作:海堂尊
宝島社(宝島社文庫)
2007.11
超個人的評価:★★★+☆☆


東城大学医学部付属病院の"チームバチスタ"は今まで一度も失敗がない、栄光のチームだった。
ところがある時をさかいにこの栄光の軌跡はぱったりと途切れた。
連続する術中死。
狸こと高階病院長が白羽の矢を立てたのは、万年講師で不定愁訴外来の主、田口医師。
逆らえない命令に、なんとか独力で捜査を始める田口だが……


本棚整理のため再読。
出世とはほぼ無縁、人の話を聞くのが仕事という田口先生のキャラクターが良い。
現代の医療事情や病院の描写などのリアリティと、フィクションらしいドラマのバランスがいいので安心してさくさく読めます。

ラストを知ってからこの上巻をよむとまた違った感覚で読めておもしろかったです。

チーム・バチスタの栄光(上) 「このミス」大賞シリーズ (宝島社文庫 599)/海堂 尊
¥500
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作:榊花月
イラスト:夏乃あゆみ
徳間書店(キャラ文庫)
2010.8
超個人的評価:★★+☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。

清掃会社でアルバイトをしている大学生・苑の前にバイト先の後輩としてあらわれた暴君、蓮沼。
新入りのくせに無愛想で態度はでかい、その上ファーストフードもコンビニも知らなきゃ、電車に乗ればsuicaをなくす。
けれどひとたび高級ホテルに入れば物慣れた様子で優雅にふるまってみせる。
あんたは一体何者なんだ?
さらには苑狙い?な取引先のイケメン社長に対抗心を燃やしているらしい蓮沼に、苑の日常は一体どうなってしまうのか……


イラスト買い。
世間知らずでぶっ飛んだ俺様攻と流されやすく下僕体質で若干?乙女な受。
攻は立ち食いそば屋でイスがないと怒りだし、受はそんな攻にものをなくさないようにとお手製のなんでもポシェットをプレゼントする。


突き抜けた感じのキャラクターたちの掛け合いは楽しかったけれど、感情移入とか萌えとかはあんまり感じられず。
受が攻のどこを好きになったかがちょっと曖昧かも。
下僕体質だから俺様に惹かれてしまったんですって言ってしまうとなんだか複雑な気分に……
設定はおもしろいとおもうんだけどな。ううむ。

不機嫌なモップ王子 (キャラ文庫)/榊花月
¥570
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作:甲田学人
イラスト:三日月かける
メディアワークス(メディアワークス文庫)
2010.1
超個人的評価:★★+☆☆☆

願望を持った人の前に現われ、その望み尋ね、助言をする謎の男。
ただ無邪気に人とは違った世界を見、それを伝える小さな魔女。
都市の片隅でおこる怪異に巻き込まれた人々は彼らと出会い、そして怪異に飲み込まれていく。
今日もどこかでなにかが起きているかもしれない。そんな連作怪奇短編集。

Missingも断章のグリムも途中で断念した私にはやっぱり痛かった。
ごく普通の人が、ある時突然怪異に巻き込まれて、その人は絶対助からない。
因果関係の少ない怪異は暴力的だなあと。
例えば禁忌をやぶったせいで怖い目にあうのなら納得もできるんだけど、それがあんまりないせいで余計怖い。
そういう意味では接鬼奇譚で男が怪異に巻き込まれていく過程はわかる。
けどラスト直前なんでそうした!?という思いはぬぐえない。
基本的に痛いです。激痛です。
や、こんなこと考えながらホラーを読んでる時点で私の負けということはわかってる
んだけど。
やっぱり肉体的に痛いのはどうも苦手なんだよね……

夜魔―怪 (メディアワークス文庫)/甲田 学人

¥557
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作:かわいゆみこ
イラスト:ほたか乱
徳間書店(キャラ文庫)
1998.4
超個人的評価:★★★-☆☆

この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。

大手企業で営業として働く上月の日常はストレスいっぱい。
胃を傷めて耐えられなくなった彼が、社内の医務室で出会ったのは、新任の心理カウンセラー、佐伯だった。
彼の落ち着いた物腰と、的確なカウンセリングに上月は救われ、次第に彼を尊敬するようになる。
ある日、佐伯は上月を自分のマンションへと誘うが……

正直BLにしなくてもいいんじゃないかなあという気はする。
企業の医務室で働く精神科医の佐伯×ストレスいっぱい若手営業の上月。
佐伯がバイで上月を狙っているっていうだけで、それほどBL要素はありません。
この上月くん、今まであんなにわんこのように懐いていたのに佐伯先生の性癖がわかったとたんの手のひらの返し方はちょっと先生がかわいそうになります。
迫っているのを隠そうと嘘ついたのは確かに先生が悪いんだけどさ。

後編なんか完全にBL置いてきぼりで、DVに悩む上月の同期の女性を助ける話でした。
ちょっと時代は感じますが、普通にライトな精神医学モノとして楽しかったです。

Die Karte (徳間AMキャラ文庫)/かわい ゆみこ

¥540
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作:かわい有美子
イラスト:小椋むく
笠倉出版社(クロスノベルズ)
2009.6
超個人的評価:★★★+☆☆

この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。

幼い頃、自分を助けるために怪我をした遠縁の衛守と清泉学院中等部で再会を果たした峰。
幼かったせいで、その後衛守がどうなったのかを知らされていなかった峰は、衛守の背中に深い傷跡が残っていたことにショックをうける。
だが当の衛守はそれを責めるでもなくごく自然な態度で峰を助けてくれる。
寡黙で優しい衛守に少しずつ惹かれていく峰だったが……

空色スピカのスピンオフ。
前生徒会長の峰と副会長の衛守のお話。
腹黒女王様だと思っていた先輩が結構?いやかなり?乙女なかわいい人でびっくりした。
あの人前の自信に満ちた姿が衛守のためにがんばってるんだと思うとちょっときゅんとする。
寡黙だけど有言実行のナイト、衛守はほんといい男だなあ。

たがしかしほぼ6年間がこの一冊にぎゅっと凝縮されているので、もっとじっくりじわじわ読みたかったような気もします。
ひとつひとつの出来事がさくっと終ってしまうのがもったいない。
なんか彼らの学校生活がキラキラしてて、あと2冊くらい続いてくれてもいいと思うんだ。

流星シロップ (クロスノベルス)/かわい 有美子

¥935
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作:崎谷はるひ
イラスト:今市子
フロンティアワークス(ダリア文庫)
2008.5
超個人的評価:★★★★+☆

この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。

大学で助手をしている秋祐は、訳あって同い年の従兄弟の涼嗣と同居している。
お互い、いい年なのに際限なく自分を甘やかす涼嗣のことが秋祐はずっと好きだった。
男同士で、ましてや従兄弟同士。好きだなんて言えるはずがない。
自分の気持ちを押し殺すことが当たり前になっていた秋祐だったが、涼嗣が恋人の女性と結婚を決めたことから、涼嗣と離れることを決意するが……

崎谷さん作品でイラストが今さん?と一瞬びっくりしたけれど、今さんのイラストがぴったりな、しっとりしたお話でした。

同い年の従兄弟同士。
決して派手な話ではないんだけど、なんか心にしみてくる。
ずっと涼嗣ことを想いながらもそれを口に出来ず、彼の元に居候している秋祐。
そんな秋祐を甘やかしまくりながらも自分の気持ちにも秋祐の気持ちにも気づかず、付き合っていた彼女と結婚しようとするにぶちんの涼嗣にいらいらしたのも束の間、自分の本当に大切な人を自覚してからの彼の行動の速さと潔さは素晴らしいです。
ただちょっと元彼女さんがかわいそうだけれど。
こうやって女の子を悪役にしないところもいいな。

花がふってくる (ダリア文庫)/崎谷 はるひ

¥600
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作:京極夏彦
講談社(講談社文庫)
1999.9
超個人的評価:★★★★-☆


箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされたバラバラ死体。そして巨大な箱形の研究所と消えた少女の謎。
次々と連鎖する箱というキイワード。
事件に巻き込まれた木場は自らの信念のために命令違反を繰り返し、事件の捜査を続ける。
次々と広がっていく事件の波は榎津や関口まで広まり、やがて京極堂を引っ張り出して……

箱に魅入られた人の”憑き物”は無事落ちるのか。

果たして事件の真相の行方は。


文庫版購入のために再読ですが、厚さ約4㎝のボリュームはダテじゃない。
次々と連鎖する「箱」というキーワードと不可解な事件の数々。
京極堂の展開する蘊蓄や詭弁。そしてグロテスクで悲しい事件の結末……
ああもうおなかいっぱい。大満足です。
続きも購入済なのですが、全部読み終われるのはいつになるやら。ああ、幸せ。


文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)/京極 夏彦

¥1,090
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作:華藤えれな
イラスト:真生ルイス
幻冬舎(リンクスロマンス)
2007.7
超個人的評価:★★★☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません。


革命によって家族と言葉を失った、元ロシア貴族の小鈴は今は上海の娼館で男娼として働いている。
ある夜、客として現われた日本人の建築士、相馬は尊大で冷たそうで嫌なヤツだった。
決して甘いだけではない時間を過ごした二人だったが、相馬はそのまま小鈴を身請けすると言い出した。
娼館の主である李には逆らえず相馬の元で働くことになった小鈴だったが、彼は次第に不器用な相馬の人柄に惹かれ始める。
そんな時李から相馬が手がける政府関連施設の設計図を盗み出すように命令されて……


上海の街が舞台の設計士×男娼。

口がきけない受や、背景にいるマフィアや、相馬の過去などおなかいっぱいで満足なのですが、ちょっと登場人物たちの気持ちの起伏が唐突だったかな、という部分も。

素直じゃない男娼は可愛かったが、設計士の朴念仁っぷりにはちょっとイライラした(笑)
特に後日談ではせっかく両思いになったのにこんなに早く手を離そうとするの!?とびっくりでした。


本編ラストで李さんがあまりにもあっさり小鈴を開放したのが気になります。
そんなんでいいのかマフィア。

上海夜啼鳥(シャンハイナイチンゲール) (リンクスロマンス)/華藤 えれな
¥898
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作:上橋菜穂子
講談社(講談社文庫)
2009.8
超個人的評価:★★★★+☆


カザルムの学舎で獣ノ医師としての勉強を始めたエリン。
そこで出会った傷ついた王獣リランの世話をするうちに、彼女は決して慣れることのない獣と心を通わせる方法を見いだしてしまう。
それはまだ幼いエリンの人生をある闘いへと導くものだった……


エリンと王獣リランの絆。
禁忌とあらがえない運命。
中盤以降の怒濤の展開に脇目もふらず一気読みしました。
なんだか上手く言葉に出来ないけれど、いい物語を読んだ!という満足感があります。
自分の信念を貫き通そうとするエリンは強い人だ。
たとえそれがどんな結末に繋がるのだとしても。

ラストはとても美しいのですが、一方でそこで終るのー?!という二律背反です。


続きも早く文庫化されないかなあ。


余談ですが、後半のトムラ先輩の陰の薄さが切ないです(笑)
個人的にちょっぴりひねくれもの、でもいい人な彼が大好きです。
でもこれはやっぱりエリンはイアルとくっつくのかな。
あああ、それも気になる。

獣の奏者 2王獣編 (講談社文庫)/上橋 菜穂子
¥730
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作:上橋菜穂子
講談社(講談社文庫)
2009.8
超個人的評価:★★★★+☆


大公のために働く闘蛇を育てる村で、獣ノ医師として働く母と共に暮らす幼い少女、エリン。
村で起きた謎の闘蛇の大量死の罪で死罪を告げられた母親を助けるため、たった一人で獰猛な野生の闘蛇の住む沼へと向かう。
それは大好きな母親との別れと同時に、新たなるエリンの人生の旅立ちだった……


続き購入のため再読。
やっぱりおもしろい。
過酷な運命に翻弄されながらも、自分の信念を貫こうとする少女エリン。
彼女の強さが眩しいと同時に、そんな行き方をして苦しくならないだろうかと心配になったりもする。


闘蛇衆の村から蜂飼いを経て王獣の世話をする獣ノ医師へ。
彼女のこれからがどうなるのかが楽しみです。


獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫)/上橋 菜穂子

¥660
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