下を向くことなく、田家の悪事を暴く方へ突き進む李家皆のヤル気に満ちた姿は、やっとクズを成敗する時が来たかと思うとワクワクが止まらない。姑姑とも早く再会して欲しいところだが、この様子では、駱文松はもう生きてはいないんだろうね、かなしい。

 

田本昌、お前にどんな罰が下るのかをしかと見届けるよばかめ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第38話。

用心深い田本昌の尻尾を掴むため、罠に嵌ったと思わせ逆に罠に嵌める茶番にとうとう騙された田本昌は、ついに通番の罪で捕らわれる。この過程で行われた田本昌と李禎の攻防が長すぎんよ笑

これに協力したのは、田家で唯一人間性の高かった榮華である。このまま闇堕ちするとは全く考えていなかったが、お家に呑まれることなく戻って来てくれて良かった。

しかし捕まった田本昌はどこまでも浅ましく、今度は弟へ罪を被せて自分のみが助かろうとしていた。あの時、自分の代わりに拇印を強要していたために、そんなことだろうと思っていた。父親も加担して次男を貶めたことを考えると、田家では家族ですら信用を置くことなく互いを道具としか思わぬ侘しい家族の形だった。
 
なおも悪あがきする田本昌は、賄賂でクサレ貴族を動かそうとしていたが、結局、駒は切り捨てられる運命である。その上、父親も息子を信用することなく裏切り、これで本当の終わりが訪れる。
この田本昌が最後の最後にぶっこんで来た告白は、忘れかけていたこともあって、ひっくり返りそうになった。
 
李家を絶望へと追いやった13年前の火事については、このまま言及されずに終わるのだと思っていたが、この事件の真相は、当時の駱家家主が田家の親父へやらせた蛮行だったのである。
貢墨を巡り、我先にと利を欲した結果が当時の李家の悲劇を生み、後ろ暗いところは一切なかった李家だけが割を食って貶めた奴らは悠々と日々を送っていたのか、、、とか思ったら歯痒さしかなかった。
この告白は、李家ならずも駱文謙の心にまで影を落とす。
これまで、家族の無念を晴らすという背負い続けた枷を今まさに降ろしたところで、今度は、別にあった更に重い親父の罪に苛まれることになる駱文謙が不憫すぎるわ。
 
この告白が、李禎や駱文謙へ田本昌が残した新たな枷となり、父親へは裏切った仕返しを見事に果たして散っていった。ただし13年間、罪に苛まれてきた八房にとっては、冤罪が晴らされた喜ぶべき事実だったことには違いない。ゆえにこの告白は、結果的に李家に若干残された確執も無にした最も尊い告白となる。
 
13年間苦しめられた八房だが、この故人の罪を駱文謙に背負わせようと思うものは一人もいない。ある意味、親父には別の形で罰が下ったわけだし、その罰に巻き込まれ、子である駱文謙も今更流刑されるのだから、これ以上、関係のない末代まで恨みを持ち続けることは、この先不幸しか生まない。
 
ともかく田家が処罰されたことで、李家は貢墨を代わりに担うことになり、やっと本当の意味での明るい未来が見えてきた。流刑される駱文謙との別れは若干切ないが、最後に見送ることが出来て良かった。

 

本日(6月3日)加更礼が解禁されたけど、平日に最終話までは無理だな笑

つづく

 

追記ネタバレ 第39話~第42話(最終話)。

父親の罪を背負う駱文謙は、李禎にも気持ちを封じたまま流刑地へ就き、李禎にも李家を背負う責任があるために、今や仇である駱家の人間と無邪気に好き合ってはいられない。こうしてどちらも思うようにはいかず、進む道は一旦分かれるが、いずれ自分自身を許すことになるんだろうからあまり心配はしていなかった。

 

それから時が経ち、再び貢墨の選出の時期がやってくる。

これまでは田家の代わりを担って果たしてきた責務も、今回、貢墨の権利を勝ち取れば、正々堂々と李墨がその名声を得ることが出来る。李家では迷うことなく挑戦を決めるが、出品する墨の完成に試行錯誤の日々が続く。

この頃には、祖父も自身の寿命が長くはないことが分かっていた。ですよね、、、私自身も序盤に恋かな?と思った時点で、祖父を見送らねばならない予感はしていた。

 

貢墨という目標を抱え、姑姑の託した駱家の墨方と李家が一体となって、四合墨ならぬ六合墨を完成させるまでの過程は、死にゆく祖父にとって、やっと皆が同じ方を向いて力を尽くした実に尊い時間だった。

最後に自身の血を以って六合墨を完成させた祖父は、ここで儚くも懸命に生きた人生を終える。後裔にしかと墨道を継いだ祖父の死は悲しかったが、達成した思いで迎えた最後は悔いはなかったと思えたんじゃないか、人生も、物語のようにエンディングが全てだからきっと。

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そんな李家へ対抗馬として皇帝が当てがったのは、ちょんまげに手裏剣とかいう分かりやすい風体で登場した芳ばしい面々だった笑

時代が明なら、おそらく墨についても貿易は行われているため、全くないとは言えず少し複雑な思いをする。ただしこの物語でのちょんまげ連中の存在は重要ではないため、醜い悪あがきもなく潔く負けを認めるただのモブだった、訛りが若干癪に障るんだけど笑

 

こうして李家は再興し、穏やかに流れる時間で、駱文謙ともこの先を誓い合うまで達したところで、唐突の戦へ就くことになるが、なんだか一瞬で戻ってきたよ笑

 

面白かった。

ハイエナ身内やセコくて醜い連中に足を引っ張られながらも、職人として大成していく商戦ものの王道を都度充実感を感じながら観ていた。

それに留まらず、先人の意志を受け継ぎ、次の世代がその次へと継いでいく、生きる者全てに共通して繰り返される生命の理を強く実感させられた。

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『良陈美锦(良陳美錦)A Splendid Match』

2026年 5月~ 中国 全40話

 

出演

顾锦朝(顧錦朝)→任敏

陈彦允(陳彦允)→此沙

 

 

登場人物が多いわ笑

 

ネタバレ 第1話~第10話。

顧家の嫡子として生まれた錦朝は、父親(顧德昭)の官吏への道を妨げる存在という理由で通州の紀家へ預けられる。紀家は母親の生家で、錦朝を15年間育てたのは祖母である。

顧德昭は娘を顧みず、幼くして顧家を訪れた錦朝を追い返すだけでなく、首を絞めて命まで獲ろうとする仰天の沙汰だが、それくらい娘の存在を煙たがっている。当然、年頃となった娘の笄礼に掛かる費用も出し渋り、紀家へ負担させようとする最低な父親だが、前途を案じて追い出した割にさほど出世はしていない。

そんな顧家をひたすら憎む錦朝だが、通州では祖母と従兄の紀堯に可愛がられ伸び伸びと聡明な娘に成長する。

 

この笄礼でざわついていた頃に陳家の三爺、陳彦允と出会うわけだが、この男は、近頃、税法改革を推進したことで、朝廷や皇宮周りの貴族に恨まれ命を狙われ始めたために紀家へと非難していた。陳彦允が紀老太太(祖母)と結託しているのは、汚職に染まった輩を炙り出すためなんだろうが、税法改革による己の損失と、その調査によって明るみとなる諸々が都合の悪い連中に追い回されているわけである。

その代表である睿昌王世子を陳彦允がサクッと殺めたことに驚いたんだが、これは何があろうとこの計画を成功させる意志を見せる一幕だったのかもしれない。そこにたまたま遭遇した錦朝は、驚いて水の底へと落ちてしまうが、一瞥して去って行く陳彦允に助ける意思はないのかと思っていた。

結果、川に飛び込んで助けたのだが、これを甥の陳玄青がやったことにして、自分の存在を目立たせないよう図ったため、この時の錦朝にとっての恩人は陳玄青となる。

てかさ、傳海廉がめちゃ怪しいんだけど、弟子を利用するだけ利用して最後は裏切りそう。改革を進めさせる意図で聂風鳴が言っていた、朝廷を牛耳りたい傳海廉、という部分はあながち間違いじゃないのでは、、、

 

笄礼を終えて、生家へ戻ることとなった錦朝だが、父親とは折り合いが悪く、実母へのわだかまりも消せない。顧家の宋姨娘と庶子の顧瀾は、親父の前ではしおらしくしているが腹には一物を抱えている。それに、姨娘(側室)の侍女が殊更、嫡子の錦朝を警戒して、悪智慧を吹き込んでいるのがウザイのなんのって。しかもこの侍女は、独断で実母へのヤクに副作用の強い大黄を加えてその命を危険に晒している。このせいで実母の命は長くはなさそうだが、それまでに捨てられたという誤解が解けてほしいところ。

 

顧家の中でも序盤はさほど悪い印象はなかった顧瀾だが、それも好いた男の存在によって段々と闇堕ちしていく。好いた男とは葉限(長興侯世子)のことだが、葉限は、錦朝の笄礼にたまたま居合わせた暇人で、初っ端から錦朝の物言いを気に入っていた。

この葉限は、心臓が悪く病弱なため、武家の跡取りであっても武術を習得出来ず、長興侯からも期待されぬ存在だった。そのため、恵まれた環境で遊んでばかりに見えるが、心中ではそんな自分が忌々しく苦しむがゆえの逃避なのだと思われる。他人にはその心が分かるはずもなく、好いた錦朝からも痛いところをグサグサ突かれ遂には手を上げてしまうのだが、それを後悔するあまり陳彦允に錦朝の幻を見て詫びる姿は不憫すぎたわ。

 

その錦朝は、葉限や陳彦允には目もくれず、恩人として出会った陳玄青へ心を寄せ始めていた。陳玄青は実に精神性が高く、真摯に学問に取り組んで解元を制した上に、穏やかで優しいその性質は、さぞおモテになるんでしょうね、を地でいくような男である。ここに恩人という部分が加われば、この展開は必然であり、心を寄せ合った二人がどう破局を迎えるのかと思っていた。

結果、陳玄青は父親の罪のツケを払わされ、不本意にも別の娘との関係を築かねばならず、互いの淡い想いは伝えられないまま終わりを迎える。

 

いずれ迎える終わりなら、始まらずに済んで幸いだったが、今のところ陳彦允に特別な気持ちはさほど芽生えてはいない。というより自分の気持ちに気付いていないのか。三度も命を救った錦朝への感情は無ではなく、通州へ戻れない寂しさを気遣い、彼女が望んでいた年越しのイベントを自ら老師へ打診して開催させるような思いやりがある。

救われた三度目で、あの時、水の中から救ってくれた男が陳彦允だと気付いた錦朝には、失恋で落胆していたことも既に過去となっている笑

 

錦朝は顧家の様々な問題と向き合い、陳彦允は変わらず目的を進めているが、この先、道が交差する過程を楽しみにしている。

此沙がカッコいいんだよねぇ、直近の視聴作がストーカーだっただけになおさらこの役柄が光って見えるよ笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第20話。

いやなんか、ポンコツ羅成章(錦繡安寧)の再来かと思わせる顧德昭のクズっぷりに仰天したわ。顧德昭の本家もハイエナの集まりだしね、、、

己の愚かさを棚に上げ、賭場へ出入りしていた息子と、かつて自分が追い出した娘が反抗的になって戻り、それを全て紀家の責任にしている。クズに嫁いだ母親は、長年の心労が祟って病を患っている上、追い打ちで盛られた大黄で吐血を繰り返している。

この原因を突き止め、宋姨娘の侍女が白状したことで、薬に混ぜられていた大黄は阻止されたが、宋姨娘を追い出すまでには至らなかった。その宋姨娘が禁足を食らっていたタイミングで、顧瀾への縁談を半ば強要する顧德昭のせいで、弱った身体に鞭を打って顧瀾の相手をせねばならない紀晗はたまらない。嫁ぐことを嫌がる顧瀾は、何も出来ぬ紀晗を逆恨みし、いきなり雲姨娘とかいう故人を持ち出して、その死への罪を紀晗へ着せて顧德昭の怒りを買わせようと画策する。

てかさ、宋姨娘の侍女が最後の最後まで掻き回してくるよね、死ぬ間際まで禍の元を吹き込むとかどうなってんの。しかもウソだし。

結果、雲姨娘を死へ追いやったのは、ぽっと現れて紀晗の罪だと証言した、かつての侍女だったんだが、この理由がすごい。

当時、宋姨娘に夢中になっていた顧德昭の寵愛を分散させるため、紀晗は侍女から選出した雲姨娘を夫へと献上した経緯があった。夫へ女を当てがうのもすごい話だが、それに自分が選出されなかったことを何十年も経った今も忘れず、ノコノコと現れたこの侍女も相当なものである。この侍女も、顧瀾に飴と鞭で利用されたわけだが、そもそも罪を犯した当人であり、それを世話になった主人へ被せるなどの狂った思考は一体どうなってんのさ、となる。

 

奔放な息子から始まった更なる心労は、宋母娘の存在とポンコツ家主の冷遇で悪途を極め、そのポンコツに離縁を拒まれた紀晗にもはや生きる力は残っていなかった。銭を目的に娶られ、生んだ子供は奇妙な理由で奪われて、冷遇されながら側室にも貶められた日々を思うと本当に不憫だった、、、その娘を守れずに先に逝かせた紀家の祖母の後悔は、あんな平手打ちだけでは解消されないだろう。

この結果に宋母娘は後悔している様子が見えたため、乳母を経て長年仕えてきたあの侍女が愚かでなければ、この母娘もこうはならなかったのではないの。ここまで来ても顧德昭は、自分が妻を死へ追いやったとはおそらく思っていない。長年の病で心も病んだとか寝ぼけてんじゃないよ。

母とは呼べなかった錦朝にも後悔は残るが、最後は母娘の情も戻っていたことを思うと、喧嘩別れではないことだけでも救いだったと納得させるしかない。

 

この顧家の惨事には精神を削られたが、次にやってきたのは睿昌王の謀反である。

陳彦允は反派の動きを逐一監視していたが、通州で陸路を経て京城へ武器を持ち込む睿昌王の配下を発見する。これに巻き込まれて拉致られた錦朝を救いに向かった陳彦允は、そのまま共に崖落ちして、ほぼ無傷で着地するという離れ業を披露する。

ここで、葉限の師父である蕭游が反派だと疑うような証拠を突如発見した錦朝は、何度も窮地を救ってくれた葉限の安否が気掛かりで、通州から馬に飛び乗って危機を知らせに向かう。

葉限はともかく、蕭游を長年側に置いていた長興侯が謀反一派ではないと言い切れない陳彦允は、それでも長興侯が裏切るはずがない方へ賭けて長興侯府を救う選択をする。

と心では決断していながら、老師の傳海廉には見捨てるよう指示された通りに動く素振りは見せていた。この傳海廉の存在は、陳彦允にとって意義を唱えることも出来ぬ強力な地位にあり、老師の指示にも従いつつ、それを悟られぬよう忠臣である長興侯もギリギリで救うための計画は一人緊張が張り詰める。

 

錦朝から伝えられた事実に葉限も混乱はするものの、幼少から慕っていた蕭游へ手を掛けねばならない決断は、断腸の思いだっただろう。そんな葉限へ自責を持たせぬよう残した蕭游の「棋子」という言葉は、利用しながらも築かれた情が存在していたんだろうと思うわ。

それでも皇帝崩御と同時に起こった謀反は、事前に準備していた陳彦允の計画に乗っかる形で、太子を救って英雄の座を手に入れたため、葉限の未来にとっては良かったんじゃないか。しかしこのせいで、武術のない自分が長興侯の名を背負わねばならない重圧は、葉限のお気楽だった性質まで変えてしまった。

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この10話の序盤は、錦朝に対する葉限の積極性が陳彦允より勝っていたが、謀反を阻止した後半は、陳彦允の覚醒が顕著となる。

なんだか急に物理的な距離も縮まり、ついには求婚までしてしまうが、錦朝は嫁ぐことを夢見る一般的な女ではない。実親の惨事の後なら尚更である。それでも陳彦允が別の女と会話する姿に嫉妬はするのだが、好きだけど嫁ぐってのは考えたことない、ということらしい。それもなんだか分かるけどね笑

陳彦允の方は断られたことに焦りもなく、老師に勧められた婚姻も躱しながら何度も何度も告白を繰り返している。これは錦朝が自分へ心を寄せている自信からくるものだが、一体何歳差くらいの設定なんだろう、陳彦允は二度目の結婚だというし、成熟しているんだよね最初から。

それでいて20話最後には、錦朝を妻にしようと狙うしょうもない男に、本気で腹を立てているギャップが面白いよ笑

 

この段階になると、ますます傳海廉が怪しく思えるのだが、そもそもあの仲間全員が陳彦允とは方向性が違うよね、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第22話。

陳彦允を焦らし、そのくせ王瓚とイチャつくところを見せる錦朝は、めんどくせー女の典型となっていないかこれは笑

顧本家に乗り込み、そのまま宿をとる陳彦允の求婚をやっと受けたかと思えば、まだ結婚するって決めたわけじゃないんだから!などと、ここまできてもツンデレを存分に発揮していることが若干面倒くさいわ笑

 

以前、錦朝が母親の遺物から見つけた借用書を頼りに、紀堯が20年前の借金を顧家へ清算させたことで、自分の婚礼資金を奪われた顧怜は、奪った父親ではなく謎に錦朝を恨んでいる。

そのため、流言を広めて貶めるわけだが、まず王瓚をボッコボコにして、流言を無にしたのは葉限の手腕である。思えば、弟にお灸を据えるためにも以前同じことをやっていた。

次に、なぜか王家へ嫁がされる話となった錦朝へ、逆に被せて求婚に現れて救ったのは紀堯である。そして、王瓚を謝罪へ向かわせたのは王家の弱みを握る陳彦允の手回しだった。

個人的に、錦朝の役柄に好感は持っていても、この3人+陳玄青+他のような数多の素敵男子が惚れる相手としては微妙に説得力に欠けていると思うんだが、、、

この男たちが惚れる共通点を敢えて挙げるとすれば、おもしれー女と言わせる一般的な女にはない言動のみだが、それも観ている方からは焦らし続ける描写で面倒な女と化してしまったしなぁ。

 

とか思っているうちに、発見した汚職を追及したことで、逆に私怨で貶められ敢えて牢へ入ることとなる陳彦允、、、顧家の男衆も軒並み捕らわれてしまうが、傳海廉が全てを把握して指示を行っているため、その力をどの方向へ使うのかは謎である。長興侯のように忠臣というわけでもない傳海廉は実に不気味で、陳彦允が自分に忠実なだけではないことにもおそらく気付いている。コイツの派閥の反派がどの爺なのかもイマイチ不明なのだが、陳彦允は無実の者を貶めるような手段は使わないし、捕らわれた奴らは確実に罪を犯している。そうなると老師である傳海廉は潔白なはずだが、なんだかずっと怪しいんだよ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第29話。

捕らわれた顧家の男衆は、錦朝の頓智と話術、そして銭の力で解決するが、一番は、弟子に促されて了承した傳海廉の力なのだと思われる。

陳彦允が弟子に就いた当時の傳海廉には、百姓や国のために尽くす大義があった、らしい。少なくとも口ではそう言っていた。ただし権力を得るごとにそれは薄まり、今となっては力を保持してその座を守ることに必死になっている。逆に長興侯は大義を失うことなく力を尽くし、その名声も高いため、彼の持つ潜在的な力を恐れてどうしても排除したいんだろうと思う。いわゆる武官と文官の独りよがりの派閥抗争である。

傳海廉の計画では、少し前の睿昌王の謀反でまとめて排除しようと画策していたが、陳彦允の暗躍で失敗に終わってしまった。そこで、次は不敬を働いたという謎の理由で捕らわれる危機となるが、皇帝は未だ幼く、その発言も目を光らせる傳海廉の介入で自由にはならない。

幼いながらも朝廷で蠢く陰謀を理解する皇帝は、傳海廉に悟られぬよう長興侯を救うことを陳彦允へ打診する。表面では傳海廉側の陳彦允が、自分と同じ側だという事に気付くような賢い子で助かる。

 

その間、錦朝と陳彦允の間では婚姻の意志が固まり、やっと公に求婚を行うことになる。顧家の顧怜は意地が悪く、特に顧瀾を標的にして我儘を通していたが、それも三爺の地位から得られる恩恵を期待して、四房への冷遇は出来なくなってしまった。どこまでも浅ましい顧家の面々、、、その中でも、顧瀾の改心には目を見張るものがある。後戻り出来る素直な本質を失くさず、錦朝という見本を受け入れて自立心を持ち始めたことが本当に良かったと思う。当時は嫌がっていた穆知翟が娶ってくんないかな、今ならきっと以前みたいにはならないはず。

 

この求婚の噂はあっという間に広がり、葉限の耳にも入ることになるが、その噂で受けた衝撃は実に激しいものだった。狂ったように動揺し、そのまま錦朝の元へ向かった葉限の怒りは剣を突き付けるほどだったのだが、、、

 

えっと、付き合ってたっけ笑

葉限はその想いすら伝えていなかったはずだが、まるで婚姻の約束を違えられたかの如く怒る葉限に困惑したんだけど、、、その怒りを受け、錦朝もまた、心苦しさを感じて涙まで流していた意味も分からなかった。こうなると、友人としての交わりの中で、錦朝は葉限の想いに気付いていたことになるが、告白もされていない相手から激しい怒りを向けられることに理不尽さは感じなかったのか、あの錦朝が。それとも、誰にも嫁がないと宣言した言葉が嘘になったことに気まずさでもあるのか、、、このシーンは、葉限の心が幼すぎて怒りを抑えられなかったんだとしても、錦朝があんなに心苦しさを抱く理由が謎でしかなかった。

 

傷心のまま、次に陳彦允にまで殴りかかる葉限だが、今は長興侯府の存続が危うい時期で、正直、客観的に見ても色恋沙汰で乱心している場合ではない。それを耳打ちされた葉限が、憎い相手の助言でも聞き逃すことなく実行する素直な部分は、この先の成長に望みがある。

この後、どのように不敬を働いたのかも謎のまま、刑道司の葉限自ら父親を捕らえ、自分も一緒に牢へ入ることで父親を守るという助言の実行は、陳彦允による長興侯を救う計画を滞りなく遂行させることが出来て安堵する。

傳海廉に悟られぬよう、彼の意向を推測して緻密に会話を重ねる陳彦允は、常に緊張感を持たねばならず、心労は相当なもんだろうと思う。それを癒すかのように錦朝との挙式に胸を躍らせる姿はなんだか嬉しかった。
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傷心ながら改めて錦朝の心中を聞かされた葉限も、いつか立ち直る日が来るだろう。私たちは似ているから好きになっちゃいけない、という言葉が、相思相剋より安寧を求めた結果だと思えば、一番好きな人は葉限なのかもしれないね。そう考えると、あの時心苦しい思いを抱えていた錦朝の心中も理解できる。

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命が短いと言われていた長興侯も、ほどなく逝ってしまい、傷心を重ねる葉限は不憫でしかない。挙式で沸き立つ錦朝の輿を前に、葬儀で父親の棺を抱えた葉限の気持ちを想像すると、つらくてたまらなかった。

だけど、自ら道を開けた葉限は、ここでその想いを吹っ切ったということなんだろう。幸せになってほしい、薛清嵐には諦めずに寄り添ってくれることを期待している。

こうして傳海廉の意向に背かぬよう、結局、爵位は取り上げられたが、不安定な皇宮の防衛のために玄烽衛を設置し、その責任者の地位を得ることになった。伴讀で築いた絆は途切れることなく、どこまでも皇帝に寄り添うその地位は、葉限にとってこの先の希望になったと思うよ。

 

挙式を終えた錦朝と陳彦允はイチャイチャターンへと突入し、和むひとときとなっていたが、葉限が拷問して張陵から聞き出した王玄范とかいう輩が、以前、追及した食糧のすり替え汚職に関連しており、おそらくこの王玄范の指示で錦朝が拉致られたんだろうと思う。

ていうか、結局、一番上にいるのは傳海廉なんだよねきっと。ただそれだと税収の改案を進めたのは傳海廉が筆頭なのだから、この改案に不満を持つ連中を傳海廉が引っ張っているという線は辻褄が合わないね、、、かといって、志が一致せぬ二人が手を組んで、未だ現れてもいない敵を倒すという話にはなりそうもないし、この師弟が敵同士となるのは必至なんだが。陳家の四男もこれに絡んでいるんだろうし、まだまだ不穏な空気は消えない。

以前話に出ていた、刑道司の地下に眠る官職連中の記録から傳海廉の文書が消されているということは、余程隠したい秘密があるらしい。

 

他にも、久々に登場した陳玄青の淡い想いが持続していたことに驚いたが、この男の精神性の高さなら、嫉妬に狂うことなく万が一にも道は外さないはずだけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第30話~第31話。

ちょい、言ったそばから道外してんじゃん笑

このシナリオ何気に鬼進行だね、、、陳玄青はあのまま退場で良かったのに、闇堕ちするこのキャラに意味はあるのかな。

 

そしてどこまでも葉限を苦しめる筋書きに気が滅入る。

三年の命か。そもそも今の年齢まで生きていられないと言われていたため、長く生きている方なんだろうが、この病を治癒する秘薬とか出したらいいじゃない笑 過去の想いに囚われず、最後は明るい未来を生きる葉限が見たいだけなんだけど。

 

因みに拉致った犯人は陳家の四男で、幼少時に五男を殺めていた話で、そういえばそんな話が以前出ていたことを思い出した。このせいで出世の道を断った陳彦允を恨んで拉致を強行したため、王玄范とはまた別物だったようだ。

しかもここにきて、王玄范=元翁だったことに気付いた笑

ならば最後の敵はやはり傳海廉ということか。そのことを陳彦允も確信しているため、まずは妻の失態から悪事が暴かれる予定の王玄范の排除が始まりそう。

望んだ長興侯の排除はその死によって達成されたため、傳海廉の次の刃は当然、陳彦允、或いは葉限へ向けられるよね。じゃあ傳海廉にとって税法改案って一体どんな利点があるんだろう。私腹を肥やしているなら当人にも影響が出そうだけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第32話~第34話。

序盤の陳玄青は、拾って育ててもらった陳彦允を敬愛しているのかと思っていたが、腹の底では支配されている思いの方が強かったのか。陳玄青が俞晚雪との婚姻を辞退する旨を伝えたあの時、父親の罪を知らせた陳彦允は、そもそも陳玄青と錦朝が想い合っていることも知らない時期だった。ゆえに横からかっ攫われたという主張は陳玄青の被害妄想でしかない。思い詰めるとあらぬ方へ思考が向かうのは分からんでもないけどね、、、

だいぶ気持ち悪い段階まで達していた陳玄青の粘着は、ほどなく陳彦允へも知られて蹴り飛ばされる羽目になり、そのまま畳み掛けてくる妄想で一人闇へと沈んでいく。

その陳玄青へ怒りを感じるだけでなく、錦朝が別の男を好いていた事実を受け止められぬ陳彦允は、ここから妻をも避け始める。

うーん、ひたすらイチャイチャだった二人にも一度くらいは仲違いをさせるような一幕が必要だったのか。そのために陳玄青を気持ち悪いくらいに闇堕ちさせ、コイツはもう消えてもいいという心境へ持っていって最後は仕方ないね、と思われて散っていく当て馬の虚しさ、、、おそらく葉限も逝ってしまうんだろうから、視聴者に惜しまれて散って行く人物は二人もいらないということなのかも。

他にも、王玄范が陳彦允の弱みを握る理由として、陳玄青の父親の罪が必要だったため、陳玄青を再登場させた意味は一応あった。地方へ左遷されることとなった陳玄青の最後は、好いた女を救って散るか、好いた女へ粘着したまま散るか、少し楽しみではある。

 

過去に謀反を起こした成慶王一派だった王玄范を追い詰め、自作自演の刺客まで用意して茶番を練った陳彦允は、いよいよ表立って傳海廉へも宣戦を布告した格好となる。これから弟子の目的を知ることになる傳海廉はどんな手段を使ってくるかな。

この3話で、全く登場していない葉限がどうなっていくのかだけが猛烈に気になる。

 

言い訳も出来ぬまま避けられ始めた錦朝は、戻って来ない夫の気持ちを取り戻せずしばし悩んではいた。ただし持ち前の潔さが、事前に準備されていた和離書に印を押すところまでに達し、それが夫の手へ渡ってしまった。

愛するがゆえに嫉妬が膨らみ、迷走していた陳彦允にとっては、突如送られてきた和離書に打ちのめされたようだが、自分でそうさせたんじゃん、としか言えないわ笑

それでも拗ねらせる時間はさほど長く続かず、茶番で傷を負ったことによって二人は無事和解となって安堵した。

 

本日(5月21日)より、観刷礼が解禁だけど、カレンダー通りの視聴予定です。葉限を見届けなきゃ、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第36話。

王玄范を弾劾することで、自分に対しても牽制を行った陳彦允の背信を悟った傳海廉は、王玄范とその身内を口封じし、矛先は俄然陳彦允へと向かう。

かつての成慶王の謀反は、背面で淳元教という組織が支えていたようだが、その謀反が失敗に終わり、散り散りになった淳元教の残党の行方は不明のままだった。この淳元教という名が以前出ていた気もするが、はっきりとは記憶にないな、、、

ともかく、王玄范の身内の遺体(の所作)から淳元教の名が浮上し、一気に話題の中心に躍り出る。薛清嵐もまた、謀反の過程で母親を亡くし、仇討ちのために真相を調査していた過程で淳元教のことは突き止めていた。

当時、この組織の残党は京城から北蛮へと逃亡を図ったが、それを援助したのは葳蕤夫人とかいう謎の夫人であるという情報を、久々に登場した紀堯が得ていた。おそらくこの夫人とは、傳海廉の妻なんだろう、序盤からやけに出しゃばっていたのもこのせいか。ということは、かつて失敗した謀反を今回は成功させようと暗躍し、表に立たせる成慶王の代わりは傳海廉なんだと思う。

紀堯はいつ出て来ても後ろ暗い部分が皆無で実に安心感がある。

 

これを察した皇帝は、傳海廉の地位に対抗出来るよう陳彦允を建極殿大学士へと任命する。ここに葉限も加わり、皇帝派は視聴者から見ると絶対に負けなそうな気がするんだが。

葉限は、道端で交差したあの日、過去の想いを吹っ切り足を踏み出していることが、今回、陳彦允と手を組んで敵の弾劾を選択したことでも分かる。

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ヤケクソになっていないだけでも良かった。

 

一方、ヤケクソで道を踏み外した陳玄青は、案の定、傳海廉に目を付けられ、使い捨ての駒にされる運命だった、、、京城から離れ、冷静になって己を振り返るチャンスはあったのだが、それが出来なかった悲しい男である。

父親の罪で散々煽られ、ヤケクソのまま嘘っぱちの証言をさせられた陳玄青の進言で、陳彦允は朝廷を去らねばならぬ事態となる。傳海廉へ対抗出来るのは、ざっと見ても陳彦允と葉限しかいないため、皇帝にとっては窮地なのだが、こうなると葉限の未来が望まぬ形になりそうで気が重いな、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第37話~第40話(最終話)。

拾われた時から陳彦允を目指し、ひたすら邁進してきた陳玄青だったが、抱いた情だけは制御出来ず、道を外したまま悪人に付け込まれて結局戻っては来れなかった。間違いだと気付きながら止められぬ自分に後悔はしていただろう、死にゆく姿にその思いが見えたよ、、、

 

辺境では北蛮人による侵攻が目の前に迫っていた。

序盤に、陳彦允を救うための聂風鳴の芝居での、朝廷を意のままに操りたい傳海廉、という旨の発言は、その場しのぎの話ではなく、確かに傳海廉は、北蛮を利用して権力を物にしようという野心のもと、手を組んでいたようだ。

老師と袂を分けた陳彦允には、なんとか初心を思い出して欲しい思いが見えたが、傳海廉も後戻りは出来ず、可愛い弟子でも死んでもらう他ないと観念していた。観念ってか、ヤる気満々だったんだけどもさ、、、

こうして皇帝は北蛮への偵察使団として陳彦允を辺境へ送るが、その使団は当に攻め入っていた北蛮人に襲われ、消息が不明となってしまった。これを受け、錦朝は辺境へ向かうことを決意するが、葉限もまた、気付かれぬよう先回りして錦朝の安全を確保しながら辺境へ向かっていた。

それも錦朝にはすぐに気付かれてしまうが、今の葉限には好いた女が生きてさえいてくれればいいという思いだけで、気持ちを押し付けて困らせるようなことはしない。今自分のすべきことは、北蛮人を辺境で阻止することであり、そのために陳彦允との合流を望んでいた。

行方の分からなくなっていた陳彦允は、北蛮人に紛れて生き延びていたため、合流した二人はいよいよ戦へと足を踏み出すことになる。

 

ここで、かつての長興侯が率いた葉軍の古兵たちを鼓舞する葉限はべらぼうにイケている。葉の旗を靡かせ長興侯の鎧を纏った葉限の姿は、心臓が弱く武術も学べなかったかつての放蕩息子ではない。これまでも大義はあれど、ままならぬ身体で戦の地に立つことを半ば諦めていた葉限にとって、これが命の短い自分の最後の役目だと覚悟はしていたんだろうと思う。

乱戦の中、一人また一人、仲間が散って行く姿を見るのは苦しかっただだろう、それでも死にゆく最後まで敵に立ちはだかっていった誇り高い精神は、長興侯の跡継ぎに相応しい最後だったよ。

分かっちゃいたけど、なんだかすごく哀しかった。ただしこれが葉限の望んだ死に様であり、父親と同じように国を守って散って行くことに悔いはなかったことが残した手紙に記されていた。

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傷だらけの身体で、この遺体を背負って軍営に戻る陳彦允の、同じ気持ちで挑んだ仲間を失う思いを想像すると更につらかった。

引き続き攻めて来る北蛮を食い止めるべく援軍を求めた書簡も、傳海廉が手を回して京城へは届かず、辺境は危機に陥っていた。そこで陳彦允は、自身が命を落としたことにして皇帝を動かすしかないと考える。

こうして、元々、傳海廉と北蛮との癒着を暴き、失脚させるために動いていた皇帝は、援軍派遣を阻止しようとする傳海廉を逆に叱責して独断で援軍を向かわせる命を下すのだが、その後、錦朝が傳海廉へ援軍派遣を嘆願していたということは、やはりコイツの一声が必要だったんだろう。

 

ここから、辺境で北蛮人を殲滅させ、陳彦允がたった一人で京城へ帰還し、錦朝を取り戻しに来るまでが秒速だったため、北蛮人を利用していたはずが、逆に利用されていたという傳海廉のくだりは、どういう経緯を辿ったのかイマイチ分からなかったな、、、まあいいか、、、淳元教教主はやはり傳海廉の妻だったが、この二人の最後の会話から、北蛮人を利用はしていたものの謀反までは考えておらず、この北蛮の侵攻は予定外だったことが窺える。

元々は、国の政策を必死で練り直し、皆により良い暮らしを与えることが目的だった。それを進めるための権力を得る道が、逆に権力を得るだけに変わって行った反乱の結末は、何も成せぬまま戦うこともなく、反乱仲間の妻と、過ごした屋敷ごと燃えて散っていった、、、一体なんだったんだコイツは、、、初めからじっとしているだけで具体的に何をしていたのか全くの謎で、最後も屋敷にじっとしたまま終わったんだが、妻を溺愛していたことだけは理解した。

 

葉限を見届けることが目的だったため、最後の1話はエピローグ気味に観ていたが、ラスボスに威厳も迫力もなかったね笑

全体を通して見ると、主CPも良かったのだが、自分にとっては葉限の存在が大きすぎて主が脇のような存在感になっていた。

『佳偶天成 Fate Chooses You』

2026年 4月~ 中国 全40話

 

出演

陆槐(陸槐)・陆千乔(陸千喬)→任嘉伦(任嘉倫)

辛湄→王鹤润(王鶴潤)

 

 

ネタバレ 第1話~第6話。

戦鬼人という名をどこかで観た気がしていたが、「念無雙」で源仲と敵対していたアレかー。このドラマは、源仲によって殲滅された戦鬼人の唯一の生き残りが主軸に描かれる。

 

初っ端から、既に陵遅刑が下されて死にゆく陸槐へ、仙門に属する辛湄が嫁ぐというあらぬ状態から物語は始まる。

元々、渭県県令だった陸槐は、百姓を虐げたことなどなかったのだが、周辺地域の悪徳爺らに貶められ、あっという間に陵遅刑という究極の刑に処せられる。

夫となった者へ不運を招く克夫の相を持つ辛湄がその陸槐へ嫁ぐことを決めたのは、既に命の期限が決まっていたからである。克夫の相は、三度婚姻すれば悪運を回避出来るというから、そのためだけの婚姻に初対面だという事実は大きな問題ではない。

戦鬼人と凡人の間に生まれた陸槐の婚姻もまた、神族から受けた呪いを解いて凡人になるための試練の一つであり、互いの利害は一致していた。

出会って間もない陸槐を悪人とは思えず、ほどなく誰かに嵌められたのではないかと思い始めた辛湄は、よくよく周りに話を聞くうちにそれが確信へと変わる。

既に挙式を終えて渭県を離れていた身を翻して救いに向かったこの時点では、恋心というより正義を貫きたい気持ちだったんだと思う。それも間に合わず、亡骸だけを奪って埋葬したのは、少なからず縁のあった陸槐への憐憫からの行動だったんだろう。

その陸槐は、元神族である戦鬼族なだけにそう簡単に命は途絶えない。予め計画していた妖仲間の楮英(宋文作)との連携で、復活を遂げフツーに歩いていたことにへ?っとなるが、一体どんな妙術を使ったのかも教えてくれなかった笑

ともかく陸槐は復活し、これまでなかった色識別が可能となるような妙術だったらしい。神族から受けた五不全詛咒とはその名の通り五感を失う呪いなんだろうから、味覚のない食事は意味もなく、色も識別出来ぬ灰色の世界で生きていたのか。五感といえば白日提灯、、、

 

そうとは知らぬ辛湄は、冤罪で命を奪われた陸槐への良心が許さず、貶めた奴ら全員へ制裁を食らわすことを決意する。

仙門では凡界への介入が許されていないため、辛湄を罰するべく次々と現れる霊寂山メンバーと、凡界の悪徳じじい、衛兵などが押し寄せるなどで人数が多すぎて訳が分からない。

こうして辛湄の周囲は敵だらけとなるが、全員への制裁が終わらぬうちは決して歩みを止めない姿に、辛湄の意志の強さが見える。辛湄の仙力は、修仙の過程で金丹期にまでに達していたが、敢えて煉気期に留まっていたのは、修仙者は凡界の出来事に介入出来ぬ掟に従えない信念を持っているためなんだろう。虐げられる者を救えないなら、修仙に何の意味があるのかを問い続ける辛湄は、凡人へ戻る方がその生き方に合っている気もするが、今後どちらへ進むのかは謎である。

敵だらけのなかでも、陸槐が拾って育てていた小刀と酒酒だけは側を離れず、幼いながらも懸命に辛湄を支える姿が視聴者にとっても癒しの存在である。小刀は逐玉での記憶が新しい。

 

一方の陸槐は、数回会っただけの娘が、命を懸けて自分のための仇討ちを遂げる姿が猛烈に響いており、生きていることは明かさず見守る側と化している。誰かが救ってくれている、という推測の確信を得るための行動とは知らず、辛湄を救う陸槐はそれだけで安心感を与えている。ここで全ての色が認識出来るようになったことに、心の動きは関係しているんだろうか。

ともかくめちゃくちゃ強くて頼りになる今回の役柄も、任嘉倫の芝居が光っている。台詞もないのにその表情だけで魅せるとか何かの魔法ですか。

 

他に、かつて陸槐の弟子だった皇帝が、なぜ彼を死へ追いやったのかがイマイチ謎だった。過去を回顧して温もりを感じたのか切なげだったが、皇位に執着するあまり、その存在のせいで地位が揺らぐことを恐れた結果なのか。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第8話。

京城に集まって来た修仙者の面々は全員が霊寂山ではなく、それぞれ別の仙門から派遣されていたのか。この全てを指一本でなぎ倒した陸槐は、そのまま辛湄を抱えて去って行くが、その後を誰も追わないのな笑

この騒動は、陸槐の冤罪が認められたため、修仙者へも辛湄へは手出しするなとの朝廷によるお達しで事なきを得る。おそらくこれは皇帝の手回しした結果なんだろう。

このおかげで追われる心配はなくなったが、辛湄は気を失う前に陸槐の生きている姿を確認している。そのため、目が覚めれば反発を食らうことは見えているが、陸槐は治癒効果のある自分の血を飲ませて辛湄の傷を癒しその時を静かに待ち続ける。

案の定、この事実に激おこの辛湄が襲い掛かってくるが、なだめるように躱しながらその怒りを甘んじて受ける覚悟はあったようだ。というより、自分のためにこれだけ傷付いた辛湄を既に愛しいとすら感じているのかもしれない。それでも婚姻を交わした理由は明かせず、ここで一旦の別れとなる。

辛湄は実に真っ直ぐな娘で、冷静になれば自分が仙門の掟を破ったことに非があったと考え直し、己に是非を問い続ける葛藤によって陸槐を責めることは筋違いだという結論に至る。問題を内に向けるこの性質は、自分を追い込みすぎやしないかと心配になるが、陸槐にとっても自分の存在が悩ませる原因になることを恐れ、出会ってからの一連の記憶を辛湄から消してしまった。

見送る辛湄から色が消え、再び灰色の世界となったことにやはり何か心の繋がりなどが関係しているんだろうか。

この後、予定通りに各々の目的のために別々で足を進めることになるが、同じ崇霊谷が目的地の二人はすぐに再会することになりそう。

 

長寿を得られるという不朽丹を求め、崇霊谷へ向かった辛湄は、その過程で眉山君とも再会するが、記憶を消されて何も覚えていない。

この眉山君って、念無雙では、雷刑だけを受け続け凡界でのらりくらりしていた風に見えて、絶好のタイミングで神界へ飛升して源仲と姫譚音を救った素敵な男だよね、確か。最後は視聴者全員が悲しみに暮れるような実に愛すべき人物だった記憶がある。

ともかく、眉山君の知見の広さと己の持論に度々助けられる辛湄は、道中で出会った呂芸素を連れて崇霊谷へと辿り着く。

 

他に、梁文景を抹殺する過程で鬼先生とかいう輩を殺めた辛湄は、闇の勢力に追われていたが、刺客によって水を飲ませぬ呪いをかけられたため、水分を一切受け付けない身体になっている。今のところは本人も重要視していないが、今後あらぬ問題へ発展しそうな予感はしている。鬼先生を操っていた蔽日幡が何なのかは謎だが、あの存在がどうやら取り合いになるくらい重要なものらしい。

それでも、人になるための条件の一つである骨の交換で崇霊谷へ留まっている陸槐が何とかしてくれそうではある。長い生で各地に弟子を持つ陸槐が、見た目ではどうみても爺さんの弟子達に師父と呼ばれる絵面がなんだか笑える。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第9話~第12話。

不朽丹(不老不死のヤク)を精錬し、宮山玉牌と交換で配っているのは崇霊谷の蘇太乙で、かつての陸千喬(ここで本名を名乗ったので以下、陸槐=陸千喬で表記します。)の弟子である。

凡人の可能性を潰しかねない修仙者の出現に嘆きながら、それでもなお、争いの種となるような不朽丹を精錬する蘇太乙の矛盾した行動は、この先に何か目的があるんだろうか。この蘇太乙の話を聞いていると、現代におけるAIの躍進に被るものがある。

ともかく不朽丹を求めて崇霊谷へ集まる仙門の間では、既にバチバチな空気が生まれている。

 

早々に陸千喬と再会した辛湄は、もちろん記憶を消されているため覚えてはいない。ただし陸千喬の方は、辛湄が気掛かりでたまらず、全力で言随術を解く方法を探し始める。この術を解くには呪者本人の命を獲ることのみが解決策らしいが、水が飲めないなら皮膚から吸収出来るような術で、取り敢えずの策を伝授する。正義感と己の信念を持ちつつ、打てば響くように吸収していく辛湄のような素直な弟子は、教えがいがあるんだろうということが、陸千喬の満足気な表情から見える。

その傍らで、腹を空かせる辛湄へ自作の餅子を食わせる温かさは、後ろめたさだけから沸くものではなく、いちいち目線が優しいんだよね。

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そんな陸千喬を今は親切な先輩くらいにしか思っていない辛湄は、前々から、ほんのり恋心を抱く白宗英との再会でときめいている最中である。序盤に焦点が当てられていた香牌を巡って、すぐに白宗英の存在にもどかしさを感じる時期が訪れそうだ。

てかさ、肖順堯の睫毛バッサバサキラキラアイズどうなってんの笑

 

結局、取り敢えずの術が利かぬことで、直接、呪者の命を奪いに出向くことになる陸千喬は、青虹教の鳳凰の使者とかいう壇主を速攻で見つけ出す。このふてぶてしく割と力のありそうな男を拳でボッコボコにし、金丹から元嬰へと昇格した相手をもろともせず倒し切る陸千喬に敵はいるんだろうかという強さ。

この世界は、天梯が破壊されたために稀な場合を除いては神への飛升が出来なくなっている。そのため修仙者の中では元嬰が今のところ最高位のような扱いだが、戦鬼人の陸千喬は限りなく神に近い力を持っている。その彼が、凡人を切望しているのがなぜなのか今は謎である。

 

一方、殺意漲る阿笙は、辛湄を捜しながら彼女に害を及ぼす仙門メンバーを軒並み捕えて尋問している。

その中でも天音山の金輪は、かつての縁を劫(運命)だと信じ、敵意剥き出しの阿笙へ動揺することなく告白までしてしまう。この温度差には笑ってしまうが、強く拒絶されてもその想いは捨てられないようだ。その後も、正論(不是道是虚偽のくだり)をぶつけられて傷付いた様子は見えたが、これをバネに、より一層運命へ向かって邁進しそうな気はしている。

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その間、崇霊谷でも呂芸素に随行していた李肆の打算が明かされることとなり、呂芸素は利用されていただけの存在だったことが分かる。悪事を目論み、最後は命を落としてしまうが、頼る者がいなかった呂芸素にとっては唯一の光だったんだろう。おそらく李肆も自身の欲に相反する思いも抱えていたんだろうと思う。利用しながらも寄り添ってきた時間で情が生まれるのは、感情のある人間ならば自然で、全てが嘘だったとは言い切れない最後はなんだか哀しいものがあった。

 

他に、記憶を消されているために辛湄の周りでも混乱が生じ始めている。京城で復讐騒ぎを起こした女修仙の特徴が一致する辛湄へ、白宗英にも疑いが生じるが、正直者の辛湄も記憶がないのだから自分だとは知るはずもない。事実上嘘だが、辛湄が嘘を吐いているわけではないし、なんだかもどかしいわ。

宮山玉牌を巡っては各地で争いが絶えず、仙門の弟子たちが百姓を犠牲にしていることを容認する蘇太乙へ、陸千喬の怒りの鉄拳が下る。やっぱり不朽丹は争いしか生まない気がするんだが、あれだけ修仙者を憎む蘇太乙が敢えてこれを創り出しているのは欲による潰し合いが目的なんだろうか。潰し合わせても仙門が無くなるわけでもなさそうだけど。

陸千喬が自分ではなく皇帝を弟子に取り、そのことを今でも未練がましく言っていた蘇太乙は、何が真意なのかがイマイチ見えない。

 

これらがどう終着するのかは謎でも、周りを振り回さず自身で完結させる力と他者への思いやりを持つ辛湄がすごく気に入っている。陸千喬は自分の意思で介入しているため、振り回されているわけではないよね?辛湄が筑基期となった原因の蔵心蘭も自ら渡したんだもんね?

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つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第14話。

前話で金輪が阿笙へ、百姓が子供に毒を盛って物乞いする理由を納税のせいだと言っていた。ゆえに百姓の嘘は黙認してやれという旨をいかにも慈悲深い様子で諭していた。

ここで阿笙が、変えられる力があるのに高台から見物するだけのお前は慈悲深く見せて結局百姓を救おうともしない。お前には情がないのに己の道を模索するための劫の試練などと寝ぼけたこと言うな。(意訳)というようなことを言っていた。

この時は、話していた不朽税がどんなものかイマイチ分かっていなかったが、銭を持つ者、力を持つ者のみが得られる不朽丹製作のために、百姓から銭を巻き上げて苦しめる税だったようだ。

なるほど、辛湄の師父はこれを知っていたため、百姓の血で染まった不朽丹で長寿を得るなどの道理に反することは望んでいなかったのか。陸千喬があれだけ怒っていたのも、伝授したものが真逆に転じて、百姓の犠牲を黙認する有様となった蘇太乙を知ったからだった。

この件に関しては、呂芸素の暗殺未遂で明白に分かるが、どう考えても不朽丹の存在は禍しか生まない。それを蘇太乙が頑なに止めないことがずっと謎だよ、、、救いなのか恨みなのかちょっと分からないな。

こうなってくると、半分戦鬼人の陸千喬が凡人の生を欲しているのは、一族が生あるものを苦しめた歴史への贖罪なのかもしれない。

 

結局、敬愛していた白宗英も不朽丹への欲で自分の想いを裏切り、改めて陸千喬や師父の言葉を巡らした辛湄は、不朽丹を得るべきではないという結論に達する。

ただし他者の選択までは口出すべきではないと考え、このまま崇霊谷を去るつもりだった道中で、再び犠牲を目にすることになる。ここで持ち前の正義感が抑えられず、身を翻して戻ることになるが、変わらず不朽丹の取り合いをする面々の前で持論を展開した辛湄は仙門の中でも器が違っている。さすが皆が宮山玉牌を彼女に託しただけはある。仙門じじいの1380年とかいう寝言で凡人の事など何も考えていないのが分かるが、それを感じた辛湄が玉牌を叩き割ったのは気持ち良かった。

辛邪庄は師父を始め、辛湄も阿笙もカッコ良いんだよね。

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この間、陸千喬には凡人の生を得るための換骨が行われるが、蘇太乙が自分の番だとばかり横たわっていたのは何だろう、、、もしや陸千喬へ何かを与えるために、その身を犠牲にして息絶えるつもりなんだろうか、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第16話。

かつて楽師として皇宮へ売られ、虐げられていたところを救われた蘇太乙は、師父の教えに背く形となってもその恩を忘れたことはなかった。救う目的で進み始めた道が思わぬ代償を伴うこととなり、それでも後戻り出来ずにここまで来てしまったが、師父への恩に報いる意志だけはずっと持ち続けていたんだね。その時を待っていたかのように「滴水恩情碎骨以報之」を言葉通りに実行した蘇太乙は、禍となる不朽丹を完成させることなく逝ってしまった。与えられた温もりを片時も忘れず、初心のまま散って行った義理堅い思いは、死しても捧げた骨が陸千喬の生きる限り共にあると思えば本望だったのかもしれない。

 

辛湄の信頼を裏切った格好となった白宗英は、彼自身というより天元派の教えが害になっているようだよ、、、辛湄と同じく天驕と呼ばれた幼少から、その名に驕ることなく修練を重ねてきた真っ直ぐな性質はそう易々とは変わらない。

今の白宗英は、辛湄の言葉に共感を覚え、李莫負の元へ戻った後も自分の道が正しいのかどうかで揺らいでいる最中である。その迷える子羊に、いかにも天元派が正道のように諭す李莫負の言っていることは戯言以外の何ものでもない。

いかにも百姓を救っているかのような言い分でも、正直、仙門は何もやっていない。力のある我らが犠牲を払ってこの世を守るのだから、百姓が犠牲になることは当然ばかりという態度でいるが、その時はいつ来るのさ。凡界に介入してはならぬと言いながら、仙門や皇宮のエゴのために重税を科して、百姓を死に至らしめることは介入ではないのか。例えばこの先、危機が訪れても、仙門は高見から見物するだけで都合の良い時だけ介入してはならぬ規則が発動するんだろう?守るべき百姓が生きられず命を落としていく現状を傍観するだけなら、何の特権があってお前らだけが甘い汁を吸えるのか。とか考えていたら、最もらしい戯言を吐く李莫負にイライラしたわ笑

この先は、九月九日に生まれたものが吉となるか凶となるかだが、辛湄は真の天驕だとしても、天元派に属する白宗英は望まずとも逆になりそう、だって黒いもんね、、、

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その辛湄は、記憶を消されていることを示唆され、過去を探っている最中だが、その中心に陸千喬がいることを察する。このまま阿笙と北襄へ向かう予定の辛湄は、そこで陸千喬と再会することになりそう。

一旦、辛湄と別れた陸千喬が北襄へ向かうのは、次の試練である換血に必要な蔽日幡を手に入れるためだが、あんな禍々しいものが必要だとは不吉な予感しかない。道中で眉山君とも再会し、共に北襄へと足を進めることになるため、全員が北襄へ集結し、蔽日幡を巡って争いが起きることは必至である。紫もやもやを纏う青虹教の左盈盈が見た目からしてヴィランだしね笑

 

今回、ちょっと和んだのは呂芸素と李肆が生きていたこと。李肆が呂芸素を利用して、長寿を得ようとしていた一連の告白は茶番であり、蘇太乙を滅して不朽丹精製を阻止することだけが二人の目的だった。その恨みを自身の罪として受け入れ、命を救った蘇太乙の思いを想像すると、本質は変わらぬ彼が残した命が実に尊いものに思えた。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第17話~第20話。

北襄で過去を探り、自分なりに陸千喬との経緯を推測したボジティブな内容が概ね当たっていてさすが辛湄、となる。

この過程で詐欺師三人組と出会うが、彼らがくっ付いて来ているのかどこか縁があるのか、道中を共にする機会が幾度も訪れる。天元派に追われる三人組は、以前、霊寂山から書物を盗んで逃亡している最中だが、たまたま出くわした舟を前に語られた1000年前の楼舟の話でアッ!となる。

ここで語られていた匠の女神は姫譚音のことだよね。思えば、仙門の力が増した世界で、人間の尊厳を賭けて楼舟を作り上げ、散って行った描写が念無雙でもあった。そうか、蘇太乙の話していた、人が生み出す可能性を潰しているという思想は、念無雙で見せた工匠たちの思いと同じなのだね。この三人組は仙門に反発するそちら派ということか。

この辺りで阿笙の過去もうっすらと見えてくるが、過去に追ってきた悪どそうな奴らはあの夏玄子の使いなんだろうか、それとも青虹教?

 

ほどなく、陸千喬が青虹教へ乗り込んで壇主を倒して自分を救った経緯を知った辛湄は、どうしても陸千喬に会わねばならないと思い立ち、太史銭の持つ洞庭山の秘儀で識海を通して陸千喬を捜すことにする。互いに繋がりがなければ捜すことは難しいと言われていたが、二人は血契で繋がっているためそう難しくはなかったようだ。識海で再会した陸千喬へ、早速、疑問をぶつけた辛湄は、この時も自分と婚姻を交わした事情を聞けず仕舞いとなる。

一度繋がった識海は、夏玄子に狙われた辛湄の命も遠隔で救えるような謎の仕様で、青虹教と戦いながら辛湄へも憑依する陸千喬にはどうみても敵はいないだろ笑

この戦いで夏玄子を倒したようにも見えたが、なんだか師弟が逆転している陸千喬と被るものがあり、コイツも戦鬼人のようにも思えるため、そう簡単には消滅しない気もする。

 

青虹教は陸千喬を狙ってやってきたわけだが、居合わせた林慕寒は、陸千喬と共に行動していた無双会が目的だったようだ。無双会とは魔に堕ちた奴らだと散々言われていたが、無双会って、匠の女神をただ信仰していた人々だった気がするし、魔に堕ちたなんて話あったっけなぁ、、、

ともかく左盈盈が林慕寒を巻き込んでしまったため、全く悪気のないこの男も青虹教の標的となりそうだ。

 

一旦、戦いは終わり、陸千喬が辛湄を見付け出して実質これが本体同士の再会となるが、ここで戦鬼人という事実を辛湄へ知られてしまった。

過去に犯した戦鬼人の罪は、辛湄にとっては許すことの出来ない大きな傷を残している。それが陸千喬が犯した罪ではなく、幾度も救ってくれた存在だと分かっていても、知らされたばかりで動揺する今の辛湄には同胞というだけで殺意しかなかったようだ。

これは現在を生きる私たちとも被るところがあり、陸千喬が言うことに同意しかなかった。だって存在すらしなかった時間の話だもんね。実際、好いた人に見たこともない過去を責められ泣いてばかりいた人を何人も見たよ、、、同じように、罪を背負って償うように人族へ力を注いできた陸千喬でも、辛湄の責め立てる言葉を受け入れることしか出来なかったようだ。

辛湄の性質なら、いずれ自己で解決へ至らせる力はありそうだが、今のところはどちらも傷付き心は沈んだままである。

 

再び辛湄と道の分かれた陸千喬だが、目的は進めなければならない。人の血を屠って生きる戦鬼人の性は陸千喬の身体にも引き継がれ、これまで血の欲求に抗ってきたことが今回分かるが、この性のせいで凡人になろうとしているのか。長い間、望まずとも身体に刻まれる性に支配される日々を送ってきたことが分かり、更に不憫に思えてきた。楮英はほんと頼りになる。

ひとまず不気味な夏玄子の出所を探るため妓楼へと出向いた陸千喬は、早速、辛湄の姿を捉えるが、妓女と酒を交わす陸千喬を目撃した辛湄の睨みは完全に嫉妬ではないの。

 

一方、カラスが自分への追っ手だと勘違いした阿笙は、辛湄を巻き込まないために一旦、離れることにするが、道中で遭遇した霊寂山の修仙者に傷を負わされる。寄ってたかってなんだよという感じだが、金輪に拾われてひとまず安堵する。

金輪は情がなく冷たいヤツだと言われていたが、徒歩で阿笙を捜し回る姿はとてもそうは見えなかったよ。もう見付けてくれてありがとうという思いしかない笑

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つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第28話。

GWで遠出してたら8話も溜まってた、、、

8話を一気に観たら目まぐるしく話は動いていたけど、結局、一周して戻るみたいな展開だったわ笑

 

妓楼で無事辛湄を手に入れた陸千喬が、仲違いも長引くことなくすぐに和解出来たのが良かった。戦鬼人と知られた今、隠すことは何もなくなり、凡人になろうとしている陸千喬の目的も明かすことになった。

人を守る力が失われることを危惧する陸千喬へ、自分も修仙を止めて共に穏やかな日々を送る提案をする辛湄に迷いなどはなく、固執するものが力ではないことがこの役柄の尊い部分である。

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一方、金輪に助けられた阿笙は、辛湄に及ぶ被害を阻止するため、夏玄子の息の根を止めることを決意する。この夏玄子によって誕生した阿笙は、その地から逃亡して彷徨っていたところを辛湄へ拾われたわけだが、この過去回想と今の阿笙を見ていたらなんだか切なくなった。

ほどなく協力を申し出た金輪と共に夏玄子退治へと向かうが、コイツが誕生させた子供はべらぼうな数で、どうやらあの蟲と子供たちの命を繋いで支配していたようだ。ただし阿笙以外の子は親父を崇拝しているろくでもない連中だったし、一掃されてもどうということはなかった。

夏玄子を誘き出し、狙い通りに谷底へ突き落して封印出来たかと思いきや、バルログがガンダルフを道連れにしたあのシーンのように、捉えられた金輪も引きずり込まれてしまった。ここで手を放した阿笙は、夏玄子を封印するために金輪を諦めたのか、金輪なら生き延びれるはずだと分かっていたのか、その心の動きはイマイチ分からなかった。

案の定、谷底からどちらも生還し、夏玄子は陸千喬によってトドメを刺されたが、再会した金輪を冷たく突き放した阿笙の、これ以上の危機に金輪を巻き込まぬための冷遇だということは分かった。

陸千喬が指摘していた、かつて意図的に弱い姿を見せた阿笙が、どこまでを知っていて何をしようとしているのかは謎だが、夏玄子以外にも自分を追う人物がいることを分かっていたのかな。なんだか阿笙を見ていると、何かを背負って命を諦めているように感じて、言動何もかもが哀しいんだが、、、そう見えてるだけならいいんだけど。

 

その間、天元派は無双会を執拗に追っており、遂には殺戮までも始めてしまった。太史銭を筆頭とする無双会は、人族の文明を絶やさぬよう尽力していただけの集まりだが、それを仙門は入魔だとひたすら口にしている。過去には百姓を守るために命を落とした仙門があったのは事実だが、天元派の李莫負は完全に邪道へ足を踏み入れてるんだと思うわ。

結局、無双会を追い回してほぼ全員の命を奪ったわけだが、皆が命を削って守った無双秘録の一部は、おそらく無事に中原へ渡ったのだと思われる。詐欺師まがいで登場した太史銭や施温の、命を賭しても凡人の未来への可能性を捨てぬ信念が熱かったよ、、、

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それに比べて仙門はその力にあぐらをかいて事実を見ようともしない。話も聞かず見ようともしない連中が、好き勝手な妄想で力を誇示して殺戮を行うその自分を振り返ることはないんだろうが。

姜霽とは違い、盲目なだけではない白宗英と林慕寒が気付きかけていることは救いだが、それでも無双会を殺戮するなどという愚行の苛立ちは消えない。

 

この争いが終わった後、のこのこと青虹教の教主が善人を装って登場するが、以前、面具での言動とは全く違っていたため、ずっと疑っていた。

結果、全てはコイツの盤の上で踊らされていたという事実は想定内だったが、どうみても敵だと思わされていた左盈盈が、実は思惑があって青虹教に属しているらしいことは予想外だった。

ここは月が明るくないから、などと教主の本性を暗に知らせ、偽の姿だという証拠を陸千喬へ探らせて危機を伝える辺り教主に忠心はないようだ。思えば、以前もろくでもない同仙門の輩を殺めて、陸千喬ではなく林慕寒の行いだと報告していた。ということは左盈盈が守るべき人は陸千喬で、ここから連れ出すよう楮英へ便りを出したのもおそらく彼女なんだろう。

教主が言っていた陸千喬と関係のありそうな過去の友人の話も気になるし、あの劇が左盈盈と陸千喬の話のようにも思えてくる。確実に知り合いなんだが、記憶を失くしているのは陸千喬の方、、、?

陸千喬を手に入れたい様子の教主は、その彼が戦鬼人を捨てようとしていることは知らないよね、だとすればその血脈を何かに利用しようとしているのかな。

 

なんだか阿笙がずっと切ない。

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つづく

 

追記ネタバレ 第29話~第31話。

教主は元々霊根もない凡人で、修仙者の霊根を奪い、師父の秘術を使ってその霊力を自身のものにしていた。青虹教の弟子達は同じように元は霊根のない凡人で、力を得て修仙者の如く振舞っているが、人から盗んだものをただ乱用しているだけである。

それだけに留まらず、無双会を誘き出すために書館を建立し、それを追って現れる仙門の弟子から霊根を奪い、その霊根で精錬した養元丹を仙門へ売りつけてボロ儲けまでしていた。何も知らずに搾取されていた仙門が馬鹿を見ているようにも思えるが、これももしかしたら仙門との取引だったのかもしれない。仮に取引ならば、仙門の目的は階級を上げるための養元丹ということになるが、表立って弟子達を犠牲に出来ぬため、青虹教にやらせていたという理由しかないけど、そんな単純な話なわけないよね笑 黒幕が誰で何が目的なのかも分かっていないし。

幼い頃から青虹教で育った左盈盈に教主への忠心がないのは、あんな風体でも邪道を許すことはその良心が許さなかったんだろう。

ともかく、仙門の主要メンバーを軒並み捕えた青虹教は、まずは白宗英の霊根を奪って凡人へと落とす。次に狙われたのは辛湄の霊根だが、陸千喬と血契で繋がった身体からそれを奪うことは出来なかった。

 

この辺りで教主が、元々、同じ師父へ拾われて育った小凡だということが分かるが、以前、コイツが過去の友人に思いを馳せていた様子の相手はやはり陸千喬だったようだ。かつての師父も、同じように他人から霊根を奪って霊力を得るろくでもない者だったが、同じ邪道へと進んだ小凡をこのまま生かしておくことは出来ない。

共に育った割に感傷的になることなく、蔽日幡の力で身体を変える前の大成期へと戻された陸千喬は、簡単に青虹教を滅し、同時にこの地での目的だった換血まで成功させる。蔽日幡は血を糧に精錬された法器で、以前、換血に必要だと言われていたよね。そのために左盈盈から奪う必要があったんだが、彼女が思いのほか清らかな心の持ち主だったことで、蔽日幡を巡っての争いは回避出来た。

 

この過程で、囚われた辛湄、阿笙、眉山君、林慕寒は、脱出するために皆が一体となり、師父の教えの通りに穢れた気を光に転化させ、弱った肉体を癒す術を成功させる。

元々反発しているように見えた各々だが、幾度の困難を共に乗り越えながら仲間となっていくのだと思われる。驕らず真摯に修仙していた白宗英は、不本意にも凡人となり下がったわけだが、この先、重要なのは力ではなくその心だということを受け入れる日は来るのか、それとも清い心を失ってしまうのか今はまだ分からない。なんとなく闇堕ちしやしないかと思わせるのは、全体が黒いからだと思う、、、笑

既にその部分が達観の域にある陸千喬は、力を失うことに躊躇いもなく、逆に五感を体感することに喜びを見出している。無機質だった陸千喬が味覚を得てはしゃぐ姿は、息をするだけのこれまでの日々を思うとじんわりくるものがある。

 

こうして青虹教という邪道を排除し、一旦、穏やかな時間が流れるが、やっぱり阿笙には師姐への敬愛以外にまだ何かありそうなんだよね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第32話~第33話。

霊根を奪われた白宗英への冷遇がほんときつい。image

天元派は貪欲な李莫負が率いているだけあって、司馬燃灯を始め、思いやりのない弟子が多すぎる。

司馬燃灯などは、初めっから他人に対する情に欠け、幾度も白宗英を貶めようとしていたが、力の勝る白宗英には相手にもされていなかった。それが凡人となった途端にイキり始めて小者感を発揮している。

白宗英がコツコツと修練した時間の足元にも及ばぬ弟子達は、凡人と変わらぬ状態のかつての大師兄に水汲みなどを平気でさせているが、これは人望がないのではなく、天元派の弟子達の人としての本質が低いんだと思うわ。その中でも、姜霽だけは心を寄せる気持ちが後押ししていたが、これもあっさりと振られてしまった。この恋心に見返りを求めるタイプなら、そのまま見捨ててしまうんだろうが、簡単に諦めるんじゃないよ。

だけど、こんなに虐げられていても、白宗英の精神性は揺らぐことなく闇堕ちにはならなそうで安心した。それよりも青虹教の弟子が天元派にも属していることをすぐに突き止めることになりそう。ということはやはり李莫負がラスボスなんだろうか。霊力を失った途端に見向きもしなくなった師父やイキり司馬燃灯へ、額を地に付けて師弟への救いを乞う白宗英の姿を見るのはつらいな、、、今はこの道が正しいのかどうか自問している最中の白宗英だが、目醒める日は近い。

 

一方、陸千喬率いる四人は、無事に人族の元へ無双秘録を届けることが出来た。その無双会の代表が、かつて不朽丹を手に入れようと皇宮から遣わされた知伯成だったことに驚いた。なるほど崇霊谷で皆が争っている中、彼一人が誇り高く見えたのはそういうわけか。ただし呂芸素や李肆を崇霊谷へ送って、蘇太乙を死に至らしめたのも知伯成だったため、陸千喬や辛湄の心中にわだかまりは残る。

これは互いの立場を考えると仕方がないのかもしれない。人族にとって、百姓の命を代償に、霊力のある仙門だけが命を延ばす不朽丹という邪な存在を失くすには、その精錬者である蘇太乙の命を奪うしかないという結論に遅かれ早かれ至っていただろう。その過ちに蘇太乙が気付いていたとしても、その手を止められなかった点で人族には伝わっていない。それに、蘇太乙が骨を捧げて命を落としたのは彼の決断で、人族が蘇太乙を死へ追いやったわけでもないと思うんだが、その決断をさせたのが人族だということなのか。暗殺未遂のずっと前から骨を捧げることは決めていたんじゃないの。

陸千喬にとっては皇帝崩御の知らせも重なって、弟子を失くした哀しみに沈んでいる。この先、換心を終えれば完全に凡人の身体となる陸千喬だが、天元派という力に対し、人族の知恵で対抗する結末となるんだろうか。なにしろ人族の誇り高き精神には目を見張るものがあるから。

 

それより気になるのは阿笙の左目の異変だが、以前、カラスに追われて左目に血が入り込んでたよね。あれは夏玄子のカラスだったと思うが、もしやあの蟲が一緒に侵入して身体を侵しているのか、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第34話~40話(最終話)。

阿笙の識海に潜んでいた夏玄子、、、しつこい。

コイツが阿笙の身体を乗っ取って、辛湄を瀕死にさせるわけだが、阿笙はこれを一番恐れていたのにね、、、思えば、初めからこうして夏玄子と対決せねばならないことを阿笙自身は分かっていたのかもしれない。

傷付いた辛湄を救うため、やむを得ず金輪を利用する阿笙の優先順位は、少し情が湧いたとはいえ辛湄への情を超えることはなかった。騙されたように見えた金輪も、これは想定内だったのかもしれないな。ひたすら振り回されて不憫でも、それを乗り越えて無情道を悟ったのだから、序盤から言っていたようにやはり阿笙が金輪の劫だったんだと思うわ。

 

天元派では、正義を貫く白宗英が煩わしくも大切な弟子だった李莫負は、一旦、監禁するだけに留まるが、傍らで、これまで準備してきた目的を着々と進めていた。

元々は、李莫負にもこの世を救って百姓の生活を守るという大義があった。そのための力を得るために神へ飛升することを願っていたわけだが、戦鬼人との大戦の挙句、天梯が断たれて神へ飛升する機会を失い、そこに固執するあまり力を持つことの意義も歪んでしまった。辛雄も元々は李莫負と同志だったが、信念が歪んだ天元派とは大昔に縁を切っていた。それでも李莫負の暴走を止めるため、今一度、阻止するべく立ち向かうが、李莫負の神への執着が強すぎて止めることは出来なかった。

阿笙の身体を乗っ取った夏玄子は、同じく神へ飛升するために李莫負の目的に協力することになり、面倒くさいヤツだけが残る。

天まで届く木を育てるには、この世の命の半数を犠牲にせねばならず、天元派の弟子達も例外ではない。囚われていた白宗英は、姜霽が諦めずに捜索を続けたことで救い出され(姜霽えらい)、自身の天驕としての役割を命を賭してやってのける。吐血を繰り返しながら外界との繋がりを断つべく鐘を鳴らす白宗英は、相変わらず睫毛バッサバサのキラキラで、正道を歩み天驕という名に驕らず努力した過去を思うと泣けたわ。姜霽もその白宗英を追うように戦い散っていった。

 

仙門の中でも、邪道を進んでいたのは代表である天元派のみで、その他の仙門は協力して対抗することになるが、この過程で父親を失くした林慕寒は、この後大きく成長することになる。元々、修仙に対しても然程真摯に取り組んではいなかったが、後々、霊寂山を背負って仙門を率いていた姿を見ると、道を誤らぬ大義を持ち、責任を果たす素質は備えていたんだろう、作中でも情が深く正義感の強い部分は見えていたけど。

 

その間、辛湄は化神の李莫負へ戦いを挑みながら、夏玄子に乗っ取られた阿笙の相手も引き受けねばならない。結果的に、自身で決着を付けた阿笙もここで命を落とすが、やっぱり阿笙は最後まで哀しかった、、、最後に、阿笙は神となってこの世の全てのものに宿ると言われていたことを考えると、辛雄や白宗英、姜霽がこの世を救うために落とした命は、天の慈悲によって神となり、あらゆる場所に存在しているということなのかもしれない。それはなんだか神道にも通じるものがある。

 

換心に挑んだ陸千喬は、李莫負の暴走からこの世を救うため、凡人ではなく完全なる戦鬼人となって、この世に安寧を与えるが、その代償に記憶を失い全てを忘れてどこかへ消えてしまった。

これって、五感を取り戻して凡人の日々は十分に味わったから、後は、この世の生を救うために完全に戦鬼人になったってこと?禍々しい呪いは、辛湄が神界へ上ってあっさりと帳消しさせたことで、五感のある唯一の戦鬼人となりこの世を見守る孤高の存在になったということでいいのか?

ともかく最後の2話は、記憶を失くして消えた陸千喬を辛湄が捜し続ける日々が延々描かれるため、最後の最後で見つけた時の達成感が半端なかった。激しい戦いの後の穏やかな時間で終焉を迎える構成がほんと良かったと思う。楮英とキッズ二人も忘れないでいてくれてありがとうと言いたい。
源仲(劉学義)と傅九云(鄭業成)の尺も割とあったし、これからひたすらに起こる眉山君の雷刑予告もされていたね笑
 

かつて瘋道人のもたらした二つの予言が仙門では重視され、それに沿って様々な規律も生まれたようだが、最後の様子を見ると、なんだか適当なことを言っていた節がある。

要するに、いつ生まれようがどんな力を持っていようが、この世は皆が平等で、全てはその心の持ちようだということか。

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