
『一瓯春(一甌春) Spring of the Blade』
2026年 9月~ 中国 全30話
出演
谢清圆(謝清圓)・陈云芽(陳雲芽)→周也
沈润(沈潤)・严瑞(嚴瑞)→许凯(許凱)
9月配信で蘭香如故に続くお屋敷もの2作目だけど、こっちも面白い。
ネタバレ 第1話~第6話。
代々官吏を担う謝家の血を引く清圓は、人を殺めた罪に問われて謝家を追い出された母親と外界で慎ましく暮らしていた。当時、謝家には黙って出たのか追放されたのかは謎だが、その後に母娘を追ってきた謝家によって母親は命を奪われる。
それから数年が経ち、謝家では奇妙な現象が起き始めて大騒ぎとなっていた。この禍の連続は詛咒ではないかと疑った謝家は、指南を仰いだ道長による血脈の一人が福神となる旨の助言に従い、かつて追い出した靳春晴の子を捜し出して家へ迎えることになる。
こうして謝家に戻ることとなる清圓だが、謝家での奇妙な現象、屋敷の火事、道長の助言、この全てが清圓の策略で行われていた。
当時、母親は清圓を孕んだまま追い出されたが、無事外界で生まれた後の日々は貧しいながらも幸せだった。そこに突然刺客が現れ母親を殺められたため、幼いながらも謝家への仇討ちを誓い、それだけを目的に生きている。
策を凝らした甲斐あって、遂に謝家へ迎えられた清圓の復讐がここから始まるわけだが、この過程で、都から横塘へ派遣されていた厳瑞と出会う。
厳瑞は、皇帝に最も近い位置で任務を担う諫議大夫という肩書で、放蕩者を装って汚職官吏の調査を行っているようだが、謝家へもその疑いは向いている。そこに計画遂行中の清圓が現れたため、謝家との関連が拭えず深い印象を残すことになる。ていうか推測で清圓の計画を全て当てたんだが、勘冴えすぎじゃないの笑
それから清圓を調べ始め、養母の陳婆婆の茶屋から謝家へ戻されたことを知るが、自分の捜査範囲の謝家との関連もあって、何かと清圓を付け回すようになる。謝家へ戻った目的を執拗に尋ねているが、そこは関係なく俄然清圓の方へ興味は湧いている。
謝家へ戻った清圓は、自分の母親の行いで母を亡くした清容の恨みの対象となり、荒ぶる態度で接する敵を躱す日々を送る。何度目かの絡みで偶然そこを別件で通りかかった厳瑞も命を狙われ、二人で河にまで落ちてしまうが、ここでの厳瑞の命は清圓が救うこととなった。
後に、狙われたのは厳瑞の命でなく、謝家の所持する田庄で不当に銭を巻き上げる証拠を持った田庄の長の命だったらしい。その死を手掛かりにじわじわと悪代官を追い詰める厳瑞は、放蕩者が汚職を率先して行うフリをして任務遂行中である。
正直ここまでは、厳瑞という人間を無の感情で観ていた。
それがだ、第3話辺りで清圓の回想が始まり、母親の死から仇討ちを決意するまでが描かれたことを機にそれは一変する。
回想した当時の清圓は、預けられて滞在していた沈潤と手を握り合って追っ手から必死で逃れるような窮地を経験していた。後に、沈家も一家惨殺され、沈潤だけが生き残ったことが分かるが、この真相を必ず突き止めるという誓いの元、二人は再会を約束して別々の地へ向かった経緯があった。
共に惨事を経験したここまでの絆となると、厳瑞が沈潤でないとちょっとおかしいよね、と思いながらなんとなくポスターを見たら、許凱/飾 沈潤・厳瑞って書いてあったことに仰天したのだが、これに気付いてから、なんだか厳瑞が愛しくてたまらなくなった、、、約束を違えることなく、真相を突き止めるための力を得るべく、孤児から皇帝の脇まで登り詰めた日々に勝手に思いを馳せていたら胸が熱くなったよ。
あの頃は、謝家から追い出された母娘とも知らずにいたんだろうから、出自を知っても気付くはずもないが、今は殺伐とした中で薄っすら協力体制にはなっている。とはいえ殺伐としているのは清圓のみで、謎の鞭打ちから清圓を救ってしっかりと腕に抱き、侍女へ平手打ち返しをするような厳瑞の方は既に恋が始まっているな。
厳瑞に関しては、謝家の話し合いで話題にも上がっていたが、表向きは殿前司都指揮使の役職を持つ沈潤とは別に厳瑞がいるらしい。それも沈潤が外で活動するための名なんだろうね?
梅映華と悪代官が結託する銭を巡る悪事は、暴かれるのもそう時間は掛かりそうもない。その間、清容の恨み言と淳之を巡る清如からの嫉妬の応酬が煩わしそう。あの家での味方は大姐の清和のみだが、清圓が強すぎてあまり心配はしていない。
つづく
追加ネタバレ 第7話~第10話。
田庄を巡る梅映華の悪事は、農民への配当をくすね、その銭に不当な利子付けて当人たちへ貸し出すという貪欲なものだったが、厳瑞の捜査が回る前に、その商売は清圓へと押し付けられていた。
既に農民の暴動が加速していた状態を、機とばかりに反転させ、悪事を噤む代わりに梅映華から銭を毟り取って補償に当てた二人の足並みは、打ち合わせずとも絶妙に揃っている。


この騒ぎは、梅映華の指示で悪事に深く関与していた栄婆が捨て駒にされて収束したわけだが、使用人の割に態度がデカすぎなのはなぜなのか笑
清圓の母親もこの栄婆の手で滅多打ちにされていたが、梅映華に裏切られ、囲っていた男昌にも裏切られて、これまで他人に行ってきた滅多打ちで自身も逝ってしまった、、、張媛鈺の弾けっぷりでなんだか憎めなかったけど笑
田庄の長が殺められた厳瑞が捜査する汚職の件は、韋昌炎を筆頭に郭寶豊が手足を担っており、それに利用されたおバカな謝正鈞が主犯とされ、韋昌炎によって郭寶豊も自害させられていた。
郭寶豊が韋昌炎へ抱く恩は深く、自分の失態で韋昌炎への関与まで暴かれることを恐れて韋昌炎の願いを甘んじて受け入れた結果だったようだ。義理を通した郭寶豊はともかく、貪欲さだけでなく保身のために肉親のような人間を自害させたこの男は惨めでしかない。コイツが捕らわれるのも時間の問題だが、その前に罪を被せられた謝正鈞が危機に面している。
このタイミングで謝家家主の謝紓が戻り、清圓の一番の目的が目の前に現れたわけだが、視聴者から見ると、この父親が善なのか悪なのかここだけでは全く分からない。
あの火事の起きた当時、清圓は母親と対面する謝紓を確かに目撃していた。そのせいで母親を執拗に追って命を獲ったのは父親だと確信しているが、謝正鈞を罰して厳瑞へ語った道理が本心ならば、謝紓は何らかの悪事を追っているようにも見える。
扈文琢の生家に媚びる白々しい芝居の中、何に使うのか謎に白髪を丁寧に仕舞っていたのも気になるし、清圓に語った母親への愛が嘘にも思えなかった。それでも「もう後戻りは出来ない、来世は堂々と夫婦になろう。」とかいう言葉が善というには辻褄が合わず、やはり悪代官という疑いが全然拭えない。
罪人を匿ったことで清圓の母は死に至ったらしいが、罪人とはおそらく沈家のことなんだろう。これを皇帝の傍まで上り詰めた厳瑞が知らぬはずがない。厳瑞は確実にその件を調べて沈家の汚名を返上するつもりなんだろうから、現在行っている汚職の追及もおそらく過去の惨事と繋がっている、はず。それを一言も口にはしていないが、そこまでを打ち明ける人間も周りにはいないのかもしれない。
陳婆婆の元へ通う厳瑞を見ていると、かつては存在した家族の温もりを懐かしんでいるのかもという妄想だけでなんだか泣けてくる。
この辺りで、淳之が謝家の後ろ盾となる覚悟で清圓へ婚姻を申し込みに現れ、清如と清容の反発は加速していくが、清圓は厳瑞から渡された玉佩を利用したりなどで軽く躱している。
その玉佩を巡って厳瑞が激怒していたんだが、一体どうしたんだろう笑 自分の送った玉佩が他人へ渡ったことにどれだけ心を痛めてるの。そもそも清圓とは芝居でキスは交わしたものの、気持ちが全く自分に向いていない女から何を期待していたのかな。
つづく
追加ネタバレ 第11話~第12話。
若干モヤる部分は残るものの、謝紓が黒だと判明して単純にはなった。今のところの厳瑞は、汚職官吏のフリをして韋昌炎の悪事に乗っかる茶番を展開しているが、謝紓はその遥か前から結託していたらしい。となると、この二人が沈家の惨事とも関連があった可能性はある。その繋がりで靳春晴の命も奪われている。
尻を拭う役目の扈文琢(の兄)は、夫の裏の顔にも気付いているようだが、イマイチ何を考えているのか分からない。それでも扈文琢の育てた娘はどちらも主母の特権に驕って愚かさが一向に改善しないあたり、程度は知れている。
謝紓は厳瑞を適当にあしらって難を逃れ、いずれ韋昌炎を切り捨てるつもりなんだろう、それを察して負けじと反発する韋昌炎の醜い争いが既に始まっている。オジ共の足の引っ張り合いは割とどうでもいいんだけど笑
今回、厳瑞に何か計画があることを匂わせる人物が新たに登場する。
沈澈(白澍)という名から、沈潤の兄弟か親族かなんだろうが、たった一人残された厳瑞が、孤独の中で沈家の真相を追ってる訳ではないことが分かってなんだか嬉しかった。厳瑞が駒に溺れる前に襟を正す役目を担う沈澈だが、本人は頑なに駒だと言い張っている。
因みにだけど、段々と清圓へ惹かれていく厳瑞を見ていたら、若干解せない思いが生じている。今のところは清圓がかつての少女だと気付いていないよね。過去にあれだけの惨事を経験して、約束まで交わした清圓の方は沈潤を胸に留めて忘れてはいないが、厳瑞の方は、あの淡い想いはさておき、ちょっとおもしれー女に惹かれ始めているのか。いずれあの人だったとなるのは分かるが、今の段階で気付いておらず他の女に想いを寄せているのなら、あの少女が置き去りにされるよね、それとも最初から気付いていたんだろうか。いやそんなはずないか、出会った当初に身元を調査してたもんね。
今や共闘して各々の目的を進める二人だが、厳瑞にとって突き放すには惜しい権力を持つ李從心が個人的には懸念材料となっている。
李從心は、何の不自由もなくぬるま湯の環境で育ち、世間を知らぬおかげで純粋で悪気のないいわば良い子すぎる男である。こういう人間が能動的になると、とんちんかんな正義感で引っ搔き回して、ここぞの周到な計画が壊される確率が上がる。銭や権力のあることがなお質が悪い。おまけに定番の「非她不可」まで口にしている、うるせえ笑
ドラマにおいてはこの手のタイプが一番苦手で、高貴な身分でイノシシ感が否めぬ李從心を若干警戒している。
つづく
追加ネタバレ 第13話~第14話。
なるほど、清圓を介して李紹群へ取次を求めていたのは兵を借りるためだったのか。
この回までは、厳瑞が汚職官吏を上手く演じて皆がそれを信じていたが、やっと正体を露わにする時が来たらしい。
清圓もまた、真意を明かさぬ厳瑞を手放しに信じてはいなかったが、ここでやっと彼の目的を知ることとなり、途端に目が♡と化す。こうなると過去の互いの存在はどちらも置き去りとなるため、もうお互い様かと思い始めた笑
どこまでも欲しがる謝紓や韋昌炎へ餌を撒き、満を持して反転させた結果は、余計な賊まで侵入して血みどろの戦いとなり、それまで偽物だと責め立てられていた清圓も、謝家への助けを借りるため戦場へ放り出されることになる。
人を貶めて銭を貪るだけの謝紓と梅映華から生まれたとは思えぬ正倫は、清圓と共に外へ出て必死で妹を守るが、賊に囲まれたあの後はどうなっているのか分からない。同じく、大姐の夫になる予定の裴公子も城門へと果敢に突っ込んだその後が分かっていない。銭を貪るだけの役立たずならまだしも、この二人には生きていて欲しいんだけど。
この戦闘の中、沈澈も賊を斬りまくっていたが、9年もの間、目的としていたのは韋昌炎の命だったようだ。やはりコイツは沈家の惨事に絡んでいるらしい。
今回の白澍めちゃカッコいい。
ここで沈潤とは兄弟だということが分かるが、それを逃げ惑う韋昌炎に聞かれたため正体は知られたんだと思う。すぐに沈澈に斬られるはずだと心待ちにしていた韋昌炎は、しぶとすぎて今回はおあずけとなる。残念。
他に、厳瑞が清圓に預けた玉佩がとんでもなく貴重なものだったことも判明するが、その価値を思うと他人に渡したことにあれだけ激怒したのも無理はなかった。
その貴重な玉佩を渡した想いは、駒などではなく荒れ狂う戦場の中、見つけ出して危機を救うほどになっている。かつて追っ手から逃げ惑ったように、今回も手をしっかりと握り合って賊を躱していくが、四方から囲まれたあの場はどう切り抜けるのかと緊張感はあった。ただし厳瑞が正面の賊を斬り倒している間、背面の賊は棒立ちの清圓にも手を出さず、待ってくれていることにちょっと笑ってしまったな。
ここで、救援を頼んだ李紹群が軍を動かす決断をしたことが賊を追い払う結果となり、この戦いは収束を迎える。開幕に、殺したと思わせて救った少年が戦闘に混じっていたのはめちゃくちゃ和んだよ。
斬りまくって同じくらい斬りまくられた厳瑞は、気を失って床に臥せっているが、あの時渡した誓いの印が清圓の手にあったことは気付いていたよね。その割に驚いた様子は見えなかったが、やはりあの時の少女だと気付いているのかな。
一番分からないのは謝家祖母の真意がどこにあるかだが、梅映華の悪事にもさほどお仕置きはなく、その性根も分かっている割に戯言に影響されて情緒が定まっていない。
何より謎なのは、清圓が策を練って謝家に戻って来たことを知りながら、そこを追及することなく今でも福神を訂正もせず放置していること。放置ならそれでもいいが、蓮梵巧と大姐以外は皆おかしいし、何も解決しようとせずに好了ばかりでは消化不良なんだけど。実は息子の長年の悪事や嫁同士が招いた惨事の真相も全て分かっていての放置なんだろうか。
つづく
追加ネタバレ 第15話~第16話。
誓いの印を見た時もしかり、寝たふりで自分の言葉が清圓によって戻ってきたことに嬉しさが見えた厳瑞は、おそらくどこかの段階、或いは最初から、清圓がかつての少女だと気付いている。逆に清圓は、沈潤と厳瑞が重なるものの未だ気付くには至っていないが、完全に信頼を置く段階には達している。
他に、心配していた正倫や裴公子は無事生還が確認出来て安心した。
この辺りで、話し合いが中途半端となっている母親の濡れ衣の件を知る侍女と遭遇する。この侍女は現在、裴夫人(裴公子の母)の側に仕えているが、今の平和な日々が脅かされることを恐れ、過去に強いられた悪事の証言を頑なに拒否していた。
その間、逃げ惑って野営へ辿り着いていた韋昌炎が、州外へ逃れるために盗んだ通行証を巡って裴夫人を刺し殺していた。なんなのこのジジイ、、、浅ましいにも程があるんだが。
その韋昌炎を追って、清圓も厳瑞も定番の断崖へと辿り着くが、いつの間にやら屋敷を抜け出して、謎に韋昌炎の居場所を当てた謝紓が射った矢により、人質となっていた清圓は崖落ちし、それを追って厳瑞も崖の向こうへ消えてしまった。
その後、悪代官のジジイ二人は対峙していたが、おそらく謝紓は韋昌炎を射るまでには達していなかった、ということはまだ韋昌炎は生きているんだろう。しぶといねぇ。
崖落ちした二人は、辛うじて漁村で生き延びていたようだが、その描写は端折られ半月を経て、元居た場所へと戻ることになる。
謝家では清圓が亡くなったとされ、喜ぶ人間の方が多かったが、葬儀の日にピンピンで戻った清圓を再び煙たがるターンが始まる。特に梅映華のこの先は、母親の濡れ衣の追及が待っている。
こうして再びその話し合いの続きが始まるが、今回は、裴夫人の死によって証言することを決めた侍女も一緒に戻っていた。この決断をさせるための裴夫人の死だったのか。
その侍女の証言を以っても、のらりくらりと追及を躱す梅映華の饒舌さにはある意味感心するが、最終的に、その子とは思えぬほど潔白な正倫を切り札に、遂に自白させるところまでやってのける。ただし、堕胎薬を盛っただけという梅映華の言い分も嘘には思えず、決定打の毒を盛った人間が他にいるんだろう。
謝紓も扈文琢も祖母も、蓮梵巧すらも怪しいと思えば全員が怪しい。追い出した後まで追ってきて母親の命を奪ったのは、その後、自白かと思えることを自身で語っていた謝紓なんだろうが、夏姨娘を殺めた人物はコイツではないよねおそらく。

ともかくこの罰を受けて瀕死の梅映華は、そのまま謝家を追い出されることになるんだろう。最初から最後まで(まだ終わりではないかも)、悪事ばかり行っていた梅映華だが、張瑤が愛らしすぎて憎さも半減するのが困る。
その息子の正倫は、清い精神を最後まで貫き、項垂れたまま再び北境へ戻る姿が不憫でしかなかった。本当にあの二人の子とは思えぬ人柄だったが、弟の正鈞もおバカなだけで悪い子ではないことを考えると、どちらも誰に似たのかが謎でしかない。
あの戦闘で、韋昌炎を逃したことだけに怒り狂う沈澈だが、そりゃ一族七十二人全ての命を奪われればその恨みは計り知れないよ。それを長い間抱え続けて笑うこともなかった日々が哀しくもある。仇を討ったとて戻って来ない虚しさだけが残る未来で、沈潤はともかく、沈澈にも救いがあって欲しい。
つづく
追加ネタバレ 第17話~第19話。
飢えと賊から横塘を守った後は、厳瑞存在そのものに疑いを向けさせる噂が流れ始める。おおよそ救った事実を有耶無耶にしようという謝紓の企みなんだろうが、事実、厳瑞は前々から噂されていた殿前司都指揮使の沈潤なのだから存在するわけがない。
そんな噂を気に留めることなく、怪我の回復もそこそこに二人は引き続き各々の目的へ向かうことになる。
謝家では、いよいよ裏で糸を引いていた扈文琢が台頭し始め、かつての事件に梅映華も蓮梵巧も加担させられていたことが分かる。というより、自分の手を汚さず側室に邪魔な側室を始末させていただけの話である。ですよね、血の繋がる清容の性悪さを見れば、しおらしく見せていても概ね腹黒いと決まっている。
それを梅映華へ全て負わせて捨て駒にしたわけだが、それでは終らず、戦場へ赴いた正倫を追い打ちの手紙で不安定にさせ戦死させてしまった。ひょっとしたら清圓または厳瑞と手を組んで、死を偽造しているとも考えられるが、謝家で唯一正常な倫理感を持ち、聡明さも備えた正倫には生きていて欲しい思いが強い。
その知らせを受けた梅映華は一瞬で気が触れてしまったが、この家で息子を守って生き残るには、決定権のある主母の言うがまま手を汚す方法でしか活路を得られなかったこの女もまた、犠牲者だった。それでも正倫が言っていたように、それが悪事への免罪符になる訳ではない。同じように娘を守るための蓮梵巧もやはり罪人だったが、正倫の死を白々しく嘆く扈文琢の本性を見抜いて無感情に冷笑していたのにはちょっと笑う。
こうして自分の送った手紙を遺品から処分したつもりの扈文琢だったが、前もって準備していた清圓の手により正鈞の手に渡ることになる。
ていうかさ、そうやって跡継ぎの子を殺めても自分には性悪娘しかいないよね。となると跡継ぎの母には絶対になれないと思うんだが、一体何がしたいんだろう。もしかするとおバカな正鈞を跡継ぎにして主権を握るつもりだったんだろうか、賢い正倫はおそらく思うがままに動いてはくれないからね。
だとしてもこんな小規模な場所で何するわけでもないのに、人を貶め、殺めてまでも主権を握ることに意味はあるんだろうか、何するわけでもないのに?
結局、扈文琢が清圓の母親の死まで関わっていたことも分かってくるが、こうなるとあの火事の日、謝紓と共に仲良くキャッキャで命を奪いに来たということ?ならば謝紓の悪事関連なんだろうから扈文琢もこの男の駒ということか。
この過程で、しぶとく生き残っていた韋昌炎がノコノコ現れるが、清圓を人質に厳瑞を呼び出すことを目的としていた。既に京城へ向かっていた厳瑞を制止する沈澈の、縁を切る覚悟も振り切って清圓を救うことを選んだ厳瑞は、そのまま韋昌炎を滅多打ちにして遂に長年の恨みを晴らす。
鬼の形相でロープを引く厳瑞は途轍もない迫力だったが、韋昌炎への最後の一撃が沈澈の役目ではなかったことに困惑した笑 あれだけ韋昌炎の命を奪うことだけに囚われていた沈澈が、てっきりトドメを刺す係だと思っていたから笑
こうして清圓を救った後は、全てが終わったら必ず話す、と言い残し再びやるべき任務へと戻っていくわけだが、これまでの憶測だけでなく、厳瑞が沈潤だという事実が明確に清圓へも伝わることになった。(ここから厳瑞→沈潤表記にします。)
次に二人が再会したのは正倫の葬儀の日であり、殿前司都指揮使の沈潤として聖旨を携え、誰に一瞥をくれることなく真っ直ぐ上座まで歩みを進める姿がべらぼうにイカしていた。
かつて、横塘に蔓延る汚職を制裁に現れた沈知白(沈潤の父)は、徒党を組んで隠蔽する横塘の悪代官全員によって逆に貶められた結果、あの惨事が起きていた。それをこの地で先頭に立って行ったのはおそらく謝紓なんだろうが、その背面にいる権力者は扈文琢の兄、、、?この兄が何かと謝紓を庇っているのはそういう訳なのかもしれない。この兄がどれだけの地位にいるのか既に忘れているが、どうやら沈家は皇帝側の人間であり、父親が貶められ道半ばだった汚職摘発を、その息子二人が引き継いで完了させることが目的だったらしい。
最終的に、清圓の母親の死とも繋がっていくんだろうが、割と終盤のような雰囲気でもまだ11話残っている。
未だ気になっているのは祖母の立ち位置、、、
つづく
追加ネタバレ 第20話~第21話。
韋昌炎で晴らせなかった恨みを別の悪代官で補うように殺りまくる沈澈、おもろい笑
ここで牽制し合う沈潤と謝紓だが、謝紓は後ろ盾に余程自信があるのか、いつまでも生意気な態度を貫く。後に、沈潤がはっきりと皇帝の許可を得て横塘へやってきたことが分かるが、皇帝はなぜか謝紓へは手を出さず、むしろ協力して背面の人物を倒せと言い渡す。
謝紓が最大の悪だと分かっているはずだが、皇帝が謝紓を守る理由は分からない。それが背面の人物を倒した後に制裁を与えられるのか、それが分かっても謝紓は許されるのかも分からない。暫定的な言い方ではなかったため、謝紓へ手を出せない何かがあるんだろうが、よもや大義のために謝紓が動いているとも思えず謎でしかない。扈文琢が送った兄への証書(だと思うが)がなぜ皇帝の手にあるんだろう。
謝家では、正倫へ送った手紙の件で責を負わされた扈文琢が、激おことなり、断片的に謝紓と祖母の過去の闇を明かすが、鍵である一番の秘密はもったいぶって教えてくれなかった。
母親の鏡の上にある秘密を見付けられるかはお前次第、などという謎かけが面倒くさいな笑
この後、沈潤から謝紓へ手を出せない旨を伝えられた清圓が、ぷんすこで縁を切ったんだが、なんというか衝動的すぎないか、、、
同じ思いでいるはずの沈潤の気持ちも察することが出来ず、思う通りに動かないなら駄々っ子のように惨い捨て台詞を吐く。長い月日をその存在に支えられたとはとても思えない安直な決断が解せないね。
これまでも清圓にはさほど感情移入出来ずにいたんだが、その最たる出来事は、目的に利用出来そうな李從心の求婚を今回受けたことである。
え、ついこないだは清容との婚姻を推していたよね。序盤に強く突き放さないのは、沈潤との協力で丹陽侯の力が必要だったためだと思っていたが、よもやキープだったのかよ?
こう一時的な怒りの中ヤケクソで求婚を受けても、結果的に、やっぱり沈潤がスキ!!などと言い始めるのは確定している。お花畑の李從心へも特に思い入れはないが、衝動的な怒りで沈潤を傷付け、当て付けのように出来もしない婚姻を李從心へ期待させる行動は謎でしかない。賢く策略は立てられても自身のこととなると感情に流されやすいのな、、、まあそういうもんか。
その間、裴家に縁談を断られた清和は、お家の都合でなぜか扈家へ嫁がされそうになっていた。こうなると虐げられ続けた蓮梵巧も、ここで遂に長年の鬱憤が弾ける結果となり、娘を逃がした後は、謝家への恨み言が止まらぬ状態となる。
こうして二人駆け落ちしていく姿は、道具としてしか扱えない親たちの元を離れられて安堵するが、反面で、謝家はめちゃくちゃとなり、もはや家のために尽くす人間は一人もいなくなっている。一体どうなってんの笑
新たに子を産んでくれそうな娘(月鑑)を妻に迎えたから、もはや年増は用無しというわけか、、、
つづく
追加ネタバレ 第22話~第24話。
扈文琢の活路は虫の息かと思いきや、背面に君臨する兄の扈興とやらの権力は強大だった。これまでのように媚び諂って扈文琢を元の主母の地位へ戻した謝紓にとって、扈興は一体どんな存在なんだろう。
その後の沈潤と交わした謝紓の言葉も真意がどこにあるのか分からず不気味である。かつて沈知白とは、腐敗した横塘を正す目的に向かって兄弟の契りを交わした仲だった。沈知白が死した今でもそれが継続しているのかも不明だが、どこかそんな哀愁も端々に漂わせている。
その目的が継続しているなら、皇帝が謝紓へは手を出すなと言っていたことにも納得だが、それならそうと沈潤へ伝えていないのが謎だし、仮にそうなら謝紓は長い間、大義のために悪代官を装っていることになる。
そうだとしたら長くね?扈興の悪事を突き止めるまでいつまで掛かってんの笑 それとも10年そこらは掛かるのが通常なんだろうか。沈潤が横塘に現れてからいくらも経っていないが、既に半数は排除出来ているよね。
うーん、謝紓が同じ目的に向かっているとしても、後戻り出来ないと言いながら靳春晴の命を奪ったことが引っ掛かっるんだよねぇ。やっぱりただの裏切り者なんだろうか。
清圓は引き続きぷんすこで、郡主と密談する沈潤を恨めしそうに眺めながら李從心との婚姻を当て付けのように進めている。何も知らぬ李從心一人だけが無邪気に喜んでいるが、周りに笑っている者は一人もいない。
そんな清圓へ詰め寄って想いを伝える沈潤の勢いに圧された結果、、、

当然こうなるわけだが、その後の、もう一度機会を与えてあげる(清)→待ってて(潤)→そんなには待てないからね(清)という何様発言が癇に障り、完全に女主に対する個人的な感情は無となる。
皇帝の命を背負いながら自身の仇討ちを果たす目的の沈潤と、清圓の狭い観点での仇討ちは、標的が同じだと知った上ではその狭量さが否めない。個人の恨みで謝紓を倒したとて、その背面の悪を滅さねば求めている百姓の安寧には届かない。それを清圓も求めていたよね?何年も待って策を練りながら謝家へ入り込んだ清圓なら、もう少し沈潤へ歩み寄ることが出来るはずなんだが、この役柄構成がどうも解せないんだよね。
という思いで、いよいよ挙式の日を迎えるが、扈文琢の刺客が命を狙って清圓へと迫っていた。主母の座に戻ったからには、自身の娘を李從心へ嫁がせる当初の予定は違えず、丹陽侯と当人以外はそれを了承していた。
刺客から清圓を救ったのは沈澈だったが、これは兄の感情が振り回されないよう潤滑に李從心へ嫁がせるためである。
こうして救われた清圓が会場へと辿り着き、ベールを被った偽清圓の清如の姿が露わとなるが、扈文琢の巧みな話術を純粋な李從心が覆せるはずもなく、正室に迎えられないことを詫び始める、、、
・・・なんですかこの茶番は笑
まるで李從心の非かのように清圓を被害者ポジションにする流れが本当に白けるのだが、、、丹陽侯府の銭なのか李從心の純粋な想いなのか、或いは当て付けなのか、その全てを利用しようとした清圓と、それに反発する謝家との家内の問題に李從心が巻き込まれただけなんだが。その後、満を持して現れた扈興が、道理の通らぬ茶番に納得がいかない様子の丹陽侯を権力を翳してねじ伏せようとしている。
皇帝が持っていた奏上は、扈文琢が兄へ送ったものだと思っていたが、あれは軍費を改善するために丹陽侯が皇帝へ送ったものだったらしい。
極め付けは、白馬に乗って登場した沈潤の求婚を清圓が速攻で受け入れていたこと。
え、熟考もせずその場の感情だけで道が違うと罵って切り捨てたのに、そこが解決しないまま求婚を受け入れるって、じゃあ道が違うことが理由ではなかったということだよね、ただ困らせて、それでも追い掛けて来て欲しかっただけなんだろうね?

こうして皇帝の聖旨まで準備していた沈潤は、そのまま清圓を陳家の娘として娶ることとなり、李從心は予定通り清如との婚姻が成立してしまった。
なんとなんと、、、ただの当て馬でぬか喜びさせられた李從心が、振り回されるだけで終わったこの一連の騒動は本当に白けたな笑
こうなってはもう仕方ないので、沈澈が仇討ちを終えて明るい未来を手に入れることだけを見守ることにする。他に、謝紓の真意の所在も気にはなるところ。
つづく
追加ネタバレ 第25話~第28話。
やっと同じ方を向いて敵を追い詰めていくことになった二人は、まず沈潤が亡くなったことにして相手を油断させ、水面下で計画を進めていく。
親の代で挫かれた夢を受け継いで、挑戦していく者がいる限りそれがいつか叶うというかねてからの思いは変わらず、不公平な世の中を正すことに身を投じる沈潤の揺らがぬ信念が頼もしい。それに賛同して立ち上がる書院を始め、搾取されるだけの飢えた百姓を従え、必ずこの改革を通してみせる一致団結感がめちゃくちゃ盛り上がる。
かつて、抗った中で唯一正道を曲げずに横塘を守って来た丹陽侯は、扈興へのささやかな抵抗ののち命を落とすことになった。これを受け、李從心はヤケクソ気味で絶望していたが、直々に現れた沈潤の鼓舞により父親の思いを受け継いで彼もまた決起する。
この地では、軍権を持つ丹陽侯府の影響は絶大であり、純粋で真っ直ぐな李從心が立ち上がればイノシシの如く勢いがある。序盤はこの手の役柄をかなり警戒していたが、李從心は愛らしい顔面に相応のキラキラな真っ直ぐさで権力を正しく使える心強い味方となった。我儘なだけだった清如もまた、愛してもらえぬことで清圓を責めることなく、ここにきて正常な思考へと変化を遂げている。
こうして、唐突に名前だけ台頭してきた夏(公公)党の当人や扈興、その下で百姓から貪るだけの悪代官は軒並み捕えられ処分される。扈興はただの汚職の筆頭であり、その描写もさほど描かれず退場したのだが、その理由は、この物語における最大の軸が謝家に燻る闇の解明だったからか、と後に気付く。
因みに、このジイと群主が結局何だったのかよく見ていなかったけど、愛人?それとも娘?まあいいか、、、ともかく群主も汚職の片棒を担いでいたことだけは理解した。そこにあったのは愛らしいが。
ほどなく扈文琢の過去が明確に明かされる。
だけどね、自分が殺めた女の産んだ子を実子のように愛していた扈文琢にめちゃくちゃ泣かされたのよ。
実母を殺めたことに薄々感付いた清容が、弱った養母の面倒を見ているのはどこか緊張感があり、それを分かりながら清容の煎じた薬を口にする扈文琢には、もはや生き残るためのがむしゃらさは見えなかった。
自分の犯した罪を悔やむあまり、清容の手で運ばれる薬は、それが毒であっても受け入れることに一種の救いを感じ、喜んでさえいた。罪滅ぼしというにはあまりにも大きな愛が存在し、それを受け入れてどこか達成したように逝った最後は、なんだか疼くものがあったよ。扈文琢に対して全く思い入れもなかったのに、一番泣かされた自分に驚く。
ここから思いもよらぬ方向へと話が展開し、謝紓と靳春晴、そして祖母の関係性が明らかになっていく。
謝紓は祖母の実の子ではない。
謝家に息子がいなかったことで、その辺の博打好きのしょうもない男から生まれた子を、自分の産んだ娘と交換で謝家の跡継ぎに据えていた。
これが、前々から言われていた最大の秘密であり、愛した靳春晴を殺めてまでも謝紓が守りたかった秘密だった。しかもだ、その交換した娘が靳春晴だったという二重の展開に仰天する。
元々、謝家の存続と繁栄のために子を交換したことから始まった祖母の因縁が、その後の惨事を経て今に至っている。
謝紓が沈知白と兄弟の契りを交わし、同じ目的に向かっていたのも事実だったが、その純粋な息子の思いを挫き、名声と権力を得るべく政略結婚で悪事へと向かわせたのも他ならぬこの祖母である。
真意でなくとも抗えぬことに気付いた謝紓が、それなら開き直って敷かれた道を進むしかないと諦めた結果が、おそらく今の謝紓を作り出してしまった。ということは、謝家を一番恨んでいるのは謝紓なんだろう。
母子の対峙がめちゃくちゃ気になるけど、今日はここまで。
つづく
追加ネタバレ 第29話~第30話(最終話)。
子を捨てて謝家の栄光を選んだ時点で、その道を突き進めば良かったものを、中途半端に両方を欲しがったゆえに靳春晴を再び巻き込んで死に至らしめた祖母の罪は重い。まず何がダメって、あんな賭博キチガイでろくでもない男の血縁を選んだことだが、他におるやろ候補者なんていくらでも普通に考えればさ、、、よりにもよって一番ダメな所から引っ張って来て、実子をクズに育てさせていたのが本当に謎だった。
それでも名家が享受出来る教育のおかげで、謝紓の人格も一旦は正しい方向へ向かっていた。それを打ち砕いたのは祖母であり、抗えない重荷を背負わされ闇に覆われた環境では、その本質の方がまさってしまった。この過程で、ろくでもない実父を知ったことも大きく影響している。

交換した子と親をあんな近くに置いたままにしていたことは、完全に祖母の怠慢であり、全てを中途半端に扱ったために皆を不幸にしている。そのくせ、自分が蒔いた因縁を忘れたように最後は謝紓を責め立て、にゃんも今行くからねーじゃねーわ笑
これは祖母が作り出した謝家の闇であり、取り換えたからにはその重責全てを背負って期待通りに担うのが当然という傲慢さが、巡り巡って嫁いできた娘たち全ても不幸にしている。
取り換えて気持ち良くなりたかったのは自分だよ?それを頼んでもいない他人へ全て背負わせ、見下してもきたんだろう?その怪物は自分が創り出したということは理解していたのかな。
同じような逸話で思い出すのは君子盟の太后だが、この場合、情も全て覆い隠して、そのどれにも振り回されず選んだ道を突き進んだ潔さがあった。この祖母も、後悔していようが一つの道を突き通していれば、自分の産んだ子は少なくとも守られたよね。
後悔している、後悔していないという情緒も行ったり来たりだったが、結末を見ればやはり犯した罪を償いたかったんだろう。思えば、扈文琢も謝紓も皆が犯した罪の代償をどこかで期待していたように思う。
だけどさ、裸の王様状態の謝紓の顔芸が面白すぎて、笑う所ではないのにちょっと笑っちゃった。己の選択はいつでも自由に取捨出来る考えにすら及ばず、誤った道だけを呪われたように突き進んだ結果は、望んだ代償がついに得られる最後となった。
こうして全てが消滅したことで親世代の因縁は終わり、その子世代が新たに生き生きと未来へ向かう最後は安堵する。
個人的には、沈澈の最後を見届けたかったんだが、忘れられていたようだね、、、