一言難盡

一言難盡

Ture courage is about knowing not when to take a life,but when to spare one.

『ブリジャートン家  BRIDGERTON』シーズン4

2026年 1月 アメリカ 全8話予定

Netflixオリジナル

 

原作 ジュリア・クイン

制作 ションダランド(ションダ・ライムズ)

 

 

ブリジャートン家で最もイケているベネディクトのターンきた笑

 

ネタバレ 第1話~第4話。

次男という立場のおかげで、シーズンを通して一番フリーダムに過ごしていたベネディクトは、相変わらず男女関係なく愛人を侍らせていたが、舞踏会で会ったソフィーのキラキラな瞳に一瞬で恋に落ちる。

シーズン4の予告を目にした時、正直、東アジア人の自分から見てもベネディクトは(顔面に関して)東アジアは選ばんやろ、という思いがあったのだが、ソフィー役のソ・イェリンは、欧米で起用されるようなステレオタイプのアジア人ではなく実に愛らしい顔立ちをされている。ソフィーだけでなく、ペンウッド家の姉妹はどちらも顔立ちが良く、これまでの欧米作品で感じてきた、アジアの容姿を殊更落とすような配役でないことに少し時代の変化を感じる。

 

ペンウッド卿の庇護下にいたソフィーの実際の出自は謎だが、彼がmy ward(私の後見人=財産を継ぐ者)と言っていたことを考えると、正式にペンウッド家を継ぐ地位にあったんだろうと思う。それを横から入って来た継母に奪われメイドとして酷使されている。遺言書にソフィーの名が記されていなかったというのも継母の嘘なんだろうが、一夜だけの舞踏会や12時の門限、手袋の片方を残していくなどの筋書きはまんまシンデレラである。メイドの環境に焦点を置く辺りはダウントンアビーとも通じるものがある。

 

ベネディクトは、ソフィーを捜して街中の娘の唇を物色する変態と化しているが、メイド姿のソフィーの唇にはなかなか気付かない。対象条件が貴族の令嬢だと思い込んでいるため、よもや目の前のメイドがあの晩の娘だとは思っていない。それでも本能から発せられる信号には抗えず、捜していた令嬢そっちのけでソフィーへの想いをつのらせる。

貴族がメイドに手を出すのはどの国においてもよくある話だが、遊びでない限り、立場の弱いメイドの方が割を食う世の中で、ソフィーを傷物にすることは何人でも尊重するベネディクトの良心が許さない。

ていうかさ、メイドにすらあんな優し気な振舞いの貴族とかほんと勘弁してほしい、すぐ好きになっちゃうじゃん笑

一方で、ソフィーへの想いを断つために令嬢捜しを続けるベネディクトは、既に令嬢などはソフィーを忘れるための道具へと変化して、留めてもらったボタンを触れる手が止まらぬ姿はちょっと笑える。いや本人は苦悩しているのだから笑うところではないんだが、常にチャラついていたベネディクトがガチ恋に目覚めたことの嬉しさでもある。

 

理性と本能の挟間で苦しみ、4話最後に、駆け付けて何を伝えるのかと期待していたが、「Be my mistress」だったことに、それはねーわ、、、となる。

おそらく「愛人」とは、貴族が庶民に与える権限の中でも最高の地位であり、これから先、そこに愛を注いで不自由のない生活を保証するということでもある。貴族の正妻は愛が無くとも貴族でしか担えないために、ベネディクトにとってはこれが精一杯の告白だったんだろうと思う。

ソフィーには元貴族だというプライドもあるんだろうが、メイドの身分で相応以上を求めることはこれまでもなかった。そのためベネディクトのさり気ない言葉や行動に期待せぬよう自分を律していたわけだが、一瞬そこを超える期待を抱いた結果が愛人だったことに失望する。うーん、もどかしすぎる、、、

しかも噂になっていた越してくる隣人が継母だったことも、この先を想像するとダルいな笑

 

相変わらずエロイーズの可愛さが極まって、そこはいつもながら楽しいんだが、今シーズンは、脇CPの唐突エロスのカットインや下ネタが若干煩わしい、、、

エロイーズの一瞬相手役ポジションだった新聞屋はもう出てこないのかな。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第5話~第8話。

つがいが増えたせいか、なんとなく散らかって見えたシーズン4。軸となる二人の他に、描く人物が多すぎて集中力がそがれる瞬間を何度も繰り返すが、サイドストーリーとしては重すぎるジョン(フランチェスカの夫)の死亡エピソードは実に気の滅入る一幕だった。

このシリーズでは、初(だと思う)の人を貶める系で登場する継母の存在を終盤まで引っ張り、ハラハラして晴れない気分が続いたこともあって、そこからの幸せモードが駆け足すぎたように思えたが、この継母の意地悪を筋書きに入れた以上、この流れは妥当なのかもしれないね。

ソフィはジョン・スノウ(ゲームオブスローンズ)のような、ペンウッド卿の姉妹夫婦の子か何かだと思っていたが、序盤から言われていた通り母親の身分は低かった。それでも半分はペンウッドの血脈ということに変わりはなく、正当な後継だと主張していた継母を含む二人の娘は血脈ですらない。遺言書でも娘三人へ平等に財産分与されていたのだから、何があそこまで継母を不安にさせて不遇に扱ったのかは理解に苦しむ。ただ強欲だっただけかな、、、継母への罰は軽すぎた気もするが、罰によって被る害から娘二人を守ったと思えばこれで良かったんだろう。

何が良かったって、騙されたフリを貫いた王妃の高笑いがそれまでの重かった雰囲気を解消してくれたこと。あの高笑いがあったおかげで沈んだ心が一転して、王妃の心も晴れたかと思うと気分が良くなった笑

 

ベネディクトはずっとイケてたし、エロイーズもぺネロぺも年を取ってるはずなのにシーズンを重ねるごとに美しくなっていく。エロイーズに関しては、前回、少し不憫だったクレシダへの対応も含め、愛という存在の重要性を理解しつつある。ということは、そろそろエロイーズのターンになりそうだが、エロイーズの濡れ場があると思うとちょっと複雑だわ笑 ペネロペの濡れ場も早送りだったし、この二人には心を寄せすぎて正直そういうエロさは求めていない。濡れ場がちょっと過激すぎるよね、そこを皆無にして雰囲気と目線でひたすら胸きゅんを誘うイギリス制作のオースティン作品はより秀逸なんだけど。

 

つづく

『成何体统(成何體統)How dare you』

2026年 2月~ 中国 全32話

 

出演

庾晚音・王翠花→王楚然

夏侯澹→丞磊

夏侯泊→唐晓天(唐曉天)

謝永儿(謝永兒)→胡意旋

 

 

主演二人の顔面が美しすぎる。

 

ネタバレ 第1話~第6話。

現代から小説の中へ穿越するというまだまだ流行りの筋書きだが、庾晚音へ穿越してすぐに皇帝の夏侯澹も同じ現代人だと分かり、開幕から協力体制となって生き残る未来へ変えていくところが新しい。

夏侯澹が同じ現代人の穿越者という確認のための、How are you?,Fine thank you,and you?にめっちゃ笑ったんだが、これって日本でも中学英語で最初の挨拶として習うヤツだよね。(正確には、How are you?,I'm fine thank you,How are you?だった気がするけどどうでもいいな笑)それが国が違っても英語圏ではない国では同じフレーズを学ぶのかと思ったらなんだか新鮮だった。

 

小説内では夏侯泊と謝永兒が中心に描かれ、庾晚音は脇役中の脇役で、散々悪事を働いたあげく皇帝と共に殉葬させられる運命を辿るという。その皇帝である夏侯澹は、愚帝として暴挙を振るいまくり万人に恨まれながら夏侯泊によって暗殺されるため、二人の最後は死のみである。

因みに、謝永兒の中身も馬春春という名の穿越者なのだが、これを含めて小説内の物語のため、二人にとってはやはり小説内の人物に過ぎない。

訳も分からずいきなり古代に飛ばされた二人だが、同じ境遇の仲間がいたことで絆は一瞬で深まり、生き残るために敵を欺く芝居を深刻にもならずに楽しんでいる姿がすごくいいね笑

夏侯澹などは既に2話で、端王側へ付いたとしても絶対に裏切らない、とか言っちゃってる。一方の庾晚音には若干の打算があったのだが、真っ直ぐに信頼を向ける夏侯澹の言葉に罪悪は感じていたようだ。

 

この夏侯澹は現代では総裁だというが、序盤に、このつまんない小説の権利を買ったと言われていたあの総裁なんだろうか。庾晚音はそう思っているようだが、本人は総裁とは言っていたがはっきりその人物だと言ってはいないよね。

庾晚音に引っ張られて、暴君を演じている夏侯澹は若干ポンコツに見えるが、芝居だとしても暴君っぷりが冴えているし端々の鋭い指摘などを考えると、ただの穿越者ではない気がするんだけど。

と思いながら観ていたら、至6話で夏侯泊が自分たちの行動に先回りして筋書きを微妙に変えていることに気付く。二人が馬春春を読んでいるように自分たちが夏侯泊によって先を読まれているとなると、現代から穿越したと思っている二人は実は馬春春と同じ状態なのかもしれないなどと思い始めて、ちょっと訳が分からなくなってきた笑

こうなると何でもありのため、夏侯澹の存在もただの穿越ではなく、穿越という事実すらも揺らいできた。

 

ハツラツとしたコメディでも、筋書きを変えながら進む日々の中で、小説では死なずに済んだ胥堯を失くした庾晚音が後悔で苦しむ姿には胸が痛む。残忍な夏侯泊にガチで恐れおののく姿も唯一の同志である夏侯澹を目にして安堵する表情も、相変わらず王楚然の芝居が光っている。

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ほどなく護衛となる母親と幼馴染の北舟は、武芸の高さはもちろん、性別を変える技を身に付けるなど実に優秀な男で、普段は崔奕演じる女性の姿のため既に愛着が湧いている。端々にお馴染みのオジ面々が登場するのも楽しみの一つ。侯長榮は現在配信中の伏酷の方(唐宮奇案)にもいたね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第8話。

夏侯泊が自分たちの行動を既に知っているわけでなく、おそらく勘の良さだけで何か様子のおかしいことに気付いて、鎌かけ作戦を行っているという持論を新たに見出した晚音は、すぐに明るさを取り戻す。

こうして一喜一憂する晚音を、優し気な視線で見守る夏侯澹の哀愁が一気に増してきた。夏侯泊との密会にも口出しせず、それによって晚音が端王側へ回るかもしれぬことを含め全てを許して手放す覚悟を持つ夏侯澹には、やはり何か隠された秘密があるようだ。

夏侯泊というより夏侯澹の方が既に起こる出来事を知っていて、そこに至るまでを敢えて晚音に選択させているように見えるため、この男が穿越して小説内へ入り込んだというより、一度経験した時間の二周目を歩んでいるようにも思えるが、そうなると夏侯澹は現代人ではなく、どこまでも小説内の登場人物ということになる。ただし晚音の知る小説の筋書きにはそんな事実はおそらくないんだろうと思う。

それでも遥か前から晚音の人柄を知っていて、彼女へ向ける愛情も短期間では築けないような深みを感じるんだけどな。

 

逆に晚音の方は、既にこの世界へ馴染み草民の苦しみを自分のことのように感じて、より良い未来を築こうと決意を固めちゃったりする過程で、夏侯澹へ疑惑を抱くことになるのだが、、、二人の目的は、夏侯泊や太后の策略を躱して死なずに済む方向へ運命を変えることである。その先に、現代へ戻るという目的もあるんだろうが、穿越なのか二周目なのか、その意味なども全く分からず謎めいている。

 

王楚然と丞磊の顔面の強さに似通ったものがあって実に相性がいい。

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つづく

 

追記ネタバレ 第9話~第10話。

信じたくとも薄っすらと夏侯澹へ疑いを向ける晚音の心中を察して、自らそれを打診した夏侯澹だが、問われた自分の身分は明かすことが出来ない。事実を言ってしまおうか、だけど言ってしまえば今ある信頼を失くしてしまうかも、という思いの挟間で、ここでは言わない選択をする。

そのせいで二人の関係にも溝が生まれるが、そのことに苦しむ夏侯澹は追い打ちで謎の頭痛に悩まされる。謝永兒は門前払いでも、心配して駆け付けた晚音にはすんなり許可される夏侯澹との謁見は、自分が小説への穿越者なのだから、自分が中心だと思う謝永兒にとっては虚しく感じたのかもしれない。

正直、あの光景を見ただけでここまで絶望する理由は分からないが、その後の蕭添采との会話から、穿越してもこのまま知らぬ土地で、名もなく散って行く未来を感じたんだろうと思う。ただし彼女(の中身の馬春春)も小説の登場人物のため、おそらく物語の最後は決まっているはずである。蕭添采に名前のクレジットが出ていたということは、この男は馬春春にとって重要な人物となるんだろうか。

 

それはともかく、心配して駆け付けた晚音へ自分の身分を打ち明けたため、今のところの夏侯澹の憂いは解消される。

しかしここで明かした売れない俳優という身分は嘘である。回想によれば、16年前、授業中にスマホでこの小説を読んでいた最中に穿越していたという事実が見えてくる。

今から16年前なら、スマホが台頭してきた時代ではあっても、web書籍が簡単に配信されて読めるような環境はまだ確立されていなかった気もするけど。その辺はおいといても、16年間現代へ戻れずに古代で過ごしていたということ、、、?小説は完結しているため、16年間抗おうとしても結局小説通りに進んで、暴君という事実は変わらなかったということ?

回想と同じ顔面の現太子が現れて、この子も穿越しているのかと一瞬思わされたが、回想は一貫して夏侯澹のものであり、「反正種花的人也已經不需要它了」と言っていたことを考えると、あのSOSはかつての夏侯澹が穿越者に対して発したメッセージだったんだろう。当時捜していたのは、小説内の主役である馬春春だったんだろうが、暴君皇帝とならねば馬春春の穿越も発生しない筋書きであり、馬春春の存在を知る前に、そのさらに上から穿越してきた晚音に出会ってしまったわけか。

晚音が16年間待ち望んだ現代からの人間だったため、初見でも涙が出る程嬉しかったんだね、、、というわけで、小説外からの穿越はこの二人だけのはずだから、穿越の時期はズレていても張三(夏侯澹)と晚音の時間軸は一致しているようだ。このSOSを発見した興奮気味の晚音をじっと見つめる夏侯澹がなんとも切ない表情をしていたね、、、自身の孤独な16年間を思い返していたのかな。

これが隠している事情の全てなら、晚音を以前から知っているように見えたのは、気のせいだったということなるね、自分にそう見えていただけだけど笑

 

本来の事情が色々と明かされる一方で、この世界の未来をより良く築くための夏侯澹と晚音の計画は着実に進んでいる。

先の、国を担う人材を招集して未来を委ねられた5人は、夏侯澹や晚音と団結してほどなく起きる干ばつを脱しようと尽力している。相変わらず足を引っ張る端王と太后への対抗策もこの結束力で躱していけそうな安心感がある。北舟などは、あんなに強いのにほぼパシリと化しているのが笑える。

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つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第12話。

とても小説の主役を担っていたとは思えない悪さの端王だが、視点をこちらに変えれば正義に見えるのか、、、野心を持ちすぎる余り、打算で娘たちをたぶらかして常に皇帝を貶めようとする彼に正義は全然見えないんだけど笑

自分の計算通りに進む悪巧みが、よもや踊らされていたとは思わず浮かれている姿は滑稽の極みである。

5人の活躍で燕黍の種付けも順調に進み、墕国との戦を起こさぬための商談へ出向く機会を得て、夏侯澹と晚音率いる一行の未来への歩みは着実に進んでいる。国を愛する草民5人、皆が良すぎてちょっと感動した。

 

ここで新たなキャラが登場するが、以前から妖妃(晩音)の排除を催促していた白先生なる人物の弟子(阿白)は、夏侯澹とは長年の友らしい。周りにそのことを隠し、白先生の予言の元、何かを進行中なんだろうが今はよく分からない。阿白が渡してきた白先生からの手紙も元々夏侯澹のもののようだし、事情も全て知っている節がある。

小説内に入り込んだとはいえ、この16年の間に、ひょっとしたら小説に沿わず枝分かれした夏侯澹独自の世界が展開されているのか?ともかく夏侯澹にはまだ秘密がありそうである。

他に気になるのは、晩音が度々口にしている、穿越してきたと思っている自分が小説内のキャラではないとは言い切れない、とか、小説外が実は二次元なのかもしれない、など、実際はこちらが現実世界かもと思わせる発言だが、確かに私たちの生きている世界はこれらをはっきり否定出来ない曖昧なところに存在している。

現代に戻ろうと奮闘する描写が皆無なことも謎だが、最終的にどう収まるのかが見えず、相変わらず謎ばかり増えるよ笑

 

ここまで、端王へこちらの動きが見透かされている節があり、コイツが遥か高みから行動を読んでいると疑っていたこともあったが、今回、侍女の小眉が間者だったことが分かる。これが端王に忠心を置いていたわけでなく(少し同情はあったかもだが)、晩音を思うあまりだったというすれ違いが哀しい、、、小説の設定は、どこまでも端王が善で夏侯澹が悪なんだね。

 

夏侯澹が穿越してきた事実が明かされてから、最後に張三の過去が日記として描かれているが、この日記で謎はいくらか解消されていきそう。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第13話~第14話。

端王もアレだがその上をいく野心家太后が、めちゃくちゃダルい笑

先太后を殺め、幼かった夏侯澹を傀儡に育て権力を得ようと長年支配していた太后は、思い通りにならなかった夏侯澹を諦め、汚い手を使って産ませた跡継ぎである現太子に狙いを定めている。太子を生んだ母親の存在は謎だが、どの妃とも交わりを拒否している夏侯澹に、太后が媚薬でも盛って子を作らせたのかもしれない。

 

今回の阿白との会話では、さらに謎が深まる。師父白先生の予言で、複数の因果と絡み合う前塵の縁、という話が出ていたが、これが前世のことなのか今世の過去のことなのか抽象的ではっきりとは分からない。それでも序盤から感じる、敢えて晩音へ正解を選択させる振舞いと、にじみ出る深い愛が二周目としか思えないんだよね、、、

 

草民5人との団結力で、端王と太后の悪巧みを今のところは上手く躱しているが、そのための芝居で、勘違いした李雲錫が晩音を守ろうとする気合の入った「臣願死諫」がなんだか愛しかったわ笑

既に皆の心を掴んでこの世界の一員となった晩音は、いつか離れねばならない時どちらを選択するんだろうか。全てが終わって晩音がここを離れる時、自分はもういないと言っていた夏侯澹の言葉も気になる。どういう意味、、、

 

一方の謝永兒は、端王に甘い言葉をかけられそのまま契りを交わしたようだが、夏侯澹との床入れが未完のまま孕むことを恐れ、唐突に誘惑を始める。これが弾けすぎてちょっと面白いんだが、床下から覗き見していた晩音も抜群に可愛くてニンマリする一幕だった。

 

謝永兒は生き残るための打算で端王へあの様な対応を取っているんだろうか、さすがに本心から好いてるわけではないよね、、、引き続き蕭添采に焦点が当たっていることを考えると、やはり謝永兒にとって蕭添采はキーとなる人物なのかな。

 

今回の張三日記では、自分の失態は周りが引き受けねばならぬ太子としての重圧が不憫だった。この頃から端王が、太子や年下の皇子への罰を代わりにその身で受けていたようだが、肉体を直接罰されるより、自分の代わりに誰かが罰されるのを見せられる方が心の痛みや精神の疲弊は大きい。夏侯澹の頭痛はおそらく毒でも盛られているんだろうが、その頭痛の苦しみを見せることすら許されぬ環境は苦しかっただろうね、、、幼少を鑑みると端王の最大の標的は太后でないとおかしい。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第16話。

現代人の馬春春が小説内に穿越して中に入られるキャラ設定の謝永兒だが、本人にとってはそれが現実であり、端王の子を孕んで堕胎という体験は、自分が主役だと考えていた謝永兒をさらに絶望へと追い込む。

自分が見ていた作品のように、生き延びてこの世界を変えられると勇み足だった序盤の面影もなくなり、この2話は不憫でしかなかった。

開幕に、この小説は端王と謝永兒が主役だと晩音が言っていた気がするが、重ねてその上から晩音が穿越してきたことで、私たちから観ているこの世界の主役は晩音であり、謝永兒周辺は筋書きが変化しているのかもしれない。結局はどこを視点にするかで中心となるものが変わってくるため、謝永兒が自分を主役だと思えば主役なんだが、そう思えなくなったのがイマイチ謎だな、、、主役は概ね命の危機に晒されるものだが、味方もおらず生き延びられる気がしていないからか。

ニッコニコで面白ダンス披露してたのにね、、、

 

結局、堕胎の件を太后に知られ、他責で誤魔化すしかなくなるんだが、罪の着せ合いをする姿は皆がもう生き延びることに必死である。あの侍女はともかく、晩音はひたすら謝永兒を気に掛けていたのに、よもや罪を着せられるとはとんだとばっちりである。

謝永兒がそれでも端王を庇っていたのは、この世界の謝永兒を演じているだけだと思うが、やっと晩音も現代人だということを告げる時が来たようだ。

開幕の「How are you?」がまたここで使用され、このフレーズが確認するための定番となっているのが笑える。こうなると、謝永兒も仲間に加わる展開になるはずだよね。今回は、頼んでもないのに現代から飛ばされたあげく、散々な目に遭う謝永兒が不憫でしかなかったから、このタイミングでの晩音の告白は心強いものがある。

 

今回の張三日記で端王との決別の時が描かれるが、元々、太后が原因なのは明らかで、夏侯澹が善人だと分かっていてなぜその道を選択したんだろう、一緒になって太后を倒すような気概を見せんかい。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第17話~第20話。

二人が現代人だという事実を告げ、謝永兒もようやく無邪気な姿を見せ始めて、晩音とのわだかまりは解けた気がしていた。それでも端王の打算を聞かされた謝永兒がこの先どう動くのかは予想出来なかった。

自分たちが彼女を変えられるかもしれないと言う晩音と、所詮は作られた二次元キャラなのだから既に人格は決まっていると言う夏侯澹で意見は分かれるが、観ている方からもこの先は判断出来ず、結局裏切りの道を選ぶ可能性は捨てられなかった。

 

ほどなく墕国の使団が現れるが、この偽使団は夏侯澹へ復讐を企てる墕国王子、圖爾を含む殺意みなぎる一行だった。これに早々に気付いた夏侯澹だが、和平を望み、これ以上の争いを生まないため知らぬフリをして穏やかに商談を進める。

ただし太后や端王は、己の野心を達成するために悉く夏侯澹の邪魔を繰り返し、堪え性のない太后が先に策を練って夏侯澹を邶山へ誘き出すことになる。幼少から機会を伺って暗躍していた端王は、この太后の策で、太后、夏侯澹もろとも圖爾に始末させて漁夫の利を得るハイエナ状態で、顔面は抜群でも漏れなく性根が腐っている。

 

邶山への旅路にうっすら疑惑を抱いたものの、そんな怪しげな集いに晩音を行かせぬため、甘んじて自分が随行することになった夏侯澹は、端王の予想通り圖爾に命を狙われる。

同じ頃、城でじっとしていられない晩音の元に、端王が機に応じて命を狙っている旨の便りが届く。一見、差しさわりのない内容だった謝永兒の便りだが、庭で炙り出しをひたすら見せて暗に促す謝永兒の姿に安堵しかなかった。

たとえ二次元キャラ(遺伝子レベル)でも、目の前にある現実の前では、周りの人間や環境によっていくらでも良い方向へ変われるという流れは実に夢がある。

 

危機を察した晩音は、北舟の開発した銃を携えて邶山へと向かうが、夏侯澹は既に毒刃を受け瀕死である。純粋がゆえに好いた女の仇を真っ直ぐに討ちに来た圖爾だが、その彼も実は都合よく操られただけの男で、夏侯澹への仇討ちも結果的には筋違いだったことに本人も気付くことになる。

 
圖爾は話が通じないわけでも、情や大義がないわけでもない誠実な男なんだが、あの叔父に都合よく騙されて、これまでの日々は夏侯澹の立場とまるで同じだったようだ。圖爾がめちゃいいんだけど、、、
とはいえ筋違いの恨みで汪昭を殺めたことに苛立ちはある。戦で父を亡くし老いた母親だけが心残りだったろうに、汪昭にとっては「不成不歸」という言葉が現実となってしまった。ただし今回の災難で圖爾との関係が改善すれば、叔父(墕国王)を昇天させて玉座に就いた後に訪れる未来は、汪昭の望んだ世界になれるような気はしている。ひょっこり戻って来る希望もまだ捨てていない笑
この過程で、自分と同じ時期に穿越してきたはずの夏侯澹が事情に精通していることに気付いた晩音へは、そろそろ正体も明かされそう。それでも正体だけが全ての事情ではないようだけど。
 
端王の寄こした追っ手が迫る中、自分の策が利用されたことも知らず命を救われた太后が刃を振り上げてたんだが、、、このおばばは何をするつもりなんだよ?これが成何體統の極みか。
 
という感じで、中盤を超えて深刻さは増しているが、北舟の頭が変身前のおばちゃん仕様になってるのがじわじわくる笑
 
つづく
 

追記ネタバレ 第21話~第22話。

太后がヤケクソで振り上げた刃は、我らが北舟の俊敏な動きで事なきを得て、即座に命を奪わぬ代わりに服毒を科す。その後は、城へ援軍を求めて疾走した楊鐸捷の緊迫感のない(心中は必死だったと思うけど)説得で禁軍が駆け付け、端王の派遣した追っ手も逃げ帰るしかなくなってしまった。

自分の暴走のせいで、ほどなく命の尽きる太后には政へ口出しすることも、太子を操って権力を得ることも出来なくなり、敵は一人減ったことになるんだろう。ひたすら屋敷に座っていただけの他力本願の端王は、思い通りに進まぬ結果に苛立ちはMAXとなるが、やたら冴える勘と悪巧みのヒラメキには長けているため、まだまだ諦めることはない。行き場を失った太后側の配下が端王側へ回れば、烏合でも数では勝ることになり面倒なことになりそうだけど。

 

毒刃を受け、一度は死を覚悟した夏侯澹だが、蕭添采の治療によって一命は取り留める。蕭添采によれば、既に毒に侵される身体に別の毒が侵入したことで、謎の効果が発生して出血は止められたという。ただしこの先、解毒まで出来るのかどうかは不明である。

蕭添采は、ひたすらに謝永兒を気に掛け、妃という理由だけでなく淡い恋心も抱いているようだが、皇帝の妻という身分の謝永兒とは離縁でもない限りどうなるわけでもない。謝永兒も恩は感じていてもその先の感情はないようだし、一方的に心を寄せたままになりそう。ていうか、穿越してきた現代人皆がこのままこの世界で命を全うするのか、各々のいた元の世界へ戻るのか、或いは現代自体が虚構なのか、最終的な着地点が見えないため、この二人の云々を妄想するのは無意味な気もするが、、、ここまで現代へ戻る話が皆無なのは、16年間戻れていない夏侯澹の存在を考えると、もはや戻る想定ではないのかもしれない。そもそもの謝永兒は二次元キャラだが、戻ることを考えなければ、目の前にあるこの世界が3人の共通した現実であり、二次元キャラという意味もなくなっている。

 

今回の邶山での災難は、命を落とすギリギリの緊張感はあったものの、結果的に太后を失脚させ、圖爾と親交を深めて和平まで結べたことは大きな成果だった。謝永兒も完全にこちら側となり、これまでの深刻さとは打って変わって良い方向へ進むだけの実に和む回だった。

ぶつぶつ言いながらも秘密地下で匿われる素直な圖爾がとんでもなく愛らしかったよ笑

 

この災難を経て、晩音と夏侯澹の想いの階層はようやく一致したようだが、未だ本当の事情は話せていない。それでも二人の結束は固いため、正体だけの問題で受ける晩音の反動はさほど心配していない。他にも隠している事情はありそうだけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第24話。

太后の取り巻き連中を軒並み追い出し、仲間5人をそれぞれ官職に据えて朝廷は正常になりつつあるが、汪昭を失くして失意の中、次に受け取った便りは岑菫天の近況だった。

岑菫天は初めから、余命が尽きる前に国の未来の糧となるものを残すという目標があり、農耕においての記録を一身に書き記していた。現段階で、燕黍の栽培で干ばつを防げるという未来を描けたために、たとえ畑一面に実った景色が見れずとも、やがて命が尽きることに悔いはないようだ。

晩音は既にこの世界の一員となり、彼らが創作物だとも思わず深い情を抱いているが、今はここが現実なのだからそう感じるのは当然である。しかし長年この世界で日々を重ね、創作物だと言い聞かせて情を抱かぬよう律するしかなかった夏侯澹は、汪昭を追悼し、死にゆく岑菫天に別れを告げたいという晩音の外出を許さない。夏侯澹にとって、屋敷から出ないことが端王へ命を狙う隙を与えない唯一の方法であり、晩音の命を守るためには、自分と同じように晩音へも創作物と割り切るよう言い聞かせるしかないのである。

結局、晩音はこっそり出向いて行くのだが、このおかげで残った4人の心はいくらか救われたように見えた。残された汪昭の母との遺体なき埋葬には泣かされたが、反面で、岑菫天には、一面に実った畑を皆で見るまでは生き続けるという気持ちにはさせたようだ。蕭添采が目まぐるしい活躍をしている。

 

案の定、この帰途で端王に絡まれるのだが、コイツの言っていた、信じて言い続ければそれが事実となる、という持論はあながち間違っていない。それが端王の人を貶める卑しさだけの手法に当てはまっていないだけである。母親が宮女という理由で、賤人と言われ続ければ歪んでいくのは分からんでもないが、あの頃に選択を誤らず、夏侯澹と親交を深めて太后を躱していたなら別の道もあったかもしれない。とはいえ小説内のキャラ設定のため、力もなく幼い夏侯澹にはどれも変えられなかったんだろう。

 

そんな端王を躱し、夏侯澹の手配した迎えの馬車で無事屋敷へ戻った晩音は、暴君に豹変した夏侯澹を目の当たりにして震えるくらいの衝撃を受ける。

これまでのように笑って許してくれる彼の姿はなく、これが暴君の真の姿なのかという恐怖で、晩音が初めて夏侯澹に怯んだ瞬間だった。ただしこの問題を長くは引きずらず、すぐに解決へ向かったためにストレスは全くなかったね笑

これは晩音を心配しすぎたゆえに起きた発作なんだろうが、「有一段時間了」ということは、穿越して始まったものでなく割と最近起こり始めたことなんだろう。イマイチ分からなかったのは、発作で暴君の性が飛び出したのか、暴君の性とは別に発作が起きているのかだが、発作で暴君の一面が出てくるのなら、晩音が現れたことによって、夏侯澹がそのキャラ設定に抗い始めたことによる創作物からの反発なのかもしれない。そうなると謝永兒の筋書き変更による反発もありそうだが、太后に毒を盛られながら、不本意でも強要される日々を送ってきた夏侯澹の精神が限界に達したとも考えられる。

 

その太后の終焉も近い。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話。

悔し紛れにひと手間加えて遂に太后はご臨終となる。

この知らせを受けたと同時に、端王が夏侯澹へドドメを刺す計画も動き出すが、そんなショボい作り話が上手くいくんだろうか。それに山中に待機していた端王の手下らしき軍の統領は阿白だったよね、敵陣へ潜入していたのかあの人。

 

夏侯澹の解毒に関しては蕭添采が何とか治療方法を見付けてくれそうだが、ハラハラしているのは謝永兒が何か覚悟を決めた様子だったこと。

小説の筋書きに抗って、晩音と共に端王を倒して安寧を目指す方向へ進んできた謝永兒は、夏侯澹と晩音の計らいで皇宮から解放されたわけだが、別れ際の表情に、この先待ち受ける運命を悟っているように見えた。

晩音に対し、笑顔で未来を語った姿はどこか哀しく、最後の別れのように思えたんだけど、、、いやまさかここまで視聴者が心を寄せた(少なくとも自分は)人物を死なせはしないよね?それ全然望んでないから。そんな雰囲気になったら蕭添采頼むよ?

 
つづく
 

追記ネタバレ 第26話~第27話。

いや違うやん、何でもないところであんな腰巾着の腐れじじいに無意味に刺されて地味に逝ってしまうなんてよ、、、我らが謝永兒がよぉおおおおお!

晩音が目覚めたあの時、目の前にあった謝永兒の姿に全ては杞憂だったと安心したのは一瞬で、よもやモブ中のモブに刺されるとは仰天しすぎて脳内が無になった。謝永兒の死がなくても十分敵を憎めているんだから、この結果は全く望んでいなかった。

以前、屋敷で別れを告げたとき、謝永兒がどこか悟って見えたのは、二次元キャラは消える運命だと分かっていたからなんだろう。それでも今目にしている世界がここで生きる皆にとっての現実なんだけどね、、、

 
端王はショボい猿芝居で謀反を起こし、謎にそれが成功して夏侯澹を捕えるまでやってのけるが、図星を突かれてその得意顔も恥ずかしさと悔しさで真っ赤っかである。
牢の奥に横たわって、笑みを浮かべながら淡々と言葉を発する夏侯澹はべらぼうに美しく、これこそ丞磊の顔面が生きる演出だとこのドラマ一感じたシーンだった。

 

端王とのおそらく最後の対決がこの日だと予測していた夏侯澹は、予め晩音を危機から遠ざけたわけだが、依然として自分の事情は直接伝えられずに、その告白は手紙にしたためていた。
手紙の内容と共に背面で流れる「淡雪㳖墨」の歌詞にある、「初見你、曾有光乍破在我魂魄」魂を閃光が貫いた、とは正に夏侯澹のことである。
夏侯澹にとって自分の事情は言えないくらいの秘密だったんだろうが、個人的にも晩音的にも、この告白で夏侯澹への感情を失うことは100%なく、むしろ不憫な日々を送ってきたと同情すら湧くところ。
 
というわけで、晩音はこの地を去らず城へ戻るつもりで右軍が迫って来る方面へ向けて足を踏み出すが、右軍には阿白が潜入していたよね確か。未だ阿白や師父と何をしようとしているのかは謎であり、この後どう展開するのか全く予想は付かないが、残り5話でもう一捻りありそう。
 
端王の追っ手を搔い潜りながら、ふと立ち止まって二次元キャラに名前すら付いていないことに気付く晩音が、弱々しく言った「你們這一個個的怎麼都沒有名字啊」がすごい切ない。名前すら付けられていない二次元キャラに、今まさに自分の命は守られているのだ。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第28話~第32話(最終話)。

右軍の駐在している城へ入り、阿白と再会してようやく夏侯澹と進めていた計画を知る。太后と端王の成敗してより良き世界を築くため、夏侯澹の命の元、長い間、阿白が右軍へ潜入して内部から着々と準備していた。

まず端王や付随する手下を倒し、自分が逝った後に太子と晩音の安全を確保出来る密旨まで用意していた夏侯澹だが、晩音の目下の目的は囚われたであろう彼を救出することのみで、夏侯澹が亡くなる前提の計画に興味はない。

 

同じ頃、捕らわれた夏侯澹が亡くなったという知らせが届く。この時は、端王を躱すために蕭添采の妙薬かなにかで仮死状態を作り出しているのかと思っていた。

ところがこの後の右軍の軍営に夏侯澹が匿われていたことが分かり、へ?いつの間に城内から救出されたの?という混乱が生じる。それでも後にその過程が語られるんだろうとさほど気に留めなかったのだが、一方の城では夏侯澹の葬儀を行う準備が進められており、そこにある遺体も夏侯澹だったことで訳が分からなくなる。

しかしこれも、別れたはずの北舟が戻ってきて、他人をあの顔面に仕立てているんだろう、などとぼんやり考えていた。

 

事情を隠して進めていた二人の未来などない計画にぷんすこの晩音は、夏侯澹に再会してもしばし意地を張っていたが、愛するがゆえの怒りは例によってすぐに収まり、共に端王を倒すことを決意する。

北舟の開発した銃を手に、何も知らぬ左軍中軍を掻き回して右軍は進軍し、見応えのある戦を展開しながらほとんど端王に悪あがきもさせぬまま捕えることに成功する。あの密道がめちゃくちゃ役に立っていたな笑

ここで阿白が、葬儀予定だった夏侯澹の遺体を見に来るよう使いを寄こしたところで、脳内でこれまでのぼんやりした疑問が繋がってやっと気付く、、、(おそっ)

北舟だったんや、、、端王の追っ手に割と簡単に捕まったと思っていた夏侯澹だが、そこから牢に横たわり端王へ図星を突いたあの美しすぎるくだりまでの中身は北舟だったんだ、、、どうりで自分の事を言っているはずなのに、「我」という言葉が一つも出ず、やけに客観的な表現をするよね、と若干の違和感があったはずである。北舟は既に端王の心を誰よりも見抜いていたんだ。

少し前、夏侯澹が幼馴染の息子ではないことを知らされた北舟だが、そんな事実は既にどうでも良いくらいの愛情を抱く今となっては、夏侯澹を少しでも遠くへ逃がすため、己で身体を破壊してみすみす捕らわれたのである。これには愛が深すぎて震えたわ。

少し前には、岑菫天の命も尽きて傷心だった上に、連続して北舟の献身を見せられるのは視聴者にとって実に苦しい展開だった。毎度ながら回想で抉ってくるのやめてくれんか、、、

 

この事情を知っていたのは蕭添采のみで、遺言で夏侯澹の解毒を託されたため、一層そこに力を注ぐことになるが、謝永兒が逝ってしまったことを晩音が黙っていたのは英断だった。どこかで生きてさえいてくれれば、蕭添采は謝永兒の残した手紙だけでも光を浴びて生きて行くことが出来る。

その謝永兒だが、死してもなおこの解毒に一筋の希望を与える重要な役割を生前に遂げていた。同じようにして旅路で出会った花花も、仇討ちのために側にいたことを知った瞬間は残念だったが、伝聞とは違う敵国で晩音の優しさに触れ、結局、裏切ることなくこちらも解毒のヒントを残して散っていった。思えば、故郷が同じ太后も死に際に「回家」と言っていたよね。

 

驚いたのは、胥堯の父親(侯長榮)が再び登場したこと。胥堯は父親が捕らわれたことで夏侯澹へ恨みを抱いて端王の下で失脚の機会を狙っていたが、ほどなくそれも端王の策略だったことを知り、夏侯澹側へ寝返ったばかりで命を落としてしまった。父親の残した教えを口にしながら逝った胥堯の最後は苦しい思いをさせられたが、膿を一掃したのちに、その父親を朝廷へ呼び戻すことは前々から決めていたようだ。それなら先に胥堯へ知らせていれば良かったとも思ったが、父親が捕らえられたその頃はまだ晩音と出会う前で、はっきりとした未来は描けていなかったのかもしれない。

序盤の捕らわれていく姿で終了だと思っていた侯長榮が、再び最後に登場してなんだか嬉しかったわ。イケおじがすぎる。

 

幼くしてこの世界へ閉じ込められ、どれが現実なのかが曖昧だった自分の前に突然現れた晩音の存在は、孤独に耐え続け、屍のような日々に射したある種の閃光だった。この紛うことなき光に引っ張られ、草民5人と共にこの世の安寧を築くために力を注いできたが、以前から自身の命が短いことは悟っていた。師父の占った未来では、初めから双星は同時に存在することはなく、どちらか一方が消えるしかない運命だという。それなら自分が消える方を担い、晩音を生かす選択をしてこれまでを歩んできた夏侯澹だが、師父の予言は外れないと言っていた割に、結果的にはどちらも生かされていた。阿白が解毒薬を見付けて夏侯澹を救うという予言も、その一旦は担ったものの正確には違うため、予言の正確性も定かではない。

昔、趣味で漫画を描いていた頃、脳内の筋書きになぞって描いているはずが、勝手にキャラが動き出し、思ってもなかった方向へ進んでいくという経験をしたことがある。この小説もそれと同じような感覚で、まして別人が入り込んだ世界では、筋書きやキャラが決まっていても、結局、そこにいる人物によって未来はどうとでも変えられるという流れが、実に浪漫のある最後だった。

端王はこの世界では気が触れたように見えるが、自分がこの舞台(小説)で踊らされていたことに気付いたようだよ。

 

ラブコメと思いきや話数を踏むごとに深刻さが増し、終盤などは消えていく仲間が多く苦しい思いもさせられたが、創作物はエンディングが全てであり、最後まで忘れさせないキメ台詞にじんわりした。主演二人の相性が抜群だったね。

32話(最終話)のエンディングはスキップしないように笑

 

王楚然と丞磊が一緒に最終話を観るという企画で、王楚然が、この現場は自分の隠した感情をいつも引き出してくれた。この作品は終わったけれど、これからもずっと私にとっての大切な作品、とずびずびで語っていた姿になんだか一緒になって泣いちゃった。王楚然はどの出演作でも芝居が上手いけどね笑


『秋雪漫过的冬天(秋雪漫過的冬天)Loving Strangers』

2026年 1月~ 中国 全28話

 

出演

姜家齐(姜家齊)→赵又廷(趙又廷)

周遇安→张子枫(張子楓)

 

 

割と観ている韓国ドラマの中では、個人的にこれを超える作品はそうそうない、「マイディアミスター 私のおじさん」のリメイク版。視聴予約のサムネイル自体は二年前くらいから出ていたけど、やっと来たわ。

 

ネタバレ 第1話~第4話。

くたびれたおじさんを演じる趙又廷の顔面が好きすぎる。

この4話までを観て、物語の筋道がオリジナルとほぼ同じということに驚く。家齊の職業や家族構成に少し違いはあるものの、大筋となる出来事や会話の台詞などは割と忠実に描かれている。

 

いくつものバイトを掛け持ちする遇安は、他人との関わりは一切持たず、ひたすら労働に明け暮れている。両親は不在で身体の不自由な祖母の入院費のために、誰かに構っている暇もなくその気力もほとんどない。結局、その日暮らしの日々で入院費も払えなくなったため、施設から祖母を連れ出すことにするが、ベッドや買い物カートをそのまま拝借することに罪悪を感じるような倫理観も持てる状態ではない。

その上、家に戻れば借金取りの陳任(張新成)に待ち伏せされ、暴行されるという悲惨な日々に疲弊はMAXである。ただし張新成のこれまでの役柄のイメージと優し気な顔面でそう悪く見えないのが困るわ。

 

製薬会社勤務の家齊と遇安は同じ職場で働く間柄だが、ある時、遇安は家齊が賄賂を受け取るところを目撃する。

賄賂といっても、社内では派閥を巡る争いが充満し、堅物の家齊を排除するための顧辰派の罠が、家齊の知らぬところで張られていただけだが、このせいで家齊は内部監査を受けることになる。

一方の遇安は、その賄賂を奪って借金を返そうと試みるが、陳任には通用せず元に戻すことにする。

陳任は敢えて遇安の借金を肩代わりをし、一生返せない利子を付けて付き纏うつもりらしいが、この事情も追々明かされるんだろう。

 

家齊が監査の対象となったのは顧辰の秘書の密告のせいだが、遇安に見られていたことを知る家齊は、焦って隠した賄賂を紛失したことが遇安の仕業だと疑い追及する。しかし元々が優しい性質で、常に怒りを飲み込んできた家齊では遇安の気性には勝てない。

結局、会社から追い出される前に賄賂が戻ってきたため、事なきを得るが、遇安を疑った自分を戒め、度々、飯をおごることが日常となっている。

盗んだ賄賂を手に入れることは可能だった遇安が、こっそりそれを返したのは監査を受ける家齊へ少なからず罪悪を感じたためなんだろう。この時点での二人にそう接点はなく、実際どういう心境だったのかは謎だが、にじみ出る優しさにそもそも気付いていたのかもしれない。

一方の家齊は、別の仕事をする遇安をたまたま見かけたりして、同情する気持ちが既に湧きつつあり、スーパーの売り場から遇安が使いっぱにした商品をこっそり買い取って、部下の行為の責任を取る実直で優しいおじさんそのものである。

 

ただし相変わらず金が必要な遇安は、家齊の妻と不倫する顧辰との取引で、家齊と反派を監視するというバイトを始める。そのために家齊のスマホにアプリを忍ばせるわけだが、これが遇安にとって、家齊という人間をより理解するアイテムとなっていく、、、

 

姜家の小舅と弟の家魯(辛雲来)は、どちらも社会的には自立出来ておらず、唯一会社勤めをする家齊が金銭的に支援している。姜家は家齊へ負担を強いていることを恥じてはいるが、小舅は過去の失敗から浮上出来ず、家魯は一度味わった栄光を捨てきれず、映画業界へしがみ付いている。といっても今は何も出来ていないが。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第5話~第6話。

顧辰との取引で、反派を追い出すためのスパイ行動を精力的に行い始めた遇安は、家齊の後ろ盾だった重鎮を追い出すことに成功する。賄賂の出先を調査していることも遇安の密告によって顧辰に既に知られていたため、遇安が勝手に遂行した力技も顧辰にとってはどちらかと言えば都合が良かったらしい。

重鎮を追い払ったあとの標的は家齊の番となり、引き続き遇安の盗聴は続くが、顧辰にとっての有益な情報は得られず、むしろ自分にとっての新たな事実を知ることになる。

当時、履歴書を見て自分を採用したのは家齊だった。理由は、特技欄に記載した「跑步」(走ること)。リメイク元の韓国語→日本語の訳では「かけっこ」となっていたが、かけっこだと競争のニュアンスが少し入りそう。

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ともかく自分を採用した理由を、走り続けられる人は我慢強いはずだから、と言った家齊の言葉は、人との関わりもなく自分へ向ける他人の印象に関心もなかった遇安の胸に響いたんだろうと思う。

頼る者もなく両親の借金を返しながら祖母を守る日々に一瞬うっすらとした光が差し、唐突に走り始めた姿には切なさしかないが、待ち伏せしていた陳任の存在で再び闇へと引き戻される。

この男とは幼馴染みだということが今回分かるが、祖母の施設の未払い分を代わりに返して、自分への借金を敢えて膨らませている理由は言わなくても分かる。不器用な男だよ。

今のところの遇安は、家齊を監視し貶めるつもりで動いているが、必要のない家庭の会話を盗聴して自身の心の穴も埋めているように見える。耳と口が不自由な祖母と二人で語る者もろくにおらず、家齊とその家族の他愛もない会話で自分もその一員になったかのような温もりを感じているんじゃないのか。この辺りは、善き人のためのソナタのHGWXX/7を思い出す。

 

一方の家齊は、盗聴されていることも、盗聴されたその情報が顧辰に漏れていることにも気付いていない。追い出された後ろ盾の上司は、二人の間だけの会話が漏れていることに気付き、家齊へも不信を抱きながら地方へ去って行った。自分を排除しようと動く顧辰と妻が不倫しているとも知らず、冷めきった妻との生活にも疲労を感じており、叔父や弟とつるんでばかりの日々である。

家齊が家庭に息苦しさを感じて実家に入り浸っているのは、まずは甲斐性なしの身内を放っておけないことや、優秀な妻を満足させられない自分が不甲斐ないと感じているのか本当のところは分からない。以前、妻に言われていた通り、育ったあの場所から抜け出せておらず、新たに築いた家庭も自分の居場所ではないと感じている節がある。妻にとってはそれが疎外感を感じる部分であり、メリハリのない夫相手の寂しさを顧辰で埋めているんだろうが、その心中を晒すのは、不倫がバレてからじゃない?と思うところもあって、この段階でキレるにはまだ早い気がしたんだけど笑

 

どれにおいても期待せず諦めたように生きる家齊は、自らの心中を語ることもなく何がそうさせるのかも定かではない。ただし、分かりづらくとも身内や他人に対しての情は深く、苦しむ人を放っておけない優しさがある。これからその家齊の良さがじわじわと見えてくるはず。

 

小舅と弟の家魯は共に商売を始めるようだが、借金だらけの小舅は妻に離婚を迫られ、家魯はまだ映画界への夢を捨ててはいない。これから家魯を巡る大分濃いドラマが展開するはずだが、この役柄に辛雲来だとちょっと男前すぎるんだよね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第7話~第10話。

この4話で、家齊と遇安には互いの理解者は互いだけという思いが段々強まってきた。

 

遇安は相変わらず金のために家齊を追い出す計画を進めているが、その一環で家齊の唇を無理矢理奪い、その写真を噂好きの不倫先輩へと送って広めさせるよう仕組む。この時は、実際に家齊を貶めるつもりだったんだろう。(結局未遂に終わった。)

飯を驕るだけの若い娘から唐突な攻撃を食らった家齊は困惑し、悶々と考えたあげく遇安をクビを言い渡すが、顧辰派の上司に許しは貰えなかった。

 

屍のように生きる私たちの人生は同じように腐っている、という遇安には家齊が自分と同じだと既に分かっている。必死で隠してきた心の闇を見透かされた家齊は、恥ずかしくてたまらない思いだが、家齊もまた、これまでの境遇のせいで、大人の世知辛い事情が分かるくらい早く大人になりすぎた遇安を気の毒に思うのである。

この辺りで、陳任が借金を盾に粘着する理由も分かってくる。

「あの男はもう死んだでしょ?」(この台詞ほんとせつない。)陳任からの暴行で付いた青あざを見た祖母に言い聞かせた言葉で、過去に遇安が借金取りだった陳任の父親を殺めたことが分かる。借金を残したままの両親が消えたあと、家に現れては祖母に暴力を振るう日常に耐えられず、その男を刺したのである。幼馴染だった陳任はおそらく遇安を好いていたんだろう、それでも父親を殺められた怒りは収まらず、愛と憎しみの挟間で今も苦しみもがいている。どうしたらいいのか分からず、暴力を振るうことでしか捌け口が見出せないんだろうが、今のところはただ腹が立つだけのポジション。

 

ほどなく、商売を始めた東山(小舅)に起こった土下座事件で、静かにキレた家齊は誰にも言わずに報復へ向かうが、家族を守るためには一線も超える勢いの家齊の姿が、祖母を守るために行動した自分と重なり、遇安は初めて涙を流す。

知らぬところで自分の怪我を気遣い、家族に対して同じ思いを持つ家齊という人間を知り始めたことで情と信頼は既に芽生えつつある。全て盗聴のおかげなんだけど、、、

この様にして、もっとこの人を知りたいという思いで、既にイヤホンは欠かせないものになっているが、社内の飲み会で家齊が辱められた日などは、この人が消えてしまわないかという焦りで、唐突に走り始めるシーンはほんと泣いちゃうのだ。唯一の理解者として家齊の存在が大きくなっていく今となっては、スパイ行動のための盗聴ではなく、あんな小さな身体で家齊を見守るための手放せない綱となっている。そのため顧辰への密告も害が及ばない程度に済ませて、金だけはしっかり貰うというしたたかさ笑

 

家齊がひたすら気力もなくそれでも生きているのは遇安と同じく家族のためである。妻子を持ち、手はかかるものの身内仲が良く割と恵まれている風の家齊が、そこに至った原因は定かではないが、やはり仕事面で後輩に先を越され、自分の居場所が不確かとなったことが大きいんだろうと思う。年齢的に更年期という可能性もあるが、、、

その家齊が、謎の誰かに暴力を振るわれながら祖母の面倒も看ている遇安の境遇を知ったとき、少し自分を恥じた部分もあったんじゃないか。年の離れたその存在に知らずのうちに生きる力を貰って、胸を張って前へ進むだけの日々がすぐそこに迫っている。

祖母初見のシーンでは、買い物カートに乗せた祖母とカートを押す遇安を見送り、戻ってきた時に一人では担げないことを見越して、じっと家の坂下で待つ家齊の優しさが沁みる。

至10話でもオリジナルの設定が忠実になぞられていて、お見事という他ないんだけど、韓国版はIUの芝居が驚異すぎたからやっぱり違いはあるね笑

 

東山と家魯のパートは概ねコメディだが、家魯には新たな再会が訪れる。

かつて映画監督として華々しくデビューした家魯は、次作で出会った大根女優のせいで、名声は地へ堕ちてしまった。と自分では思っているが、その女優もまた、この底辺から這い上がれないのは家魯のせいだと思っている。かつて同時に転落して這い上がれないままの二人の話はこれから。

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つづく

 

追記ネタバレ 第11話~第14話。

序盤の賄賂の件を引き続き調査する元上司と家齊は、手掛かりを頼りに妻が顧辰と密会しているホテルへと行き着く。そこで妻を目撃した家齊は若干胸騒ぎを覚えるが、立て続けに現れた顧辰の存在でおおよそ確信はあったようだ。

思い返せば、その片鱗は至るところにあって、自分が妻を追い詰めていたことを反芻し落ち込むばかりである。家齊は自分なりに妻を愛し、負担を掛けまいとしていたのだろうが、口下手で不器用なためにそれが妻には伝わっていない。しかし夫を傷付けずに会社を去らせることに妻が殊更拘っているのは、後味の悪い最後にしたくない思いとは別に、情は相変わらず存在し、優しい人間だと分かっているからなんだろう。これまでの回想を鑑みると、妻を疎かにしすぎた家齊はかなり分が悪いと思うわ。都度の不満をいくら言っても変わらない家齊が、安心しきって現在のように妻の問いかけにロクに反応しない状況は、妻の心理的にもきつい。だからといって不倫を肯定する話ではないんだが、この夫婦関係に関しては、家齊が妻を大事に扱う描写が皆無なため同情しづらい部分がある。

それでも妻と子の存在だけは、自分の足が地に付く唯一の場所だったのだと思われる。妻には気付かぬフリをして顧辰へ直接別れを強要した家齊の姿でそれが分かるが、もう少し妻への気持ちの描写があっても良かったんじゃないかと思う笑

 

遇安はこの事情を知る唯一の他人だが、壊れかけた家齊が心配でたまらず、イヤホンから伝わる呼吸の荒さに焦りを感じては居場所を確認して走り出し、その儚げな存在を守っている。
スパイという名目で盗聴を続けているため何も口には出来ないが、心をなかなか開かない自分を理解し、変わらぬ親切心を向ける家齊へ、自分の事情も少しずつ語り始める遇安の家齊を見る目は、情愛ではなくとも安堵感に変化している。

 

その家齊が苦しむ妻との問題は、遇安にとっても他人事ではなく、なんとかこの苦しみを取り除いてあげたいと思い始める。ほどなく顧辰と一触即発状態に陥ったことを機に、妻へも何か行動を起こすようだよ。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第16話。

妻の車の前に立ちはだかって顧辰の本音を聞かせた遇安は、目を醒ませと言って去って行く。顧辰に家齊の妻への愛情がなかったとは言えないが、己の野心を上回るほどではなく、先輩へのちょっとした優越感に浸る道具の意味もあったんだろうと思う。人妻が一番リスクが少ないと言っていた辺り、この妻と結婚するつもりもなかったんだろう。

妻の方は、そんな男と再婚を考えていたのだから、惨めさが半端ではない。その後の悲しむ期間が割と長いことを考えると、余程顧辰に惚れていたのか、又は、騙されていた自分が情けなくてたまらないのか。

顧辰の野心は未だ進行中であり、そのせいで家齊にも禍が降り掛かっているが、それはともかく、妻を敵に回した顧辰の終わりは近そうだ。

 

このようにして陰で家齊を守っているような遇安だが、その存在を守ると同時に自分の存在の意義も得て、生きる力が戻ってきたように見える。ただし金払いの良くなった遇安を、陳任は不審に思い監視を始めていた。

追いかけて目撃したのは、遇安が向かいに座ったおじさんに笑顔を向ける姿。これを見た陳任の表情はなんだか哀しそうで、自分がこんなに苦しい思いでいるのにアイツが笑っているのが許せない、という気持ちではなく、自分には見せたことのない笑顔をあのおじさんには見せていたことに傷付いていたように見えた。

その腹いせなのか、次は家齊を監視して接触を試みる。これを遇安に咎められた陳任は、そこに好意があることを感じて更に傷付いたようだが、遇安の思いが恋心だとしても家齊の想いまでも得ようという気持ちは一切ない。ただ家齊が健やかに暮らせることだけを望む思いが、初めて他人に掛けたあの加油という言葉に詰まっている。

 

一方の家魯は、運命を左右させられた女優に付き纏われているが、お互いがお互いの心に傷を付けたために、もはや傷をなめ合って一緒に浮上するしかない運命なのかも。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第17話~第21話。

かつて監督と主演女優の関係だった頃、芝居の出来ない悠悠を散々いびって自信を失わせた家魯は、おそらく今まではそれに気付いていなかったのだと思われる。怒りの沸点は低いものの心優しい家魯は、昔の私を返してという言葉で過去を振り返り、自分には立ち直らせる責任があると思い始めて屈託のなかった悠悠を取り戻すための協力を約束する。

 

遇安の方は、借金を返すまでは報酬が必要なため、相変わらず家齊を守りながらも顧辰の望む結果に貢献しているよう見せかけている。顧辰へ宣戦布告をした家齊は、副総裁の座を巡って対立することになるが、家齊を貶めたい顧辰は、遇安を使って弱点を作り出そうとしている。そんな顧辰を誤魔化すため、適度に情報を与える遇安だが、盗聴を通して知っていく家魯を不憫に思い、それでも自分のために陰で尽力する存在に今では恋をしているようだ。

ほどなく遇安の古くからの知り合いにより過去を知った家魯は、陳任の元へ乗り込んで盛大な殴り合いを行う。ここで遇安が陳任の父親を殺めた事実を知ることになるが、間髪入れずに、自分が同じ立場でも殺す、家族を傷付けるような奴は俺でも殺す、と言い捨てる。

誰にも知られないよう隠してきた秘密を、敬愛する家齊へ知られることを最も恐れていた遇安にとって、自分の知られてはならぬ行いを否定せず理解すら示した家齊の言葉で、胸のつかえが取れたように爆涙する姿は胸が痛む。

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この後、殴られて血だらけになった家齊の知らせを受けた身内や地元の仲間たちが、大勢で街を駆けずり回って捜しにやってくるシーンはオリジナルでも気に入っている部分で、比べるのもなんだが間というか尺が足らず面食らう笑

オリジナルを観ていると、忠実にそれをなぞって展開されるリメイク版とをどうしても比べてしまうのが欠点である。作品によってオリジナルを超えるリメイク版もあるが、この作品に関しての主観は、どの部分においてもオリジナルの方が圧倒的に上回るため、一見する価値はあると思う、、、

ただしこの段階の陳任だけは表情に憂いがあって、より人間味が増している。(オリジナルだとこの辺りまでは無機質で憎たらしいだけ。)殴り合った後の陳任の回想で、かつては父親に殴られる遇安を助けていたことが分かるが、相反する思いの中で、もがき続ける陳任の姿に少し同情心をくすぐるような絶妙芝居を見せられている。

 

一方、妻(怡君)の方は、不倫の件が夫の耳に入らぬよう遇安を追い出そうと試みるが、既に家齊には知られていることを聞かされる。自分が知らぬフリをすれば夫婦関係は継続出来ると考えて、家齊は顧辰に口止めをしたわけだが、それを不憫に思う遇安の口から怡君には伝わってしまった。

不倫を知られていることを知る妻と、自分が知っていることを誤魔化せていると思う夫との生活は実に緊張感があるが、ほどなくそれも露わとなってしまう。

怡君の言い分は理解出来る。実家に入り浸って自分を一度も優先することのなかった夫の態度に寂しさは当然あっただろう。怡君が習慣の違う実家へ率先して溶け込むことが出来なかったことにも要因はあるが、もう少し家齊が怡君を気遣うような描写があれば心証も違っていたのも、この夫婦関係に関しては怡君だけを責められない思いが湧いている。常に心優しいはずの家齊が、茶碗の飯を中途半端に残して、さっさとテレビの前に座る姿が冷たすぎて仰天したもん、、、それともこの類の素っ気なさは大陸だと普通なのかな。だからといって不倫してもいいという話ではないが。

 

傍らで、家齊は遇安の祖母のための養老院を紹介し、無事入院させて負担を減らすことに協力している。祖母にとっては、孫に負担を強いてばかりの自分が歯がゆく、背負ったものへたった一人で立ち向かう姿に不憫さはあっただろう。

あなたのような人が遇安の側にいてくれるからやっとあの世へ旅立てる、祖母の笑顔が沁みた、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第22話~第24話。

家齊が言っていたように、不倫ではなく離婚を切り出すならまだ良かったが、顧辰なんかと陰で付き合っていたとなると怒りと虚しさは倍増する。自分なりに怡君を愛し、身内の揉め事などに巻き込むことを避けたゆえにすれ違いは起きたわけだが、何の責任もない顧辰の見せかけだけの優しい態度は怡君にとっては心地良かったんだろうと思う。

この件で、完全に自分の足場が揺らいだ家齊は妻との会話を反芻しながら心は晴れずにいる。ただし本音を明かしたことで、言葉にせずに抑えてきたものが吐き出されて一歩前進はしたように見える。

 

顧辰の方は、スキャンダルで家齊の評判を落とそうとして、やはり遇安の存在を利用することになるが、それが逆に家齊の評価を上げるという失態を犯す。

尋問を受け、それに答えた遇安の言葉一つ一つが、会社への称賛に繋がる家齊の存在の尊さを証明していた。オリジナルのこのシーンでは、「このビルを見るだけで力が出ます。」という言葉があって、このドラマ一胸が熱くなる瞬間だったが、こっちでは端折られていた笑(度々のオリジナル話がウザくてすみません、、、)

これまでの遇安を見てきた視聴者にとっては、こうまで言わせるほど変わった遇安の未来に光が見えて安堵する。家齊へ伝えた好人や謝謝という言葉も、おそらく誰にも引き出せなかったあの遇安の言葉だからどこか価値がある。それを感じた家齊にも自身の存在にいくらか価値を見出せたはずである。

このようにして、恋愛をするという形ではなく、もっと深い部分で繋がりつつある二人に、今度はかつて嵌められた家齊の元上司の手が迫る。家齊には未だ嵌めたのが遇安だと分かっていないため、阻止するはずもないが、遇安と小哲はバレる前に逃走せねばならなくなる。それでも副総裁の座を巡って対立中の顧辰から家齊を守るために盗聴は続けているが、盗聴から漏れてくる家齊の言葉はどこまでも家齊の尊さを確認させるだけで、その度に遇安の心を癒している。

 

家魯の方は、激情型ながらも辛抱強く悠悠を立ち直らせることに尽力している。復帰した先でも監督にいびられる日々に、再び気持ちは堕とされてしまうが、今回は家魯の存在のおかげでなんとか立ち向かっていけそうである。家魯の反撃しろという言葉の後のあの平手打ちで、かつての家魯への仕返しを遂げた悠悠には清々しさが見えて良かった。結局、最初から好意の裏返しだったとはね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第28話(最終話)。

創立者の心も動かした遇安の言葉と、顧辰への牽制が決定打となり、家齊は副総裁の座を手に入れるが、何も言わずに退社した遇安が気掛かりでたまらない。何度も連絡を取ろうとする家齊へ別れを告げるために電話した遇安の言葉は、伝えたかった偽りない本心だけだった。

この辺りで、以前嵌められた件を追っていた元上司が手掛かりを掴み、結果的に自分が遇安に盗聴されていたことを知る。いくらか衝撃は走ったんだろうが、いつもとさほど変わらぬ落ち着きで事実を受け入れた家齊には、救われたことが遥かに勝っていたために怒りなどは全くなかったようだ。

この後、逃亡中だった遇安を見付け出し、己の迷走を正気へと導いた存在に気付いた怡君の協力で、ほどなくこの件は責任を問われることなく解決する。

 

同じ頃、顧辰は追われる罪から何とか逃れようと足掻いていたが、証拠となる盗聴記録を持っていたのは陳任で、今度はこちらから金を要求されることになる。

序盤から、借金を盾に遇安に付き纏っていた陳任は、幼少の思い出と肉親の死との挟間で苦しみもがき続けていたが、盗聴の中身を確認したことが一瞬で陳任を光へと導いていく。

かつて自分が代わりに殴られることで遇安を救っていた陳任だったが、それに恩を着せるような発言がこれまでなかったため視聴者にはその過去が薄っすらとしか見えていなかった。どれだけ殴られても頑なに通報しなかった遇安には、この陳任の姿が刻まれていたからだとここでやっと気付く。

「不忍心」という言葉で表現された陳任への感情は、かつての頃を忘れたような態度の遇安からは本人すら気付けなかった部分である。陳任はあの頃の感情を手放すことが出来ず、借金で縛り付けていたわけだが、共に過ごした日々を捨てたように見えた遇安にあの頃を思い出して欲しかっただけなのかもしれない。それを忘れたわけでなく、遇安の記憶に刻まれていたことだけで全てを許して手放すには十分だったんだろう、自分を取り戻すために必要なものを手に入れた陳任は、顧辰の金などには目もくれず最終的には粋な計らいを残して去って行く。(顧辰の罪を問う証拠の盗聴記録を家魯へ送る。)結局この男も、遇安と同じく相手が幸せになることだけを望んだ温かい人間であり、陳任に光が戻り本質が見えてくる芝居にじんわりした。

 

やっと安心してあの世へ旅立てる、と家魯に謝意を伝えていた祖母もほどなくして亡くなり、街中の仲間たちに見送られて葬儀を終える。家魯との出会いがなければ一人ぼっちだった遇安は、ここでもまた救われることになる。

 

互いが互いのおかげで存在意義を見出し、やっと息の出来る段階へと達した二人は各々の道へ足を進める。

妻は留学する子の元へ発ち、遇安は新たな場所で歩み始めて、ぽつんと残された家齊へ不意に襲ってきた感情は形象し難いが、漠然とした苦しみを抱えて日々を過ごす中で、ぽっと現れた遇安という存在へのやり切ったという少しの達成感やそれに伴う喪失感、反面で安堵感でもあるようなよく分からない感情だったんだろうと思う。

人間は自分で自分を癒す力があるから大丈夫だ。家魯が言っていたのは遇安のことだったんだろうが、皆がそうやってまた明日を生きるために、少しの幸せと達成感を得ながら日々涙を流して苦しみを消化していくものなのかも。
 
幸せになることが恩返しになる、と祖母が言っていたように、再会した二人の憑き物が落ちたような笑顔が互いへの恩返しになっていたね。
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最後までオリジナルを忠実に描いていることに感心しながら観ていた。作り手に作品へのリスペクトがなければこうはならないと思うと、なんとなく胸にくるものがある。

『逍遥 The Unclouded Soul』

2025年 12月~ 中国 全40話

 

出演

肖瑶(肖瑤)・宁安(寧安)→谭松韵(譚松韻)

红烨(紅燁)侯明昊

秉烛(秉燭)→汪铎(汪鐸)

 

 

男主1かのような存在感ある笑

 

ネタバレ 第1話~第8話。

長い間、人族の皇帝は不老不死の身体を欲して伝説の玉醴泉を手に入れることに必死になっているが、妖王が先にそれを手に入れれば大きな禍が起きるという助言を受ける。助言をしたのは、夢の中に登場した碎夢仙君(趙麗穎)とかいう謎の上仙だが、開幕から趙麗穎の登場に不意を突かれる笑 しかも人族を利用して何かを企んでいる雰囲気が既に見えている。

妖王とは百年前に滅ぼされた紅燁のことだが、消滅したと思われていたこの存在は実際には封印されていただけである。上仙というだけあって、後々目醒める妖王のことは予測していたらしい。

 

人族ははるか昔から妖族を恨んで、捉妖師の役割を担う飛羽衛を結成しており、いきなり斬妖使に抜擢された秉燭は妖根絶の命を受ける。相変わらずの美しい出で立ちで、誠実に任務を遂行する初っ端からの活躍は、こちらが男主1でも全く違和感はないわ笑

 

妖王を目醒めさせる役目の肖瑶は、捉妖師という名を騙って民衆を騙し、今のところは家族ぐるみで銭を稼ぐことで生計を立てている。その行為を秉燭に見破られた肖瑶は、囚われた家族を救うため飛羽衛へ協力することになる。人族でも妖を引き寄せる謎の体質を持つ肖瑶を妖討伐に利用出来ると思われたためである。

この過程で、偶然、元神の修復途中だった紅燁を目醒めさせることになるが、目醒めたと同時に崖落ちした肖瑶を、紅燁はそのまま万妖谷へと連れ去ってしまった。

百年前に人族の寧安公主によって滅ぼされた紅燁だが、当時の二人は心を寄せ合っていたため、紅燁を滅し、自身も自害を選択した寧安には何か事情があったんだろう。この寧安と同じ顔面を持つ肖瑶を手放せずに万妖谷へ連れ帰った紅燁が、肖瑶を見る目に愛哀が混じって実に切ない。

肖瑶が半妖だということも、その血で目醒めたことも、前世からの運命が絡まっているんだろうが、今のところは別人という方向で話は進んでいる。最近のファンタジーでは、生まれ変わってかつてを思い出すという仕様ではなく、別々の人間として描かれるものが多いため、これもその類かもしれない。

 

万妖谷へ足止めされた肖瑶は、渋々、妖力の修行に勤しむことになるが、妖王を始め、他者に害など与えない心優しい妖々と過ごす日々で、人族も妖族も変わりはない、むしろ人族の方が無害な妖族へ害を与えているとさえ思い始める。

どちらにも腹黒い者たちが存在し、己の欲望のために周りを利用しているが、妖王の座を欲していた黒無によって飛羽衛を引き入れた濡れ衣を着せられた肖瑶は、無実の証明のために凡界へ戻ることになる。

この証明のための条件にされたのは、秉燭の剣を手に入れることだったが、それを察した秉燭が即座に現れ、この剣を巡る哀しい過去を聞かされる。

先祖代々、軍人で国に尽くしていた秉燭の家系は、父の代で悪人に貶められ、庶民へと落とされてしまった。亡くなった父親の、軍人の地位へ戻るという願いを叶え、兄を軍人への道へ進ませるため、秉燭の妹は自身の身を売ってしまうが、嫁いだ先は生贄への道であり、生き延びることは出来なかった。それでも死にゆく妹の魂がその剣に宿り、死しても秉燭の側で共に悪妖を成敗している。成敗の対象である悪妖かそうでないかは妹の意思に委ねられ、肖瑶に対して剣が反応しないことが秉燭の肖瑶への信用へと繋がっている。初っ端は紅燁に反応していたこの剣がいつからか反応しなくなったのは、おそらく悪妖ではないことを妹が感じているからなんだろう。そのことにそろそろ秉燭も気付きそうではある。

 

傍らでは、瓊華掌門の娘が行方不明となる事件や、若い娘たちの遺体が海底で見つかるという事件が同時に起こっていたが、この結末もしんどい。

瓊華掌門は、かつて病を患っていた妻を救うため闇落ちして人の血を吸う魔物と化してしまった。ほどなく自分のために闇落ちした夫の罪を知ることとなったが、見捨てることが出来ずにその罪を容認して娘たちの命を犠牲にしていた。その罪への懺悔のために菩薩に祈りを捧げていた妻は、同時に山の怪物と化した阿離(陳鑫海)を意図的に救っていた。

この阿離は、かつての玉醴泉の取り合いで、瓊華門と激しい戦闘を行った山の民の生き残りであり、復讐を誓って玉醴泉混じりの土を食ったために不老不死の怪物となっていた。これまで一人ぼっちで復讐という名の殺戮を行い、そのことに苦しんでもいたんだろうと思う。それでも死ぬことも出来ずにいた阿離の目の前に現れた瓊華掌門の妻は、自分にとっての菩薩に見えたのである。妻にとっても阿離へ残した言葉は自分への言葉であり、同じ罪を背負った阿離へシンパシーを感じたんだろう。それから人の命を奪うことを止め、奪ってきた命への贖罪を始めるが、その一環で、瓊華掌門の娘の目を治癒するために尽力していたのである。思いがけず繋がっていたこの縁だが、紅燁が疑われていた瓊華掌門の罪も暴かれ、その夫の罪を共に背負って地獄へ落ちる覚悟をした妻も命を落とすが、自分を救った彼女に寄り添って阿離もまた塵となってしまった。

これにめちゃくちゃ泣かされたんだが、阿離が本当はどうしたかったのかが分からず、この結果をどう解釈すればいいのか分からなかった。生き続ければ己の業から解放されるという言葉で善行を重ねながら生き続け、その彼女が地獄へ落ちると言うなら自分も共に着いていくというその心は、菩薩への誓いを果たすためだけに生き続けたこの生が、その死によって意義もなくなったということか。妻が夫にしたように自分の命で彼女の罪を拭いたかったのかもしれないね。

この哀しい最後をみても、飛羽衛も瓊華門も手柄だけに沸いていたが、秉燭だけはその尊い心に何か響くものがあったのか一礼してその場を去っていく。男主2がそんなに素敵だと男主1が霞むではないか。

 

八つに割れた崑崙鏡を元に戻せば、玉醴泉への道が記されるというが、その一部である「怨長久」は、阿離の持ち続けた心の恨みが形になって残ったということなのか。それだと残り七つも死によって形になるということになるけど、、、

 

つづく
 

追記ネタバレ 第9話~第11話。

割と早い段階から愛が深まっていた二人は、すれ違いやギスギス期間からの仲直りなどを経験し、なんだか既に極まっている。

肖瑶の望む通りに、何かときっかけを作って凡界へ戻そうとする紅燁は、心優しく穏やかで妖王たる余裕もある。それでも肖瑶が凡界へは戻らず万妖谷での生活を続けているのは、少し前に、凡界で経験した人族の妖族へ向ける憎しみが、肖瑶へも少なからず傷を付けたからである。あの時、率先して囉囉を痛め付けていたのは父親だったよね、確か。

お付きの小沐は、凡界からやってきた肖瑶の存在が、主人へ禍を招きかねないと警戒しているが、そんなことはお構いなしの二人は、度々凡界へ下りて思い出の麺などをすすっている。

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肖瑶のために健気に下準備をして、現れた父親の元へも送り出す妖王が優しすぎんだが、その穏やかな雰囲気がとんでもなく良くてどうなってんのってなる笑

 

ほどなく二人の睦まじい時間は碎夢仙君の登場によって暗転する。人族の皇帝と同じく玉醴泉を探し求める碎夢仙君は、私欲に溺れて仙界を追放され、魔物となって烟虚境へ閉じ込もっていた。どこまでも美を求め人族の娘の命で若さを保つ碎夢仙君は、どうしても玉醴泉を手に入れたいらしい。これに皇帝も利用されているのだが、本人は自分が捨て駒だとは思っておらず、上仙への生贄として多くの娘の命を犠牲にしようとしている。これを任されたのは秉燭だが、任務は引き受けたものの娘たちの命を献上するつもりは毛頭ない、実に信頼のおける男である。

 

碎夢仙君が万妖谷に現れたのは、目的を達成するために邪魔な紅燁を排除するためだが、紅燁への殺意は序盤から見えていた。かつて崑崙鏡を完成させたのは紅燁だが、同じことを碎夢仙君が出来るのかどうかは分からない。出来なければ紅燁に崑崙鏡を完成させ、奪われる前に手に入れて命を獲るつもりなんだろう。

ともかく今は、自分の陣地へ紅燁を引き入れねばならないため、肖瑶を人質に取り、紅燁へ噬心毒を飲むよう強要する。復活したばかりの身体では、心が闇に呑まれる前に解毒出来るかは分からず、最悪命を落とす代物だというから、ここを離れて烟虚境へ向かう前に紅燁は死を覚悟しているように見える。戻れるかも分らぬ未来のために、万妖谷で禍となりえる黒無を追放し、結界を強固にしてからこの地を去った紅燁の命を案じ、結局、後を追う肖瑶だが、小沐を誤魔化すために肖瑶へ変身した囉囉を演じる譚松韻が上手すぎてわらう。

 

皇帝の命で生贄輸送を強いられた秉燭と、肖瑶や大麗の目的地は同じ烟虚境で、人族で頼りに出来る人間は秉燭のみの肖瑶は、彼の助けを借りることにする。捜し回った秉燭が現れて、絡んでくるクズへの連続平手打ちに萌えを感じました、、、

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しかしあらかじめ不穏な状況だと分かってそこに飛び込むことは、自分以外の人間にはさせない素敵すぎる秉燭は、たった一人で娘たちを引率し烟虚境へ乗り込むことを決断する。

強い信念を持ち、命を顧みぬ行動力は若干危ういところだが、いざとなれば妹(剣)が守ってくれそうな気はしている。

秉燭の決断で締め出された肖瑶、大麗は、ちゃっかり船には乗り込んでいたけどね笑 大麗が美に惑わされて裏切りなんてことにならないかの不安は少々ある。

他に気になったのは、碎夢の手下の陸翩翩なる頬傷のある娘だが、秉燭はこの娘を知っているのかな。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第12話~第14話。

陸翩翩は、飛羽衛で秉燭の先輩だった陸通の妹だったらしい。陸通とは、幼い頃に妖に攫われた翩翩を捜して飛羽衛へ入隊し、見付けられぬまま儚く散って行った男である。この意思を受け継いだ秉燭が本人を見付けたからには、陸通の願い通りここから解放させねばならない責任がある。しかしこの地へ多くの人族を引き入れ、人間の醜い姿を目にしてきた翩翩には、外界へ戻ろうがこの地へ留まろうが同じことだと感じている節がある。留まって碎夢の歓心を得れば、少なくとも顔面の傷が修復出来るという理由もあるんだろう。ゆえに自分より多く人間の堕落を見てきた秉燭の、人々のために悪妖を成敗するという大義が理解出来ない。

人の心は醜くともそれと同じくらいの美しさがある、あなたもこの地へ留まっていないで世界を見ればそれに気付くだろう、という言葉は、近頃、抖音で日本人の親切に触れた動画に付いていた「出来后才能看真实的世界」というコメントを思い出したよ笑

ともかくこの対話のすぐ後に、秉燭の言葉通り、肖瑶の優しさに触れた翩翩は目覚めかけている。

 

今回は碎夢の過去の哀しい過去も語られる。

かつて凡界に憧れて下界へ降りた碎夢は人族の男を愛してしまった。このまま生を全うする覚悟でその男と一緒になったが、男は身体が弱く奇妙な病に侵されてしまう。愛した男を救うため、玉醴泉があれば生きられるという大夫の言葉を信じ、崑崙鏡を必死で完成させて玉醴泉を探し当てた碎夢に待っていたのは男の裏切りだった。その憎しみから男一家を絶滅させた碎夢は、魔物へと変貌してしまった。仙界を追放され、このままではいずれ消滅する道しか残っていないため、不老不死の上仙に戻るにはどうしても玉醴泉が必要なのである。

愛を選んだがゆえに悲惨な最後となり、この虚しさしか残らぬ結果は、運命を受け入れて消滅するという気持ちにはとてもなれないだろうね。だからといって自分の選択の結果を人の命で補おうとしているのはどうやっても碎夢が悪になってしまうよ。

 

一方、囚われた紅燁は、噬心毒によって闇に呑まれる寸前をギリギリで耐えている。万妖谷を去る前に肖瑶に渡した元神の一部で今のところ視聴者も肖瑶も救われているが、紅燁を解放してもらうには碎夢の出す難題を乗り越えねばならない。これが終わっても解放されるのかは謎だが、そのために肖瑶は一人せっせと花の世話係をしている。

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万妖谷で友情を築いた大麗は、烟虚境へ着いた途端に態度が急変して不安が現実になったんだが、妖王からの寵愛を受け、賢いがゆえに秉燭やその妹の信頼も得る特別枠の肖瑶へ、その劣等感から嫉妬が湧くのは分からんでもない。それでもあの頃の純粋で優しい大麗が彼女の本質だと思いたいが、肖瑶は態度が急変した大麗へ変わらず愛を注ぐ健気な娘である。

この頓智のような試練の最中でも、生ある者たちの醜い部分が露わとなって嫌になるが、自分がその境遇に遭えば同じようになる自信はそこそこあるわ笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第15話~第17話。

人の醜い部分を表面化させるような試練しかないのは、何か碎夢に意図したものがあるのかな。それでも選出に人の善悪は関係ないようで、悪のみを選ぶのかと思えば、究極の中でも彷徨う魂を救った肖瑶も碎夢によって選ばれていた。

大麗はそんなブレない肖瑶をこうありたいと羨みつつ、己の醜い心を恥じてはいるようだが、あふれ出した自尊心を手放すことは出来ない。外界では何の役割もない存在でも、ここで碎夢に重用されることが自身の存在価値を確認出来る唯一の手段であり、それにしがみ付く姿が少し哀しくもある。

側女に選出された肖瑶は、これを辞退して紅燁の解放を望むが、そう簡単にはいかないのが定期である。秉燭もまた、陸翩翩の解放を望んでいたが、碎夢を裏切った代償はおそらく死しかない。

そこで肖瑶は、秉燭と共に崑崙鏡の欠片を捜し出すことと交換で、二人+妹の解放を約束させる。この先、イイ男すぎる秉燭と二人で旅に出るということは、、、ますます男主1が霞むではないか笑

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早速、提示された千歳山へ向かった二人は、饕煞という怪物をまず捜すことになるが、それとは別の怪物もそこには存在していた。しかも前々から怪しかった飛羽衛の手下が、万妖谷から追放された黒無と手を組んで悪巧みを画策していたために、それが合わさって混乱が生じる。

饕煞とは、姿から察するにおそらく饕餮のことであり、山で父母を亡くして彷徨っていた子修が、捜していたその饕煞なんだろう。遊ぶことが好きなだけの善良な子修は、黒無の悪どさに遭遇し、勢い余って真の姿を見せてしまうが、村長に拾われてこの地で過ごす子修は人の優しさを知っている。

一方で、悪巧みにしか能のない黒無は、阿力という村人の妻に奇妙なヤクを飲ませ怪物に変貌させていた。この夫婦の経緯も切ないものがあるが、やっと紅燁の元神の力で元に戻したと思えば、クズどもの矢に射られて逝ってしまう、、、

黒無による千歳山のゾンビ大作戦は、子修が饕煞の姿を露わにしたことによって終焉したのだろうが、今度は崑崙鏡の鍵である子修を狙って来ると思うとほんとダルい。

 

今のところ、秉燭が男主1かというくらい紅燁の出番がないね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第18話~第20話。

天からの使命で崑崙鏡の欠片を守っていた子修は、千年前に出会った余命の短い錦歌のために欠片を手放していた。この使命を違えれば罰が下ることは分かっていたが、それでも戻って来るといった錦歌を千年間、姿を変えることなく待ち続けていた。欠片を手放した罰は、千年きっかりで下る仕様なのだと思われるが、待ち続けた錦歌に再会することなく子修は塵となってしまう。残ったのは千年間手放すことのなかった想い、「放不下」の欠片である。

この錦歌とは、かつて愛する男を救うために崑崙鏡を完成させた碎夢であり、男に騙されて千年前に子修から欠片を盗んだ経緯があった。

後々騙されていたことを知り、この頃までの自身の心を封印して魔物となった碎夢だが、生ある者の情を試すような試練の数々は、裏切られてもなお、この世に本物の善や愛があることを何度も何度も確認したかったんだろうと思う。玉醴泉を欲していたのではない、求めても届かなかったものが既にそこにあったことを信じられず、千年間それを誤魔化していたのである。この千年もの間、自分を恨むことなく待ち続けた子修の情で、やっと欲するものを手にした碎夢は、「求不得」の欠片を残して塵となっていく。このシーンなんだけど、、、趙麗穎の玲瓏心が欠けているゆえの絶妙な表情と、背面で流れる「人间辞(人間辞)」のせいでめちゃくちゃ泣いちゃったわ。(この曲の歌詞は別の意味で切ない。)

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この過程で大麗も命を落とすが、仲違いとなった関係をどう修復するのかと思っていたのも、裏切ったとき既にこの結果は決まっていたのか。大麗の抱えていた思いは、以前、肖瑶に直接告げた言葉通りだったようだ。

 

碎夢が消滅し、幻影も解けたために烟虚境のターンも終わるが、戻り際の秉燭と翩翩がいい感じになっている。秉燭はこのまま妹と共に悪妖退治だけを実直にやるだけの役割だと思っていたが、翩翩とは別の関係が生まれるのかもしれない。烟虚境では、命を懸けて皆を逃がそうと試み、その後、乱心して悪妖でもない紅燁の命を獲ろうとしていた秉燭は、その自分を顧みて反省出来るような何の欠点も見られない男である。おまけに顔面もいい。いやすぐ好きになっちゃうでしょこれは。

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同じように、焚心訣で自身もろとも碎夢を滅すると選択した紅燁も、最後まで貫徹出来ずともその後に妖力を無くすという弊害が起きている。ただしこちらは既に絆が固く、揺らがぬ安心感がある。

飛羽衛に囚われた囉囉と肖瑶を救うため、妖力に見せかける技を手動で行う紅燁が、飛び去ることもなく徒歩で逃げていることが新鮮でいい笑

しかもこの忙しいときに、千歳山にのこのこやって来ていた黒無が次に何処を目指したのかと思えば、紅燁不在をいいことに調子こいて万妖谷で猛威を奮っていた。同族を傷付け、力で支配する黒無から囉囉だけは逃れて凡界へ辿り着いたが、今のところの紅燁には妖力がなく、黒無を倒して万妖谷を取り戻すことはどう考えても無理がある。加えて焚心訣の影響がこれからどう響いてくるのかの不安もある。

 

一方、凡界へ戻った秉燭は、腹黒皇帝や黒無と手を組む手下に嵌められ、死罪の宣告を受けるなど散々なのだが、これは翩翩が何とかしてくれるはずだ。翩翩が思いのほかカッコ良いし、どの場面でも汪鐸がひたすら美しくて困る。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第23話。

碎夢の玲瓏心は、魅に変貌する前に手放してあの花壇に埋めていたものだと思っていたが、秉燭を救うためにそれを使用して翩翩が魅へ化したということは、体外へ出したとて、玲瓏心はその所有者と同じ変化を辿っていく仕様なんだろうか。

ともかく碎夢の玲瓏心を体内へ受け入れた翩翩は、感情も持たない無慈悲な魅への道へ向かっている。このまま完全体となって悪事を働き始めれば、斬妖使である秉燭はいずれ翩翩を絶たねばならない。

儚げな二人のこれから先の関係を割と楽しみにしていたのに、一転して厳しい状況に陥ったことが悶絶ものなんだが、こうなると翩翩が秉燭を守って消滅するような妄想しか出来なくなった、、、少しずつ変わっていく翩翩をふんわり抱き締める秉燭がなんだか切ない。

この二人の様子を監視していた飛羽衛の手下だが、コイツは何者なんだろう。目的はおそらく玉醴泉なんだろうが、黒無と手を組んで悪巧みしていた割に、今回は黒無を騙して捕えていた。となると、皇帝に忠心などなさそうな男が、よもや主導だとも思えないため、他に忠誠を果たす何者かがいるのかな。

 

一方の万妖谷では、黒無を追い出すための作戦が着々と進む。

肖瑶を危険に巻き込まないため、紅燁は囉囉だけを連れて万妖谷へ戻ることにしたが、相変わらず徒歩移動の紅燁は、同じ徒歩移動の肖瑶に追いつかれてしまう笑

速攻追いつかれてちょっと笑っちゃったんだが、紅燁にとっては、肖瑶が苦難を共有しない自分にぷんすこしていることで悩み、妖力を失くし大事な者たちを守れないことの苦しみに陥るなど散々である。それでも万妖谷に残る仲間と団結して黒無を脅かし、そそくさと退散させることに成功するが、その方法も手動でやり遂げるほのぼの感が半端ない。

 

黒無という妖は、たった一人の忠臣にですら情の欠片もない自己愛の塊で、良いように使われていた鳥恒は、散々尽くしたあげく目もくれられずに置いて行かれてしまった。この仕打ちを受けても反発する鳥恒が、クズへの忠心をいつまでも手放さぬターンが若干長くてもどかしい。それでも最終的に惑わされていたことを認め、紅燁への誤解が解かれたのはめでたい。(黒無が飛羽衛へ捕らわれたのはこの退散後です。)

次なる目的は妖力を取り戻すことだが、以前、話に出ていた天穹石を求めて二人は西海之濱へ向かうことにする。この海域は呑宝獣という古代の妖が宝を死守しているため、簡単には辿り着けない場所らしい。そこで鳥恒の出番となるが、現身がハヤブサだったことも、タイミング良く改心したことも、根気強く説得した甲斐があったね笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第24話~第26話。

なるほど、、、これはいわゆる「千朵桃花一世開」の謝雪臣と同じパターンか。

呑宝獣との若干長い戯れを経て天穹石を手に入れた二人は、まず紅燁の元神を取り戻すために過去へ戻ることになる。戻るのは肖瑶一人だが、その途中で天母娘娘に言われた「始終是你」が何を意図しているのかこの時は分からなかった。

百年前に戻った肖瑶が、おそらく寧安や紅燁にとって初見だった時の肖瑶の対応は、人族に忌まれる妖にとっては俄然好意が湧いただろう。ゆえに紅燁が百年前に愛した寧安は、実際のところこの肖瑶だったんだと思う。開幕の騙された局面も、元神を取り戻す条件である一滴の涙を得るための肖瑶の芝居だったのかもしれないね。それまでの過程はまだ分からないけど。

ということで結局紅燁は、寧安などではなく過去も現在もずっと肖瑶を愛していたというわけである。

前にも増して「愛別離」は、紅燁の残していく欠片なんじゃないかと思えてしまうが、そうなると崑崙鏡を完成させた後は誰の手に渡るんだろう。

 

一方で現在の三界は、黒無の悪巧みで禍が起き始めている。

あんな下級の一妖族に、妖尊がコロッと騙されるのが謎でしかないが、醒ますべきではない者たちの目を醒まし、万妖谷への影響は免れない事態となってきた。

それでも封印の解かれた3妖がお馴染みのメンツで、どうみても敵とは思えないんだけど、、、紅燁の焦りようからそんなはずないんだけどおかしいな笑 因みに黒無もポンコツすぎて憎らしさはさほど感じていない。

 

碎夢の玲瓏心に支配された翩翩の存在で、秉燭だけは不憫な状況が続いているが、情と大義の挟間で苦しむ姿が不憫枠代表の汪鐸に合っている。他にも、黒無を捕えて、またも逃がしたのが意図的なのかどうか、あの飛羽衛手下の存在がやっぱり謎だな。こちらが予期せぬところ(秉燭の命が助かったくだりなど)のしたり顔も敵なのか味方なのか分からないんだよね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話~第29話。

引き続き百年前で交流を深める二人は、中身が肖瑶なだけあって心を寄せ合うまでが早い。公主が妖族を擁護する態度は、以前も皇帝によって罰されており、そもそもの寧安自身の思想も肖瑶や紅燁の求める共存だったのだと思われる。

ただし世間的な妖族の存在は相変わらず滅せねばならぬ敵であり、人間の犯した罪も妖族へ押し付ける風潮のせいで、妖への責任転嫁があちらこちらで行われている。

たまたま起こった二つの事件の一つは、邪魔になった妻を夫が殺めて妖族へ押し付けた事件だが、この罪は肖瑶の追及によってすぐに暴かれた。

二つ目は、娘が嫁ぐ日に妖族に攫われたという事件だったが、実際は、好いた男と駆け落ちさせるために娶るフリをして逃がしたという家族ぐるみの計画だった。

娶るフリをして相手の娘を逃がした家族は金花鼠の妖であり、人族によって山を追われたと同時に行方不明となった息子(小金)を捜して凡界へ降りてきていた。その小金は金花鼠の姿で裕福な徐家の阿泰(少爺)に飼われる日々で、友人もない彼との深い繋がりが生まれていた。

ほどなく徐家が家を移ったため、小金はそのまま旧家に残され、やっと父母の元へと戻ることが出来たのだが、離ればなれとなった阿泰への友愛を手放せず凡界に未練を残して山へ帰ることが出来ない。3年捜し続けて見付けた時には、自分の存在を忘れていた阿泰に、かつての言葉はまやかしだったと絶望した小金はそのまま凡界を後にする。

ここまでを観ると、人間はどれだけ愚かで薄情なのかを問う、ファンタジーでは定番の流れなのだが、当時の阿泰は金花鼠としての小金しか知らず、いきなり現れた見知らぬ人間が自分の大切にしていた小金だとは正直分かんないでしょ笑

それでも阿泰はすごいよ、昔と変わらず汚れぬ心を持って大人になり、忘れていたわけではない存在を脳内で一致させて追いかけてくるんだから。現実的に考えればどう考えてもおかしいのだが、結局、胸が一杯になって泣かされる情緒への揺さぶりが脅威だ、、、このドラマの主軸はともかく、サイドストーリーには泣かされてばっかりだよほんと。

 

万妖谷では、今と変わらぬ野心を持つポンコツ黒無が紅燁を貶めることに躍起になっている。妖王だからといっても独裁なわけでなく、一定の規則に沿って意に反することもおそらく受け入れねばならないことが妖王にもあるらしい。

その中に人族を生贄にすることも含まれているんだろうが、肖瑶は共存への道へ進むために捕らえられた飛羽衛の首領と子供たちを解放することにする。人族が妖族の領地に来てそんな勝手が許されるのかは謎だが、紅燁は自身が犠牲になれば良いとどこまでも肖瑶を守る覚悟である。

結局、逃がした飛羽衛の首領へ託した約束は果たされず、その身の処遇は皇帝へと委ねられるが、予想に反して友好的な姿を見せた皇帝は、公主と妖王へ婚姻を結ばせ共存の道を託すなどと言い始める。母親が妖だったなど尤もらしいことを言っているが、おそらくこれは妖王を倒すための罠であり、どうみても怪しさしかない。しかも娶る条件に目的の崑崙鏡の完成を提示している。

そうか、崑崙鏡を完成させて人族に捧げたのは、婚姻の条件にされていたからか。この後、回想にあった挙式の日での経緯が分かるのだろうが、この様子だと肖瑶は操られていたのかもしれない。

回想では、紅燁の涙をどうにかしたような描写はなかったと思うが、目的の涙は手に入れられるんだろうか。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第30話~第32話。

案の定、崑崙鏡だけを奪って紅燁を滅するつもりだった皇帝は、肖瑶を操って回想通りの展開となる。あそこで崑崙鏡が再び散り散りになったのは、紅燁がなにか保険をかけていたんだろうか。

紅燁が消えたと同時に宙に浮かび上がった元神(涙)を手に入れた肖瑶は、そのまま現世へと戻される。

あの時点で既に崑崙鏡を手に入れることに執念を燃やしていた皇帝の意思は、現在でも引き継がれているのか、面倒くさいなぁもう。

 

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現世に戻った肖瑶に待ち受けていたのは封印を解かれた古代の3妖との対面だったが、ひとまずそこは眼中に入れず紅燁との二人の世界に浸る姿を面前で見せられる、ポカン顔の3妖+ポンコツ黒無がほんと笑えるんだけど。王森(窮麒役)が相変わらずいいなぁ。

 

過去を辿って百年前の寧安が肖瑶だったと分かり、その母親が妖族だったために肖瑶が半妖だという説明もついた。しかしそれだけではなく、肖瑶はそもそも一万年前に事情があって記憶を失くした妖族の何者かであり、この3妖と紅燁とは当時から深い繋がりがあったようだ。失くした記憶の詳細は未だ謎だが、その頃から3妖は紅燁を憎んでいる。この辺りに紅燁が妖王へ選ばれた事情もありそうだが、以前、小沐小明が言っていた紅燁の現身が不明な件もこの事情が分かれば判明するんだろう。

 

という感じの3妖を交えたわちゃわちゃが落ち着かぬ間に、秉燭率いる飛羽衛が乗り込んでくる。今や碎夢の玲瓏心と融合した翩翩は、秉燭の剣(妹)に意識を宿らせ、離れていても会話が出来るという妙技を編み出している。そんな翩翩が心配でたまらない秉燭だが、翩翩自身も必死で碎夢の玲瓏心の意識に抗っている。

それでも完全に支配される時が近いことを感じる翩翩は、兄に代わって自分を守るといった秉燭の約束を、3つの願い事を叶えることで十分だと言いながら、初めて会った時の自分の木彫り作成を一つ目に上げるなど、おそらくこのシーンは別れの近付く二人の哀愁を感じてしんみりするところなんだよ、、、それなのに、大妖の弱点である肖瑶をどうにかさせようと秉燭をそそのかし、雲夢澤(3妖が封印されていた場所)へ連れて来たポンコツ黒無が、背面でポカン顔して突っ立ってる姿が面白すぎて集中出来なかったじゃないの笑

 

一方で万妖谷の小妖たちに懐かれ、まんざらでもない3妖も、紅燁を滅する目的など忘れて懸命に指導をしている。誰更強!誰有理!んとこめっちゃ笑うんだけどどうなってんの笑

というわけで、そもそもが妖族である彼らの同族への愛は紅燁以外には生じている。この3妖+黒無は完全にコメディ担当だが、黒無はともかく、大妖3体は小妖たちの羨望する思いをきっと裏切らないはず。

傍らで肖瑶の取り合いも始まるが、その争いを収めるために一万年前に起こった出来事を聞くこともなく紅燁を選んだ肖瑶は、再度挙式を執り行うことにする。ここで出現したのが、紅燁の想いが形となった「愛別離」だが、死を経て形となってきた欠片が、これまでと違って法則外だったことに何の意味もないんだろうか。過去に一度塵となった分が現在に出現したのかな。

気になるのは、コメディ枠の3妖でも、一万年前の紅燁の仕打ちは殊更厳粛に捉えていることだが、このまま愉快な雰囲気でやってくれてもいいんだよ?

 

毎日3話更新であっという間に終わりそうだけど、正月休みが終わった平日の3話更新きついわ笑

 

つづく

 

追記ネタバレ 第33話~第38話。

過去の記憶を失くしている肖瑶へ、どれだけ紅燁が非道だったかをどうしても知って欲しい3妖は、ひとまず一致団結して肖瑶を過去へ送ることにする。

コメディ枠の3妖があれだけムキになり、道中の天母娘娘もまた、過去を知れば絶対に後悔するよ、と言ってたのもあって、どれだけの事情が知らされるのかと思っていたんだけど、、、

力のない人族が長年妖族に虐げられ、同族を殺戮された人族皇子の紅燁が、3妖を騙して扉を開き玉醴泉を得たという、ただやられたからやり返しただけの話だった。

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力のある妖族には、同等の力もなくむしろ欠けているという理由で、その命の価値など無とされ虐げられる人族の気持ちは分からないだろう。ゆえに3妖が「コイツが何したか分かってんのか!」とムキになっていたことが、どうみてもオマエもな、と言わざるを得ない。

同族を無残に殺戮され、守るべき者を守れぬ弱い自分を直視させられた紅燁はさぞ惨めな思いだっただろうね、、、玉醴泉へ一歩一歩足を踏み出す紅燁の、やっと守れる力を手に入れられるというちょっとした高揚感のある表情が、逆にたまらなく不憫だった。

 

龍王という立場の肖瑶は、気持ちは変わらずとも妖族を殺めた紅燁をやはりやらねばならなかった。それでも命は獲らずに封印し、自身の命を以って世界へ安寧を与える選択をする。

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肖瑶に守られた命は五千年後に目覚め、妖族の長を引き継いだ龍煜によって妖王へ任命されたのだと思われる。現身が不明だと言われていたのも、そもそも人族だったからなんだね。

 

現世へ戻った肖瑶は、過去を経験したことで3妖へも紅燁へも築いた互いの情が更に強まることになり、争いを生み続ける元凶の玉醴泉を破壊する方向へ皆で進み始めたため、結果的に良かったと思えた。

ただし秉燭の雲行きが怪しい、、、ポンコツ黒無はともかく、翩翩の意識に引っ張られて、剣(妹)もおかしな方向へ向かっている。

残り2話も既に解禁されているけど、本日はここまで、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第39話~第40話(最終話)。

一万年もの眠りから醒めたばかりの3妖は、小妖達とひと時の時間を過ごしたのちに、手分けして欠片を探しに出掛けた先で、魅へ変わり果てた翩翩とそれに引っ張られて闇落ち寸前の秉燭によって成敗される。これが斬妖使である秉燭の本来の役割なんだが、愛らしい3妖の姿を散々見せられた後ではなんだか複雑だった、、、

この戦いで、秉燭を庇った翩翩は命を落とすが、死にゆく前に妹に身体を残して散っていったあの姿は元の翩翩だった。かなしいね、、、秉燭を救うために魅へ堕ちることを甘んじて受け入れ、意識が支配されたあとも抗い続けて最後まで自分自身の一片だけは堅持していた。それが最後に秉燭を庇った意識であり、自分が消滅した後は彼のために妹を返すところまでやってのけたのである。

元々、妹を奪われた恨みで捉妖師への道を選んだ秉燭だが、その妹は、永遠に守ると約束した翩翩の身体で戻ってきた。この事実を知ったあの時の涙はおそらく嬉しさもあっただろう。それでもそれを超える自責と後悔による虚しさは、戦意も失わせてしまったんだろうと思う。直前まで紅燁と激しく戦い、玉醴泉の力で翩翩を蘇らせようとしていたことも無意味となった秉燭は、妹と共に静かに凡界へ戻って行く。

今回の汪鐸は特に美しかった。汪鐸のああいう類の泣きじゃくる姿は初だったが、それも全て美しかったわ。

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それに比べて、黒無と飛羽衛の手下のへっぽこさたるや、、、

最後までこの手下の企みはパッとせずほとんど謎だったんだが、そのくせ小沐を塵とする要因にはなって、ほんと意味が分からないよ。

 

一方、秉燭から託された欠片で崑崙鏡を完成させた紅燁は、肖瑶と共に扉を開き玉醴泉へと足を踏み入れる。しかしこの玉醴泉は、人々の欲望がある限り消滅などさせられない代物であり、だからといってその欲望をこの世から失くすことも出来ない。

ゆっくり肖瑶の方へ顔を向ける紅燁の表情でこの先は見えていたが、自身の中に玉醴泉を封印し、その身体ごと自分も封印することでこの世の安寧を築く選択をした紅燁は、そのまま別の時空へと消えてしまった。

妖王が消えたあと、人族の皇帝も偽玉醴泉を口にしてご臨終となり、利用されていた飛羽衛も解体となる。悪巧みをする全ての人妖が消滅したために争いの意味もなくなった両族は、ひたすら紅燁が望んできた共存への道を歩み始める。

 

それを見届けた肖瑶は、ひっそり修練していた妙術を錬成させ、自身の記憶の中の最も戻りたい場所へと戻って行く。戻ったのは、紅燁と出会ったばかりで万妖谷へと連れ去られた時期であり、ここから二人の時間はもう一度始まる、という最後となる。

いつ戻って来るの、と問う小明に何も答えず旅立った肖瑶の、これが記憶の中だということに若干切ないものはあるが、紅燁のいない世界では生きる意味のない肖瑶にとって、記憶の中でこの世の動向に邪魔されることなく共に過ごせると思えば、一応、ハッピーエンドなんじゃないかと思うわ笑

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『长安二十四计(長安二十四計)The Vendetta of An』

2025年 12月~ 中国 全28話

 

出演

谢淮安(謝淮安)→成毅

萧武阳(蕭武陽)→刘奕君(劉奕君) 

萧文敬(蕭文敬)・阿默→周奇

叶峥(葉崢)→佟梦实(佟夢實)

白莞→徐璐

高洐→宋佳伦(宋佳倫)

 

バリバリの復讐劇なんだけどほんと面白い。

 

ネタバレ 第1話~第10話。

かつて急逝した先帝の跡継ぎに、幼子だった蕭文敬(次子)を即位させた虎賁の言鳳山は、そのまま朝廷を掌握し、皇宮を始めこの国は彼に支配されていた。長子の蕭武陽は帝位にさほど興味もなかったが、自身の生まれ育った皇宮をこの男によって食い物にされることには我慢できず、ほどなく弟に取って代わって自身が玉座を手に入れた背景がある。

この争いで蕭文敬は亡くなったかに思われたが、遺体は見付からず、これから起こす謀反の口実に蕭文敬を利用しようと考えた言鳳山に連れ去られたという話になっていた。

 

一方、田園風景の広がる淮南で帳簿係を担っていた謝淮安は、突然、皇帝からの呼び出しを受ける。

このすぐ後に、県令の周墨や県衛と共に和やかに国事に取り組んでいるように見えた謝淮安が、別れを惜しんで涙ぐんでいた周墨を躊躇いもせず刺したことに仰天する。一見、穏やかに見えた謝淮安の心は仇討ちのみに占められ、虎賁の支配下にいた周墨もまた、劉家の生き残りである謝淮安を殺めねばならなかった。

元々虎賁は、父親の劉子温が創立した組織であり、言鳳山はその指揮下にいたわけだが、野心は留まらずに反旗を翻し劉家を破滅させたという経緯がある。謝淮安はその劉家の生き残りであり、幼い頃からこの仇討ちのためだけに生きている。

ただし、周墨を本当に殺めたわけではなく、自分を逃したことで虎賁から消される周墨を、世間的に抹殺して命を守ったことが後に分かる。心は仇討ちに占められて冷酷に見えても、立場を理解し、培った情を易々と断てるような人間ではないらしい。

敵に対してはほぼ無感情で、張り巡らせた罠を駆使して静かに成敗していく謝淮安だが、情が深く周りの人間を大事にしている。

標的は明らかでそれに向かっていく復讐劇だが、そのためだけに生きる謝淮安の哀しさと儚さを見せる成毅の芝居が極まって、もうずっと哀しい、、、ドラマ全体に納得のいく描写と深みのある筋道があり、脇を支える演者それぞれにも強い印象を与えられる。

 

長安へ入り、皇帝との目的が一致した淮安はこれまで計画した通りにじわじわと敵を追い詰めていくが、言鳳山に連れ去られたと思われた蕭文敬は、実は淮安の手にあったことが分かる。この男を囮にして言鳳山を誘き出す作戦のようだが、これを皇帝が把握しているのかは分からない。

そのままの顔面では四方からの追っ手で奪われる可能性を考え、蕭文敬の顔面を阿默の顔面へ換えることになり、幼い頃から淮安に仕えていた阿默は、役目を終えて妻子の元へ戻るはずだった。

それをとち狂った蕭文敬が殺めてしまったことで、本物の阿默の存在は消えてしまう、、、言鳳山の傀儡の如く何も考えずに生きてきた蕭文敬は、高貴な地位にいても怯えるだけの幼子のままである。

ただし至10話では、薪も割れずに飯のことしか頭になかった蕭文敬の急速な成長に驚いている。阿默を殺めたことを心底悔やみ、その罪をどうにかして償おうとする誠実さが見えている。こうなると、傀儡にされていただけで性根が腐っていたわけでもない蕭文敬が、あの時、阿默を殺めるまでしたことには若干不自然さはあるが、来たる劉子言や虎賁から謝淮安を守るために「経験」が必要だったとか、故郷へ戻った阿默を探られるとまずいという話の流れ上の都合や蕭文敬のクズからの回生を際立たせるなどの事情があるのかもしれない。

 

一方で、以前救った白莞が実妹だったことも分かるが、白莞には自分が実兄だということを知らせてはいない。劉家の生き残りだと知られれば、どんな災難に遭遇するか分からないため、これまで会うことも憚り見守るだけの日々だった。

年頃になり長安で師父の教示を受けていた白莞は、その師父も虎賁の支配下にあったことで、亡き師父の遺言に巻き込まれそうになるが、不安の中でも流されなかった白莞にはちょっと驚いた。出自を知らずとも無意識に自分にとっての善と悪の区別はついている。

虎賁の青衣に付き纏われる白莞は、それを躱して、ほどなく淮安も救いに現れるが、劉子言に刺されて生死を彷徨った兄とは知らぬ恩人が目を醒ますまで側で励まし、その後、故郷へ戻ることなった。別れ際でも兄だという事実は告げず送り出す淮安が哀しすぎて胸が痛い。

 

騒動を起こした叔父である劉子言は、そもそもクズで、コイツが父親へトドメを刺した張本人である。ほどなく淮安を甥だと気付いた劉子言は、早速、命を奪いにやってくるが、壮絶な戦いの中でも命は落とさず割と図太い。虎賁の大義に反し、私情で殺戮を始めた劉子言にはその後ろ盾もなくなってしまったが、それでも城外へ逃げ出せる寸前となっていた。それでも絶対に機会を逃さない淮安は、自身の手で劉子言の息の根を止め、まずは目的の一つを果たすことに成功する。ここでも罪を償う形となった手下の命は獲らない慈悲が淮安にはある。

劉子言への復讐を終えて、一時、安堵の時間が訪れるが、お馴染みの大黄に導かれて、行方知れずだった父親の墓石を見付けることになる。当時、兄にトドメを刺した劉子言は、おそらくあの馬車から道端に遺体を投げ捨てでもしたんだろう。それを近くの百姓が発見して埋葬していたのである。長安城の百姓たちが劉子温への恩を忘れず墓石に記した文字が一気に切なさを誘い、その前で悲しみに暮れる淮安が不憫でしかなかった。

この過程で、かつて父親を裏切った葬儀屋も命を落とすことになるが、仇だと分かっていても最後は同じ目的へ向かった葬儀屋との儚い時間は終わり、一瞬映った幼い頃の回想で、その頃の穏やかな関係を勝手に妄想していたらたまらない気持ちになった。

 

いよいよ虎賁が動き出し、顧玉率いる白吻虎が殺戮されるという惨事が行われる。

車椅子に頼る日々でも情勢を敏感に察知し、度々皇帝へ進言していた顧玉は、今回も、言鳳山が各地の兵権を利用して謀反の盾にする動きを予測し、自分が先んじて兵権を返上して諸侯へもその動きを促すという話をしたばかりである。その矢先に部下たちの命が奪われ、顧玉は虎賁の王朴によって連れ去られてしまう。

皇帝との対話で言鳳山の退路(兵権獲得)を断つといっていた顧玉は、これが皇帝と高相の策ということに気付いていての話だったんだろうか。この皇帝と高相の策が、白吻虎の殺戮まで予測して泳がせていたのかどうかはイマイチ見えず、どこまで練られているのかは不明である。このドラマは、緻密に練られた計画が後々見えてくる仕様で全く予想がつかない。

 
幼き頃の友人である顧玉を救うため、虎賁のアジトへ乗り込むことにした淮安は、亡くなったと思われていた韓子凌に遭遇する。そもそも先の刺客として皇帝が殺めたと思われたのは偽の韓子凌で、本物はここに潜入するという話が二人の間で決まっていた。
皇帝はおそらくこの事を知らず、顔面を変えて淮安の側にいる蕭文敬の存在にも気付いていない。
 
一方、顧玉を捕えて何かに利用しようとしているのは分かるが、王朴が寄こしたハニトラ戦法がなんだか安っぽいんだよね笑
顧玉の人格を見れば、捕らえて燃やした部下を餌にする方が余程、顧玉の心を動かせると思うのだが、、、
 
というわけで登場している皆が、互いのことを少しずつ疑い自身の手の内を全ては明かさないことが、後々、点と線で繋がるんだろうが、全く予想ができず先が猛烈に気になる。
 
つづく
 

追記ネタバレ 第11話~第15話。

藏兵巷で顧玉を捜索する間も、外界との連絡は怠らぬ淮安は、虎賁と手を組む節度使四人が長安へ上るタイミングで、高相の命を奪う策を察知し警告へ向かう。向かわされたのは蕭文敬だが、皇帝と高相はとっくに敵の策を見破り、敢えて囮になっていた。相手が襲ってくれば、反撃という名目で堂々と節度使を消すことが出来るからである。裏から出て来た皇帝の姿で腰を抜かした蕭文敬のへっぽこっぷりに正体がバレやしないかとヒヤヒヤしたが、あの様子では勘の鋭い二人にはバレていたのかもしれない。

事前に準備していた高相は事なきを得て、蕭文敬の咆哮が役に立ったかどうかは謎だが、一応、敵は躱すことが出来たらしい笑

蕭文敬はひたむきに淮安の役に立とうと突進しているが、その勢いで身分を借りるために捕らえていた王興を殺め、彼の残された妻子を案じて、危機を救うためにまたも得意の斧で輩を叩き切るなど、刑部のような機関が正常に機能していればおそらく何度も捕まっている笑 それでも溢れ出る愛らしさで個人的には和んでいる。欲もなく兄と同じ、玉座にも執着のない蕭文敬は、今の書童の地位に落とされても目の前のことを必死にこなし、そもそもの原因である兄のことも恨むどころか、むしろ現状に満足しているところは皇族とは思えない親近感がある。

 

一方の藏兵巷では、淮安が白吻虎や韓子凌と協力して顧玉を助け出すが、苦楽を共にした部下の遺体を山積みにされた恨みは同じ手段で王朴へと返す強い意思が顧玉の哀しみを語っている。王朴にとっては言鳳山の心証のみが重要なため、山積みには気にも留めないのだろうが、逆に命を狙われ逃げ惑ったあげく、顧玉も淮安も逃したことでこれ以上にない失態を犯す。

この過程で、淮安へ仇討ちを託して逝ってしまった韓子凌、、、これらの犠牲を、仇討ちを終えるまでは見送らねばならぬ淮安の気持ちは想像を絶するほどの苦しみだろう。ちょっと流水迢迢で蕭無瑕に感じた苦しさと重なる。

 

してやられた格好となった言鳳山は、この仕返しとばかりに安全圏へいたはずの白莞へ手を掛ける。直接手を汚さず、そう仕向けた言鳳山の手段は実に卑しく、この世は思いのほか虎賁に侵されていることを知った一幕だった。

ていうかさ、門内で待ち構えていた奴らもまずは顔面を確認せんのかい、どう見ても体つきがおっさんじゃないやろ。よもや故郷へ戻った白莞が、再び長安に現れると思ってもいなかった(視聴者含め)淮安には絶望しか残らない。これで敗北を認めさせることが言鳳山の狙いだったのだが、むしろ業火を点けたよね、、、

 

それでもこの勢いで長安へ乗り込んで来た虎賁に、皇帝もろとも撃退され、再び言鳳山が長安の実権を握る結果となる。

ここで少しだけ和んだのは、藏兵巷の門番だったおばちゃんと、囚われていた養子の青衣が再会して、しがらみから解放されたこと。以前と変わらぬ標的以外の者の命はむやみに奪わない淮安の優しさを再び見せられ、それを取りこぼさないシナリオにもありがとうと言いたい。

 

この辺りでやっと言鳳山本人が登場するが、落ち着いた風貌で、自身が死へ追いやった白莞の埋葬された場所にも尊厳を与える姿は、一方から見れば人格者なんだろう。かつて人間の本質を悟った言鳳山は、食うためには殺戮せねばならぬという一種の病に侵されていた。囚われていた鉄秣人から逃げ出し、初めて受けた恩人の温かさも疑って殺めてしまったが、その夫婦の残した幼子が現在の王朴である。

今では実息のように情を抱く言鳳山へ同じ思いを味わわせるため、王朴を利用することにした淮安は、この事実を本人に明かして仇討ちという名目で言鳳山を殺めることを暗に促していた。

ただし淮安には結果が分かっていたために、予想通り肉親を失った言鳳山に同じ思いを味わわせることとなる。分からないのは王朴が己で毒を服したことだが、一瞬でも迷いが生じたゆえの罪悪なのか、或いは、毒を盛ったであろう自分を信じる姿を見て安心したかったのか、イマイチ自害となった心の動きが分からなかったな、、、

 

長安から逃れ、藏水川に潜伏する蕭文敬、葉崢は、昏睡する皇帝の面倒をみながらちまちまと労働をして銭を稼いでいる。外界で仇討ちのために動くのは淮安のみで、皇宮に一人残され、足が不自由となった様子の高相の経緯や顧玉の行方も今は分からない。

甲斐甲斐しく兄の面倒を見る蕭文敬は、時おり目を醒ます兄の状況に気付いてはいないが、察しのいい淮安には即座に気付かれる。

「自分(皇帝)が死んだら、お前も父親のように皇族(弟)を支える気はあるのか。」と言っていたことから察すると、阿默が弟だということにおそらく気付いている。あの様子を見ると皇族という重荷に泣き言を言っているんだろうから、目の醒めた瞬間に聞こえていた可能性はある。

仇討ちのためだけに生きる淮安が、それを終えた後も生き続ける可能性は低いが、生きることに意味を見出せぬ姿を複数に渡って見せられているのは、逆に生き続けることになるんじゃないかという希望がある。

 

この地で、思いがけず尹鑄勝が登場して喜びすぎている自分に驚く、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第16話~第20話。

行方知れずだった顧玉が地下で生きていたことに震えた16話の開幕。高相が蓋の隙間から落とす食糧の欠片で食いつなぎ、このままでは死ねぬという強い意思が未だ宿っていたことに歓喜する。

このことは外界の淮安へ伝わり、自分を囮に言鳳山を引き付けている間に顧玉を救い出す策を立てるが、この一環で言鳳山との商談で長安を訪れた鉄秣人へは蕭文敬を向かわせる。皇帝である蕭文敬が生きていれば、言鳳山と手を組むことが得にはならないことを分からせるためである。へっぽこっぷりに愛らしさを感じる蕭文敬が、思いのほか堂々としてたのが実に頼もしい存在になっている。

この少し前に、藏水川から離れる蕭文敬が、阿默の父である塩商人(尹鑄勝)に詫びるシーンは胸にくるものがある。仇と分かっていながら湧いた情が憎しみを超えることはなかったこの父親の役目は、蕭文敬が国を正しく導くための許しを与えることだったのか。どうも尹鑄勝を見ると胸が熱くなるんだが、恋かな、、、

他に、倪大紅のこの先の役目も気になるところ。

 

淮安がこの策に協力を仰いだのは、かつて父親の友人だった楊じいだが、現在は言鳳山のご機嫌を取りながらの日々で富豪となっていた。このシーンは協力することをほとんど脅しで承諾させる淮安の笑みに若干狂気を感じたが、それでも裏切りの代償に命までは獲るつもりはなかったようだ。

ただし言鳳山は裏切りを許さず、ニコニコで無害に見えたサイコ味を纏う意外な人物に命を奪わせることになる。しかもコイツは葉崢と対等な力で斬り合い、より人間性の高い葉崢の隙を付いて瀕死へと追い込む。至20話でも葉崢の安否は不明なんだが、、、少し前に、顧玉を救い出して死を受け入れた高相も逝ったばかりで、淮安と共に発起した仲間の命がどんどん尽きているのに葉崢まで連れて行かないで。

 

言鳳山に囚われていた淮安が、この知らせを耳にしてほとんど狂人と化したのが、どうなることやらとハラハラしていたが、言鳳山の唯一の弱点だった王朴を使って命を獲ることは、あらかじめ計画のうちだったようだ。ここで言鳳山が命を落とすとは全く予想していなかったんだけど。

なんだかあっさりと最後の一人への仇討ちを果たしたことで衝撃を受けていたところに、あの謎の男が満を持して現れる。山に籠ってひたすら何かを占っていた、劉子言や王朴がぺこぺこしていた謎の男は、どうやら鉄秣王だったようだよ。

この王と言鳳山は確実に繋がっていたが、かつて戦で負けた鉄秣人に言鳳山が囚われていた頃から何かが共同で動いていたのか、または鉄秣人を牽制していたのかは分からない。国土を侵略されれば俄然守りたくなるものだが、言鳳山は自己のルーツを重んじるような感傷的な人物ではなかったし、その考えすらが虚しいと思っていた節がある。そう思うと、鉄秣王を長安へ受け入れて融合する気持ちはあったのかもしれない、それとも国土を守るために一旦、死んだことにして鉄秣人を油断させているという可能性もあるにはあるが、、、そうなると淮安との協力は必須である。ただ言鳳山が生きていれば、鉄秣人を蹴散らしてもその先の行き場は死しかない。仮に一旦協力体制となっているなら、あの葬儀屋のような最後にしかならないよね。

という感じで妄想ばかりが捗って相変わらず先は全然見えない。

 

20話の最後で、痛め付けられてもなお目の輝きは失っていなかった顧玉が淮安へ目配せしたのちに首を斬られたんだが、ほんとやめてくれんかな、、、この人は本当に生きていて欲しかった。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第21話~第22話。

生きることもままならない極寒の地で肉親を亡くした哀しみを抱えて長安に下ってきた鉄秣人は、龍叔だけではない。

気付けば、虎賁よりも遥か多くの鉄秣人が長安の地盤を支えていた。長安人として穏やかに過ごす歳月は、故郷での月日より長く、楊じいの頭を石で叩き割った若い蘇長林などは故郷の記憶など既に朧げなんだろうと思う。この地で受けた恩は恨みより遥かに大きく勝っているはずだが、明確な標的もいない中で、なぜその恨みを手放せないのだろうな。力で勝る男の蘇長林が小青を後ろから刺したことがマジでイラついたわ、、、

龍叔が抱える遺恨も分からんでもないが、失くした子は侵略した先の人々を殺戮しても戻ってはこない。孤児二人を拾って、実子のように育てた日々の方が遥かに長い龍叔は、この日々を捨ててまでも手放せぬ亡くした子への義理が勝っているようだが、どうみても弟子や淮安への情が捨て切れずジレンマに陥っているのが見える。

鉄秣人には鉄秣人の言い分があり、立場を変えればそれなりに納得する理由は見付かるんだろうが、とにかく長安の国土全てを奪わねば気の済まない様子の鉄秣王は、まずは先陣を切った世家の顧玉を捕えて命を奪う。

軍人として国に尽くし、不自由な身体でもなお白吻虎を率いて国を守ってきた顧玉は、命が尽きたあとも軍令の伝達を最後まで忘れず信念を通した生き様が深く印象に残る。

 

新たな敵が現れて絶望し、また一人大事な人が去ってしまったことはひたすら苦しいだけだが、葉崢が生きていたことだけは幸いだった。医館の前まで運んできたのは蕭武陽かな、、、

この先は、蕭武陽を筆頭に鉄秣人との戦に突入することは必至だが、蕭文敬以外の主要人物は、生きていた葉崢ですら全て命を落としそうな空気を纏っている。なんかずっと哀しいんだよね、淮安は特に。

鉄秣王の旧友だという岑偉宗(倪大紅)は、どの辺りで動き出すのかな、といっても残り6話なんだけど。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第23話~第24話。

23話冒頭で話していた虎賁のスパイの女とは、ひょっとして淮安の母親なんだろうか、、、この経緯は淮安が切り出していたため、既に知っていた吳仲衡の過去なんだろう。

そのすぐ後に、(宙づりから)降ろしたのにその女は一言も残さなかった。もし何か言葉を残していれば家族も慰められたかもしれないのに。(意訳)というようなこと吳仲衡が言っていたんだが、この家族が淮安だと知っての挑発のように聞こえたんだけど、、、

ということは、劉子温と謝淮安の最大の敵は始めから吳仲衡だったということか。時間軸でいえば、この宙づりの後に言鳳山が鉄秣人へ囚われ、殺戮を行いながら長安へ戻って劉子温を殺めた後に主権を握ったということだから、長安へ潜入して仲間のように過ごしていた吳仲衡の正体にはいつ気付いたんだろう。

前話で、父親の幻に鉄秣王が現れたと伝えた後に、「それじゃあ紅綢を降ろせ。」と言っていたあの紅色の布帯は、宙づりになった母親の象徴みたいなものだったのか、、、?

楊じいと親しくしていた老沙も、目の前に出現した布帯を時が来たと言わんばかりに抱えて、皇宮から街に出てきた岑偉宗の元へ駆け付けていた。

 

という感じで妄想だけが脳内をぐるぐるしている中、遂に蕭武陽も動き出すが、少し前に吳仲衡との取引を承諾した淮安は、葉崢と小青を解放する代わりに蕭武陽を差し出すという話になっていた。ただし、蕭武陽はあらかじめ淮安の密信を得ていたため、簡単にはやられない。「先為寒蝉再殺黄雀」とは、先に蘇長林(寒蝉)をヤってから吳仲衡(黄雀)をヤれ、という伝言だったのだと思われる。

間一髪で逃れた吳仲衡を追って、淮安はトドメを刺す寸前だったが、龍叔からの邪魔が入って未だ逃がしたままである。

一方、鉄秣人の侵略で北部が滅茶苦茶にされていることを知らされた蕭文敬は、兄を廃人へ追いやることを条件に長安を守り、自身が再び傀儡皇帝の座に就くことを承諾していた。この軍報は事実ではないのかもしれないが、蕭文敬に知る手立てはなく、選択を迫られた末の決断だった。

命までは獲らないことが蕭文敬の条件だったようだが、兄を刺してあらゆる人間を絶望させたこの行いは償えるんだろうか。何か策があってそうしているのか、この行為をそのまま受け止めていいのか分からず混乱している。

 

葉崢もまた、親のような存在だった龍叔への気持ちの区切りを付けるため藏水川へ現れ、この地は一気に戦いの場となるが、いい風に終わりそうな未来は全く見えないね、、、

 

気になっているのは、託された軍令を白吻虎へ伝えに出向いた芝瑛がどうなっているのかだが、吳仲衡が蕭文敬へ見せていた軍報が事実ならこちらも悲惨だよね。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第25話~第26話。

龍叔がこうなることは分かっていた。

亡くした子への誓いを違えることは出来ず、かといって弟子の命を奪うこともその子を殺めることと同じだから。これだから感情のある人間にとって潜入という任務は重い。

この選択しかなかった龍叔が、野ざらしのままでなく埋葬されていた子の最後を知れて幾らか救われたのが幸いだった。鉄秣人としての大義を持ち、いずれ裏切ることになる一方で、弟子や淮安へ生き続けて欲しいという思いもまた本物だったんだろうと思うよ。

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ずっと切ないわほんと。

 

藏水川で吳仲衡を逃し、蕭武陽も蕭文敬も奪われた長安陣営は、表面的には手立てがないように思えるが、淮安には想定内の流れでその準備もどうやら整っている雰囲気がある。

鉄秣王へ投降した格好となった絶望中の蕭文敬へも、何を堅持しろという伝言なのかは謎だが、蕭文敬にはその意図が伝わっていた。岑偉宗の役割はイマイチ分からないが、当時は彼も劉党に属しており、殺戮に巻き込まれるはずだった。しかし危機を知らせる紅綢のおかげで難を逃れて生き延びることが出来て今に至る。

あの紅綢はどうやら危機を知らせる印だったようだよ。そして葉崢を医館の前まで運んだのもこの岑偉宗だったために敵ではなさそうである。

今や鉄秣人の支配下におかれた長安は、淮安も自由に歩き回ることすら難しいが、ぷらぷらと立ち寄った先でおそらく反撃の号令を出している。無事、白吻虎の元へ辿り着いた芝瑛も軍令を伝えることが出来て、こちらも既に長安へと入城を果たしている。

謎なのは、女医の元にいた後ろ姿のみで登場したあの男だが、もしかして言鳳山なのか、どう聞いても声があの人なんだけど。

最後は皆の思惑がどう一つに繋がるのか全く予想できず、特に言鳳山が生きているとすればここが一番分からないところだが、反撃の時は近付いている。淮安はもう死ぬ気だな、、、

 

つづく

 

追記ネタバレ 第27話。

冒頭で、吳仲衡と岑偉宗が長安へ南下して鉄秣人の未来を語る描写が登場し、ひぇっ!となる。

岑偉宗も実は鉄秣人であり、あんなに幼い頃からの仲間ならば完全に敵ではないかと思わされる。それでもこれまでがそうだったように、表面では判断出来ぬ岑偉宗の存在は、演者の力もあって常に不気味で、その役割がどちら側なのかが謎ではあった。

蕭文敬に別れを告げ、託した未来を確認した淮安はそのまま鉄秣人に捕らえられるが、今となっては、これまでの蕭文敬の行動全ては淮安の策だったんだろうと思う。望んだ未来を達成した時、今度は自分が君の書童になるよ。こう言っていた淮安は、もはや今世のことではないのかもしれない。

 

静かに吳仲衡の元へ向かった淮安と、岑偉宗を加えた3人の穏やかでも辛辣な会話は、目の前に迫る死を感じさせる実に不気味なシーンである。ここでいきなり岑偉宗が淮安の胸を刺したことにひっくり返りそうになったが、それでもまだ岑偉宗の心中は見えなかった。

この後の吳仲衡との会話の、かつての仲間2人の名を出した岑偉宗と吳仲衡の反応で、この2人の仲間は既に亡くなっていることが伝わるが、「你的大業」で妄想したのは、吳仲衡がこの仲間を殺めたのではないかという思いだった。

この妄想のせいで、岑偉宗は吳仲衡を仲間だとは思っていないのではないかと思い始める。以前、今でも仲間なのか、との淮安の問いに、今は違うと言っていた岑偉宗が本当の姿だという思いに完全に囚われ、どのタイミングで吳仲衡を刺すのかとじりじりしていた。

結果、これも吳仲衡の長年の友という弱点で隙をつく淮安の策だったようだ。長年会わずにいた岑偉宗が疑い深い吳仲衡の信用を得るには、自分の命を懸けるしかなく、敢えて刺されるという策を立てたわけである。いつでも他人に活路を与えて自分を犠牲にする選択をしてきた淮安は、命が尽きるまで同じ道を選んでいる、、、これで命を落としたのかはまだ分からないけど。

 

吳仲衡へ斬りかかったのは、女医の元へ隠されていた言鳳山らしき謎の男だが、顔面はギリギリで見えなかった。

淮安はこの長く壮大な策を成功させて、残った者に未来を託して逝ってしまうのか、又は生き続けられるのか、残り1話。

 

つづく

 

追記ネタバレ 第28話(最終話)+番外。

かつて陳家谷口と呼ばれる穴倉で、周り全てを殺戮せねば生き残れぬ思いに囚われていた言鳳山のように、十五年間、劉家を破滅させられた場所から抜け出せずにいた自分は同じだと気付いたあの夜、各々の場所から抜け出せぬその元凶は、共通して吳仲衡だということを知る。

あの暗く薄汚い納屋に囚われ続け、生き残るために劉子温を殺めた言鳳山は、少しずつ正気を取り戻していたんだろう。それでも犯した罪からは逃れられず、殺意を持って向かってくる淮安を、やはり生き延びるためにはやらねばならなかった。

淮安もまた、あの場所から逃れるためにはその元凶を断つしかなかったわけだが、先に言鳳山へ呪縛を断つ機会を与えたのである。最後の「不欠你了、也不欠長安了」は、少なからず過去を後悔していたように思えた。

吳仲衡も、極寒の地で死にゆく同族を見送りながら、長い時間を掛けて長安を手にすることに邁進してきたのは、全て生き延びるためである。最後まで自分が生き延びるという自信を見せていた吳仲衡は、自身の教えを弟子に返されて命は尽きる。

 

結果、顧玉以降の救いたかった命全てに活路を与え、自分が消えた後も国へ安寧をもたらしてこの復讐は終了する。淮安の謀った策はタイトル通り二十四計だったのだと思うが、数えてなかったから全然分かんないわ笑

 

番外では、序盤は反発し合っていた葉崢と蕭文敬が、今や離れることも躊躇うくらい深い絆が生まれているのが微笑ましい。それでも葉崢は、かつての想い人を訪ねるのんびり旅に出るようだよ。

困難を乗り越え、精神性が段違いに上がった蕭文敬は、盲目となった兄を支えることに全てを捧げているが、その顔面はもう外さないのな、、、それも阿默への悔恨を忘れぬためだと妄想していたら胸にくるものがあった。

 

元凶である吳仲衡とは、刺し違えねば終わらぬと初めから分かっていた淮安は、そのまま共に逝ってしまったんだろう、と思っていたが、御龍岭に閉じ籠っていたのは確実に淮安で、白髪も黒髪に戻っていた。時羅曼山の那個人との和解も、岑偉宗から受け取った液体も何なのかは謎だが、今は死期ではないらしい。

 

面白かった。オジ達の貫禄も目を見張るものがあったが、錚々たるオジ達に呑まれることなく、主演を演じた成毅が一番光っていた。この役柄は成毅で正解だったと思うわ。

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