キングダム 大将軍の帰還 | 一言難盡

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『キングダム 大将軍の帰還』

2024年 7月~劇場公開中 日本

 

原作 原泰久(週刊ヤングジャンプ連載中)

監督 佐藤信介

脚本 黒岩勉・原泰久

 

出演者は多いので端折ります。

 
キングダム第4弾となる大将軍の帰還、馬陽の戦いはこれで区切りとなる。原作では現在72巻まで出版されているが、映画4作は、おおよそ16巻までの出来事となっている。
 
ネタバレあり

まず、前作の続きから始まった開幕は、龐煖に蹂躙される飛信隊が、隊長の信を守るシーンが導入部となっているが、このシーンを開幕に持ってきて初っ端から胸を抉るのやめてくれんか(´;ω;`)ウッ…

信を背負って逃げ惑った尾到と、その最後までがほぼ原作に忠実に描かれていたが、正直、開幕にこんな大砲を打たれたため、この後はもう涙で霞む目を拭いながらの鑑賞となる。

 

しばし戦から離れていた王騎が総大将となって出陣した馬陽の戦いは、過去の因縁である龐煖との直接対決となるが、この部分も原作にほぼ忠実に描かれている。

個人的には、原作での、人でもない、よもや言われているような神でもない、ただ貪欲に己を満たすものだけを捜し求める無機質な龐煖が嫌いだった、最後まで。むしろ、そういう憎まれキャラに描かれていたと思う。

しかし映画での彼は、演者の吉川晃司の芝居にどこか人間味があり、自分の認めた強さの骨頂である王騎と対面し、戦う姿になんとも言えない哀愁が見えるのである。このせいで、実写版での龐煖を見ていると、なんとなく切ない気持ちにさせられた。漫画を読むと腹が立つだけなんだけど笑

 

この王騎の最後を私はずっと信じていなかった。死んだのではない、きっといつか戻ってくるのだろうと待っていたが、ほどなくして本当に逝ってしまったのだと絶望した記憶が蘇る笑

そこがファンタジーとの違いだが、現在72巻の原作でも、王騎を超える将軍は未だ出てきていない、、、

という、偉大なる王騎というキャラクターを見事に再現した大沢たかおは一体どうなってるんだろう、ほんと凄いんだけど。

といっても、主要メンバーのほとんどは、李牧も含め、原作(+アニメ)そのままの印象であるために、役者の方々はよほど役柄を掴んでおられるのか、全く違和感がない。

 

王騎を失くして下を向くしかない兵たちに、未だ鎧も付けずに戦う信が鼓舞する姿はマジの感動だが、この映画のサブタイトルを回収する政の言葉には、胸の底から一気に突き上げる衝撃があった。

戦から離れた大将軍が軍を率いて趙へ挑む意味だと、なんとなく思っていたのが、なんと二つの意味があったとはね。


普段、中国ドラマを観ることが多いため、日本映画は、自然なメイクでの毛穴も見える野生的な泥臭さがいいな、、、と思いながら観ていた。にわかの範囲で観ているあちらの方々の戦闘シーンは顔面が綺麗すぎるよね、と思うなど。