『逍遥 The Unclouded Soul』
2025年 12月~ 中国 全40話
出演
肖瑶(肖瑤)・宁安(寧安)→谭松韵(譚松韻)
红烨(紅燁)侯明昊
秉烛(秉燭)→汪铎(汪鐸)
男主1かのような存在感ある笑
ネタバレ 第1話~第8話。
長い間、人族の皇帝は不老不死の身体を欲して伝説の玉醴泉を手に入れることに必死になっているが、妖王が先にそれを手に入れれば大きな禍が起きるという助言を受ける。助言をしたのは、夢の中に登場した碎夢仙君(趙麗穎)とかいう謎の上仙だが、開幕から趙麗穎の登場に不意を突かれる笑 しかも人族を利用して何かを企んでいる雰囲気が既に見えている。
妖王とは百年前に滅ぼされた紅燁のことだが、消滅したと思われていたこの存在は実際には封印されていただけである。上仙というだけあって、後々目醒める妖王のことは予測していたらしい。
人族ははるか昔から妖族を恨んで、捉妖師の役割を担う飛羽衛を結成しており、いきなり斬妖使に抜擢された秉燭は妖根絶の命を受ける。相変わらずの美しい出で立ちで、誠実に任務を遂行する初っ端からの活躍は、こちらが男主1でも全く違和感はないわ笑
妖王を目醒めさせる役目の肖瑶は、捉妖師という名を騙って民衆を騙し、今のところは家族ぐるみで銭を稼ぐことで生計を立てている。その行為を秉燭に見破られた肖瑶は、囚われた家族を救うため飛羽衛へ協力することになる。人族でも妖を引き寄せる謎の体質を持つ肖瑶を妖討伐に利用出来ると思われたためである。
この過程で、偶然、元神の修復途中だった紅燁を目醒めさせることになるが、目醒めたと同時に崖落ちした肖瑶を、紅燁はそのまま万妖谷へと連れ去ってしまった。
百年前に人族の寧安公主によって滅ぼされた紅燁だが、当時の二人は心を寄せ合っていたため、紅燁を滅し、自身も自害を選択した寧安には何か事情があったんだろう。この寧安と同じ顔面を持つ肖瑶を手放せずに万妖谷へ連れ帰った紅燁が、肖瑶を見る目に愛哀が混じって実に切ない。
肖瑶が半妖だということも、その血で目醒めたことも、前世からの運命が絡まっているんだろうが、今のところは別人という方向で話は進んでいる。最近のファンタジーでは、生まれ変わってかつてを思い出すという仕様ではなく、別々の人間として描かれるものが多いため、これもその類かもしれない。
万妖谷へ足止めされた肖瑶は、渋々、妖力の修行に勤しむことになるが、妖王を始め、他者に害など与えない心優しい妖々と過ごす日々で、人族も妖族も変わりはない、むしろ人族の方が無害な妖族へ害を与えているとさえ思い始める。
どちらにも腹黒い者たちが存在し、己の欲望のために周りを利用しているが、妖王の座を欲していた黒無によって飛羽衛を引き入れた濡れ衣を着せられた肖瑶は、無実の証明のために凡界へ戻ることになる。
この証明のための条件にされたのは、秉燭の剣を手に入れることだったが、それを察した秉燭が即座に現れ、この剣を巡る哀しい過去を聞かされる。
先祖代々、軍人で国に尽くしていた秉燭の家系は、父の代で悪人に貶められ、庶民へと落とされてしまった。亡くなった父親の、軍人の地位へ戻るという願いを叶え、兄を軍人への道へ進ませるため、秉燭の妹は自身の身を売ってしまうが、嫁いだ先は生贄への道であり、生き延びることは出来なかった。それでも死にゆく妹の魂がその剣に宿り、死しても秉燭の側で共に悪妖を成敗している。成敗の対象である悪妖かそうでないかは妹の意思に委ねられ、肖瑶に対して剣が反応しないことが秉燭の肖瑶への信用へと繋がっている。初っ端は紅燁に反応していたこの剣がいつからか反応しなくなったのは、おそらく悪妖ではないことを妹が感じているからなんだろう。そのことにそろそろ秉燭も気付きそうではある。
傍らでは、瓊華掌門の娘が行方不明となる事件や、若い娘たちの遺体が海底で見つかるという事件が同時に起こっていたが、この結末もしんどい。
瓊華掌門は、かつて病を患っていた妻を救うため闇落ちして人の血を吸う魔物と化してしまった。ほどなく自分のために闇落ちした夫の罪を知ることとなったが、見捨てることが出来ずにその罪を容認して娘たちの命を犠牲にしていた。その罪への懺悔のために菩薩に祈りを捧げていた妻は、同時に山の怪物と化した阿離(陳鑫海)を意図的に救っていた。
この阿離は、かつての玉醴泉の取り合いで、瓊華門と激しい戦闘を行った山の民の生き残りであり、復讐を誓って玉醴泉混じりの土を食ったために不老不死の怪物となっていた。これまで一人ぼっちで復讐という名の殺戮を行い、そのことに苦しんでもいたんだろうと思う。それでも死ぬことも出来ずにいた阿離の目の前に現れた瓊華掌門の妻は、自分にとっての菩薩に見えたのである。妻にとっても阿離へ残した言葉は自分への言葉であり、同じ罪を背負った阿離へシンパシーを感じたんだろう。それから人の命を奪うことを止め、奪ってきた命への贖罪を始めるが、その一環で、瓊華掌門の娘の目を治癒するために尽力していたのである。思いがけず繋がっていたこの縁だが、紅燁が疑われていた瓊華掌門の罪も暴かれ、その夫の罪を共に背負って地獄へ落ちる覚悟をした妻も命を落とすが、自分を救った彼女に寄り添って阿離もまた塵となってしまった。
これにめちゃくちゃ泣かされたんだが、阿離が本当はどうしたかったのかが分からず、この結果をどう解釈すればいいのか分からなかった。生き続ければ己の業から解放されるという言葉で善行を重ねながら生き続け、その彼女が地獄へ落ちると言うなら自分も共に着いていくというその心は、菩薩への誓いを果たすためだけに生き続けたこの生が、その死によって意義もなくなったということか。妻が夫にしたように自分の命で彼女の罪を拭いたかったのかもしれないね。
この哀しい最後をみても、飛羽衛も瓊華門も手柄だけに沸いていたが、秉燭だけはその尊い心に何か響くものがあったのか一礼してその場を去っていく。男主2がそんなに素敵だと男主1が霞むではないか。
八つに割れた崑崙鏡を元に戻せば、玉醴泉への道が記されるというが、その一部である「怨長久」は、阿離の持ち続けた心の恨みが形になって残ったということなのか。それだと残り七つも死によって形になるということになるけど、、、
追記ネタバレ 第9話~第11話。
割と早い段階から愛が深まっていた二人は、すれ違いやギスギス期間からの仲直りなどを経験し、なんだか既に極まっている。
肖瑶の望む通りに、何かときっかけを作って凡界へ戻そうとする紅燁は、心優しく穏やかで妖王たる余裕もある。それでも肖瑶が凡界へは戻らず万妖谷での生活を続けているのは、少し前に、凡界で経験した人族の妖族へ向ける憎しみが、肖瑶へも少なからず傷を付けたからである。あの時、率先して囉囉を痛め付けていたのは父親だったよね、確か。
お付きの小沐は、凡界からやってきた肖瑶の存在が、主人へ禍を招きかねないと警戒しているが、そんなことはお構いなしの二人は、度々凡界へ下りて思い出の麺などをすすっている。
肖瑶のために健気に下準備をして、現れた父親の元へも送り出す妖王が優しすぎんだが、その穏やかな雰囲気がとんでもなく良くてどうなってんのってなる笑
ほどなく二人の睦まじい時間は碎夢仙君の登場によって暗転する。人族の皇帝と同じく玉醴泉を探し求める碎夢仙君は、私欲に溺れて仙界を追放され、魔物となって烟虚境へ閉じ込もっていた。どこまでも美を求め人族の娘の命で若さを保つ碎夢仙君は、どうしても玉醴泉を手に入れたいらしい。これに皇帝も利用されているのだが、本人は自分が捨て駒だとは思っておらず、上仙への生贄として多くの娘の命を犠牲にしようとしている。これを任されたのは秉燭だが、任務は引き受けたものの娘たちの命を献上するつもりは毛頭ない、実に信頼のおける男である。
碎夢仙君が万妖谷に現れたのは、目的を達成するために邪魔な紅燁を排除するためだが、紅燁への殺意は序盤から見えていた。かつて崑崙鏡を完成させたのは紅燁だが、同じことを碎夢仙君が出来るのかどうかは分からない。出来なければ紅燁に崑崙鏡を完成させ、奪われる前に手に入れて命を獲るつもりなんだろう。
ともかく今は、自分の陣地へ紅燁を引き入れねばならないため、肖瑶を人質に取り、紅燁へ噬心毒を飲むよう強要する。復活したばかりの身体では、心が闇に呑まれる前に解毒出来るかは分からず、最悪命を落とす代物だというから、ここを離れて烟虚境へ向かう前に紅燁は死を覚悟しているように見える。戻れるかも分らぬ未来のために、万妖谷で禍となりえる黒無を追放し、結界を強固にしてからこの地を去った紅燁の命を案じ、結局、後を追う肖瑶だが、小沐を誤魔化すために肖瑶へ変身した囉囉を演じる譚松韻が上手すぎてわらう。
皇帝の命で生贄輸送を強いられた秉燭と、肖瑶や大麗の目的地は同じ烟虚境で、人族で頼りに出来る人間は秉燭のみの肖瑶は、彼の助けを借りることにする。捜し回った秉燭が現れて、絡んでくるクズへの連続平手打ちに萌えを感じました、、、
しかしあらかじめ不穏な状況だと分かってそこに飛び込むことは、自分以外の人間にはさせない素敵すぎる秉燭は、たった一人で娘たちを引率し烟虚境へ乗り込むことを決断する。
強い信念を持ち、命を顧みぬ行動力は若干危ういところだが、いざとなれば妹(剣)が守ってくれそうな気はしている。
秉燭の決断で締め出された肖瑶、大麗は、ちゃっかり船には乗り込んでいたけどね笑 大麗が美に惑わされて裏切りなんてことにならないかの不安は少々ある。
他に気になったのは、碎夢の手下の陸翩翩なる頬傷のある娘だが、秉燭はこの娘を知っているのかな。
つづく
追記ネタバレ 第12話~第14話。
陸翩翩は、飛羽衛で秉燭の先輩だった陸通の妹だったらしい。陸通とは、幼い頃に妖に攫われた翩翩を捜して飛羽衛へ入隊し、見付けられぬまま儚く散って行った男である。この意思を受け継いだ秉燭が本人を見付けたからには、陸通の願い通りここから解放させねばならない責任がある。しかしこの地へ多くの人族を引き入れ、人間の醜い姿を目にしてきた翩翩には、外界へ戻ろうがこの地へ留まろうが同じことだと感じている節がある。留まって碎夢の歓心を得れば、少なくとも顔面の傷が修復出来るという理由もあるんだろう。ゆえに自分より多く人間の堕落を見てきた秉燭の、人々のために悪妖を成敗するという大義が理解出来ない。
人の心は醜くともそれと同じくらいの美しさがある、あなたもこの地へ留まっていないで世界を見ればそれに気付くだろう、という言葉は、近頃、抖音で日本人の親切に触れた動画に付いていた「出来后才能看真实的世界」というコメントを思い出したよ笑
ともかくこの対話のすぐ後に、秉燭の言葉通り、肖瑶の優しさに触れた翩翩は目覚めかけている。
今回は碎夢の過去の哀しい過去も語られる。
かつて凡界に憧れて下界へ降りた碎夢は人族の男を愛してしまった。このまま生を全うする覚悟でその男と一緒になったが、男は身体が弱く奇妙な病に侵されてしまう。愛した男を救うため、玉醴泉があれば生きられるという大夫の言葉を信じ、崑崙鏡を必死で完成させて玉醴泉を探し当てた碎夢に待っていたのは男の裏切りだった。その憎しみから男一家を絶滅させた碎夢は、魔物へと変貌してしまった。仙界を追放され、このままではいずれ消滅する道しか残っていないため、不老不死の上仙に戻るにはどうしても玉醴泉が必要なのである。
愛を選んだがゆえに悲惨な最後となり、この虚しさしか残らぬ結果は、運命を受け入れて消滅するという気持ちにはとてもなれないだろうね。だからといって自分の選択の結果を人の命で補おうとしているのはどうやっても碎夢が悪になってしまうよ。
一方、囚われた紅燁は、噬心毒によって闇に呑まれる寸前をギリギリで耐えている。万妖谷を去る前に肖瑶に渡した元神の一部で今のところ視聴者も肖瑶も救われているが、紅燁を解放してもらうには碎夢の出す難題を乗り越えねばならない。これが終わっても解放されるのかは謎だが、そのために肖瑶は一人せっせと花の世話係をしている。
万妖谷で友情を築いた大麗は、烟虚境へ着いた途端に態度が急変して不安が現実になったんだが、妖王からの寵愛を受け、賢いがゆえに秉燭やその妹の信頼も得る特別枠の肖瑶へ、その劣等感から嫉妬が湧くのは分からんでもない。それでもあの頃の純粋で優しい大麗が彼女の本質だと思いたいが、肖瑶は態度が急変した大麗へ変わらず愛を注ぐ健気な娘である。
この頓智のような試練の最中でも、生ある者たちの醜い部分が露わとなって嫌になるが、自分がその境遇に遭えば同じようになる自信はそこそこあるわ笑
つづく
追記ネタバレ 第15話~第17話。
人の醜い部分を表面化させるような試練しかないのは、何か碎夢に意図したものがあるのかな。それでも選出に人の善悪は関係ないようで、悪のみを選ぶのかと思えば、究極の中でも彷徨う魂を救った肖瑶も碎夢によって選ばれていた。
大麗はそんなブレない肖瑶をこうありたいと羨みつつ、己の醜い心を恥じてはいるようだが、あふれ出した自尊心を手放すことは出来ない。外界では何の役割もない存在でも、ここで碎夢に重用されることが自身の存在価値を確認出来る唯一の手段であり、それにしがみ付く姿が少し哀しくもある。
側女に選出された肖瑶は、これを辞退して紅燁の解放を望むが、そう簡単にはいかないのが定期である。秉燭もまた、陸翩翩の解放を望んでいたが、碎夢を裏切った代償はおそらく死しかない。
そこで肖瑶は、秉燭と共に崑崙鏡の欠片を捜し出すことと交換で、二人+妹の解放を約束させる。この先、イイ男すぎる秉燭と二人で旅に出るということは、、、ますます男主1が霞むではないか笑
早速、提示された千歳山へ向かった二人は、饕煞という怪物をまず捜すことになるが、それとは別の怪物もそこには存在していた。しかも前々から怪しかった飛羽衛の手下が、万妖谷から追放された黒無と手を組んで悪巧みを画策していたために、それが合わさって混乱が生じる。
饕煞とは、姿から察するにおそらく饕餮のことであり、山で父母を亡くして彷徨っていた子修が、捜していたその饕煞なんだろう。遊ぶことが好きなだけの善良な子修は、黒無の悪どさに遭遇し、勢い余って真の姿を見せてしまうが、村長に拾われてこの地で過ごす子修は人の優しさを知っている。
一方で、悪巧みにしか能のない黒無は、阿力という村人の妻に奇妙なヤクを飲ませ怪物に変貌させていた。この夫婦の経緯も切ないものがあるが、やっと紅燁の元神の力で元に戻したと思えば、クズどもの矢に射られて逝ってしまう、、、
黒無による千歳山のゾンビ大作戦は、子修が饕煞の姿を露わにしたことによって終焉したのだろうが、今度は崑崙鏡の鍵である子修を狙って来ると思うとほんとダルい。
今のところ、秉燭が男主1かというくらい紅燁の出番がないね笑
つづく
追記ネタバレ 第18話~第20話。
天からの使命で崑崙鏡の欠片を守っていた子修は、千年前に出会った余命の短い錦歌のために欠片を手放していた。この使命を違えれば罰が下ることは分かっていたが、それでも戻って来るといった錦歌を千年間、姿を変えることなく待ち続けていた。欠片を手放した罰は、千年きっかりで下る仕様なのだと思われるが、待ち続けた錦歌に再会することなく子修は塵となってしまう。残ったのは千年間手放すことのなかった想い、「放不下」の欠片である。
この錦歌とは、かつて愛する男を救うために崑崙鏡を完成させた碎夢であり、男に騙されて千年前に子修から欠片を盗んだ経緯があった。
後々騙されていたことを知り、この頃までの自身の心を封印して魔物となった碎夢だが、生ある者の情を試すような試練の数々は、裏切られてもなお、この世に本物の善や愛があることを何度も何度も確認したかったんだろうと思う。玉醴泉を欲していたのではない、求めても届かなかったものが既にそこにあったことを信じられず、千年間それを誤魔化していたのである。この千年もの間、自分を恨むことなく待ち続けた子修の情で、やっと欲するものを手にした碎夢は、「求不得」の欠片を残して塵となっていく。このシーンなんだけど、、、趙麗穎の玲瓏心が欠けているゆえの絶妙な表情と、背面で流れる「人间辞(人間辞)」のせいでめちゃくちゃ泣いちゃったわ。(この曲の歌詞は別の意味で切ない。)
この過程で大麗も命を落とすが、仲違いとなった関係をどう修復するのかと思っていたのも、裏切ったとき既にこの結果は決まっていたのか。大麗の抱えていた思いは、以前、肖瑶に直接告げた言葉通りだったようだ。
碎夢が消滅し、幻影も解けたために烟虚境のターンも終わるが、戻り際の秉燭と翩翩がいい感じになっている。秉燭はこのまま妹と共に悪妖退治だけを実直にやるだけの役割だと思っていたが、翩翩とは別の関係が生まれるのかもしれない。烟虚境では、命を懸けて皆を逃がそうと試み、その後、乱心して悪妖でもない紅燁の命を獲ろうとしていた秉燭は、その自分を顧みて反省出来るような何の欠点も見られない男である。おまけに顔面もいい。いやすぐ好きになっちゃうでしょこれは。
同じように、焚心訣で自身もろとも碎夢を滅すると選択した紅燁も、最後まで貫徹出来ずともその後に妖力を無くすという弊害が起きている。ただしこちらは既に絆が固く、揺らがぬ安心感がある。
飛羽衛に囚われた囉囉と肖瑶を救うため、妖力に見せかける技を手動で行う紅燁が、飛び去ることもなく徒歩で逃げていることが新鮮でいい笑
しかもこの忙しいときに、千歳山にのこのこやって来ていた黒無が次に何処を目指したのかと思えば、紅燁不在をいいことに調子こいて万妖谷で猛威を奮っていた。同族を傷付け、力で支配する黒無から囉囉だけは逃れて凡界へ辿り着いたが、今のところの紅燁には妖力がなく、黒無を倒して万妖谷を取り戻すことはどう考えても無理がある。加えて焚心訣の影響がこれからどう響いてくるのかの不安もある。
一方、凡界へ戻った秉燭は、腹黒皇帝や黒無と手を組む手下に嵌められ、死罪の宣告を受けるなど散々なのだが、これは翩翩が何とかしてくれるはずだ。翩翩が思いのほかカッコ良いし、どの場面でも汪鐸がひたすら美しくて困る。
つづく
追記ネタバレ 第21話~第23話。
碎夢の玲瓏心は、魅に変貌する前に手放してあの花壇に埋めていたものだと思っていたが、秉燭を救うためにそれを使用して翩翩が魅へ化したということは、体外へ出したとて、玲瓏心はその所有者と同じ変化を辿っていく仕様なんだろうか。
ともかく碎夢の玲瓏心を体内へ受け入れた翩翩は、感情も持たない無慈悲な魅への道へ向かっている。このまま完全体となって悪事を働き始めれば、斬妖使である秉燭はいずれ翩翩を絶たねばならない。
儚げな二人のこれから先の関係を割と楽しみにしていたのに、一転して厳しい状況に陥ったことが悶絶ものなんだが、こうなると翩翩が秉燭を守って消滅するような妄想しか出来なくなった、、、少しずつ変わっていく翩翩をふんわり抱き締める秉燭がなんだか切ない。
この二人の様子を監視していた飛羽衛の手下だが、コイツは何者なんだろう。目的はおそらく玉醴泉なんだろうが、黒無と手を組んで悪巧みしていた割に、今回は黒無を騙して捕えていた。となると、皇帝に忠心などなさそうな男が、よもや主導だとも思えないため、他に忠誠を果たす何者かがいるのかな。
一方の万妖谷では、黒無を追い出すための作戦が着々と進む。
肖瑶を危険に巻き込まないため、紅燁は囉囉だけを連れて万妖谷へ戻ることにしたが、相変わらず徒歩移動の紅燁は、同じ徒歩移動の肖瑶に追いつかれてしまう笑
速攻追いつかれてちょっと笑っちゃったんだが、紅燁にとっては、肖瑶が苦難を共有しない自分にぷんすこしていることで悩み、妖力を失くし大事な者たちを守れないことの苦しみに陥るなど散々である。それでも万妖谷に残る仲間と団結して黒無を脅かし、そそくさと退散させることに成功するが、その方法も手動でやり遂げるほのぼの感が半端ない。
黒無という妖は、たった一人の忠臣にですら情の欠片もない自己愛の塊で、良いように使われていた鳥恒は、散々尽くしたあげく目もくれられずに置いて行かれてしまった。この仕打ちを受けても反発する鳥恒が、クズへの忠心をいつまでも手放さぬターンが若干長くてもどかしい。それでも最終的に惑わされていたことを認め、紅燁への誤解が解かれたのはめでたい。(黒無が飛羽衛へ捕らわれたのはこの退散後です。)
次なる目的は妖力を取り戻すことだが、以前、話に出ていた天穹石を求めて二人は西海之濱へ向かうことにする。この海域は呑宝獣という古代の妖が宝を死守しているため、簡単には辿り着けない場所らしい。そこで鳥恒の出番となるが、現身がハヤブサだったことも、タイミング良く改心したことも、根気強く説得した甲斐があったね笑
つづく
追記ネタバレ 第24話~第26話。
なるほど、、、これはいわゆる「千朵桃花一世開」の謝雪臣と同じパターンか。
呑宝獣との若干長い戯れを経て天穹石を手に入れた二人は、まず紅燁の元神を取り戻すために過去へ戻ることになる。戻るのは肖瑶一人だが、その途中で天母娘娘に言われた「始終是你」が何を意図しているのかこの時は分からなかった。
百年前に戻った肖瑶が、おそらく寧安や紅燁にとって初見だった時の肖瑶の対応は、人族に忌まれる妖にとっては俄然好意が湧いただろう。ゆえに紅燁が百年前に愛した寧安は、実際のところこの肖瑶だったんだと思う。開幕の騙された局面も、元神を取り戻す条件である一滴の涙を得るための肖瑶の芝居だったのかもしれないね。それまでの過程はまだ分からないけど。
ということで結局紅燁は、寧安などではなく過去も現在もずっと肖瑶を愛していたというわけである。
前にも増して「愛別離」は、紅燁の残していく欠片なんじゃないかと思えてしまうが、そうなると崑崙鏡を完成させた後は誰の手に渡るんだろう。
一方で現在の三界は、黒無の悪巧みで禍が起き始めている。
あんな下級の一妖族に、妖尊がコロッと騙されるのが謎でしかないが、醒ますべきではない者たちの目を醒まし、万妖谷への影響は免れない事態となってきた。
それでも封印の解かれた3妖がお馴染みのメンツで、どうみても敵とは思えないんだけど、、、紅燁の焦りようからそんなはずないんだけどおかしいな笑 因みに黒無もポンコツすぎて憎らしさはさほど感じていない。
碎夢の玲瓏心に支配された翩翩の存在で、秉燭だけは不憫な状況が続いているが、情と大義の挟間で苦しむ姿が不憫枠代表の汪鐸に合っている。他にも、黒無を捕えて、またも逃がしたのが意図的なのかどうか、あの飛羽衛手下の存在がやっぱり謎だな。こちらが予期せぬところ(秉燭の命が助かったくだりなど)のしたり顔も敵なのか味方なのか分からないんだよね。
つづく
追記ネタバレ 第27話~第29話。
引き続き百年前で交流を深める二人は、中身が肖瑶なだけあって心を寄せ合うまでが早い。公主が妖族を擁護する態度は、以前も皇帝によって罰されており、そもそもの寧安自身の思想も肖瑶や紅燁の求める共存だったのだと思われる。
ただし世間的な妖族の存在は相変わらず滅せねばならぬ敵であり、人間の犯した罪も妖族へ押し付ける風潮のせいで、妖への責任転嫁があちらこちらで行われている。
たまたま起こった二つの事件の一つは、邪魔になった妻を夫が殺めて妖族へ押し付けた事件だが、この罪は肖瑶の追及によってすぐに暴かれた。
二つ目は、娘が嫁ぐ日に妖族に攫われたという事件だったが、実際は、好いた男と駆け落ちさせるために娶るフリをして逃がしたという家族ぐるみの計画だった。
娶るフリをして相手の娘を逃がした家族は金花鼠の妖であり、人族によって山を追われたと同時に行方不明となった息子(小金)を捜して凡界へ降りてきていた。その小金は金花鼠の姿で裕福な徐家の阿泰(少爺)に飼われる日々で、友人もない彼との深い繋がりが生まれていた。
ほどなく徐家が家を移ったため、小金はそのまま旧家に残され、やっと父母の元へと戻ることが出来たのだが、離ればなれとなった阿泰への友愛を手放せず凡界に未練を残して山へ帰ることが出来ない。3年捜し続けて見付けた時には、自分の存在を忘れていた阿泰に、かつての言葉はまやかしだったと絶望した小金はそのまま凡界を後にする。
ここまでを観ると、人間はどれだけ愚かで薄情なのかを問う、ファンタジーでは定番の流れなのだが、当時の阿泰は金花鼠としての小金しか知らず、いきなり現れた見知らぬ人間が自分の大切にしていた小金だとは正直分かんないでしょ笑
それでも阿泰はすごいよ、昔と変わらず汚れぬ心を持って大人になり、忘れていたわけではない存在を脳内で一致させて追いかけてくるんだから。現実的に考えればどう考えてもおかしいのだが、結局、胸が一杯になって泣かされる情緒への揺さぶりが脅威だ、、、このドラマの主軸はともかく、サイドストーリーには泣かされてばっかりだよほんと。
万妖谷では、今と変わらぬ野心を持つポンコツ黒無が紅燁を貶めることに躍起になっている。妖王だからといっても独裁なわけでなく、一定の規則に沿って意に反することもおそらく受け入れねばならないことが妖王にもあるらしい。
その中に人族を生贄にすることも含まれているんだろうが、肖瑶は共存への道へ進むために捕らえられた飛羽衛の首領と子供たちを解放することにする。人族が妖族の領地に来てそんな勝手が許されるのかは謎だが、紅燁は自身が犠牲になれば良いとどこまでも肖瑶を守る覚悟である。
結局、逃がした飛羽衛の首領へ託した約束は果たされず、その身の処遇は皇帝へと委ねられるが、予想に反して友好的な姿を見せた皇帝は、公主と妖王へ婚姻を結ばせ共存の道を託すなどと言い始める。母親が妖だったなど尤もらしいことを言っているが、おそらくこれは妖王を倒すための罠であり、どうみても怪しさしかない。しかも娶る条件に目的の崑崙鏡の完成を提示している。
そうか、崑崙鏡を完成させて人族に捧げたのは、婚姻の条件にされていたからか。この後、回想にあった挙式の日での経緯が分かるのだろうが、この様子だと肖瑶は操られていたのかもしれない。
回想では、紅燁の涙をどうにかしたような描写はなかったと思うが、目的の涙は手に入れられるんだろうか。
つづく
追記ネタバレ 第30話~第32話。
案の定、崑崙鏡だけを奪って紅燁を滅するつもりだった皇帝は、肖瑶を操って回想通りの展開となる。あそこで崑崙鏡が再び散り散りになったのは、紅燁がなにか保険をかけていたんだろうか。
紅燁が消えたと同時に宙に浮かび上がった元神(涙)を手に入れた肖瑶は、そのまま現世へと戻される。
あの時点で既に崑崙鏡を手に入れることに執念を燃やしていた皇帝の意思は、現在でも引き継がれているのか、面倒くさいなぁもう。
現世に戻った肖瑶に待ち受けていたのは封印を解かれた古代の3妖との対面だったが、ひとまずそこは眼中に入れず紅燁との二人の世界に浸る姿を面前で見せられる、ポカン顔の3妖+ポンコツ黒無がほんと笑えるんだけど。王森(窮麒役)が相変わらずいいなぁ。
過去を辿って百年前の寧安が肖瑶だったと分かり、その母親が妖族だったために肖瑶が半妖だという説明もついた。しかしそれだけではなく、肖瑶はそもそも一万年前に事情があって記憶を失くした妖族の何者かであり、この3妖と紅燁とは当時から深い繋がりがあったようだ。失くした記憶の詳細は未だ謎だが、その頃から3妖は紅燁を憎んでいる。この辺りに紅燁が妖王へ選ばれた事情もありそうだが、以前、小沐小明が言っていた紅燁の現身が不明な件もこの事情が分かれば判明するんだろう。
という感じの3妖を交えたわちゃわちゃが落ち着かぬ間に、秉燭率いる飛羽衛が乗り込んでくる。今や碎夢の玲瓏心と融合した翩翩は、秉燭の剣(妹)に意識を宿らせ、離れていても会話が出来るという妙技を編み出している。そんな翩翩が心配でたまらない秉燭だが、翩翩自身も必死で碎夢の玲瓏心の意識に抗っている。
それでも完全に支配される時が近いことを感じる翩翩は、兄に代わって自分を守るといった秉燭の約束を、3つの願い事を叶えることで十分だと言いながら、初めて会った時の自分の木彫り作成を一つ目に上げるなど、おそらくこのシーンは別れの近付く二人の哀愁を感じてしんみりするところなんだよ、、、それなのに、大妖の弱点である肖瑶をどうにかさせようと秉燭をそそのかし、雲夢澤(3妖が封印されていた場所)へ連れて来たポンコツ黒無が、背面でポカン顔して突っ立ってる姿が面白すぎて集中出来なかったじゃないの笑
一方で万妖谷の小妖たちに懐かれ、まんざらでもない3妖も、紅燁を滅する目的など忘れて懸命に指導をしている。誰更強!誰有理!んとこめっちゃ笑うんだけどどうなってんの笑
というわけで、そもそもが妖族である彼らの同族への愛は紅燁以外には生じている。この3妖+黒無は完全にコメディ担当だが、黒無はともかく、大妖3体は小妖たちの羨望する思いをきっと裏切らないはず。
傍らで肖瑶の取り合いも始まるが、その争いを収めるために一万年前に起こった出来事を聞くこともなく紅燁を選んだ肖瑶は、再度挙式を執り行うことにする。ここで出現したのが、紅燁の想いが形となった「愛別離」だが、死を経て形となってきた欠片が、これまでと違って法則外だったことに何の意味もないんだろうか。過去に一度塵となった分が現在に出現したのかな。
気になるのは、コメディ枠の3妖でも、一万年前の紅燁の仕打ちは殊更厳粛に捉えていることだが、このまま愉快な雰囲気でやってくれてもいいんだよ?
毎日3話更新であっという間に終わりそうだけど、正月休みが終わった平日の3話更新きついわ笑
つづく
追記ネタバレ 第33話~第38話。
過去の記憶を失くしている肖瑶へ、どれだけ紅燁が非道だったかをどうしても知って欲しい3妖は、ひとまず一致団結して肖瑶を過去へ送ることにする。
コメディ枠の3妖があれだけムキになり、道中の天母娘娘もまた、過去を知れば絶対に後悔するよ、と言ってたのもあって、どれだけの事情が知らされるのかと思っていたんだけど、、、
力のない人族が長年妖族に虐げられ、同族を殺戮された人族皇子の紅燁が、3妖を騙して扉を開き玉醴泉を得たという、ただやられたからやり返しただけの話だった。
力のある妖族には、同等の力もなくむしろ欠けているという理由で、その命の価値など無とされ虐げられる人族の気持ちは分からないだろう。ゆえに3妖が「コイツが何したか分かってんのか!」とムキになっていたことが、どうみてもオマエもな、と言わざるを得ない。
同族を無残に殺戮され、守るべき者を守れぬ弱い自分を直視させられた紅燁はさぞ惨めな思いだっただろうね、、、玉醴泉へ一歩一歩足を踏み出す紅燁の、やっと守れる力を手に入れられるというちょっとした高揚感のある表情が、逆にたまらなく不憫だった。
龍王という立場の肖瑶は、気持ちは変わらずとも妖族を殺めた紅燁をやはりやらねばならなかった。それでも命は獲らずに封印し、自身の命を以って世界へ安寧を与える選択をする。
肖瑶に守られた命は五千年後に目覚め、妖族の長を引き継いだ龍煜によって妖王へ任命されたのだと思われる。現身が不明だと言われていたのも、そもそも人族だったからなんだね。
現世へ戻った肖瑶は、過去を経験したことで3妖へも紅燁へも築いた互いの情が更に強まることになり、争いを生み続ける元凶の玉醴泉を破壊する方向へ皆で進み始めたため、結果的に良かったと思えた。
ただし秉燭の雲行きが怪しい、、、ポンコツ黒無はともかく、翩翩の意識に引っ張られて、剣(妹)もおかしな方向へ向かっている。
残り2話も既に解禁されているけど、本日はここまで、、、
つづく
追記ネタバレ 第39話~第40話(最終話)。
一万年もの眠りから醒めたばかりの3妖は、小妖達とひと時の時間を過ごしたのちに、手分けして欠片を探しに出掛けた先で、魅へ変わり果てた翩翩とそれに引っ張られて闇落ち寸前の秉燭によって成敗される。これが斬妖使である秉燭の実際の役割なんだが、愛らしい3妖の姿を散々見せられた後ではなんだか複雑だった、、、
この戦いで、秉燭を庇った翩翩は命を落とすが、死にゆく前に妹に身体を残して散っていったあの姿は元の翩翩だった。かなしいね、、、秉燭を救うために魅へ堕ちることを甘んじて受け入れ、意識が支配されたあとも抗い続けて最後まで自分自身の一片だけは堅持していた。それが最後に秉燭を庇った意識であり、自分が消滅した後は彼のために妹を返すところまでやってのけたのである。
元々、妹を奪われた恨みで捉妖師への道を選んだ秉燭だが、その妹は、永遠に守ると約束した翩翩の身体で戻ってきた。この事実を知ったあの時の涙はおそらく嬉しさもあっただろう。それでもそれを超える自責と後悔による虚しさは、戦意も失わせてしまったんだろうと思う。直前まで紅燁と激しく戦い、玉醴泉の力で翩翩を蘇らせようとしていたことも無意味となった秉燭は、妹と共に静かに凡界へ戻って行く。
今回の汪鐸は特に美しかった。汪鐸のああいう類の泣きじゃくる姿は初だったが、それも全て美しかったわ。
それに比べて、黒無と飛羽衛の手下のへっぽこさたるや、、、
最後までこの手下の企みはパッとせずほとんど謎だったんだが、そのくせ小沐を塵とする要因にはなって、ほんと意味が分からないよ。
一方、秉燭から託された欠片で崑崙鏡を完成させた紅燁は、肖瑶と共に扉を開き玉醴泉へと足を踏み入れる。しかしこの玉醴泉は、人々の欲望がある限り消滅などさせられない代物であり、だからといってその欲望をこの世から失くすことも出来ない。
ゆっくり肖瑶の方へ顔を向ける紅燁の表情でこの先は見えていたが、自身の中に玉醴泉を封印し、その身体ごと自分も封印することでこの世の安寧を築く選択をした紅燁は、そのまま別の時空へと消えてしまった。
妖王が消えたあと、人族の皇帝も偽玉醴泉を口にしてご臨終となり、利用されていた飛羽衛も解体となる。悪巧みをする全ての人妖が消滅したために争いの意味もなくなった両族は、ひたすら紅燁が望んできた共存への道を歩み始める。
それを見届けた肖瑶は、ひっそり修練していた妙術を錬成させ、自身の記憶の中の最も戻りたい場所へと戻って行く。戻ったのは、紅燁と出会ったばかりで万妖谷へと連れ去られた時期であり、ここから二人の時間はもう一度始まる、という最後となる。
いつ戻って来るの、と問う小明に何も答えず旅立った肖瑶の、これが記憶の中だということに若干切ないものはあるが、紅燁のいない世界では生きる意味のない肖瑶にとって、記憶の中でこの世の動向に邪魔されることなく共に過ごせると思えば、一応、ハッピーエンドなんじゃないかと思うわ笑

































