一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『长相思(長相思)第ニ季 Lost You Forever』

2024年 7月~ 中国 全23話予定

 

原作 「长相思(長相思)」桐华(桐華)

 

出演

小夭→杨紫(楊紫)

玱玹(瑲玹)・西炎王→张晚意(張晚意)

叶十七(葉十七)・涂山璟→邓为(鄧為)

相柳→檀健次

 

ちゃんとWeTVで配信されて嬉しい、、、

 

ネタバレ 第1話~第5話。

西炎王から戴冠され、新たな王となった瑲玹の姿で終了した第一季。守るべき人を守るため、自分の想いは封じ込めて権力を手にしたわけだが、やはり小夭への強い想いは抑えられていない。

 

西炎王となり国の情勢も安定させたために、次は王后を娶らねばならない瑲玹は、また一人妻が増えることになるが、小夭以外の女は見えていない。そのため、王后となった馨悦への対応は、挙式の日ですらおざなりである。分かるけど態度に出すぎなんだよな笑

喜び勇んで嫁いできた馨悦は、瑲玹の小夭への気持ちが未だ兄弟愛だと思っているようだが、事実に気付いたとき、小夭へ害をもたらさないかが不安なところ。

この後、おそらく阿念のことも娶るのだろうから、瑲玹大好き娘たちに囲まれた小夭の身は大丈夫なんだろうか。今のところの阿念との関係は以前にも増して姉妹感があり、懐いている阿念も愛らしいが。

 

権力を持たねば守ることは出来ない小夭のため、興味もない立場を維持しなければならない瑲玹は、酒の力を借りることでしか気持ちを口にすることが出来ない。それも、じいちゃんに諫められるのだが。

じいちゃん(大尊)だけは、その気持ちを見抜いているが、王という立場の瑲玹に自制を強いねばならないのは実に難儀な立場である。

 

小夭はその気持ちにもしかしたら気付いているのかもしれない。しかし、何年経っても未だ、璟を失った喪失感を抱えて悶々と過ごす姿は、正面から自分の気持ちをぶつけて安心感を与えてくれた璟が余程恋しいのだと思われる。小夭を見ていると、家族の元へ戻ったものの、かつての孤独から抜け出せていないように見えるが、それでなければ全ては璟への恋しさからなのだろうか。

璟との関係も終わり、瑲玹が王となった今、小夭は目標を失ってしまった。じいちゃんがそう言っていたが、元々、国家間の争いを避けて清水鎮で過ごしていたのだから、どこか自分の居場所ではない思いが小夭にはあるのかもしれない。

 

その璟には、一季からの個人的な印象は変わらず、何を今更という気持ちで観ている、、、(十七推しの方々ごめんなさい)

散々、小夭を傷付けておいて、未だ小夭は私の命とか言ってることに苛立ちが募る。

子を孕ませたという日の記憶を(命を懸けて)辿るとか、子との血縁関係を調べるとか、それ今なの?何年も経った今やるの?ほんといみふなんだけど、、、

どうやら、あの日に意映が妙薬で小夭に化けていた、又は幻覚を見せられていたという記憶は取り戻したようだが、その後は何も覚えていないという。そうなると、兄(涂山篌)の子だと思っていたのも、もしかしたら本当に璟の子なのかもしれない。血液鑑定でも、一族の血が流れていれば誰が父親なのかは特定出来ないようだから、それが篌であっても血縁という判断になる。しかしそれが分かったところで、小夭は赤水に嫁ぐのだから、やることが遅いんだよという気持ちである。結局は、自己の欲するものを都合良くその都度選択してるだけのエゴにしか見えない璟を、どうしたら私の中で払拭出来るのか、、、出来るものならしたいんだけど笑

ただ、結果的に璟と最後は一緒になりそうな気はしているため、そうなって小夭が生気を取り戻せればいい。

 

璟の記憶を取り戻すために協力してくれたじいさんは、以前、相柳に蟲の話を聞かせてくれたじいさんだが、割と高貴な人だったのに驚いた。

いきなり大将軍(赤宸)の歌を歌い始めたりしてどうしちゃったのかと思わされたが、赤宸を敬愛している様子を見ると、かつて赤宸に仕えていたのだろうか。

小夭が赤宸の子だという雰囲気も漂わせていたし、相柳に早く蟲の解除をしろと迫っていたのも、姿を見間違えていたのも、赤宸と相柳の間には何か関係があるのかな。

 

未だ、相柳はかつての恩義を忘れることなく辰栄残党の身で過ごしているが、きっと心の隅では、早くこの重荷を下して自由気ままに好いた女と帰る家を拵えたいという思いはあるんだろう。その気持ちが、窓の外の老夫婦と孫を見つめる姿でなんとなく見えたところだが、相変わらずの憂いのある芝居に不憫さが否めない。

血まみれになって命を落とす運命だと、なんとなく予想は付くために、相柳には一層悩ましい気持ちにさせられる。(あの歌は声が軽やかすぎて笑ったけど。)

蟲を解除しよう、と小夭に言われたときの哀し気な顔、、、交わした約束は守ると言われていた相柳は、小夭に何を要求するのだろうか、一つしかないけど、、、

 

今のところ、誰もが闇を抱えて生きているためオープニングのあの曲がものすごく刺さるな。

瑲玹に関しては、皓翎に出兵するという赤水の言葉が気掛かり。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第6話~第7話。

相柳の不憫さが益々増している、、、

赤水に嫁ぐ小夭に、約束を覚えているか、と言って華麗に連れ去った防風邶(の姿をした相柳)は、その足で清水鎮に向かう。

高貴な身分同士の挙式に横やりを入れた格好となった身分の低い防風邶は、この事態の収拾がつけられないために、その存在を消さざるを得なくなってしまった。そのことを淡々と語る相柳は、小夭の怒りをまともにくらう。散々なことを言われて、相柳も傷付いていたはずだが、これまでの様にそんな姿は一切見せない。

 

短い間でも友人であった防風邶を小夭から奪った格好となった相柳は、これからの人生で長く側に居てくれる人を代わりに与えることにする。

代わりの人とは璟のことだが、挙式の邪魔をしたのは葉十七に頼まれた経緯があったことを語って、小夭を彼の元へ送りだす相柳は、もはや想いを打ち明けるつもりもないのだろう。自分の心を殺し、小夭が寂しい思いをしないよう、好きだ好きだと言ってくれる璟と対面する機会を、このようにして与えるのである。

馬車を見送りながら佇む相柳の哀しい微笑みやめてくれんか(´;ω;`)ウッ…

これが実に不憫だっただけに、何だかいい雰囲気になった二人が馬鹿馬鹿しく思えて白けてしまった、、、

何があったか思い出せないのに、何もなかった、相手が愛するあなたではなかったから、とかいう璟の言い分も、え?だし、私があなたを信じていなかったから、今こんな風になっている、という小夭の言葉も、どれだけ自分を卑下しているのか。明らかに璟の優柔不断のせいだが、、、生きているうちの罪悪感には耐えられず、命を落とせばそれが無くなるのだから、好いた女のために命を軽んじて、一族の後のことはしーらない的な態度が端々から見えるため、やはり全然好きになれない。(再度、十七推しの方々すみません)

だから、清水鎮で暮らしていた頃に、医院を任せて別れた甜兒と再会して十七の話が出た時も、甜兒が手を付いて「六哥」というシーン以外には心は全く動かないのである。この璟の役柄には山ほど言いたいことはあるが、もう言うまい、、、ド、ドラマだからね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第8話~第9話。

一季から一年経って、拗ねらせ兄貴のクズっぷりの記憶が蘇ってきた今回。

相変わらず、幼少時の恨みを手放せずに、意映を利用して璟に毒を盛っていたようである。それを見越して毒は回避していた璟だが、調べ始めた子の父親が篌だという事実の証拠を突き止めねばならない。

この件で小夭も独自に策を巡らせる。

璟を池に飛び込ませて篌を誘き寄せてから、意映の嫉妬心を煽って不和を招く、という方向へ仕向けられた二人は、その計画通りに動き、ようやく事実が明らかとなる。

 

やっとのことで、拗ねらせ兄貴と愛人意映を青丘から追い出すことが出来たが、意映の情を利用して散々暴挙を振るっていた篌への罰が軽すぎないか?自分が利用していたにも拘らず、意映が誘惑してそそのかしてきた、などと真正のクズっぷりを発揮した篌には、もっと厳罰を科さないとだめだろ。

利用されていた意映は死にたくても死ねずに、山でなぶられ続ける生を送ることになるのに。長年、偽の情で騙されて、拗ねらせ兄貴の恨みを果たすために利用され、家族からは涂山との関係を経つもんなら拷問が科された意映は、一季では憤りもあったものの実に気の毒に思えた。全て篌の存在ゆえだが。

かつて意映は、相柳と一緒になって瑲玹を狙っていたが、弓の名手がいなくなったのは幸いなところ。

 

晴れて小夭への想いに全力を注ぐことが可能となった璟は、改めてその想いを伝えて、今のところは丸く収まったようである。

相柳は、そう願って小夭を送り出したのだから、彼女のためだと自分に言い聞かせて定番のヤケ酒を煽る。

瑲玹の方は、小夭への甘えが過剰になっている気がして、毎度ハラハラさせられる。いつも見守って、時には諫めてくれるじいちゃんの存在が、なんとか瑲玹を暴走させずに済んでいるが。じいちゃんほんと素敵だよ、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第10話~第11話。

ほどなく、小夭が皓翎王の子ではなく赤宸の子だという噂が広まる。幼少時から聞かされてきたこの噂を、考えぬようにしてきた小夭だが、常にこのことは頭の隅にあったのだと思われる。

そこで、聞けずにいた母親と赤宸の事情を知るために、蟲のじいさん(相柳と懇意にしていた食堂のじいさん)の元へ出向くことにする。

このじいさんが亡くなっていたことには驚いたが、璟の記憶を取り戻すあの妙術で寿命を費やしたのだろうか、、、あの時、璟も寿命を削ったはずだが、術を施したじいさんも無理が祟ったのか。

 

恐れていた出自がいよいよ現実のものとなり、世界中の敵である卑劣で名高い赤宸の、少しでもいい話を聞いて現実を飲み込もうとした小夭は、聞かせてくれる相手が皆無なことに絶望してしまう。

これを慰めるのは、腹が減ったら頭の一つを食うなどと冗談を交えながら、その傷付いた心の捌け口になるよう現れた相柳である。結局、相柳の言っていたように、母の選んだ人だから間違いはないと思うしかないのである。ここでの会話を聞いてると、相柳は戦場で命を落とすことになるのは間違いなさそうだ、、、

その後に璟が手にしていた提灯を見ると、赤宸も国のため民のために、かつて大将軍として戦に出向いた母と同じ志を持っていたように思えるが、そのことを知っている者はおそらく残ってはいないのかもしれない。

 

この噂を流したのは嫉妬に狂った馨悦だと思っていたのに、実は瑲玹の仕業だったようである。この時は、小夭の帰る場所を無くして永遠に側に置いておくための私情だと思っていたが、11話まで観ると事情が分かってくる。

 

皓翎王は、元々、小夭が自分の子ではないのが分かっていた。それでも妻も娘も愛していた彼は、小夭に対して自分の子のように接してきたわけだが、この噂を決定付けるため、皓翎王姫ではないことを公言して小夭を皓翎から除籍することにする。

こうなってみると、以前、赤水が言っていた、皓翎に出兵するという話は、どうやら間違いではないのが分かってくる。戦になることが確定しているため、瑲玹が噂を流して小夭が皓翎から追放されるという流れを、赤水はそもそも予測していた上での馨悦へのあの対応だったのか。

皓翎王も、この瑲玹の思惑が分かっていて、小夭を皓翎から追い出す格好となったわけだが、瑲玹も皓翎王も、全ては小夭を守るためである。

赤水は、小夭の相手としては皆無な存在でも、賢く忠実で心も広い、一番出来た人間だと思う。馨悦にも、瑲玹を煩わせるようなことはするなとしっかり釘を刺している。

 

瑲玹は、幼い頃に人質として皓翎で過ごしていたのだから、二国間の関係は不安定だったのだろう。皓翎王が賢王だったために、瑲玹も虐げられず大事に育てられたわけだが、その私情と国家間の問題は別だといって割り切れる瑲玹は大したもんである。

私情で揺らぐのは小夭に関してのみのようだな笑

目的は神族の統一なのだろうが、終盤にかけて血まみれになりそうだね、、、皓翎王の苦しむ姿は見たくないけど。

 

小夭としては璟に嫁いで族長夫人になる準備は出来ているが、これを阻止したい瑲玹は、なんだかんだと道理に合う言い草で小夭の気持ちを自分の望む方へ向かわせる。

この瑲玹の刷り込みで、璟も同じ気持ちだと思い込んだ小夭は、医師としての修練のため婚期を遅らせることにする。娶る覚悟で出向いて来た璟は、一瞬戸惑うものの、すぐに切り替えて小夭の意向に沿うことになるが、相変わらずそこは以前と全く変わっていない。

戸惑った表情からすぐにいつもの微笑みに代わる芝居から、小夭が幸せならそれでいいか、という心の動きが分かりやすい。

 

素敵すぎる西炎のじいちゃんは、もはや草鞋を編む劉備みたいになっている笑

 

これまでの3人のそれぞれの愛し方に関する個人的な印象は、

瑲玹→想い人の気持ちは構わず自分が幸せになるためだけの独占欲。おかしいね、一季の終盤はそうではなかったはずだけど。

璟→残された者の気持ちは考えず、想い人のためにといって命を軽んじるただの自己満。

相柳→信念を通すため、そもそも想い人に気持ちを悟らせず、相手にとっての一番の幸せを考える利他愛。

 

相柳を贔屓しているわけではなく、見たそのままの印象です、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第12話~第13話。

赤水を筆頭にして皓翎への攻撃は既に始まっていた、、、

周りの人間の様子がおかしいことに気付いた小夭には、瑲玹もいつまでもは隠してはいられない。

案の定、小夭の怒りを買うことになるが、攻め入った理由を切々と聞かせる涙目の瑲玹は、一国の王として戦を決断した凛々しさは無くなっている笑

 

うーん、過去に皓翎王が援軍を出さずに、結果的に瑲玹の父を見殺しにした経緯は分かった、しかもそれが私情に関わらず皓翎王としての決断だったことも瑲玹は分かっている。それでも父親や母親、叔母を死に追いやり、そのせいで小夭が玉山に送られ離れ離れにさせられたことを恨んでの侵攻ということなのか、、、?仇討ち的な、、、?

皓翎に攻め入っても、無垢な民衆には危害を加えないやり方は、元々の瑲玹らしい素晴らしい心構えだが、皓翎王が民衆に暴挙を振るって苦渋を強いていたわけでもないのに、攻め入って統一する意義はあるのだろうか。統一すると何かいいことあるの?

これまでも師父師父と言って、皓翎王に大きな愛で包んでもらい、国の治め方に問題を提議していたわけでもない。むしろ側にいて皓翎王の人となりを少なからず分かっているはずである。そのため、この侵攻の理由は、話を聞いた限り過去の恨みのみとしか思えないのだが、何か見逃しているのか、、、

国家間の話に、私の気持ちは考えないのか、といってぷんすこしている小夭の狭い了見もどうかと思うが。

 

このせいで、皓翎を倒した後の次の標的は、辰栄残党の相柳側となる。

恩人の洪江がまだ生きていたことには驚きだが、次は自分達の番だと覚悟している彼は、相柳に言う。

「助けた恩は既に返してもらった。お前がここで自分達と共に命を落とすことはないのだから、もうここを離れたらどうだ。」

さすがは相柳が恩人として義理を通すだけあって、実にたいじんの風格がある。

拾われた時から義理を果たすことだけを胸に刻んで生きてきた相柳は、戦を前にしてまず逃げ出すことは選択しないと思う。

 

赤水は、戦の前線でめちゃくちゃ頑張っているが、一つ負けを負いながらも、瑲玹の心配していた士気が下がることもなく、大義(西炎王)のために力を尽くしている。兵の士気を上げ、引っ張らねばならない責任はさぞ重いだろう。それでも腐ることなく前向きに笑顔さえみせる姿は清々しいってもんじゃない。

璟も璟で、冷静に状況を見据えて力を尽くしているのは分かる。全て小夭のためだが。今のところ、璟が戦に手を出す立場ではないのも分かっているが、前線で命を張っている赤水に向かってその恋愛脳をさらけ出すのはどうなんだろうか笑 それでも赤水はにこやかに対応して、より器の大きさを見せてくれたが。

なんというか、山で薬草を取ってキャッキャしているお花畑の二人があまりにも対照的で困惑する、、、

 

あの阿念ですら、自分の価値を長老じいさん二人に見せつけるために西炎側の軍営へ乗り込んで行ったというのに、、、阿念は誰の命を獲りにいったのかな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第14話~第17話。

西炎陣営で、阿念が罵っていた西炎側のモブが、誰だかは全く覚えていないが、皓翎への恩を仇で返していることだけは理解した笑

これまで阿念は、国を治める父を見て育ちながらも、その国政についてはほとんど気に留めることなく、我儘を聞いてくれる人々の周りで無邪気に生きてきた。しかし自身を含む、国家や父親に禍が降り掛かった今、守らねばならぬ国や民への責任を背負う王姫に生まれながら、今の様に無知なままではいられないと思い立つ。さすがは皓翎王の血を引いているだけあって、その立場の認知も、自分に何が必要なのかも、直ぐに掴んだ阿念は、元々、素質は備わっていたのだと思われる。

序盤はただの我儘娘だった阿念が大人の階段を登り、王姫としての責任感を奮い立たせる姿には胸が熱くなった。

 

結局、皓翎王は、その座を瑲玹に継承するのを皓翎大老衆に認めさせるため、敢えて皓翎に侵攻させたようだね。

皓翎王の英明さで、ほとんど血を流すことなく二国は統一を果たすが、ここで瑲玹は阿念との婚姻を提案される。

 

小夭は未だ幼少時からの、愛されずに捨てられた、という思いから逃れられず、どこか孤独から抜け出せていない。璟のように好きだ好きだと言ってその気持ちを常に示して貰わねば、愛されない(と思っている)自分に全く自信が持てないのである。

皓翎王は、その小夭の不安を拭うため、かつての妻(小夭の母)と赤宸の暮らしていた家へ向かわせる。小夭の父母は、愛し合って睦まじく暮らしていたものの、国家間の戦で敵対せねばならず、大義のためにお互い大将軍として散っていった歴史がある。どちらも互いの国では英雄として名を馳せているが、それでも捨てられた小夭の傷はなかなか癒やせないのである。

そのことを見越してなのか、小夭が訪れるのをひたすら待ち続けていた母の一筋の思念と再会する。もちろん肉体は滅びてはいるが、娘の成長を見届けられず、結果的に捨てた格好となった本意ではない思いを、本人には伝えておきたかったのだと思われる。

このおかげで、愛されない自分という自信の無さがいくらか解消されてればいいのだが。

 

阿念との婚姻に話は戻るが、少し前、瑲玹の気持ちに小夭は少し気付いているのかもしれないと思っていたのに、全く気付いていなかった笑

瑲玹が必死で言葉なき愛を伝えているのに、分かってる、何よりも天下が大事なことは。とか言っちゃう小夭の空気の読めなさは、いやいやお前は何も分かっちゃいない、天下取ったの誰のためだと思ってるの?状態で、もはや救いようがない、、、

そう言われて乾いた笑いしか出てこない瑲玹は不憫でしかないが、もういいじゃん、小夭は妹ってことで。今の阿念と一緒になれば、共に人生を歩んでいるうちにその想いが愛に変わるときが必ずやってくる。そもそも今の瑲玹の小夭への想いは、長年、迎えに行けなかった後悔に苦しみ、存在を考えすぎていたことによる罪悪から、それを愛だと勘違いしているのかもしれないし。(妄想が暴走中。)

しかしこのせいで、馨悦の病みっぷりは頂点へと達する。これは瑲玹による責任も大きい。皇后として迎えたのだから、建前でも夫としての義務は果たさねばならない。

瑲玹は、小夭への心配と自分の欲求を満たすためだけに悉く馨悦をスルーして、足繁く小夭の元へ通っているが、建前すらも出来ていないのが良くない。そのせいで馨悦が暴走を始めてしまうと、それを後で気付いても遅いのである。序盤の自分自身をまた繰り返す羽目になりかねないんだけど。

 

あっさり統一した二国は、洪江が予想していた通り、辰栄残党に狙いを定めるが、その前になんとか懐柔できぬかと赤水の父親が、相柳の軍営へ出向くこととなる。

国を失くした哀しみは、いつまでもその傷が刻まれて癒えぬため、戦場で国の誇りを守って命を落とすことが、おそらく今までの生きる糧となっていたのかもしれない。というわけで、やはり戦に突入するのだろう。

相柳は、好いた女よりも優先せねばならぬ義理のため、相変わらず冷たい態度で小夭を突き放す手法だが、かつて小夭が残した涙(が真珠に変わった)を捨ててはいなかったのだね。想いを伝えることも出来ず、まして成就することも出来ず、気持ちに蓋をして残した涙を捨てられないまま、最後には散っていくことを考えると、これは酸味しかないのである。

 

ほどなく、意映の子の病を理由に清水鎮へ呼び出された璟と小夭は、篌の策略に引っかかり命を狙われる。ほらぁ、だからもっと厳罰を科さねばならなかったんだよ、この執念深い拗ねらせ兄貴には。

この二人の戦いでの璟の弱さには仰天するものがあるが、手加減しているのか、それとも先の記憶を辿る妙術で負った傷が影響しているのか、実は本当に弱いのか分からないな笑

結局、篌へのトドメは意映が刺すこととなるが、共に命を捨てた意映は、あんなにクズでしょうもない男を、裏切られても最後まで愛していたようである。哀しい。篌に関しては、この璟への執着を他方面で発揮していれば、族長にもなれたかもしれないね。

 

璟は今のところ行方不明となっているが、死にかけて生還したことが2度あるために、今回も生還するのではないかと思っている。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第18話~第20話。

18話、19話を観終えて、仕事中も悶々と考えていたこれから起こり得る妄想の数々、、、悶々時間返してくれ!!笑

いや、結果的に20話を観て、ひとまず安堵出来たから良かったんだけども。

 

じいちゃんは凄いな、、、このまま瑲玹が暴走してしまえば、小夭はおろか、自分の心も失ってしまうこの先を危ぶんで、幻影を見せてとどまらせる手腕よ。隠居してからというもの、この様にして何事も出しゃばらず静かに諭すだけのじいちゃんの姿は実に尊いのである。

度々の説得にも応じてもらうことが出来ず、遂に攻めねばならない相柳についても、小夭への気遣いを忘れない。

一季では、このような姿はさほど見られなかったために、少し誤解していた部分もあったが、皓翎王もしかり、国を治める立場にいる人間は、往々にして人の心を敏感に察知して都度対処出来る技を持っているようである。

 

結果的に、篌に加勢して璟の命を獲ったのは(おそらく生きているはずだけど)、馨悦の仕業だったが、あの病みっぷりでは何か事を起こす予感はしていた。じいちゃんの幻影の技がなければ、いずれは瑲玹だった可能性もある。


妹が璟に手を掛けた責任を、自分の罪の如く重く受け止めた赤水は、元々は同士だった洪江軍との戦に自ら志願するが、この戦で命を落としたとしても、瑲玹や璟への償いだと腹を決めているようである。赤水自身は、忠誠心、責任感、向上心、恋愛観、義理堅さ、など、どこにも欠点が見付からないために、人間的には一番優れている。ただし、璟のような恋愛脳でなければ小夭にとっては物足りないのだろうが。


終盤に向けて、最後の別れの如く思い出の地、清水鎮を訪れる相柳の、その佇まいだけで悲壮感を煽ってくるのやめてくれんか、、、


残り3話。

 

つづく

 

 

 

『キングダム 大将軍の帰還』

2024年 7月~劇場公開中 日本

 

原作 原泰久(週刊ヤングジャンプ連載中)

監督 佐藤信介

脚本 黒岩勉・原泰久

 

出演者は多いので端折ります。

 
キングダム第4弾となる大将軍の帰還、馬陽の戦いはこれで区切りとなる。原作では現在72巻まで出版されているが、映画4作は、おおよそ16巻までの出来事となっている。
 
ネタバレあり

まず、前作の続きから始まった開幕は、龐煖に蹂躙される飛信隊が、隊長の信を守るシーンが導入部となっているが、このシーンを開幕に持ってきて初っ端から胸を抉るのやめてくれんか(´;ω;`)ウッ…

信を背負って逃げ惑った尾到と、その最後までがほぼ原作に忠実に描かれていたが、正直、開幕にこんな大砲を打たれたため、この後はもう涙で霞む目を拭いながらの鑑賞となる。

 

しばし戦から離れていた王騎が総大将となって出陣した馬陽の戦いは、過去の因縁である龐煖との直接対決となるが、この部分も原作にほぼ忠実に描かれている。

個人的には、原作での、人でもない、よもや言われているような神でもない、ただ貪欲に己を満たすものだけを捜し求める無機質な龐煖が嫌いだった、最後まで。むしろ、そういう憎まれキャラに作られていたと思う。

しかし映画での彼は、演者の吉川晃司の芝居にどこか人間味があり、自分の認めた強さの骨頂である王騎と対面し、戦う姿になんとも言えない哀愁が見えるのである。このせいで、実写版での龐煖を見ていると、なんとなく切ない気持ちにさせられた。漫画を読むと腹が立つだけなんだけど笑

 

この王騎の最後を私はずっと信じていなかった。死んだのではない、きっといつか戻ってくるのだろうと待っていたが、ほどなくして本当に逝ってしまったのだと絶望した記憶が蘇る笑

そこがファンタジーとの違いだが、現在72巻の原作でも、王騎を超える将軍は未だ出てきていない、、、

という、偉大なる王騎というキャラクターを見事に再現した大沢たかおは一体どうなってるんだろう、ほんと凄いんだけど。

といっても、主要メンバーのほとんどは、李牧も含め、原作(+アニメ)そのままの印象であるために、役者の方々はよほど役柄を掴んでおられるのか、全く違和感がない。

 

王騎を失くして下を向くしかない兵たちに、未だ鎧も付けずに戦う信が鼓舞する姿はマジの感動だが、この映画のサブタイトルを回収する政の言葉には、胸の底から一気に突き上げる衝撃があった。

戦から離れた大将軍が軍を率いて趙へ挑む意味だと、なんとなく思っていたのが、なんと二つの意味があったとはね。


普段、中国ドラマを観ることが多いため、日本映画は、自然なメイクでの毛穴も見える野生的な泥臭さがいいな、、、と思いながら観ていた。にわかの範囲で観ているあちらの方々の戦闘シーンは顔面が綺麗すぎるよね、と思うなど。

 

 

『度华年(度華年)The Princess Royal』

2024年 6月〜 中国 全40話


原作 「长公主(長公主)」 墨书白(墨書白)


出演

李蓉→赵今麦(趙今麥)

裴文宣→张凌赫(張凌赫)

苏容卿(蘇容卿)→ 陈鹤一(陳鶴一)

 

 

通常のやり直し系の作品とは一風違った設定が面白い。

 

ネタバレ 第1話~第10話。

20年の婚姻関係を結んだ長公主の李蓉と首輔(宰相的な地位)の裴文宣が、最後は憎み合って死を迎えるところから始まるが、よくある二人のうちの一方が、過去へ戻ってやり直しをする、という話ではなく、二人が同時期に婚姻前に戻ってやり直すというところが新鮮である。

憎み合って昇天した記憶のある二人が、再び出会ってどう展開していくのかと思っていたが、過去の互いの中にあったのは、敵対心や憎しみだけではなかったことが段々見えてくる。

 

戻った時期は、駙馬を選出するという話が上がった頃であり、かつてと同じように、その宴の場で公主の李蓉と駙馬候補の裴文宣は再会する。

 

一周目では、夫との離縁が出来ずにいたため、想いを寄せていた蘇容卿との恋が実らずに息を引き取ってしまった。それだけが心残りだった李蓉は、同じ宴に出席していた容卿を見付けて喜びが隠せない。

前のめりで容卿に近付く李蓉を、ジトっとした目で監視する、こちらも記憶のある裴文宣は、既に嫉妬心がみなぎっている。ゆえに、この段階で、憎んでたのではなく愛していたのだということが分かる。

 

互いが記憶のあるまま二周目を生きていることも、割と早い段階で判明するが、過去に仲違いするまでの出来事が、おおよそ誤解から生まれた猜疑であったため、これを一つ一つ解いていくのだと思われる。

李蓉は、かつて裴文宣の婚約者だった秦真真(のちの太子妃)の件で、夫がまだ秦真真を愛しているのだと思い込み相当なダメージを受けたようである。二周目でも、彼女のことばかり思い出しては口にする様子をみると、それが仲違いする最大の原因だったのかもしれない。ということは、余程、裴文宣を愛していたのではないか。

裴文宣が秦真真の件をはっきり否定しないのは、何か事情があるのだろうが、おそらく李蓉が誤解しているだけである。その誤解、まだ解けてないけど笑

お互いが二周目だというのを知った後では、これまで対話もせずに言いたいことも言えなかった鬱憤を晴らせているため、段々と誤解も解けていきつつある。

この口喧嘩のような微笑ましい対話の中に、長年の情とその間に築いた愛情が見え隠れしているため、どこかのタイミングで、封じ込めていた気持ちの堰が切れそうではある。

 

容卿の方も、一周目の駙馬候補の宴には出席していなかったことや、言動の端々を踏まえてみると、二周目なのかもしれない。

容卿は実に不憫な男である。

過去に皇帝から謀反予備軍と見做された蘇家は、家を潰され、一族は全て処刑や流刑をさせられて、彼一人、命だけは取られずに李蓉に仕えていた。しかも官刑という処罰を受けていたため、宦官だったのだと思われる。

美しく儚げな容卿は、第1話から怪しいと思わせる空気を纏っていたものの、至10話では、もしかしたらミスリードに誘われたのかも、、、と思い始める。

 

常に李蓉の側にいる容卿を危険視していた裴文宣は、李蓉の気持ちを考慮して当時は言えずにいたようだが、二周目でやっとその心中を口にする。これを聞いた李蓉は、自分を毒殺したのは裴文宣だと思って刺客を放ったのに、実は容卿だったのかもと思い始める。

結局、同じ境遇の二人には信じられるのはお互いしかいないのである。

 

割と簡単に容卿に疑いを抱く事案が登場したため、動機が揃い過ぎていて、逆に首謀者ではないのかもしれない。彼も李蓉を愛しているようだし、裴文宣に邪魔されなければ駙馬の座も考えていたようである。

他に容卿がやろうとしていることは、蘇家が破滅させられた歴史を修正することだと思うが、彼の目的も、二周目なのかも明白ではないため、どう動くのか分からないな。

 

他国に武器を売ったり、辺境で兵を蓄えていたりと、朝廷にとっては危険因子だった楊家は、皇帝と裴文宣の茶番でさっさと消されてしまったため、目下、二人の最大の目的は太子を守ることである。

かつて皇帝となった太子の終末は、元の素直で明るい姿は消え、憎しみと絶望に苦悩する姿に変わってしまった。それを変えるには、皇宮では自分たちを含め、誰一人幸せではなかった負の連鎖を断たなければならない。

そのため消去法で考えると、駙馬の地位に就くのは、やはり裴文宣しかいないのである。事情を分かっている中身は熟年の夫婦が再び夫婦となった方が、正直手っ取り早いってのはある笑

寒門出身の裴文宣は、公主という立場で何も知らずに育った李蓉と違って、かつての皇宮の様々な事情も把握していたようだから、李蓉のために言えずにいたことも多くあったのだと思われる。今世でもそれは変わっていないが、対話を交わして少しずつ誤解が解けるといい。

協力関係となる過程で、裴文宣が、かつての太子の心中を口にしていたが、太子の気持ちを思ったらほんと切なくなった。

 

二度目の婚姻関係を結んだ二人は、互いの想い人との恋を実らせることに力を注ぐことにしたようだが、その想い人がお互いだと気付くまでが楽しい期間になると思う。姿は20と18でも、中身が40と38だと思うとちょっと面白いね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第12話。

皇宮で不幸だった皆の心を守るため、早速、李川の賜婚の危機を回避した二人だったが、秦真真を入宮させなければ、彼女と李川の気持ちはどうなってしまうのかな。

李蓉は、未だ裴文宣の想い人が秦真真だと思っているため、わざわざ自分たちの婚姻はただの契約で、じきに離縁するということを彼女に伝える。

おそらく秦真真の悩みどころは、李川は好きだけど太子だし、入宮するのは躊躇しちゃうな、という部分だと思われる。ゆえに、李蓉からの謎の告白に困惑していたように見える。

 

思い込みで人の話も聞かずに突っ走り、傷ついた心を隠すことに慣れてしまった李蓉は、このことを20年来にして初めて夫に指摘される。

土砂降りの中、過去には伝えられなかった自分の想いを告白する裴文宣の姿で、遂に言ってくれたという安堵感を得られることとなるが、これまで思い込んできた裴文宣とは全く別の顔を見せられた李蓉は、唐突に飛び出した予想もしない言葉を受け止められず、戸惑ってしまう。

 

口論することに疲れて去っていく裴文宣を黙認して、ここでまた、過去を繰り返すのかと自問する李蓉は、これはならぬと思ったのか、大雨の中、裴文宣を追いかけるんだけど、、、

 

最初に口にしたのが「對不起」だったのが、個人的には最高に嬉しかった。歩み寄ろうとする姿勢がよかった。

「権力の裏には人の心がある。その心が分からなければ、結局、望むもの全ては空っぽのままだ。」

20年にして初めてその心が見えた李蓉は、これまで見ないふりをしてきたことを悔いての謝罪だったのだと思われる。いや、李蓉としても良かれと思っての選択だったわけだが、思い込んで人の話を聞かないため、見逃していたことも沢山あったんだろう。

それを理解してもらいたくて、必死に誤解を解こうとする李蓉の姿は実に尊いものがある。これまで一方的に押さえつける態度で振舞っていたのだから尚更である。

長い歳月、妻を見てきたからこその指摘で、やっとスタートラインに立った二人、過去に戻った甲斐があったというものである。

 

人の心が分からないと言われていた李蓉は、これを少しずつ改善していくのだろうが、未だ自分の心も分からず、容卿への気持ちもまだ掴めていないようである。

 

朝廷では、権力争いの一環で、太子妃の座を得るために娘を道具にするいつものおじさん達(皇后含む)で溢れている。皇后と上官家の考えは一致しており、そちら側に付く蘇家も、李川(太子)と懇意にしている秦真真の存在が邪魔なのである。

そこで、秦家を陥れ、売国奴として破滅させることにする。

李蓉と裴文宣が介入したことで、既に歴史は変わりつつあるが、上官家への賜婚がなくなったことで、代わりに秦家が潰される危機に陥ってしまった。

 

上官家以下が仕込んだ、楊家との偽の密通書を証拠として出された秦家は窮地である。戦で武功を上げても、権力を乱用され、すぐに破滅への道へいざなわれるのは実に気の毒である。

李川は、この窮地を救うため、公主の権力で「督察司」なるものを立ち上げ、世家に手出しされぬよう皇帝直属の調査機関として、独自に秦家への疑いを調査することを提案する。

これは元々、裴文宣が提示したものだが、この機関の立ち上げに関して、皇帝や世家を説き伏せるには、全てが李蓉の手腕に懸かっている。

中身が38とはいえ、重い使命を背負わされた李蓉は悩んでいるものの、夫と盟友、どちらにしても自分は既に生死を共にする覚悟がある、という裴文宣の言葉は、おそらく強く心に響いたのではないか。

とはいえ、まだ先は長そう。

 

めちゃくちゃ良い感じになってきた。容卿もういらないな、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第15話。

督察司設立に説得力を持たせるため、秦真真が自害したことにして、彼女の無念を晴らすことを託されたかのような茶番を計画した李蓉は、見事皇帝の関心を引くことに成功する。

これで皇帝直下での秦家捜査の権利を得ることとなるが、それに反対する各機関に邪魔をされてすんなりとはいかない。その間にも、囚われた刑部で秦家の者は痛めつけられている。老いた祖父に鞭を当てるのやめてくれんか、、、

一芝居打った秦真真は亡くなったことになっているため、その名を捨て、侍衛となって李蓉の側に仕えることになる。良かった、いつか李川とも共に過ごせるときが来るといい。

 

李蓉の自身の気持ちを確認させるため、口では容卿との縁を一度試してみてはどうかと言う裴文宣は、実際に二人で会わせることは心配でたまらない。過去に、お互い心を寄せていた事実があるため、今世ではどうしても容卿には奪われたくない気持ちがあるのだろう。ハンカチぽいっ!のシーンは気持ちに正直すぎて笑う。

それでも秦家の件で会わねばならない李蓉は、容卿と待ち合わせて会うことにする。

 

その間、裴家に召集された裴文宣は、秦家の件に手を出さぬよう公主を諭せ、という命令を聞かず、鞭打ちを受けている最中だった。

裴文宣としては、李蓉には容卿との用を終えた後に裴家に来てもらうつもりだったが、容卿との予定をほっぽり出して勇み足で乗り込んで来た李蓉は、今は愛だと気付かずとも、今世では夫を全力で守るつもりのようである。18では上手く使えなかった権力も、年輪を経て38になった今では、その権力に相当する話術も身に付けている。その姿を前にして、裴家はぐうの音も出ない。

二叔は公主にでさえ、女は黙ってまつりごとには口を出すな、という態度で挑んでいるが、この男はかつて裴文宣の父を死へ追いやった首謀者である。道理で生意気だと思ったよ、性根の悪さがその顔面から出ている。(という芝居が巧み笑)

 

鞭打ちで弱った裴文宣は、ここぞとばかりに李蓉への気持ちがむき出しとなっているが、昔もこうやって寄り添っていたかった彼の気持ちを考えると切なくなった。今のところは、はいそうですか、といって寄り添うことは出来ない李蓉も、やはり昔では得られなかったものを得ているという実感はあるのではないか。

 

李蓉を排除することを、ほとんど意地になっている裴家の二叔は、皇帝へ直談判するため李蓉を挑発して共に門口に跪く事態となってしまった。
 

直談判の内容は違っても、過去を繰り返す李蓉の情景が浮かんだ裴文宣は、かつては一歩先を越されて容卿に奪われた李蓉の心を、今回は自分が奪いに行く。やっぱり人って必死さが重要なのだよ、、、余裕で歩く容卿を後ろ目に、駆け足でその機会を掴みに行く裴文宣には熱くなったわ。

ここで流れる「执爱(執愛)」韓ドラっぽいね笑

だけど、タイトルは正に裴文宣の心そのままである。

 

夫を亡くし、男共に丸め込まれて意見することもなかった裴文宣の母親は、夫を殺めて財産を奪ったのが二叔だというのを知り、閉じ込めていた自分の意思を取り戻すこととなる。仕向けたとおりに母親が奮い立ち、二叔を引っぱたく姿はもっとやれとすら思ったところ笑

 

秦家の件は、皇帝もいつまでも待ってくれないようだし、権力を持つ世家が立ちはだかり順調にはいかなそうだが、修正することによって過去で不幸だった皆が報われるといい。特に秦真真には、その尽力が報われて短命だった過去が覆されるといいな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第16話~第19話。

秦家冤罪のための証人は世家から軒並み消されていくが、最後に残った証拠を手に入れるため、裴文宣が遠方へ出向くこととなる。

もちろんこれにも追手がいるわけだが、事前に刺客に備えていた裴文宣は、崖から落とされても証拠は手放さずに生き延びる。

 

京では、崖から落ちた裴文宣が亡くなったという話が出回り、李蓉も音沙汰ないことに不安が隠せない。必ず生きて戻ると信じてはいるものの、万が一のことを考えると不安が拭えないのである。

これから先の未来のためにやらねばならぬことが山ほどあるのに、さすがにここで死なれては、到底一人で成すことは出来るのか、という不安もあったのだと思われる。

裴文宣の李蓉に対する想いは明白だが、未だ自分の気持ちがよく分からない李蓉は、無心で彼の名前を書き続け、しまいには手紙に気持ちをしたため始める。自分では無意識なのだろうが、どう見ても愛である。

 

裴文宣が亡くなったことを機に、すぐに容卿も動き出す。

もう二度とすれ違いたくない、といって李蓉を娶る意思を伝えに来た彼は、やはり二周目なのだと思われる。ただ、李蓉も容卿もお互いがやり直していることは分かっていないため、今のところは推測の域を出ない。

 

李蓉は、過去に抱いていた気持ちがまだ残っているようだから、この申し込みを受けてかつての出来事を回顧して想いを巡らすが、何か言葉にする前に夫の帰京の知らせを受ける。

この時点では、少し期待していた容卿にとっては気の毒な結果となるが、彼が裴文宣に警告していた、李蓉が矢面に立つこの状況が命取りとなり、一度は手放さざるを得ない状況になるかもしれない、まだ残り20話以上あるし、、、

 

裴文宣が証拠を持って帰京したことで、秦家はギリギリで打ち首を免れ解放される。これによって、秦真真の侍衛としての役目も終わり、彼女も皇宮を離れることになる。

最後の李川との会話は実に胸の詰まる思いだが「以前は守ってあげられなくてごめん。」の「之前」っていつのことなんだろう。今世で秦家が糾弾された時なら分かるが、続けて「今回は入宮させたくない。」と言っていたことに、私の脳内では混乱が生じる。

過去では入宮して早世した秦真真だったが、今回は入宮には至っていないため「這次」ってのが引っかかるなぁ、、、

まるで、やり直し前のことを謝罪しているように思えてしまったが「起こってしまったことは変えられない。」という秦真真の反応を見ると、もし二人が二周目だとすれば、互いにそれが分かっていることになる。しかしそんな様子も会話も全くなかったし、皆が皆戻っているわけないか、、、

 

上官家では、じいさんが家事を退き、上官雅が取り仕切ることになるようだから、心強い味方となりそう。このまま望む人と一緒になってほしい。

李蓉と裴文宣は、明らかに心を寄せ合い始めているが、元々封じ込めていた気持ちだし、李蓉がそれに気付くのも時間の問題だと思われる。一方で、李蓉のまつりごとの参入が気に入らない各部署から狙われる裴文宣、、、今回は浅い傷だったものの、裴文宣を狙って警告してくる輩を誘い出すため、李蓉は自身が囮となる計画を立てているようである。それを夫には黙って行おうとしているため、またひと悶着ありそう。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第20話~第22話。

刺客を誘き寄せる計画は上手くいったものの、裴文宣とはすれ違う。

連れ立ってお散歩気分で出掛けるだけだと思っていた裴文宣は、李蓉を喜ばせるための舞台を完璧に揃えていたが、結果は、まつりごとの延長での血まみれた舞台となる。何も知らずにいた裴文宣は、純粋な想いを踏みにじられたことに惨めさが隠せない。

李蓉は、過去20年で知る裴文宣の姿が未だ大きく影響しているため、言わずとも、もちろんこの計画を知っていてそれに合わせての外出だと思っていた。全てを把握して計算高く動く男だったから。この時点では、愛情だけのための行動が出来る男だとは思っていなかったのかもしれない。それくらい、新婚当初に受けた情の印象は薄れていたのだと思う。

ゆえに、今世で心が近付きつつあるものの、未だ意識の中ではその確信が持てず、疑って自分を守って来たこれまでの習慣をそう簡単には変えられないのである。

 

違っているのは、この気持ちを正直に打ち明けられたところ。以前、馬車を降りて追いかけたこともしかり、しっかりその裏にある人の心を分かろうとしている。

この後の裴文宣のじらし作戦が成功していたのを見ると、それでも計算高いところはあるよね笑

 

刺客を寄こしたのは刑部の謝大人の差し金だったが、この刺客の正体は存在を知らずにいた自分の息子だったようである。(あの血液鑑定では親子の証明は出来ないけど笑)名門に生まれたゆえに愛を捨てねばならず、歳を隠されていたために自分の子だとは思っていなかった謝大人の過去は気の毒だが、その事を知らずに息子に命を獲られた過去よりは、まだいい方だったのではないか。少なくとも藺飛白の心は守られたのだと思いたい。

この後の、どんなに憎んでいても死にゆく時は一番美しかった思い出が浮かぶという話の中で、裴文宣の最後の情景は知れたが、李蓉が見た情景は何だったのかな。

 

この件で、李蓉も今世に戻って来ていることを確信した容卿だが、憎み合っていた裴文宣となぜまた一緒にいるのかが腑に落ちず、結果、裴文宣も戻って来ているのではという疑いを持つ。

容卿は、世家で利用出来そうな人物を次々と望む方向へ引っ張っているが、おそらく、蘇家と李蓉を守るためだけに動いているため、そのせいで犠牲になる人々のことは眼中にはない。

この男にしてみれば、かつて死にゆく李蓉に「最大的遺憾就是錯過你」とまで言われたのだから、それを今世では実現させようと必死なのである。暗い影を纏って怪しげな動きをする容卿は、一見鬱陶しく思えるが、かつても結ばれず、今世では心すら手に入れられないと思うと、過去も現在も不憫な男である。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第26話。

演奏会で猛々しく挑発し合った裴文宣と容卿は、メインだった柔妃の娘と息子の影を打ち消すほど、激しい戦闘心がみなぎっている。今世こそはと互いに心に誓っているために、三人の暗躍も続く。

かつての惨劇で破滅してしまった蘇家が、巻き戻した時間で新年を祝う姿は、一族全部が笑顔に満ちていて悲劇の欠片すらも見られない。しかし過去を修正しようとするあまり、墓穴を掘り続ける容卿は、李蓉とは敵のような立ち位置になり始めて、また官刑の繰り返しにならないかとハラハラさせられる。

 

皇室の不和を招くため、容卿は世家と一緒になって、柔妃や各部署の官職者を利用した上に、様子を窺っていた上官雅をも騙して、裴文宣を思いのほか高い地位に推薦することをやってのける。

李蓉は、少しばかり位を上げる程度のつもりで裴文宣の手助けをしたものの、結果は四品という地位になってしまった。

寒門出身の若い裴文宣(と李蓉)が、四品に成って力を持つことを警戒した皇帝は怒り狂うが、この結果は、李蓉も裴文宣も望んでいたものではない。

このことを皇帝に弁明し、おそらく裏で何者かが暗躍した結果ではないかと示唆したものだから、柔妃の仕業ではないかと疑った皇帝は、彼女を引っぱたいて責めることとなる。

この行為が柔妃の恨みを買い、おそらく皇帝は毒殺されるのではないか。寵愛されているのに、己の非によって一度責められたくらいですぐ手を下すとか、何の忠誠心もないんだね、、、この皇帝も普段の様子を見ると狭量の極みだが。

 

李川の方は、秦真真との文通でなんとか心を保っているようだが、婚期を遅らせる件でもまたもや容卿が何かと手を回していた。

この弘徳関連で掻き回された李蓉は、皇帝の警戒心を和らげるため、やむを得なければ一度離縁するという計画を提案する。その離縁という言葉で、不安な気持ちに追い打ちを掛けられた裴文宣は怒り心頭である。

これも愛あるゆえなのは明白なのだが、裴文宣だけでなく李蓉の方も既に夫を愛していることに気付いているため、激しい罵り合いにどちらも傷付いているのである。

 

ちょっと恐ろしいくらいの形相で船を漕ぐ裴文宣は、離れたくない気持ちがあまりにも大きく、無理矢理、强吻する描写もあるが、どうやら張凌赫は强吻キャラを確立してしまったようである笑

どこかで観た激しい嫉妬と强吻(もちろん寧安如夢のことだけど)、、、少女大人での非の打ち所のないキャラから、人間くさいキャラに見事に進化?したのだね。

 

その後、意地を張らずに素直に心中を晒すところが、二周目なだけあって、面倒な拗ねらせ合いを続けることなく進むのが良い。

 

弘徳を知っていたことで、容卿も戻って来ているのが確実となったわけだが、今のところ、彼の動きが自滅へ向かっているために、蘇家の惨劇を防ぐことが出来るのだろうか。裴文宣を排除するための彼の計画は、結果的にその妻の李蓉をも敵に回している。

容卿としては、李蓉が戻って来ているのなら、最後の言葉は有効だと思っているのだろうから、そう易々と心変わりをしているとはおそらく思っていない。どちらにしても傷付いた容卿が闇堕ちしそうではある。

過去を改善していくはずが、戻って来た容卿が妙な動きで掻き回すために、全く明るい方へは向かっていない。李蓉も蘇家の破滅は繰り返したくないのが本心だと思うけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第32話。

思えば、蘇家を破滅に追いやったのは李川の代だった。だから、太子を皇帝にさせないことが容卿の目的だったのを失念していた。

太子に代わって粛王を皇帝の座に置くという淡い期待が、容卿の存在によって現実味を帯びてきた(ように見えた)柔妃は、独自の路線でそれに向かって進む。容卿に相談とかしないの笑

 

少し前に、容卿が科挙について手を回している話があったが、合格者の座をすり替えられた寒門出身の学生たちが、不満を爆発させて騒動を起こさせることが目的だったのだと思われる。

容卿としては、この騒動で太子への責任を追及してその座から引き摺り降ろすまでが計算のうちだったが、李蓉と裴文宣も黙っては見ていない。

背面で暗躍している存在を皇帝に気付かせるため、どちらからも利用される立場となった柔妃は、李蓉が派遣した崔玉郎にそそのかされ、その学生の中で告状を提出した陳厚照の存在を李蓉が始末したのだと思わされる。後に、柔妃が悪事の全てを担っていたように証言されていたが、おそらく、彼女の及ばない出来事も捏造されている。仕掛けたのは容卿の方だが、なんというかどっちもどっちな気がしないでもない、、、

 

粛王を太子にするため、督察司をその足掛かりにしようと考えた柔妃は、陳厚照への罪で李蓉を糾弾し、督察司から彼女を追い出してその座を掴むことに成功する。

柔妃を失脚させるため、この行動を予測して崔玉郎を送り、裴文宣とも離縁した李蓉に踊らされている柔妃の姿は実に哀れだが、この時点では、彼女が皇帝に毒を盛っていることは誰も知らない。

督察司に粛王が就任し、寒門出身の学生の陳情で世家と対立することとなった柔妃は苦しい立場である。それでも、息子に太子の座を獲得させるためにその道を突き進む。

結果、李蓉の策略に嵌って予想通りの失脚を遂げることになる。皇帝も、これが李蓉の策略だったことを早速見抜くが、大勢の前で柔妃の悪事を暴露されてしまっては、皇帝の力を以っても救えぬと諦めたようである。

柔妃としては、寵愛されている自分は必ず救ってもらえると思っていたのだろう。救えぬ皇帝に激しい怒りをぶつけて、二度と子を作れぬ毒を盛っていたのを自ら告白する柔妃は、まだ活路を見いだすことを諦めてはいない。

 

牢に囚われた柔妃は、今度は娘(華楽)を利用して、粛王を太子にし、自分が太后の座を得ることを思い付いたようである。そのために、李川と李蓉の存在を殺めねばならないことを華楽へと吹き込む。優しい顔をして選択肢を与える柔妃だが、もちろん華楽の選択を見越してのことである。母親を守るための純粋な心で、二人を殺す選択をしたこの責任の犠牲を、娘に取らせることに躊躇もないのだね。

 

今回は、皇帝がちょっと気の毒になってしまった。

割とまともなこの皇帝は、上官家の皇后とは反りが合わず、寵愛妃にも裏切られ、太子もパッとせずでこの国の行く先を憂いているのである。

世家で最も力のある上官家の血を引く太子が皇帝になれば、その力が一層増してしまうために、世家連中が私利だけに囚われて国や民を顧みないことを危惧していたようである。

そのため、この国や民を託すには、その気概があるのかどうかを今一度確かめなければならぬと思い立った皇帝だったが、太子の口から出た言葉は期待に沿う結果にはならず、憂いはますます募るのである。

これ以上は自分の血縁を残せない身体となった皇帝は、太子にそのまま皇帝の座を譲るのか、それとも粛王に譲るのか苦渋の選択を強いられるのだろうが、どちらにも期待していない様子は見える。反面、李蓉の才覚は既に分かっているようだから、李蓉に譲る選択肢もあるにはあるが、、、

 

上官雅は、実にいい働きをしていて、時には慰め、時には鼓舞して李蓉を支えているが、心を寄せる容華とのこの先は既に諦めたようである。

それもこれも、容卿が謀反とも捉えられるような動きをしているためだが、太子に挑むような計画を遂行する彼は、蘇家を守るために今度は自分を犠牲にしようとしているのか。

容卿の中では、起こることからは逃れられない、という思いが消えず、家族には何も知らせずに己一人で虐の道へ向かっている。家族には一切影響のないよう、自分だけで犯したことの責任を取るつもりなのだろうか。そもそも、過去にどのような罪で蘇家が糾弾されたのかも分かっていない。

李蓉や容華から、今ならまだ引き返せると再三言われている容卿は、そうしたい思いとそうできぬ思いの挟間で苦しんでいるのかもしれない。過去の惨劇の哀しみを手放せないために、全てが終わらないうちはその心も解放はされないが、その終わりが死だと思うと辛いところ。そうではないことを祈ります。

 

破滅の道を進む容卿とは相対して、李蓉と裴文宣の絆はより一層強まっている。柔妃の件で、自ら危険な賭けをした裴文宣の身を心底心配しているし、以前の疑うような気持ちなどはほとんど消えてしまったようである。

しかし、まつりごとは不穏な空気を纏い、誰が味方で誰が敵なのか見えないために、どこから飛矢が襲ってくるかが分からない状況となっている。太子に狙いを定めている勢力(容卿)が最大の敵だが、周りの世家や官職者がどちら側なのかが全く分からないために、どうなるのかという妄想もはかどらないな笑

秦真真の兄の友人の顔をしていた崔とかいう輩もスパイだったため、誰も信じられない。


つづく

 

追記ネタバレ 第33話~第34話。

32話までにあれこれ考えていた妄想とは全く違う方向へ持っていかれた笑 しかも現在の話ではなく、過去に起きた出来事のせいで。

 

しかしこれで、容卿が積極的に李蓉を奪いに行かないのも、破滅へ突き進んでまでも、李川を皇帝にはしないという思いを捨てないことにも合点がいった。

結論から言えば、李蓉を毒殺したのは、今世で今必死に守っている李川だったようである。皇帝となり、周り全ての人間が姉さえも信じることが出来なくなっていた李川は、李蓉に命を獲られると思い込み、先に手を下したというわけである。

それを知っていて黙認していた容卿と上官雅は、手を出すこともなければ救うこともせず、ただ傍観していただけだった。それも次の皇帝に李信(序盤に名前だけ出ていた)を据えるためである。

李信は、上官雅と容華の子であり、李川の子ではない。これをおそらく知っていた李川は、蘇家を破滅させて、残った容卿には官刑を課したのである。

容華が亡くなり、唯一その血を引く李信を守るため、容卿と上官雅は李蓉を助けず傍観して、命を獲られるのをただ見送るだけとなったようである。

ということは、容卿の李蓉への想いは愛ではなく罪悪感なのだな。結局、李蓉を愛していたのは「長公主は陛下の姉上じゃないですか、そんなことしませんよ。」と言っていた裴文宣だけだったようだ。戻って来ている裴文宣の様子を見ると、おそらく李川が手を下したのにも気付いていない。

 

しかしこの話は戻る前に起きた未来(20年後)の話である。

皇宮での不幸な人生を送らされた果てのこの所業は、上官雅にも李川にも今はまだ芽生えていない悪心である。

それでも聞かされた李蓉にはその区別を付けるのが難しく、今世は友達のようにして語らう上官雅に、過去の所業を気持ちでは責めている。李川に至っては、今は純粋で無垢でも、心に抱えた虎がいつか飛び出すことを危惧して、皇帝に推すのは間違いかもしれないと思い始める。

そこで下した決断は粛王を太子にすることである。

 

その粛王は、柔妃の件で疑心を抱かれた皇帝に毒殺されてしまった。息子を諦めきれない柔妃の兄が連れて来たのは、、、おそらく替え玉だと思う、、、

 

35話からの配信カレンダーが妙な動きをしていたため、収官礼が出るのだろうと思っていたけど、、、やっぱり出たみたい笑

 

大事なことを忘れていたが、李蓉が孕っているのを知った裴文宣は大喜び。李蓉にはおそらくまだ知らされてないが、今のところは、あの話の衝撃で頭が整理できておらずそれどころではない。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第35話~第40話(最終話)。

ストーリーが散漫せずに、序盤からの目的に到達するまでを一筋に描いた作品だったため、余計なことに混乱させられることもなく最後まで面白かった。

最後の6話は、李川や上官雅が望まぬ生を歩んで、変貌していく姿に死ぬほど時間が割かれている。終盤は、その過去を手放せなかった容卿が主役といっても過言ではない。

最後に駆け足となる作品も多いなか、この6話に重点を置いて、じっくり描かれる皇宮の闇と容卿の葛藤は実に見応えがあった。

 

今回もやっぱり負けてしまった、と言っていた容卿だったが、そうじゃない、一度目は勝っていた。ただ、その機会を自分から手放したのだ。子は作れずとも、共に過ごした17年間、心は容卿のものだったよね。それよりも家族への想いが勝っていた故に、己でその機会を放棄したのである。

二度目も同じく、家族を守ることに必死になっていたために、裴文宣のように自分で機会を掴みにいく気合で負けていた。一度に二つを得ることは、一つを得るために必死になっている人間には敵わない。

自分が弱気だったわけではない、あなたが彼を好きだと分かっていたからだ。と最後に言っていたのも、家族を守るためには敵対せねばならず、やむを得ないと言い聞かせたのだろうが、一番はやはり過去の自分の罪悪から逃れられず、李蓉の心を得ることを諦めていたのだと思う。その罪悪を拭うためにも幸せに過ごす姿を見られて最後は少し救われたのかもしれない。生きて欲しいという周りの人間の思いは分かるが、彼にとっては死によって自分に科した罪を償って満足したように見えたな、、、容華は本当に弟思いの兄だったために実に不憫だった。(見返してみると、裴文宣が容卿を琴の前に座らせる姿にジワる笑)

 

常に疑心を抱え、世家の脅威に苦しんで愛息を手放しに愛せなかった皇帝や、寒門出身の柔妃の長年に渡る劣等感など、皇宮でのそれぞれの息苦しさにもしんどい思いをさせられた。

何処から連れて来られた粛王の替え玉が一番気の毒だったけど、、、連れて来られた意味、、、

 

結果的に、過去に不幸だった皆の運命を変える、という序盤からの李蓉と裴文宣の目標は全て達成され、皆が思う通り生きる姿には大きな満足感を得られる。裴文宣が過去も現在も一途に李蓉を愛する姿は実に良かった。

このドラマは、最近よくある委ねる系でもなく確実にハッピーエンドだったために、さすがに文句も出ないと思う。ぶーぶー言われるのは、最後6話の配信スケジュールくらいかな笑

↑別の面でぶーぶー言われてるみたいですね、、、

 

 

 

『颜心记(顔心記)Follow Your Heart』

2024年 6月〜 中国 全40話

 

出演

江心白→ 罗云熙(羅雲熙)

颜南星(顔南星)→宋轶(宋軼)

 

羅雲熙のヒロイン味がそこはかとなく漂う、どこかで味わった感覚がある笑

 

ネタバレ 第1話~第10話。

総捕衙司の頭捕の江心白は、京にはびこる癸草の調査で河蛮を訪れていた。目的は、それに関連している疑いのある南霽風に会うためである。しかし南霽風との面会は断られ、別の方法で乗り込むことになった江心白は、その過程で流れ医師の顔南星と出会う。

顔南星もまた、将軍(南霽風)夫人が作れるという神薬を求めて将軍家へ入り込む計画を立てていたため、互いの目的は一致していた。

 

顔南星は、過去に妙な薬を飲まされ、生理の度に風貌が変化する奇病に悩まされている。そのため将軍夫人の神薬を欲しているわけである。この設定もすごいが、偶然、江心白も人の顔を識別出来ないという病に侵されていた。

これはおそらく、幼い頃に後頭部を打ったことと関係しているようだが、原因は、かつての顔南星を助けたためである。

 

運命の再会(当人はどちらも気付いていない)で、たまたま癸草の生産地を見付けた二人は、そのせいで苦渋を強いられている近隣村人のため、協力してこの背面の人物を追うこととなる。

 

幼い頃から自立した生活を送って来た顔南星は、潔い行動力があり、一見、江心白に守られている風でも、肝心のところは顔南星が全て持っていく。躊躇していた癸草の殲滅も、早く燃やさんかい!とばかりに背中を押して即行動するあたり、やはり江心白のヒロイン味が否めないのである。

なんといっても、将軍宅での↑このシーンで、酔った江心白が凄まじい色気を発し、「花火がみたい。」と涙を流して顔南星の肩に寄りかかる姿は、まるでヒロインの極みではないか。羅雲熙の儚げな存在感のせいもあるね笑
このシーンは、江心白の優しい性根が滲み出ていた素敵な一幕だった。

 

江心白は、人の顔を識別出来ない分、聴覚や嗅覚に優れており、頭捕としては判断力もある優秀な男である。

癸草の流れを追って、南霽風に疑いがあったものの、暗躍していたのは妻の迦耶だというのに気付いた江心白は、迦耶の言う通りに顔南星との挙式を行うことにする。

迦耶とその背面の悪党を捕えるため、顔南星を利用する格好となった江心白は、後ろめたさを感じながらもそれを実行する。

 

そうとも知らない顔南星は、君と私の性格は違っても根本は同じ、君は私を奮起させてくれる人、という彼の言葉に言いくるめられ、友人として協力することになる。これまで、姿が変貌する自分には一人も友人がおらず、初めて味わった友情を噛みしめていたからである。

結果、将軍は妻の暗躍も全く知らずに黒幕を追っていたようだが、妻の迦耶も夫を守るために自害してしまった。(将軍、ほんと素敵だった)

 

このことにより、利用されていただけだったことを知った傷心の顔南星は、そのまま彼の元を去ることとなる。

江心白の侍衛はいつも良い働きをしているが、この時も、追いかけないと後悔しますよ、と言葉を掛ける。あの時、顔南星に言った言葉が嘘ではなかったその心中を侍衛は良く分かっている。しかし、追いかけたところで、顔が認識出来ないのだから、すれ違った顔南星にも気付くことなく一旦別れとなる。

 

気を取り直して、ひとまず幼い頃に救ってくれた小哥哥(江心白だとはまだ気付いていない)を捜して、京に向かうことにした顔南星は、将軍の調査を終えて京に戻った江心白と再会する。

京では、似通った職種もあってか、総捕衙司と金吾衛は対立していて、商統領は義兄弟の妻(迦耶)の死の原因が江心白にあるのではないかと敵意を向ける。

今は敵対していても、いずれこの男も協力して癸草に関する黒幕を追うことになるのだろうから、この先の煩わしさはあまり感じていない。郡主との会話で、感情的に声を荒げる商統領には、えっ?急になに?ってなったけど笑

 

癸草を追って闇市に足を踏み入れた江心白と、小哥哥捜索のために訪れた顔南星は闇市で再会するが、相変わらず、すれ違ってもその存在に気付かない江心白に、顔南星はぷんすこである。

なんだかんだありながら結局、彼の目の前でやむを得ず変身してしまったため、既にこの早い段階で、お互いがお互いの奇病に気付いたようである。

江心白は、かつて利用した格好となって傷付けた顔南星に償いをしたいと申し出るが、自分が(罪悪感を拭うために)気持ち良くなりたいだけでしょ!と言われて傷心気味。それでも、全然めげてはいないし、ほんと優しい男なんだよなぁ。

 

総捕衙司の頭捕である江心白は、実は越江王府の郡王であり、妹の郡主もいるが、跡継ぎは郡主にする方針だという。罪人の父親に似すぎて跡は継がせられないと祖父が言っていたのを考えると、やはり父親の汚名返上をする目的も持っているのかもしれない。以前、花火を見て流した涙は、何かの思い出が蘇ったのだろうか。

 

顔南星の過去は、幼い身で嫁がされ、妙な薬を飲まされる描写はあったものの、まだよく分からないな。

 

迦耶に、三回婚姻の機会があると言われ、闇市の占い師にも婚姻を勧められていたため、最後は本物の婚姻だとしても、もう一度、偽婚姻の機会があるのかも。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第20話。

癸草の件は、父親が元々追っていた案件だったのだな。

悪巧み連中に嵌められ、それを上手く立証出来なかった責任を全て一人で背負って、郗昭明は罪臣とされたようである。

未だ癸草の元締めを捕えられないとは、相当長い期間、野放しにされていたことになる。黒幕は陸じいさんのようだし、父親への判決を言い渡していたのもこのじいさんだったのを考えると、余程、権力を持っているのだろう。悪巧み仲間の娘婿、李って役名は悪巧み用の定番なのか笑

 

郗昭明は郡主の婿であり、江心白の父親だったが、後ろ盾となる権力を持つ家との婚姻を自分に望んでいる母親に向かって、越江王府でも守れなかった父親の末路を口にする江心白の言い分は説得力がある。母親にとっては、一番悔やんでいると思われる図星を突かれて、そりゃほっぺをパチンとしたくなるのも分かる、、、

 

顔南星は、引き続き小哥哥の消息を追いながら、生活のために花想容を営むことにする。たまたま出会った、野生児のような佟賽兒と、求人を見て飛び込んで来た柳若騫を雇い、店は割と繁盛している。

 

序盤に、この柳若騫は、悪巧み連中の闇市担当であった曹文全の元で手伝いをしていたため、この笑顔の裏に何かあるのかと思っていたが、おそらく悪巧みの件には一切関わっていない。この男の優しさは、性根からくる純粋なものなのだろう。

三代に渡って奴籍の彼は、そのことを卑下することもなく、人を思いやり、前向きに生きる清々しい男である。

 

孤児である佟賽兒も、生きるために様々な仕事をしていたが、京に来た本当の目的は、幼い頃に決められた許婚を捜すためである。

この許婚を商別離と勘違いして、初見で突進してきた賽兒に対し、若干引き気味だった商別離は、その人物ではないことを証明するために、初めて人前で仮面を外すこととなる。

そこで分かったのは、かつての戦で鼻を失くしたということであり、その鼻を隠すためのお面を付けてくれたのが、義兄弟の妻、迦耶だったようである。そこからひたすら迦耶を想っていたため、江心白への恨みが大きいのである。

 

鼻が無いとなると、これから先、丞磊の顔面は拝めないのかと思っていたが、至20話で、顔南星に鼻整形手術を施されることとなるので、仮面は外れるのだと思われる。

 

なんだかんだと江心白の行く手を邪魔する妹の桫欏は、初めっから構って貰いたいだけ、という空気があからさまに出ていた。

母親が兄ばかりを気に掛けていることもしかり、自分が実は兄を慕っているのも、自尊心が邪魔して素直に表現することが出来ないのである。そのため、家族の中に入れて貰えていないという気持ちが、あの態度に偏向しているのだろう。

考えてみると、河蛮で挙式をあげた相手を暴露させたことも、嘘を吐き続けるわだかまりを解消してくれたし、顔南星の店を買い取ったのも、結果的には江心白と顔南星の関係を、より強固なものにしたのだから、桫欏のやっていることは割と無駄にはなってはいない。

母親も妹も人間くさい良いキャラ作りがされていると思う。

 

河蛮での挙式の件を暴露したのは、ひそかに京に潜り込んでいた南霽風である。迦耶を死に追いやった連中を調査するため、陸家の孫が管理する賭場に潜り込んでいた南霽風は、対面した江心白には気付かれず拍子抜け。

河蛮で行方をくらました南霽風は追われているため、ひとまず越江王府で匿まってもらったところで、桫欏の誘導に引っかかったというわけである。

 

義兄弟の商別離とも再会し、江心白との3人は、命を獲られる猶予を皇帝に与えられ、癸草に関する悪巧みを調査することとなる。この件で江心白に命を救われた商別離は、南霽風の説得もあって、これまでの彼に対する不信感はなくなったようである。恩を仇では返さない真っ直ぐな男か。

 

江心白は穏やかで優しく、顔南星へ対する気持ちも素直に口にするところが抜群に良い。

今では、お互いの奇病をお互いが認識しているため、そのせいで起こる急場も助け合っている。誰にも言えずに抱えて来たものを共有する相手が居ることで、より絆は深まるのである。

20話では、顔南星を庇って江心白が腹を刺されるという衝撃の展開があったものの、あっという間に回復してしまう笑

ゆえに、禍々しい出来事があってもドラマ全体に悲壮感は全く漂わず、観ている方も心を痛めることなく楽しく視聴できるのが良い。

 

この10話で笑えたのは、顔南星への衣装を拵えるために出向いた店で、体格のことを尋ねてきた店員に、キラキラな目をして顔南星の人となりを伝える江心白の愛らしさ。

もう一つは、河蛮での挙式の相手を酔って暴露してしまった南霽風が、江心白の母親の前で、しどろもどろに二人の言い分に同意して「閉嘴」って言われてる姿。

 

偶然が重なり、親交を深める桫欏と柳若騫。

郡主が奴籍の家で過ごすという出来事があったが、ここで、桫欏には立場がゆえの尊大さも、偏見もない公平な人間だというのが分かる。

 

賽兒の勢いに若干引き気味だった商別離は、共に過ごすようになったドジっ子で憎めない彼女に心を許しつつある。商別離は、すんごい気持ちに真っ直ぐな男で、感情的に怒りを露わにするのも、もはやそういうキャラ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第24話。

商別離の鼻は、ものすごく綺麗に整形されてしまったようだ。顔面が拝めて良かった笑

屋敷に転がり込んできた賽兒が、甲斐甲斐しくお世話をする姿が微笑ましい限り。

 

柳若騫の方は、桫欏が祭酒を務める翰林司に学問を学びに行くことになるが、奴籍の者はその門をくぐれないという規則がある。

そのため、いきなり登場した厳碧清に散々な暴言を吐かれる。この男は前々から桫欏を好いており、家柄も良いために態度も尊大なのである。

暴言を吐かれても、慣れてるから気にしていないという柳若騫には泣けるが、これを庇う桫欏は、不愛想だが性根は公平で優しくてもっと泣ける。そういえば、この前に観ていたドラマでも同じような役柄だった。

 

顔南星と江心白は、順調に関係を強固なものにしていくが、やはり江心白のヒロイン味は相変わらずである。腹を刺された傷の薬を飲ませた後に、飴を口に入れてあげるのは顔南星だからね笑

 

変身するのを見届けるために、一夜を共にすることにした二人は、顔南星との関係に反対する母親に見付かってしまうが、その瞬間に変身してしまったため、あらぬ勘違いをされてしまう。

同性が息子の相手なのかと勘違いした母親は、泣いたり叫んだりで忙しいものの、そこが逆に愛らしくキャラが立っている。

同性よりも顔南星の方がマシだと思った母親は、態度を急変させて二人の関係を認めることとなり、結果的には良かったみたい笑

反面で、商別離に頼んでいた小哥哥の捜索は失敗に終わり、記録も15年前から途絶えて、生死も分からぬ状態だという。

初めから江心白に頼んでいれば、あ、それ俺だわ、となっているはずだから、ここは若干もどかしいところ。

 

花想容を江心白の母親に奪われた期間、賽兒は商別離の屋敷にお世話になっていたが、花想容が再び開業したために、そちらに戻ることにする。

賽兒を手放すことが名残惜しい様子の商別離は、捜している許婚のことは忘れて俺の元に来ればいいのに、という気持ちが隠せていない笑 不器用ながらも精一杯気持ちを表現する商別離はけなげだが、天然の賽兒にはそのような気持ちがまだ分からない段階である。

 

ほのぼのしていたのも一転、いやいや、南霽風なんで、、、姚乾書とどこへ行ってたんだっけ、、、

癸草を巡る悪巧みは、陸定昭と李俊が首謀者だと分かっているものの、証拠を掴めないために未だ言及出来ていない。この調査を察知されたために、南霽風は消されてしまったわけだが、江心白の時のようにあっさり回復させてもらいたかったな、、、あんな素敵な人、なにも死なせなくてもいいじゃん。

 

商別離は直情型のため、イノシシの如く突っ走るが、江心白の方は順序立てて周到に証拠を掴む方向で調査を進めようとしているため、二人の方向性が違ってしまい、再度仲違いとなってしまった。

犯人は分かっているのに、簡単に捕らえられないのがもどかしい。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第36話。

引き続きの陸定昭と李俊の策略に嵌り、私的に花火を上げたという疑いで江心白は捕らえられてしまうが、このおかげで、江家の絆は深まり、商別離とも和解したことを考えると無駄ではなかった気はする。

義父も実に心優しい人であり、桫欏なんて本来の気質を隠すこともなくなり、親身になって兄に協力する。良い子だ、、、

 

上げてもいないこの花火の言い分を皇帝に通すため、二度目の婚姻をすることになった江心白と顔南星は、その晩いい雰囲気となったところで、愛らしいおっさんに変身する。

地団太踏んで悔しがる江心白、、、

 

そのすぐ後に、陸定昭と李俊の信頼を揺るがすための偽の刺客を送った江心白は、変身した顔南星や義父とも協力して、見事李俊を捕えて自白させることに成功する。

てっきり黒幕はこの二人だったと思っていたため、皇帝の前で自白した李俊は陸定昭に刺されて亡くなり、刺した陸定昭も自害したのには驚いた。黒幕は別にいたようだね。

 

真の黒幕を追って、今度は庭州へ向かうこととなった江心白は、そこで自分の身に起こる災難に顔南星を巻き込まないため、一旦離縁を提案する。これで二度離縁することになったため、三度目こそは本当の婚姻を結べるのだと思う。

 

江心白が庭州に出向いている間、京では花想容に対抗する店が現れ、商売は芳しくなくなる。この商売敵の女は、かつて顔南星に妙な薬を無理矢理飲ませた癸草を巡る組織の一員だった。その背面にいるのは、中盤から前のめりで登場していた、厳碧清とその父親である。

 

これで、自分の仇と江心白の仇が同じ組織だと気付いた顔南星は、変身を遂げながら庭州に辿り着く。

江心白の方は、相変わらず癸草の件の調査をしていたが、この地でそれに関連する馬賊の白魭が登場する。すんごいカッコ良い男が出て来たと思ったら洪堯だったわ笑

目を治すことと交換で生かしていた顔南星と過ごすうちに、惚れてしまった様子の白魭は、馬賊の頭だけあって必ず自分のモノにするという気持ちが強い。夫の存在などほとんど気にする様子もなく、庭州での調査を終えて(対象が亡くなった)京に戻った顔南星を、馬賊を解散してまで追ってくる。

この存在にやきもきする江心白だが、お互いを幼い頃に出会った存在だと知った後では、二人の絆は揺るがない。個人的には、洪堯がカッコ良すぎて、この存在に煩わしさもないけど笑

 

桫欏と柳若騫の恋路は、身分違いがゆえに困難を極めているが、傷心で京を去るという柳若騫を、馬に跨った郡主が颯爽と連れ戻しに来たため、群主が奴籍の婿を取るという初めてのケースとなるのだと思う。皇后から賜婚されている厳碧清にイラつきは半端ないが、最終的には捕らえられるのだろうからあまり深刻さはない。

 

商別離にも県令の娘との婚姻の話が持ち上がるが、ここでやっと人を愛するという気持ちを学んだ賽兒は、不器用な二人ながらも想いは通い合う。

 

花想容で働き始めた白魭は、顔南星を手に入れるため厳碧清と癸草の取引をしていたが、それが上手くいかずに厳碧清に追われる身となる。彼の顔南星への想いは嘘ではないが、貶めて居場所を無くすやり方は間違っていたよね。めちゃくちゃ不自然な演出であっさり逝ってしまったが。

この争いのどさくさに紛れ、顔南星の手を取って走り出した江心白は、自分の立場など構っていないようだね。

 

てか、悪巧みの手下である厳碧清の父親は刑部侍郎だったのか、悪事を隠すのも冤罪を与えるのも便利な地位を利用している。

そのため、白魭と手を組んで癸草を運んでいた嫌疑を掛けられた花想容は、賽兒も柳若騫も囚われてしまった。

 

悪巧みのボスは丞相のようだが、江心白の秘密を握って命を獲ることに躍起になっている。彼が顔面を認識出来ないことを知ったとして、それが黒幕にとって有利に働くのかは疑問だけど。

既に変身のことも割と多くの人が知ってしまったし、すんなり受け入れられる辺りはスムーズだが、南霽風といい白魭といい、これから亡くなると思われる顔南星の母親といい、割とほのぼのしているドラマなのに、求めていない死が多い、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第37話~第38話。

求めていない死が多いと思ったばかりなのに、姚乾書まで逝ってしもーたやん、、、一番長く江心白の側にいて一番彼のことを理解していたのに。

 

時を同じくして鬼医娘も逝ってしまったが、死にゆく前に秘密を打ち明ける。

元々、本当の母親だとは思っていなかったものの、以前、江心白の話に出ていた、癸草に関する証人の顔至忠が父親で、実母は鬼医娘の師父だったという。

かつて父親の郗昭明が、証人として確保していた顔至忠を夫婦もろとも守ることが出来ず、残された幼い顔南星の人生も壊してしまった。その上、南霽風や姚乾書も癸草を巡って命を獲られたとなれば、仇討ちのために必ず黒幕を捕えなければならない使命で江心白の心は支配されている。そのため、自分の側にいれば皆命を獲られてしまうと心底落ち込んだ江心白は、顔南星との別れを選択する。病が悪化している江心白には一刻の猶予もない。

 

大事な人を失くすとき、一方は本来の姿では見送れず、一方は顔を認識することが出来ぬまま見送るという哀しみしかない最期、、、人と人とは心で繋がっていると思えば少しは慰めになるけど。

 

江心白と出会ってこれまで、幸せな日々を貰ったという顔南星は、彼とその家族を巻き込まないために、命を以って恩返しをする決心をし、やってもいない癸草の罪を自ら認めることとなる。

 

その間、黒幕の丞相は、皇帝を癸草漬けにして思考を狂わせ、権力を奪ってしまっていた。悪巧みのボスが国家全ての決定権を手に入れたため、これは面倒なことになったよ。

この手下であった厳親子は、白魭が生きている間に仕込んでいた癸草がその屋敷から発見されたことで捕らえられるが、利用価値のなくなった親子の行く末は想像に難くない。

白魭のこの行動は、幫主として仲間を守るためにしっかり保険を掛けていた結果だったが、さすがただカッコ良いだけの男ではなかった。

囚われた厳親子は、醜い押し付け合いの末、どちらも命を獲られるという哀れな結果となるが、丞相、ほんまこいつ、、、

 

自首してきた顔南星を、モルモットの如く扱う丞相側に付いていた白玉塵は、彼をここまでクズだとは思っていなかったのだろう。越江王府に害を与え、皇帝に取って代わってしまった丞相をこれ以上は支持できず、敵意を持っていた顔南星を牢から解放して皇帝を正気に戻すことを託す。代わりに牢に繋がれた白玉塵も命を落としそうだな、、、

 

この2話は目まぐるしい展開で、一気に深刻さを増す結果となったが、親の代から何十年もに渡った悪巧みの黒幕を捕える寸前という雰囲気は出ている。

残り2話。8日から長相思が始まってしまうからね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第39話~第40話(最終話)。

いやなんか良かった、、、

癸草との科学反応で変身する身体となった顔南星は、元に戻らない薬を飲まされ、あのおばあちゃんの身体のまま、何か月も過ごしていたわけだが、江心白の心は変わらずにいたためなのか、この世のものでない力によって元に戻る。

 

江心白が顔南星を見付けたシーンは、この都合のいい展開はどうでも良くなるくらい、ちょっと予想を超える感動を味わった。あの可愛らしいおばあちゃんが対象だったから余計胸にくるものがあったのかも。

 

元々、江心白は顔面が見えてなかったために、その時点で見た目は関係なかったのだろうが、その分、心で受け取る感覚の比重が人より大きかったのかもしれない。

見た目が全てではない、という理想的な概念は、見た目を重要視する現実世界でのルッキズムを提唱する作品だったのだと思われるが、それが分かってはいても、実際彼のように行動出来る人はそうはいない。だからこそ、ドラマでくらいそんなファンタジーを観たいと思うのである笑


宋軼は相変わらず声が良い。そして、羅雲熙の殺陣シーンはなぜあんなにカッコ良いのだ?体幹なのか?

 


『ソンジェ背負って走れ Lovely Runner』

2024年 5月〜 韓国 全16話

U-NEXT配信中



出演

ソンジェ→ピョン・ウソク

ソル→キム・へユン



油断すると、沼から抜け出せなくなりそうな誘引力がある。

脚本、演出、役者、色々要素はあるのだろうが、それでも一番は、なんといっても主演の二人がひたすら煌めいていたからだと思う。そのため、ロスっている人が多数いるのも分かる気がする。


ネタバレあり

絶望から救ってくれたソンジェ(アイドル)が急逝し、謎に過去へタイムトリップしたソルが、彼のこの先の人生を死なせぬ方向へ変える、という話だが、初っ端から、釘付けになるとはこういうことだという気分を味わう。

1話のラストもさながら、2話のラストで、そうだったのか、となり、あっという間に16話が終わる。


ソルは、3度戻れる魔法の時計で、ソンジェを死なせぬよう過去を修正するわけだが、その甲斐なく、結局3度目も自分のために命を落とすこととなる。

この変えられぬ運命を嘆いたソルは、最後に、そもそもの出会いをなくすという結論に辿り着く。(4度目に使った時計の仕様は謎だが、ファンタジーだから気にしてはいけない笑)


それから、30代まで接点のない人生を互いに歩んでいた二人は、運命に引き寄せられ再び出会うことになるんだけど、、、

過去を修正したソルに記憶があるのは分かるが、その過去を経験していないソンジェが、思い出した、というのはちょっとおかしくないかな。

それを同僚に話していたら、「記憶は失くしてるけど、修正した本人と同じ経験をした状態で一緒に過去に戻ってるらしいよ、ちまたでは。」と言われて、なるほど、劇中で祖母が言っていたのはこれか、となった。

やり直す前もその後も、同じ時間軸を歩んだことにかわりないと思えば、思い出した、というのもありである。

ファンタジーだから笑


この作品は、U-NEXTが無料配信している2話までYouTubeで観ることが出来るが、とてつもない吸引力のため、課金することを覚悟しておかなければならない笑