作:バーバラ片桐
イラスト:山田ユギ
白泉社(花丸文庫)
2008.3
超個人的評価:★★★-☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


遊びも仕事もソツなくこなすエリートの武井は、専務直々の命令で裏金の調査に乗り出した。
ターゲットは同期で経理所属の篠崎。
仕事は真面目だが融通が利かないと、周りから敬遠されている男だ。
半ば専務に騙されるようにして篠崎に近づいた武井だが、付き合ってみれば彼が冴えない格好の奥にダイヤの原石のような美貌と、うぶでまっすぐな性格を隠していたことを知る。
興味本位で篠崎を変身させた武井だったが、次第に彼自身に惹かれはじめて……


エリートリーマン×さえない同僚。
これでもかというほどに王道で、良くも悪くもさらりとしている。
メガネとファッションを変えたら超美形のマイフェアレディごっことか。
王道だけど、逆にあんまり残らないかも。


裏金調査という名目と、ラストのオチはちゃんと決まっていて、物語としての完成度は高いと思います。が、いかんせんキレイに決まり過ぎちゃってるのも読み流せちゃう原因の一つかもしれません。


愛してるって言われても (白泉社花丸文庫)/バーバラ片桐

¥580
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作:月宮零時
イラスト:砧菜々
海王社(ガッシュ文庫)
2009.5
超個人的評価:★★+☆☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


眼鏡屋店員の瑞穂は眼鏡の似合ういい男が好きな重度の眼鏡フェチ。
ある日接客した無個性な男はfaceless-manの通り名を持つ「眼鏡を変えると別人になる」探偵だった。
なじみのゲイバーで再会した男に声をかけると、男、高槻は自分の正体を見抜いた瑞穂に驚いてみせる。
浮気調査中の高槻に色仕掛けを仕掛ける瑞穂だったが、逆に高槻のテクにめろめろにされてしまい……


メガネを変えると別人になる探偵と、唯一彼の正体を見抜いたメガネフェチのメガネ屋の店員と。
全体的にライトでちょっとトンデモ気味。
気楽に楽しめばよいのではないかと。きっと深く考えたら負け。


主人公が常にテンション高めで、読んでいてちょっと疲れたかも(笑)
あとエロシーンの「…」と「・」と「、」の使い分けにちょっと違和感が。
一文の中に全部登場していたり、っていうかぶっちゃけ喘ぎ声が大変なことになってるのですが、これが月宮さんの持ち味なんだろうか。


主人公の同僚の眼鏡屋さんたちがなんかみんな乙女ゲーみたいな設定で、ちょっと面白かった。


あとがきの小説はいまいち眼鏡の表現には向いていないっていうのには同意。
眼鏡萌えってやっぱりビジュアルあってこそだと思う今日この頃です。


眼鏡屋と探偵 (ガッシュ文庫)/月宮 零時

¥590
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作:拓未司
宝島社
2008.1
超個人的評価:★☆☆☆☆

禁断のパンダ/拓未 司
¥1,365
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柴山幸太は神戸でビストロを営む料理人。
そんな幸太は妻の友人の結婚式で、新郎の祖父である中島翁と知り合いになる。
彼は人間離れした味覚を持つ有名な料理評論家だった。
その縁で幸太の料理に興味を持った中島は幸太のビストロを訪れた翌日、神戸ポートタワーで一つの遺体が発見された。それは新郎の父木下義明が営む会社の社員青山だった。さらには義明も失踪していたことがわかり……


確かに料理の描写はおいしそうだったけれど、それ以外は正直微妙。
これは何?ミステリ?警察小説?(っていうには色々つっこみどころもあるのだが)
捜査の末に犯人と結末がわかってふーんという感じ。


タイトルに絡んでくるパンダのくだりもかなり唐突だし、多分この手のオチを見たことがある人なら半分も読めばラストがわかると思う。
人物のキャラ立ちもいまいちというか、共感して読めるキャラクターが誰一人いなくて、正直中盤以降は読むのが辛かった。

作:崎谷はるひ
イラスト:志水ゆき
幻冬舎(ルチル文庫)
2008.9
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


カレシに売りをしてこいと言われた陸は、ヤバイ客に引っかかったところを風俗チェーン経営者の恭司に助けられた。
無知で純粋な陸にほだされた恭司は、自分だけに「仕事」をするように持ちかける。
そんな恭司の優しさに少しずつ惹かれていく陸だったが……


崎谷さんお得意のケナゲでお馬鹿な子受。
風俗チェーン経営者×売りをやろうとする子。
タチの悪いヒモ付きの陸は、本当の愛情を知らない不憫な子供。
そんな陸が恭司に甘やかされてとまどう様子がかわいくて切ない。

攻の恭司はなんだかんだいい人だった。

切なさ成分含有で、2cm近い厚さはダテじゃないエロスっぷりだった。
本編後の短編もエロスエロス。

ここまでくると逆にHなしで二人が幸せそうな場面が見たかったかもしれない。


甘い融点 (幻冬舎ルチル文庫)/崎谷 はるひ
¥650
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作:初野晴
講談社(講談社ノベルズ)
2009.5
超個人的評価:★★★+☆☆

トワイライト・ミュージアム (講談社ノベルス)/初野 晴
¥924
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天涯孤独の少年、勇介に血縁者が見つかった。
面会の日を恐れながらも待ちわびる彼の元に飛び込んできたのは、その大伯父、如月教授の訃報。
突然の知らせに呆然とする勇介だったが、彼の元には教授の遺産である博物館が残された。
博物館でありながら脳死患者とタイムトラベルの研究をする不思議なトワイライト・ミュージアム。
勇介は学芸員の枇杷とともに過酷な時間旅行に挑む!!


個性的なキャラクターと脳死からタイムトラベルの設定はおもしろかった。
ボーイミーツガールだったりミステリだったり時代物だったりSFだったり。
あっちこっちしつつも一応ちゃんとまとまってるのはすごい。
中盤以降の謎解きはちょっと強引かも。


シリーズものの一巻でしょ?と思うくらい大きく広がった世界観や、妙に多いサポートメンバーに、できたらシリーズ続けたい!!という作者の意気込みを感じた。
この設定、やり方によったらすごくおもしろくなりそうなんだけど。

続くといいね。

作:杉原理生
イラスト:山田ユギ
太陽図書(SHYノベルズ)
2008.12
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


姉の結婚式で理也は数年ぶりに従兄弟の高成と再会した。
高校に上がるまでとても仲のよかった二人だったが、ある時を境にぱたりと会うことがなくなった。
この再会をきっかけに二人の居心地のいい時間は再び始まるが、その中には言葉にならない曖昧な何かが潜んでいて……


従兄弟同士の淡い想いから始まった恋。
二人で共有した時間が丁寧に描かれていて、その暖かさと距離感にきゅんきゅんする。
ものすごい盛り上がりとかはないけれど、優しいお話でした。
ただちょっと淡々としすぎている感はあるので、好みは別れるかもしれないな。

恋の記憶 (SHYノベルズ)/杉原 理生

¥903
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作:万城目学
文藝春秋
2009.3
超個人的評価:★★★-☆☆

プリンセス・トヨトミ/万城目 学
¥1,650
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女の子になりたかった中学生の大輔はセーラー服を着て学校に行くことを決意した。
これっぽっちも似合わない格好に周囲の視線は冷たい。
教師には諭され、いじめっ子には目を付けられ、唯一幼馴染みの茶子だけが大輔を守ろうとする。
同じ頃、東京から会計検査院の3人組が大阪へやってきた。
彼らが挑む謎の団体OJOの正体とは?
そして大阪に隠された壮大な秘密が今あきらかになる……


ポイントポイントでは面白かったんだけど、全体を通して見ると個人的にはうーんでした。
設定もキャラクターも面白いんだけど、主人公が女装にこだわった理由が今一腑に落ちないし、ラスト付近でいきなり群像劇になるのには違和感が。


落としどころは親子の絆の壮大ないい話でした。
それはいいけど……うーん。

大きく風呂敷を広げた割にはそれだけ?というか。
きっとこの世界観自体を楽しむ話なんだろうなー。

作:山田たまき
イラスト:榎本
二見書房(シャレードパール文庫)
2008.2
超個人的評価:★★★☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


進学を機に上京してきた安斎は、安さを求めて「経世館」に引っ越した。
そこで出逢った鳴瀬は大物議員の息子でありながら週末はドラァグ・クイーンのアルバイトをしている変り者。
ショータイムで女装姿の鳴瀬から熱烈なキスをされてから、微妙に意識しはじめてしまう安斎だったが……


全体的にさらりとしていてちょっと盛り上がりに欠けるかも。
真面目な主人公が初めて出会った人種の同級生に振り回される話。


ドラァグ・クイーンというおもしろい題材を扱いながらも、それもさらっとなのがなんとももったいない。
女装が攻が自分でないものになるための手段っていうのはいいんだけど、もう一歩踏み込んで欲しかったかも。


お互いがなんとなく惹かれ逢うのはわかるんだけどそれが肉体関係まで行くにはちょっと尺が足りなかった気がします。急展開。


ゴールデン・アワーズ・ショウ (シャレードパール文庫)/山田たまき

¥500
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作:沙野風結子
イラスト:天城れの
笠倉出版社(クロスノベルズ)
2005.2
超個人的評価:★★★+☆☆


この本はBL(ボーイズラブ)です。苦手な方もしくは言葉の意味がわからない方は見ない方が良いかもしれません


たった一人孤独な生活を送る高校生の由羽の元に6年ぶりに異母兄の柊士が帰ってきた。
そして始まった甘い同居生活。
しかし由羽には柊士に言えない秘密があった。
高校の教師との関係、秘めた想い、そして。
甘やかな王子様のような柊士の見せた執着にとまどいを覚える由羽だったが……


そうかこれがヤンデレか。
思わずそうつぶやきたくなるお兄ちゃんの暴走っぷりでした。
兄弟の禁断愛と微妙な三角関係と壊れた父親。
色々フルコースにもかかわらずラストは思いの外さわやかで、もっとダークにもできただろうに踏みとどまった作者の優しさを感じました。

ここはよかった!!と言うべき所な気がするんだけど、安心したような物足りないようなちょっと複雑な気分。


二人きりの閉ざされた世界っていうのは永遠のドリームだよね。

そこに出口が用意されてしまったのが個人的に悲しいです。

や、綺麗にハッピーエンドなんだけどさ。


青の淫影 (CROSS NOVELS)/沙野 風結子
¥900
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作:木下祥
イラスト:田倉トヲル
中央公論社(C☆NOVELS)
2008.7
超個人的評価:★★-☆☆☆

マルゴの調停人 (C・NOVELSファンタジア)/木下 祥
¥945
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単身赴任中の父親に会うためアルゼンチンまでやってきた高校生のケン。
行きの飛行機で出逢った少年イサのせいで、彼の旅行、さらには人生に大きな転機を迎える。
今まで関わることさえなかった境界(マルゴ)の向こう側。
現実の裏側にすむ異形の彼らと交渉する能力を持った「調停人」の才能がケンにはあると言うのだが……


旅に出た少年が不思議と出逢って自分を知り将来を決める話、でいいのかな?
それにしては主人公の心境その他がちょっと後付けっぽい印象を受けました。

元々相容れない人と異形の諍いを治める「調停人」の設定とかはおもしろかったけれど、その不思議ファンタジーな話と主人公の成長物語がどっちも主張して結局どっちつかずになってしまっている感じ。
これだったらもっと主人公の葛藤とかを全面に押し出した方が読みやすかったかも。
イサとかノエルとか周りの人物が魅力的なだけにもったい気がする。