
『雀骨Key to the Phoenix Heart』
2026年 7月~ 中国 全28話
出演
萧无衣(蕭無衣)侯明昊
谢嘉鱼(謝嘉魚)→艾米
李茂→王以纶(王以綸)
谢怀归(謝懷歸)→何润东(何潤東)
何太后→陶昕然
ヤバい、調子こいて開封してたら7月の同時視聴が4作品になってる。
ネタバレ 第1話~第6話。
北境を守る北府軍と敵国の血みどろの乱戦で、悪名高き世子(蕭無衣)が命を落とすところから始まるが、蕭無衣の一挙一動がド派手すぎて目がチカチカする笑
使い物にならない連環弩(兵器)が原因で北府軍三万の兵は命を落とし、憤怒のあまり突っ込んで行った統帥の蕭無衣も敵陣営で討たれて命を落としたかに見えた。男主1ゆえにそんなはずはないことは分かっていたが、蕭無衣は命を取り留め、無残に散っていった北府軍兵の仇討ちへと足を進めることになる。
この背面で暗躍するのが長沙王(張雨剣)だとは知れていたが、まずは、この武器を設計した妙手公子を捜し始めた蕭無衣は、その過程で謝嘉魚と出会うことになる。
謝嘉魚は謝太傅の一人娘で、無邪気に伸び伸びと暮らしながら、その好奇心旺盛な情熱は創作へと注がれていた。結果的に、蕭無衣が捜していた妙手公子は嘉魚だったのだが、玩具程度の性能でしかない連環弩が、軍の兵器に使われていたことなど本人は知るはずもない。
自分の作った玩具が政局に利用されたことも知らず、好いた男のために小銭を稼ぐ無邪気な嘉魚と、三万の命を背負って血眼になる無衣では温度差に幅がありすぎて、その対比がちょっとしたコメディ展開になっている。
ほどなく嘉魚の身元が判明し、長沙王が娶る予定の娘だったことが分かり、まずは敵の目的を挫くべく自分が嘉魚を娶る方向へと太后を抱き込むことにする。既に好いた男(李茂)へ嫁ぐ気マンマンの嘉魚は、当然、これに反発するが、太后直々の命となれば拒否することは出来ない。ゆえに遠方に駐在する李茂の元へ向かうことを決意する。
ちょうど、向かう先の船が長沙王の人身売買や横領に利用されている件を調査していた無衣は、ここで嘉魚と遭遇するが、嘉魚には嫁ぎ先の靖安王世子が無衣とは知れていない。
こうして船中で起こった敵の攻撃から、正義感の強い嘉魚へ悟られぬよう助ける無衣だが、結果、嘉魚には正体も知られ、その悪名の如く殺戮者という印象のみを残すだけになる。
娘を心配して監視させていた李甫華は、無衣が娘を守れる人間と判断して嫁がせることも安心していた節があるね。

このタイミングで遠方から戻って来た李茂だが、この男もまた皇族で、妹の李楽君と共に幼い頃から嘉魚と育った仲である。それだけでなく、かつて命を救われた無衣とも少年時代からの友人で、その友人がいつの間にか自分の好いた女を娶る話に発展していたことに困惑が否めない。
無衣が長沙王を倒すためにはこの婚姻は不可欠だが、この時点では嘉魚に対する感情は無いに等しく、むしろ友人の恋路を応援して駆け落ちに協力するところがちょっと変わった筋書きだよ笑
こうして避けられぬ婚姻は実行されるが、長沙王は着々と謀反の準備を進め、この機会に実行へと移す。これを予測して事前に策を講じた無衣は、長沙王が皇宮へ乗り込んだタイミングで軍を率いて現れるが、太后、長沙王、無衣のトライアングルは、一体誰が狙うべき敵なのかと混乱する。
結果、長沙王も知らぬところで太后に利用されていた駒であり、主導していたのは太后だったことが判明する。太后の目的は権力だが、北府軍の眩さが常に脅威であり、おそらく長沙王と相討ちさせて決して軍権を返上せぬ無衣を排除したかったんだろう。
というわけで、長沙王の存在はただ無衣を倒すための駒以上ではなく、事実を受け入れた長沙王は潔く逝ってしまった。久しぶりに見た張雨剣の退場が早すぎて悲しい。
ここから、無衣が太后を倒す話になればその先はどうなるのかと思ったが、満を持して動き出した謝太傅がその本性を現す。なんと今回の何潤東は割と重要な役柄を演じるのか。
そのまま無衣が剣を抜けば、謀反の罪へと発展しそうな危機に、皇帝の勅命で李茂を監国へ任命させ、どちらにも剣を収めさせた結果は、太傅が長年計画していた展開だったようだ。皇帝が亡くなれば、このままスライド式に監国の李茂が皇帝となるところまでが長年の野望のようだが、その理由は李茂が太傅の実子だったからだ。
そうなると血の繋がる嘉魚との仲を黙認していたことが謎だったんだが、太傅は嘉魚の実父でもなかったことが後々分かる。何がどうなって世家の縁が絡まっているのかどうも複雑だな、、、
ともかくこうなった以上、李茂との駆け落ちが実現することはなく、聞き分けない嘉魚へも、これまでに見せたことのない残酷な一面を晒して駒という事実を本人へも認識させることになる。
どこまでが太傅の筋書きだったかは謎だが、ここに至るまでの李茂と無衣の出会いや無衣と嘉魚の婚姻も、太傅の筋書きのように思えて不気味だわ。
一方の太后も、長沙王の言うことが事実なら、偽の聖旨を用意し、先帝に毒を盛って殺めた後に、実子を皇帝へ据えた過去を経て現在に至るため、野心では太傅に引けを取らない。李茂を監国に立てたことに牽制し、妹の楽君を教育するとかいう名目で人質にしているが、まだまだ余裕はありそう。
ただ無衣と嘉魚の命を守るためだけに監国となった李茂は、後々、太傅の思惑を知ることになるが、その思惑のまま自身が国を背負う気概に足る野心が、恋心を通して芽生えることになるんだろうか。そうなると闇堕ちまっしぐらになりそうな気もする。
今のところ、既に心を寄せ始めた嘉魚と李茂との密会に協力する無衣は、片想いのような視線を送っているが、いつの間にそう想いが募ったのだろうね、、、正室や側室も名ばかりで、靖安王府を隠れ蓑として協力するように各々には好いた男がおり、そこで暮らす子も無衣の子ではない。世子妃を初対面だと言っていたため、実子ではないことは分かっていたけど。
名目上、妻ではあるが、知り合いのような友人のような二人は、無衣が想いを寄せ始めた嘉魚との恋路を興味深々で見守っているあたり、貶め合いがないことには安心感があるよ。
ただし、無衣に時間のない様子は、毒にでも侵されているのかもしれない。目的を達するための時間は三~五年で十分だと言っていたその目的は、三万の雪辱を果たすこと以外の他にもありそうだね。
その嘉魚は、全ては知らされてなくとも、自分の創作した玩具のような武器が原因で、三万もの兵の命を奪ったことに心を痛めている。これが父親が暗躍した結果だと知り、絶縁状態となるが、母親もまた、娘への仕打ちに耐え切れず夫の元から去って行ってしまった。
この李甫華(母親)の脳内説明で登場した文熹帝と皇后の歴史は、先帝の話なんだろうか。李甫華が直々に対面していたということは、そう遠い過去ではないよね。それに当時、皇后が宿していた子はどうなっているんだろう、、、これからその太子を捜しに向かうと言っていた辺り、確実に生まれていることになる。
しかしこの話が先帝時代だとしても、時間経過が不明なうえ、世家に見捨てられ戦の先頭に立って亡くなったという文熹帝と、現太后が毒殺したという先帝との辻褄が合わず悶々とするだけになった笑
「雀骨出天下定」(雀骨が現れたとき天下は安定する。)の雀骨とは、おそらく無衣のことだよね。そう思うと、無衣が先帝の子の可能性もある?
靖安王世子が長子でなく、次子の無衣が担っていることも、靖安王が世家らしくないことも若干の不自然さはある。それでも太后と李甫華や靖安王の関係も、今のところ一切臭ってないしな、、、
というわけで、いつも無駄に妄想を膨らませるだけの自分が滑稽だなと思う笑
つづく
追記ネタバレ 第7話~第10話。
無衣が文熹太子だとしても、その身分が露わになるのはもっと先だと思っていたんだが、李甫華が速攻で探し当てたことに驚いた笑
しかも、この事実を本人の無衣はとっくに知っていた。あんな幼い頃から先帝の意志を背負わされて過ごした日々は苦しかっただろうね、、、このところの吴佳峻くんの活躍が目覚ましい。
蕭家夫人にとっての無衣は、息子の蕭晟の命を奪い、残ったもう一人の蕭堯へも傷を負わせた憎むべき対象で、決して愛を注ぐことは出来なかった。そうではないことが頭では分かっていても、この哀しみの行き場を無衣に向けるしかなかった夫人も苦しんでいたんだろうと思う。
蕭堯もまた、自分を戦場から引き離していたのは無衣だと思い込み、自身の尊厳を挫いて無能だと判断する弟を、長年、少なからず恨んでいたようだ。
結局、戦場へ就かせなかったのは夫人の要望だったのだが、この恨み全てを甘んじて受け入れながら、期待を損なわぬよう先帝太子の責務も背負っていたとは、ほんと不憫だよ、、、
太后の策を逃れたばかりの無衣は、すぐに次の一手を計られ、妙手公子である嘉魚を娶ったゆえに憤る北府軍との絆も揺らいでいた。
こうして太后の策に嵌った軍内での反乱は目前だったが、これを己の信念と嘉魚の持論で説得し、再び皆の心を取り戻したことは、嘉魚の心も軍兵の心も救った華麗な逆転劇だった。
思い通りに事が進まず憤慨する太后は、またもこの北府軍内の騒ぎを理由に無衣を貶めようと画策するが、悪事の証拠を握る手下を捕えられては何も成せず、結局、無衣の意のままにされている笑
ここで無衣が口にした早口すぎる改革は、おそらく道半ばで命の尽きた先帝の意志なんだろう。このせいで、先帝と同じように世家に恨まれることは必至となった。
この後すぐに北秦との和平へ動いた無衣は、敵国の鷹王を迎え入れることになるが、北秦は和平を結ぶ気など一切なく、むしろ間者を山ほど潜り込ませていた。
この鷹王の挑発で三州を賭けた騎射を競うこととなり、その出場者として蕭堯が名乗り出たことは蕭家皆を焦燥へと向かわせる。長い間、父や弟のように戦場へ就き国への貢献を望んできた蕭堯は、ここで自身の価値を自分にも世間にも証明したかったのだと思われる。そうだよね、武家に生まれながらこれまで何も貢献出来ずにいたことは、さぞや歯痒かっただろうよ。
この心を痛いほど理解する無衣だが、夫人の思いを尊重すれば簡単に了承は出来ない。
その間、嘉魚は、得意の創作で脚の不自由な蕭堯に適合する武具を設計し始めていた。事情は知らずとも蕭堯の心を尊重してすぐに行動出来る力を持つこの性質は強い。無邪気で何も知らぬように見えた嘉魚は、蕭家全員の心を一つにするための思いやりと芯の強さがあって実に頼もしいよ。
ただし無衣にとって、これ以上懐に入り込まれれば、手放さねばならない時、自分にそれが出来るかどうかの不安が襲ってくる。その不安が早口で捲し立てる言葉に現れているのだが、「否則我也不確定我還、、、」とか、もう告白の一歩手前まで口走っていたな、、、おそらくこの後に出そうになっていた言葉は、「能不能忍」だと思うわ。(じゃなきゃ俺も我慢出来るかどうか分かんねぇよ?)←意訳。

結果、蕭堯の尊厳を守り、間者も全て捕えて鷹王を打ち負かしたことは、この場に紛れて無衣の命を奪おうとした太后以外の味方は皆歓喜に沸いていた。
しかしここで見せた新婚夫婦の連携は、李茂の心をざわつかせることになる。ままごとのような恋愛から、一歩先へ踏み込んだ生身の恋愛に嘉魚も気付き始めているから。

こうなると、太傅が嘉魚を無衣へ嫁がせたのは、初めから心を寄せ合うことを確信していたのかもしれない。太傅の思惑通り、李茂の中で、この恋心から発展する野心が育ち始めているしね。李茂の嫉妬心を確認するように窺って、したり顔の太傅が怖いよ。
一方で、蕭堯とのわだかまりも解消し、実際はずっと存在していた無衣に対する夫人の愛も露わとなったことは、蕭家にとっては光ある未来が見えた。
今回、無衣の王妃と側室が、失くした配下の残した妻子だったことが分かり、さらに無衣の煌めく人間性が知れることになった。王妃は既に蕭堯の妻のようだけどね笑
因みに、嘉魚も李甫華との血の繋がりのない孤児だった。父親は北秦人に殺められた何者かだが、おそらく皇族か世家か、どちらにしろ貴族なんだろうね。
つづく
追記ネタバレ 第11話~第12話。
あー、、、既に李茂が闇堕ち寸前へと達している。
無衣への牽制と、北秦との和親で楽君を奪われそうになり、既に嘉魚と江湖を駆け回る夢は選択肢から外れてしまった。太傅の狙い通り、力を持たねば望む物を手に入れられぬ現実は、無垢だった李茂を一気に打算的な人間へと変貌させてしまった。
この他に太傅は、過去の出来事を探って北秦の太后の元へ直々向かうが、この出来事が太傅にとってどんな惨事をもたらしたのかの真相も今は謎である。
嘉魚は相変わらず無邪気に創作に勤しんでいるが、その創作仲間となった元小六が案外重要人物だったことが判明する。独創的な武器を編み出すこの男は、元々、北秦太后と心を寄せ合っていたようだが、太傅が知りたがっている過去の出来事にも関連している節がある。
命の短い太后が、最後に一目会いたいと言う言葉の裏はないとも限らず、離ればなれとなった原因が、元小六の意図したものかどうかも分からない。微妙に嘉魚とも何か関係ありそうなんだが、まさか父親というわけではないよね、、、父親は北秦人に殺められたと言ってたし、、、
嘉魚は他に、楽君の和親を阻止するために自ら鷹王の元へ乗り込んで行くが、妙手としての技術を敵へ明かしたことが無衣の逆鱗に触れる。
手の内を明かしたこと(明かしてないけど)に憤慨しているのではない。その才能を欲して北秦へ連れ去られるような種を蒔いたことに焦っているのである。無衣が嘉魚へ一目惚れだったのは驚きだが、その想いは全く嘉魚へは伝わらず、あくまで阿茂が運命の人だと言って無邪気にノロける姿を見ては苦しんでいる。
ただし、李茂が変貌したことでこのノロケの終わりは近い。
つづく
追記ネタバレ 第13話~第16話。
元小六は北秦の前右相の子息で、かつては穆連嬰という名だったが、25年前の北秦太后の策略で穆家は皆殺しにされていた。一人生き延びた穆連嬰は、大鄴へ流れて北府軍に潜んで現在に至っている。
愛憎の挟間で、過去の因縁を断ち切るべく命を懸けて臨んだ対面は、嘉魚によって互いに命を守って平和な終焉を迎える。
北秦太后の愛らしい顔面の裏に隠された野心はあまりに大きく、当時は愛を以っても超えられなかったようだが、結局、大鄴との因縁は残したまま鷹王に後を託して逝ってしまった。病で、、、
太傅が拘る安陸二氏の存在がイマイチ謎なんだが、この先は、太傅が無衣や嘉魚の前に立ちはだかる邪魔くさい存在になりそう。
一方、和親を強要されていた楽君も、無衣の鮮やかな策で鷹王を撥ね退け、結果的に全員をサクッと救っていた。
残酷そうに見えて割と話の分かりそうな鷹王は、この先の無衣が目指す安寧にとっても何か役割を果たす人物なのかもしれない。
この後、李茂が権力を手放さぬことを察した嘉魚は、自ら別れを告げることになり、割と穏やかな対話で終わりを迎える。李茂は全く諦めていないが。
そのまま無衣の元からも離れた嘉魚は、元小六と共に母親を訊ねて凌風堡へ向かうが、この地で崔家の陰謀へと巻き込まれることになる。
この地を管理する崔家は文熹皇后の一族だったが、当時、文熹帝を裏切って皇后を死なせ、世家だけが生き残ってその筆頭に立った歴史がある。それだけでも信用ならぬため、裏山に鉱山を隠して利を蓄えるくらいは予想は出来る。
序盤は、街娘を攫っては鉱山での労働力に利用していた家主の崔浚を、その子の崔少安(程宇峰)も崔令儀も支持していると思わされたが、崔令儀は貴族の誇りを捨てずに父親の悪事を阻止しようとしていた。因みに李茂が楽君を救うために求婚したのがこの崔令儀である。

↑囚われた妻を救いに現れた夫。
程宇峰の横顔がキレイすぎる。
文熹皇后の残した雀骨令を巡って、醜い奪い合いが始まっているが、未だ雀骨令がどんな力を持つのかイマイチ分かっていない。「雀骨出天下定」という言葉を聞いた当時は、雀骨=無衣だと思っていたが、明確に雀骨令という物があって、それが今、天下を平定するどころか禍を生んでいる。
このせいで、崔浚は本物を殺めて本人に成りすまし、鉱山で人々を汚染して獣のような狂人へと変貌させている。崔浚が取るこの謎の行動は北秦太后の命だというが、汚染水を巻き散らして国土を穢し、多くの命を奪う計画は、ただ敵国を滅するための策なんだろうか。だとすれば北秦太后の犯した罪は大きすぎるし、それを命を以って阻止した元小六に、我來了なんて言わせる価値などないと思うのだが。結局、一族を皆殺しにして逃げ続けねばならなかった元小六だけに割を食わせた北秦太后は、思い出して貰う資格もないよね、、、という気持ち悪さだけが残る。
この雀骨令は他に、太傅の野心も刺激することになるが、兄を救おうとするあまり、楽君は李甫華(嘉魚の母)の持つ雀骨令を奪うため、恩人の命も犠牲にしてしまった。
え、楽君にそんなことが出来るとは思ってもいなかったよ。そのうち鷹王と本気の恋に落ちて嫁いでいく未来があるのかも、、、などと呑気に考えていたのもそういう話ではないらしい笑
この件で、無衣を疑っていることを李茂に漏らしていた嘉魚だが、これはおそらく李茂(又は太傅)を探るための言葉で、本気で無衣を疑っているわけではないと思うわ。
李甫華を失った太傅はショックのあまり、謎に嘉魚を責めて絶縁してしまったが、何だろうね、、、全て策略の上の芝居にしか見えない。
結局、嘉魚の出自も明かされぬまま、母親も元十六も逝ってしまった。
つづく
追記ネタバレ 第17話~第20話。
嘉魚を救うため、熊と格闘して出来た傷が痛々しい無衣、、、その身体で衰弱した嘉魚を抱えて床へ運ぶ強靭な精神は、どれだけ傷を負っても愛する女を守るド派手な描写が分かりやすくていい笑
今の嘉魚にとっての無衣は、母親に手を下した疑いのある人物の一人だったようだが、個人的には無衣だけは疑ってないと思っていた。
これまで自分に尽くしてくれた全てを知っている訳ではない嘉魚も、見えていることだけでも信頼には値する人間だと確信はしている。ゆえに無衣ではあって欲しくない思いはあったようだ。
このタイミングで告白した無衣は、母を失くし太傅にも罵られて一人ぼっちとなった嘉魚へ、どこまでも味方だと証明したかったのかもしれない。
この辺りで嘉魚も無衣が文熹太子だという事実に気付く。その疑いが確信に変わるまで人を介したせいか、割と冷静に事実を受け止めたようだが、皇位への野心もない無衣の身分は、嘉魚にとってもさほど重要ではないんだろう。

靖安王府は、世子妃も側室も皆が温かくて安心感がある。

太傅に奪われた母親の亡骸は、安陸の真相をちらつかせて奪い返し、ここから雀骨を餌に楽君の罪を暴いていくことになる。
楽君と李茂の絆が深いことは、好いた女との約束を違えてまでも妹の和親を阻止したことでも分かるが、幼くして二人寄り添い続けた歴史は何にも超えられないものがある。
守られるだけで決して能動的には動かぬように見えた楽君は、兄を守るためなら命を捨て、兄を脅かす存在は見過ごさない強い信念を持っていた。たとえ罪を犯そうともこのブレない精神には目を見張るものがあり、東宮へ手が伸びそうになって慌てて自白した姿には感動すら覚えた。この二人が過去を語る姿がそう思わせる部分でもあるが、一方で、その食い物は無衣がくれたものだよ、、、という思いもよぎる笑
ともかく何人も互いを超えることのない兄妹の絆は、周りにとっては時に害をもたらし、嘉魚ですらも裏切る結果となった。
友人にも裏切られ、これで本当に一人ぼっちになった嘉魚を迎えに現れる無衣が眩しかったよ。
無衣と嘉魚が雀骨を餌に太后を巻き込んで自白させた策略は、結果的に無衣と李茂との決別も生んでしまう。

太后は相変わらず権力に固執し、監国の李茂も北府軍を率いる無衣も排除しようとしていたが、それが逆に利用され、過去に犯した罪が露呈して追放されることになる。これで一人、長らく国を腐らせていた人間を追い出すことが出来た。これには世子妃の貢献が大きかったね。
この権力争いに疲弊していた皇帝は、この先の実権を李茂へ託すことになるが、無衣との絆が揺らいだ以上、志を成すことが出来るのか危うい雰囲気となっている。野心を抱く太傅が背面に控えることもあって、李茂がどちらに揺らぐかでこの国の未来は左右される。
ただし、決別したことも太傅を欺くための無衣と李茂の茶番という線も否めない。国の改革を目指したあの頃の志を李茂もそう簡単には失わないと思うんだよね。
その李茂が逃がした楽君への仇は嘉魚が自身で討つことになるが、北秦への間者という立場を以って代償とした楽君の覚悟を受け入れ、そのまま行かせることで恨みを相殺したのだと思われる。
こうした困難を乗り越え、ようやく嘉魚も無衣の想いに応えるまでの気持ちになったことは、銭のない無衣が惜しげもなく愛馬を売って稼いだ献身が報われた。これからも生きられる希望は見えたが、未だ確信のない余命の件と熊との格闘の件は嘉魚にはまだ知れてないよね。
つづく
追記ネタバレ 第21話~第22話。
太后が失脚し、国政は監国の李茂が取り仕切り、無衣は方々の不正を正しながらつつがなく二年が過ぎる。
その間、嘉魚は各地を飛び回って、からくり創作の腕で百姓の暮らしに潤いを与えながら充実した日々を送っていたが、偶然耳にした賄賂の件で、ついに剣慷へ戻ることになる。
その過程で、同じく賄賂の不正を調査していた無衣に再会することになるが、夫に戻る便りも出さずに済む遠慮のない関係が相変わらず自由だなと思う笑
あの時、決別した李茂とも特に反発し合う様子はなく、善政を敷く現状の無衣との関係性は不気味だが良好には見えた。
ただし二人のわだかまりは消えたわけではなく、李茂は太傅と共に、蕭家を貶めるための策を淡々と進めていたのである。

偽造した帳簿や書簡で汚職を糾弾された蕭家は、一気に窮地に陥るが、無衣にはまだ、あの頃同じ志を持って歩んだ同志を信じている部分がある。
太傅にどれだけ毒されたかは不明だが、今のところの李茂は、妹を追放され、嘉魚も奪われた恨みが確実に刻まれている。それが本来正当だと正気に戻っているのか、全てを無衣に被せて自分を憐れんでいるのかは正直分からない。それでも個人的には、楽君も李茂も性根は腐っていないという思いが拭えない。
太傅への忠心も、実は油断させるための姿という疑いも未だ持っている。最悪、今の闇堕ちのような姿が事実だとしても、きっと踏み外した道から戻ってきてくれると謎に信じているのだが、これは演者(王以綸)のせいかもしれん笑
血の繋がりはなくとも相変わらず熱血漢の父や兄、靖安王府の女衆の結束が固くて安心感がある。
つづく
追記ネタバレ 第23話。
すげぇ、めちゃ綺麗に解決した笑
李茂は太傅に従順というわけでなく、割とはっきり自身の意見を述べている。そのためフリをするまでもなかったようだ。
長い間、太傅が安陸の冤罪で心を費やしたことは、そこに愛した女(李茂の実母)がいたからだが、愛ゆえの暴走にはなんだか人間臭い部分を見せられて、一気に太傅への不気味さは消えた。
囚われた靖安王府の男衆は、嘉魚や元姫の尽力もあって、書簡を偽造した本人からの証言によって罪は晴らされる。同時に、安陸の冤罪も先帝の誤りだったことが正され、太傅の長年も遺憾も解消された。これだけのために権力を欲した太傅は、そのまま隠居となっても実に満足気にしていたな。
今や、戻る家は靖安王府のみの無衣にとって、文熹太子という肩書は何の意味もない。そのため自ら父親の罪を認めて、より良い国づくりを選んだ無衣の姿勢はどこまでも変わらず凛々しかった。
李茂もまた、意味のない肩書をもろともせぬ同じ志の無衣を、誇らしげにしていたな。まず、序盤で血管が切れそうなくらい憤慨した、無衣を絶対に死なせないという強い思いにちょっと感動したもんね、なんだかんだと言いながら二人の友情は固い。この李茂の監国たる決断力が頼もしいよ。
因みに、売った愛馬は妙手の稼ぎで買い戻していた。えらいなぁほんと。
残り5話は、北秦との和平と雀骨の秘密が軸となりそう。
つづく
追記ネタバレ 第24話。
え、これまでの愚行を詫びて心残りなく隠居するつもりだった太傅、、、逝ってしもーたやん。
靖安王が太傅を刺したのは事実だが、北秦の妙薬か何かで操られていたことは嘉魚も李茂も気付いている。しかし李茂は、これが無衣を潰して北府軍を取り上げる機会とばかりに靖安王府全員を捕える命を下す。
うーん、、、直前までの、無衣との和やかな雰囲気は嘘だったのかと思わせるこの展開に困惑はするものの、どうしても二人が敵同士になるとは思えないんだよね。
この二人の度々の決別を、これまでは太傅を油断させるものだと思っていたが、太傅が消えた以上、他に茶番を見せて油断すると思われる人物は北秦の鷹王しかいない。
となると内乱と見せかけて鷹王を誘き出すためか、、、ただし、個人的には鷹王にもそう悪い印象は抱いていないのが困る。
ともかく、どれだけ李茂の言動に混乱させられても、無衣と示し合わせてるとしか思えないんだよねなぜか。主観とはいえ、そうまで思わせる李茂のこれまでの信用はある意味すごいと思うわ笑
気になるのは李茂が先生と呼ぶ謎のフード爺だが、顔を隠している理由があるんだよねおそらく。医術に長けるこの爺が誰なのかを妄想しても、はまる人物がいないな、、、嘉魚の出自が何かに関連しているのかも気になるところ。
つづく
追記ネタバレ 第25話~第28話(最終話)。
出会ったあの頃から、共に目指した志を遂行するための長い長い旅が終わる。茶番というにはあまりに重く長かった二人の計画の最後は、根源を断つことだった。
先帝の残した因果を繰り返さぬため、太子としての責務を果たして根源を断つには、引き継がれてきた内部体制を一掃し、外敵の北秦を完全に制圧せねばならなかった。
二人が出会ったのは、そのための運命という他ないが、あの幼い時から既に唯一の戦友としてより良い未来を目指していた。それを実行する今に至るまで、変数(不確定要素)が確実に増え続ける日々では、初心の誓いからブレずに生き続けることは容易ではなかっただろう。それでも誓いを違えることなくその道を真っ直ぐ進んだ二人の精神が逸れることはなかった。
そのために皇宮や官吏など内部を一掃し、最後は国を脅かす外敵との決着を果たすには、北秦全体(特に鷹王)を完全に騙すための壮大な計画が必要だったのである。
正直この時は、目隠しで身内を斬りまくる無衣や、靖安王や蕭堯の処刑を遂行する李茂へも、大義を果たすためには必要悪だったという話に持っていくんだろうかと、なんとも言えない気持ちになっていた。
無衣が(そういう芝居で)李茂に追放され、北秦の鷹王と手を組む話は全く信じてはいなかったが、楽君の芝居とは思えぬ覚悟は、もしや本気なのかと思わされた。
結果、楽君だけは自分の命を以って二人の志へ貢献することとなり、無衣に弓を引かせて裏切りの信憑性を高める役割を果たす。思えば、兄のために李甫華を殺めた時からこのシナリオは避けられなかった。命を奪った償いは自身の命を以ってでしか返せず、罪を犯した時からその覚悟はしていたんだと思う。
自分のために生きた日々は僅かで、不本意にも裏切った友人と愛した男への罪悪に苦しみながら、それを超える大義のために散っていった楽君の、抱えてきた兄への期待と、その代償での苦しみの日々を妄想していたらほんと涙とまんなかったよ。
楽君の覚悟と心境を、李茂も嘉魚も細かく見抜いてその死を受け入れていたが、個人的にはどこかで罪を償いながらでも生きていて欲しかった。鷹王に関しても、北秦のクズ皇族はともかく、鷹王へは悪い印象がなかったため、新世代の皇帝となって和平を結ぶ方が良かった。隣接する運命は変えられないんだから、鷹王を滅したとて和平を保たねば歴史は繰り返されるよね。
こうして最後は鷹王を完全に騙して、靖安王や蕭堯率いる軍と共に北秦を滅多打ちにしたわけだが、無衣のその後の消息は亡くなったものとされていた。少なくとも嘉魚には。
無衣と李茂が目指した、自国の運命は個々が握るという精神は、おそらく民衆全体に受け継がれているはずだが、名声は全て李茂へ譲った無衣への評価は低かった。それが嘉魚には解せぬ部分だったが、自分だけが知る無衣の献身を誇りに生き続けていた。
「不辻就算你食言了、日後我們天上相見我也會原諒你、你這一輩子過得太苦太累了、所以你想要早點休息、我也不怪你」
發帯を括りながら嘉魚が呟いた声のトーンも言葉も愛が深く、幼い頃からの無衣を脳内で巡らせていたら猛烈に刺さったんだけど。
当然、無衣は生きていたのだが、記憶を失くしていたために嘉魚を捜すことも出来なかった。李茂がそろそろ頃合いだと気を利かせて行動し始めたために、二人はやっと再会することになる。
嘉魚と再会した無衣の本能は速攻で目を醒まし、記憶を取り戻すまでもそう長くは掛からなかった。
結局、嘉魚の出自も神医もこの物語の中では重要ではなかったらしい笑
28話エンディングの最後で、李茂は太傅の子でもなんでもなかったことが分かる。これも今となっては重要ではないが、李茂が監国となるためには必要な要素であり、結果的にこの勘違いも運命だったということだね。無衣に頼ることなく、一国の主として重責を引き受けた李茂が孤独ではないことを願う。
ド派手な芝居と演出で、最後まで矢の如く勢いのあるドラマだった。短くとも脇のエピソードを描きながら上手く28話にまとめたなと感心する。面白かった。
艾米は以前から大人びていて今も顔面はそう変わらないけど、真っ赤な口紅が似合うね、そういう年頃になったのか。
